(ガシャン!)あうースミマセ〜ン花瓶割ってしまいました〜

 

_あっああ・・・お気になさらずに、すぐに片付けさせますんで。

 

いいえー、自分のミスは自分でなんとかしないとメイド頭のレコアさんに怒られちゃうんですー

 

_(レコアさんって誰だ?)それよりお名前とご職業を聞かせてもらえますか?

 

えーと、ロザミア・ユィリィって言います、プラザホテルのVIPルームで専属のメイドやってますー

 

 

 

「漆黒の戦神」アナザー
ロザミア・ユィリィの場合

 

 

 

 

 

_「彼」との馴れ初めについてなどお聞かせ願いますか?

 

(ポッ)そんな馴れ初めだなんて・・・、あの日の事は良く覚えてます。

 

ある日軍の偉い人がわたし達の街に査察の為にやってきたんです。
重要人物さんだったらしくてVIPルームのあるフロアを全部を借り切っちゃって・・・

 

それでわたし達専属のメイドも一生懸命お仕事していたんですけど、三日目にその偉い人の元に
お客様がいらっしゃったんです、金の髪と銀の髪のとても綺麗なお嬢様方で、
フロントのジェリドさんに聞いた話だと、その偉い人のお孫さんだったそうなんです
・・・っていけない!
わたしったらお客様のプライベートのことを勝手に話しちゃいけないって言われてるのに・・・

 

_まぁまぁ(笑)、それで「彼」はいつ現れたんですか?

 

えっと、そのお孫さん達が尋ねていらして少ししたら下の階の方が急に騒がしくなったんです、
私、気になってちょっと見に行ったんですよ、
そしたら黒服の人達が無線機片手にばたばた走り回ってて・・・
なにが起きたのかなーって階段から下の方を見ていたら黒服の人とぶつかっちゃって、
バランス崩して階段踏み外しちゃったんです。

 

「落ちる!」

 

そう思って見を硬くしてたんですけど、いつまでたっても衝撃がこないんです、
流石におかしいなと思って目を開けてみたらそこに「あの人」が居たんです。

 

「大丈夫かい?」

 

って私を抱きしめて優しく微笑んでくれて・・・
私ったらポーっとなっちゃってて、「あの人」が

 

「そろそろ立てるかい?」

 

って苦笑しながら聞いてくるまでずーっと胸の中に居たんです。

 

_それが「彼」との出会いだったと・・・

 

ハイ!その後「あの人」ったら私を突き飛ばした黒服の人に

 

「民間人を守るための軍人が、その民間人を階段から突き落として知らん振りとは大したものだ」

 

って猛然と抗議してくれて、背中ごしにしか見えなかったんですけど
黒服の人は跪いて謝ってたみたいです。
でも「あの人」に謝ってもねぇ、って思いません?

 

_(それはただ単に殴られて気絶していてだけじゃあ・・・(汗))そっそれから?

 

私そのときに足を挫いちゃってて歩けなくなってたんです、
そしたら「あの人」が私を抱き上げて安全なところまで連れていってくれたんです。

 

_いわゆる「お姫様抱っこ」というやつですね

 

ハイ! それでメイド用の控え室についた後、足の治療までしていただいてその上

 

「俺の所為で迷惑をかけたね、このおわびは必ずするから」

 

って、そのときは私「あの人」とこの時の騒ぎが関係あるって知らなかったんですけどね(笑)

 

_それでその後は?

 

そのときはそれっきりです、「あの人」は目的のVIPルームまで、
私はその場で事が終わるのをボーっと待ってました。
お蔭でサボってたって先輩のエマさんに怒られちゃいましたけどね。

 

でも次の日に「あの人」がたくさんのお花を持ってお見舞いに来てくれたんです。
その後にも何回か遊びに来てくれたし、お休みの日にもお家まで訪ねてきてくれて、
その上ご飯の世話までしてもらっちゃって・・・ 
「あの人」は

 

「怪我させちゃった責任もあるしね」

 

って笑ってましたけど。
結局2週間ほどして私の足の具合も良くなった頃に、
お仕事で別の土地に向かうからってさよならしたんです。

 

_「彼」とはそれっきり?

