某所

数人の男達が作戦の最終確認を行っていた。


「いよいよだな。」


「うむ。」


「この作戦、絶対に成功させるぞ。」

 

 

 

 

機動戦艦ナデシコ≪確かな明日を≫

 

 

 

 

 

「それでは諸君、乾杯!


裏でそんなことが起ころうとしているのを露も知らずあるホテルでは

盛大なパーティーが行われていた。



ちなみに日付は7月7日である。

そうルリの誕生パーティーである。



メンバーは、サブロウタやハーリーといった現ナデシコクルーや

ミナト、ユリカ、メグミといった元ナデシコクルーと更には、

ネルガルの関係者、アララギとその部下まで来ていた。



ちなみに今進行役をやっているのは、忙しいはずの落ち目の会長であった。



会場はとてつもなく盛り上がっていた。

同人誌を売る者、ひたすらギャグを言う者、今までの出来事を説明する者、

電子の妖精について熱く語る者……………

まあそれもナデシコだからという理由で納得できる。






ルリの周りにもたくさんの人が押しかけている。


「ルリルリ、お誕生日おめでとう。」


「ルリちゃんおめでとう!」


「艦長!おめでとうございます。」


次々に掛けられる言葉にルリは一言ずつお礼をいっていた。

しかしその表情はあまりうれしいといった感じではない。



それに気づいたミナトたちが心配そうに声を掛けるがそのたびに

「大丈夫です。」と答えるだけだった。







そしてどれくらいの時間が過ぎたのか、それは唐突にやってきた。

いきなり会場の中心部から、大音量のゲキガンガー音頭が流れ出す。

全員が振り向いたその中心に光が集まってくる。


「これは、………!?生体ボソンジャンプか!」

ゴートが叫びながら懐の銃に手を掛ける。



光の中から現れたのは、網笠をかぶった9人の男たちだった。

そしてリーダーらしき男がしゃべる。


「我々は、火星の後継者だ!」


それを聞いた瞬間にゴートの銃がうなりをあげる。

サブロウタもブラスターを放つ。

しかし、放った弾は見えない壁にはじかれた。


「個人用のディストーションフィールドだと?!」


「散れ!!」


ゴートが叫び、サブロウタが言い放つ。

その言葉にすぐ反応するところはさすがナデシコといったところだろう。



「私の名は草壁総一郎、草壁春樹の弟だ。貴様達を葬り去り、

今度こそ我々火星の後継者は世界を手にするのだ!」

口上を述べた“自称火星の後継者”が襲いかかろうとしたとき、

いきなり会場の電気が落ちた。そして発砲の音が響く。




暗闇の中で音と悲鳴だけが響き、どこで何が起こっているか

まったくわからない状況だった。むやみに銃を撃てば同士討ちになる。

それがわかっているためにナデシコクルーは不利といえる。







長く続いた停電が回復した。しかしそこには最早男達の姿はなかった。


「逃げたか。」


「とりあえず何とかなったか。」


「みんな無事か!」


戦いが終わったことに対して安堵していたそのとき!



「ルリルリ! しっかりしてルリルリ?!」


「艦長!艦長?!」


声がしたほうに皆が急いで集まる。

そこには変わり果てた姿のルリが居た。



銀色の髪と白いパーティードレスを赤く染めて

ミナトの胸の中で眠っていた。

それを見たイネスはすばやく近寄り、ルリの状態を調べ始めた。

右手を取り、手際よく胸、瞳孔反射、傷口、出血量などを調べ、

そしてがっくりと頭を垂れてしまった。




イネスのその行動によりいくつもの悲鳴を産み、涙を流した。











この日、世界中が揺れた。








あとがき

すごい物語になってしまった。

ルリは死んでしまうし、火星の後継者は出てくるし。



しかし、これはすべて本当なのか。

真実は・・・・・・・・次回を待て!




ヒント:「御都合主義も大変よね。」