運命の糸 

 

第二話 始まり

 

 

 

「父さん!母さん!」

 

子供がこっちに駆け寄ってくる

 

「おぉ、アキトか、どうした?」

 

走ってきたのは息子のアキトだった。

 

「どうしたじゃないよ!父さん達がいるところで爆発があって、それで、それで・・・」

「そうか・・・心配させたな」

「けど、大丈夫よ、お父さんもお母さんもケガなんかしてないから」

「うん」

 

泣きそうな顔だったアキトの表情が笑顔に変わった。

 

「あれ、この子は?」

 

アキトが少女に存在に気づいた。

 

「あ!そういえば名前聞いてなかったね」

「申し遅れました。私、HTX−003928 ミカゼといいます。」

 

HTX・・・・?まるでシリアルナンバーだな、もしかしてこの娘ロボットなんじゃぁ・・・

けど、まさかそんなことあるわけないよな〜

などと、俺が考えているとき、

 

ウ〜、ウ〜

 

と、消防車のサイレンの音が聞こえてきた。

 

「場所を変えましょう、此処にいるとなにかと面倒ですから」

「そうね・・・そうしましょう」

 

 

 

 

 

 

 

俺達は研究所を後にし、我家へと場所を移した。

少し、いやかなり失礼かとおもったが、

 

「単刀直入にいうけど、君は・・・もしかして、ロボットなのかい?」

「いいえ、違います。えっと話すと長くなるんですが、いいですか?」

「お願いするよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど、そういうことか」

 

今までの話を要約するとこうなる。

この娘、ミカゼはロボットではなく、火星極冠遺跡の管理AIが歴史を変えるために創った人工生命体らしい、

管理AIは火星の後継者というテロ集団が遺跡にミスマルユリカを翻訳機として無理やり組み込んだせいで、

ミスマルユリカが救出されるまでの間ずっと眠りについていたそうだ、

そして目が覚めた管理AIが責任を感じ歴史を変えるためミカゼを此処に送り込んだという訳だ。

 

「それで、これからどうするの?」

 

と、ミズホがいった。

 

「そうでうね、今のところ何も出来ませんし・・・」

「そうじゃなくて、住むところとかあるの?」

「あっ・・・ど、どうしよう・・・」

 

どうやらそこまで考えていなかったようだ。

う〜ん本当に行くあてもなさそうだし、ってあたりまえか・・・

助けてもらった恩もあるし、それにこれからのこともあるからなぁ

よしっ、決めた。

 

「ねぇ、もしよかったら君を家族として迎えたいんだけど、どうだい?」

「えっ、えぇぇぇ・・・そ、そんな・・・・」

「あら、いいじゃない、私は賛成よ」

 

と、ミズホが笑顔で答えた。

それからアキトも、

 

「俺もいいよ」

「だ、そうだ。どうするミカゼ?」

「私は人じゃないんですよ・・・・それでもいいんですか?」

「そんなこと、関係ないよ」

 

俺がそう答えるとミカゼは少し悩み、

 

「お願いします」

 

と、嬉しそうな表情をしていった

 

「よし、そうと決まればミカゼの戸籍とか作らないとな」

「そうね、それにお洋服とかも買わないと!」

 

おぉ、ミズホが燃えている・・・

こんなミズホを見るのはアキトが産まれたとき以来だな・・・

 

「さぁ、ミカゼ買い物に行きましょう」

「あ、あのっ、ミズホさん」

「違うでしょ、ミズホさんじゃなくて、お母さん!でしょ?」

 

ミカゼは一瞬驚いた顔をしたがすぐに

 

「はい、お母さん」

 

と、言い直した。

ミズホも満足そうな顔をしている。

 

「それじゃぁ、俺はお父さんだな、ちょっと言ってみてくれないか?」

「お父さん」

 

うん!いい!すごくいい!!

なんか娘は絶対に嫁にはやらん!!っていう父親の気持ちがわかるきがする・・・

と感動していると

 

「ねぇ、父さん俺はなんになるの?」

「え・・・・」

 

そうだよなぁ・・・アキトがお兄ちゃんか?

けど、どう考えたってミカゼのほうが精神年齢高いし大人っぽいからな・・・弟か?

 

「アキトは今日からお兄ちゃんになるのよ」

 

と、俺が悩んでいるとき、ミズホがいった。

 

「いい?ミカゼには、多分わからないことがいっぱいあると思うの、

だからそのときはミカゼの助けになってあげてね」

「うん!わかった!」

 

そうだよな、ミカゼはこの時代に来たばかりだし、不安もいっぱいあるんだろうな。

まったく、そんなことにも気がつかないなんてな、少し浮かれていたな・・・

 

「よし!頼んだぞ、お兄ちゃん!」

「任せてよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき、なのかな?

 

黒い月(以下、黒):はい、第二話をお送りしました。

タクミ(以下、タ):お、前回思いっきり初歩的なミスをかましたダメ作者じゃないか!

黒:うぅ、言い返せない・・・

タ:大丈夫だ!誰もお前に期待なんかしていないから!

黒:あんた、鬼ですか?

タ:「運命の糸」の主人公って、アキトとミカゼなんだろう?

黒:こいつ話をそらしやがった・・・ハァ、そうだけど?

タ:俺の視点しかないのはなぜ?

黒:あぁ、それなら理由は簡単!ミカゼ視点だとまだ書きにくいし、

かといってまだお子ちゃまのアキトの視点で書くのもなんだしね〜

タ:なるほど、つまり逃げたんだな・・・

黒:ごめんなさい・・・

 

 

 

代理人の感想

書いちゃえばいいのに(笑)。

まぁ、書いたところであまり変化は無いかもしれませんけども。