 

直接会うのはそれっきりですけど、今でも時々メールのやり取りはしてるんです。
私ってどじだから失敗とかも良くするんですけど、
「あの人」に慰めてもらうとすっごく元気が出るんです。
「あの人」もちゃんと真面目に相談にのってくれますし。

 

_ロザミアさんの元気の源ということですか

 

はい!! その通りです!!
でも・・・出来たら又、直接会ってお話したいなーって思うんです。

 

_そうですか、再会できると良いですね、本日はどうもありがとうございました。

 

 

 

民明書房刊「漆黒の戦神、その軌跡」5巻より抜粋

 

 

 

 

 

 

 

「おかしいな」

 

「おかしいですよね」

 

「おかしい、おかしいってどうかしたんですか?」

 

グラフのようなものが映し出されたウィンドウを眺めながら首を傾げるウリバタケとハーリー、
その二人の様子に首を傾げるジュン。

 

「おおジュンか、実は例のプロジェクトがだいぶ進展したからそろそろ分け前を
 と思って収支を計算してたんだがな」

 

「計算が合わないんです、どうしても支出の方が多すぎるんです」

 

「それってまさか誰かが使い込んでるって事かい!
 そういえば・・・」

 

何かを思い出すように頭を抱えるジュン。

 

「何か心当たりでもあるのか?」

 

「ええ。最近アカツキさんが妙に気前良いんです、
 生活班の娘や購買班の娘に高価そうなアクセサリーを渡しているところを良く見かけたり・・・」

 

「あっそういえば僕も見ました」

 

そう良いながらハーリーがいくつかのウィンドウを展開する、
そこには幾人かの女性と親しそうに話すアカツキが映っていた。

 

「おお、あれは最近、性格に難がある某同盟メンバーに代わって人気急上昇中の
 生活班所属サクラギ ユイちゃんじゃねーか」

 

「こっちは衛生班のカシワギ アカリさんだ」

 

「購買班のマキハラ コトリさんもいますね」

 

ウィンドウに映る女性達は皆楽しそうに話をしている。

 

「おのれアカツキ、組合の資金を使って抜け駆けとは、ハーリー、アカツキは今どこに居る、
 あの野郎に天誅をくれてやる!!」

 

オモイカネで艦内を捜索する。

 

「出ました、クリーニングルームでカシワギさんと楽しくおしゃべりしてます」

 

「よし行くぞジュン、ハーリー、裏切り者に正義の鉄拳をくらわせてやる」

 

「「オー!!」」

 

 

 

所変わってここはナデシコの洗濯物を一手に引き受けるクリーニングルーム
物静かな雰囲気と黄色いリボンが特徴のカシワギ アカリが歓談しているのは
元大関スケコマシの異名を取るアカツキ ナガレである。

 

「・・・そうそう、この間約束してたイヤリングが手に入ったんだ、もらってくれないかい?」

 

「でもそんな高価な物、本当にいただいても良いんですか?」

 

「いーのいーの、最近副業の方が順調でね、懐が暖かいんだよ」

 

「副業って何をされてるんですか」

 

「なーにちょっと出版業をね」

 

「「「やはり、そういうことか!!(ゼェゼェ、ハァハァ)」」」

 

全速力で駆けて来たため肩で息をしている、ウリバタケ、ジュン、ハーリー

 

「げっ、何で君達が・・・」

 

「資金横領の証拠は挙がってるんだ覚悟しろアカツキ」

 

「抜け駆けは卑怯ですよアカツキさん」

 

「何の事かな、僕には君達が何を言っているのか分からないよ」

 

陰険漫才を見つめるカシワギ アカリ
何を思いついたのかコミュニケをON

 

「ルリちゃん、丁度皆そろってるよ」

 

「ご苦労様ですアカリさん」

 

同時にクリーニングルームの扉が開き「妖精」のコードネームを持つ少女ホシノルリが入室してくる

 

「ようやく証拠をつかみました、まったくてこずらせてくれましたね。
 ハーリー君にしては良い仕事です(怒)」

 

「かっ、艦長・・・じゃなかったルリさん!!」

 

「何でルリルリがここに!?」

 

「ってゆーかアカリ君? 君今なにを・・・」

 

「ごめんなさいアカツキさん、しょうがなかったんです」

 

心底申し訳なさそうな顔で詫びるアカリ

 

「アカリさんはわたし達の協力者なんです、アカリさんこれ今回の報酬です、
 マイさんとコトリさんの分も入ってますので公平に分配してください」

 

懐から1通の封筒を取りだしアカリに手渡すルリ

 

「ありがとうルリちゃん、これがテンカワさんの料理を優先的に注文できるプラチナチケットなんだね、
 いつも艦長やルリちゃん達が独占してるからプレミアムがついてるのよねー」

 

封筒をしまうとアカツキに向き直る

 

「ごめんなさいそういう訳なんです、騙したみたいで心苦しいんだけど、
 テンカワさんの手料理には変えられないんです、本当にゴメンナサイ
 あっ後これお返しします、マイとコトリの分もありますから」

 

いくつもの貴金属を押し付け、謝罪の言葉とは裏腹に
スキップでもしそうな歩調で去って行くカシワギ アカリ

 

「・・・アカツキ」

 

「・・・なにも聞きたくない」

 

険悪な雰囲気は消え去り周囲に浮かぶ同情の空気、だがしかし

 

「さてお仕置きです」

 

ルリの一言はそんな空気をも消し去ってしまった。

 

「今回は散々てこずらせてくれたお礼に皆さんに別々のスペシャルコースを用意しました」

 

ルリの淡々とした口調が更なる恐怖をもたらす

 

「まずアオイさんには、ユリカさんコースを」

 

(ピッ)ウィンドウが開く、どうやらナデシコ食堂のようだ。

 

「ジュン君ユリカのお料理の味見をしてくれるんだって?
 アキトも他人に味を見てもらったほうが腕が上がるって言ってたし助かっちゃう」

 

だらだらと汗を流しながら硬直するジュン。

 

「ハーリー君にはユキさんコース」

 

(ピッ)ウィンドウの向こうにはピンクの照明がいかがわしいベットルームが映っている。

 

「ハーリー君、ようやく私のものになってくれる決心がついたのね、
 精一杯サービスしちゃう(はぁと)」

 

かつてのトラウマがよみがえり真っ白になるハーリー。

 

「ウリバタケさんにはレイナさんコース」

 

(ピッ)なにやら見なれない研究所のような部屋が映し出される。

 

「私ウリバタケ班長には前々から「ドリル」が似合うと思っていたんですよね、
 大丈夫、ちゃんとイネスさん謹製の人工淡白で出来た奴にしますから、右手が良いですか?
 それとも左手?
 あっ、いっそのこと「加速装置」とかも組み込んだ方がおもしろいかな?
 私、「人体改造」って始めてなんですよ、楽しみだなー」

 

とにかく逃げ場を探そうとおたおたするウリバタケ(クリーニングルームのドアはロックされている)

 

「そしてアカツキさんにはイネスさんコース」

 

(ピッ)いつもの医務室

 

「丁度言いタイミングだわ、いくつか試して見たい薬があったのよ」

 

「モッ、モルモット代わりならヤマダ君が居るじゃないかドクター」

 

何とか持ち直し反論を試みるアカツキ

 

「説明しましょ、実験とは比較対象が存在して始めてその効果が確認できるの、
 比較対象の条件は極力近しい事が望ましいわ、
 その点アカツキ君は同じパイロットでIFSも持ってる
 理想的な検体ということね。
 とくにヤマダ君の場合、常人とは体質が違うからこれで研究の方も進むわ」

 

反論を封じられ震えるアカツキ

 

「さっ、皆さん覚悟は良いですね、たっぷり楽しんでくださいね(はぁと)」

 

そう言う瑠璃の顔にはこれまでに見たことの無い妖艶な笑顔が浮かんでいたそうな。

 

 

 

 

「うぉーいアキトー差し入れだぞー」

 

(モガー!モガー!!)

 

「アン?、モガモガ言ってもわかんないって」

 

(モガー!!モガモガー!!)

 

「そーかそーか、とりあえず飯は食えそうにないと、まあがんばれや、んじゃあな」

 

ロープでぐるぐる巻きにされギャグ(口枷)までされた挙句
ハッチから逆さ釣りにされたまま垂れ下がるアキトであった

 

「モガモガー!!(訳:なんでいつもこうなるんだー!!)」

 

 

 

終わり

 

 

 

 

あとがき

 

とりあえず、書きかけのSSが詰まったんで息抜きにと書いてみましたが、
結局これで1日潰れてしまった(笑)

 

一応解説しておくと「漆黒の戦神」第3話の幕間劇といったところですか。
何かすっかり職業尽くしになってきた気がする・・・次は女教師かシスターあたりが良いかな?(爆)
ちなみに例によってアキトには意図して落とそうという気はありません、
あくまで怪我させたお詫びのご奉公です(笑)

 

それと3104さん、ユキさんお借りしました。(ペコリ)

 

それでは、このような駄文にお付き合いいただきどうもありがとうございました。

 

 

 

 

 

管理人の感想

 

 

黒貴宝さんからの投稿第五弾です!!

ついに来たかメイもの(笑)

しかも、名前が全員Zガ○ダム(爆)

フォ○はフォ○はどうしたんですか> 黒貴宝さん!!

彼女がいないと、カミー○が暴走しますよ!!(笑)

まあ、変わりにアキトが暴走してたけど。

けど、次は女教師にシスター?

う〜ん、面白そうな設定だな〜(爆)

 

それでは、黒貴宝さん投稿有り難う御座いました!!

 

感想のメールを出す時には、この 黒貴宝さん の名前をクリックして下さいね!!

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