機動戦艦ナデシコ

 

皇子と修羅と超能力者と

 

 

第一話

 

〈ここではないどこかへ……〉

 


 

 

 

 

 

  翌日……

 

 

 

「ん?……ここは……そうかユーチャリスじゃなかったな」

 アキトは目を覚ますと視覚補正用のバイザーをつけベッドから降りると部屋にある洗面台に向かった。

 部屋は結構広くシャワールームまで備え付けてあった。

 とりあえず顔を洗い部屋を出る。

「さて……昨日の部屋はどっちだったかな?」

 部屋を出てアキトは周りを見渡し呟きながら歩き出した。

 

 

 


 

「あ、おはようございます。 遅かったですね」

「食事中だったか……しかし凄いな」

「うう……久しぶりの飯だ」

 アキトが昨日集まった部屋に着くとシンが朝食をとっていた。

 それはここにあるもの全てを喰らいつくす勢いで凄い勢いで食べていた。

 見ていて胸焼けを起こしそうだ。

「しかし保存食品だからあんまり味は期待してなかったが結構いけるな」

 いったん手を止めて一息つく。

「ここに結構いたからねぇ……いつも同じだと飽きるから色々と試したんだよ」

「むぐ……なるほど」

 リョウトは苦笑しながら自分の分を作り始める。

「テンカワさんは食べます? 保存食品に少し手を加えただけですけど」

「……手は加えなくていい」

「それでいいんですか?」

「ああ……どうせ味なんてわからないしな……」

「えっそれはどういう……」

「……いやなんでもない」

 そういってアキトは少しうらやましそうにシンを見た後部屋から出て行った。

 

 

 

 

 

「たしかここだったな……ルリちゃん起きてる?」

 アキトは扉の前に立ちドアをノックする。

 ノックして呼ぶと部屋からルリの声が返ってきた。

「アキトさんですか?ちょっと待ってください」

 その言葉に従って少し待つ。

「あ……キャッ!」

「!! ルリちゃん!」

  突如中から大きな声が聞こえアキトは慌ててドアを開ける。

「…………あ」

「…………う」

 部屋に入ったアキトはすぐにルリと目が合い固まった。

 風呂上りだったのだろうかルリの長い髪はあげて頭にはタオルが巻いてあった。

 そして……転んだのだろうか入り口の方を向いて四つんばいになっていた。

 一応タオルが落ちないように手で胸元を押さえて…………つまり服は着ていない状態であった。

 さて……女性がこんな状態をみられた時にとる行動は大きく分けて三つぐらいだろう。

 そして彼女もご多分に漏れずその中でも多くの女性が取る行動をとった。

 つまり……

「……キャァァァァァァ!!!」

「うわぁぁぁぁぁぁ!!?ルリちゃんごめん!!」

  ドアを蹴破らんばかりの勢いでアキトは部屋から飛びだした。

 

 

 

 

 

  五分後……

 

 

 

 顔を赤くしたルリが部屋から出てきた。

「ルリちゃん……その、なんていうか……ごめん!」

「…………」

 しかしルリはアキトの言葉に答えず下を向いて黙っている。

「ルリちゃん…本当に悪く思ってるから…なんでもするから許してくれないかな?」

 アキトはルリの目の前で手を合わせて何度も頭を下げる。

 そのまま土下座でもしかねないくらいである。

「……わかりました」

「ほんと!? ありがとうルリちゃん!」

 ルリの手をとって感謝するアキト。

 その行動にルリは少し顔を赤らめる。

「ん?……ああ! ごめん!」

「あ……」

 そういってアキトは握っていた急いで手を離した。

 手を離すときに少しルリが名残惜しそうな表情を浮かべたがアキトは気づかなかった。

「そういえばなんか私に何か用があったんですか?」

「ああ朝食が出来てるから食べないかって」

「そうですね食べましょう。アキトさんも食べるんですか?」

「……ああ一応ね」

 

 

 

 

 

「ふぅ食った食った」

「……いや食べすぎだと思うよ」

「そんなこと言ったってここしばらく何も食べてなかったからなぁ」

 二人とも朝食を終えたようで食後のお茶をのんびりと飲んでいた。

 かなり食べたようでシンの目の前には十数枚の皿が重ねられていた。

 リョウトもさすがに少し呆れていた。

 そこにアキトがルリをつれて戻ってきた。

「あ、ホシノさんおはよう」

「おはようございます」

「アキトさんとりあえず用意しましたけどあれでいいんですか?」

 リョウトが視線を向けた先には袋に入ったままの食料があった。

「ああ…悪いが一人で食べさせてもらう」

 そういうとアキトはいくつかの食料を手にして部屋から出て行った。

「……アキトさん」

その後ろ姿をルリが見送っていた。

 

 

 

 

 

「ホシノさんちょっといい?」

「なんですか?」

 食べ終わった後にお茶を飲んでいるルリにリョウトが尋ねる。

「テンカワさんだけどどうかしたの?」

「なんでですか?」

「シンが食事してるのをうらやましそうに見てたような気がするんだけど?」

「!! それは……」

 リョウトの質問にルリは俯いて口篭る。

(アキトさんやっぱりまだ……)

「……言いたくないんならいいけど」

「……すみません」

「いや謝らなくてもいいよ。

 でも何かあったら相談してくれない?」

「はい」

 そういってルリはまたお茶を一口飲んだ。

 ちなみにシンはお茶を飲んだあと少し離れた所にある椅子に座っていた。

 そしてルリがお茶を飲み終わるとゆっくりと身を起こし立ち上がった。

「リョウトちょっといいか?」

「かまわないけどどうかした?」

「いやなにちょっと歩きたくてな。

 ついでにここら辺を案内してくれないか?」

「まぁいいけど。 といってもここら辺には跡地しかないよ。

 機動兵器開発所跡やらナノマシン研究所跡とか」

 そういいながらリョウトは立ち上がりドアに向かおうとした。

「!! ちょっと待ってください!

 私もついていってもいいですか?」

 ルリがすぐに立ち上がりリョウトのほうに駆け寄る。

「う、うん。別にいいけど」

(ナノマシン研究所……もしかしたらアキトさんの五感を治すナノマシンがあるかもしれない……)

「じゃあいこうか。

 ここからはあまり離れてないからすぐにつくと思うよ」

 そして三人は部屋を後にした。

 

 

 

 

「ここがナノマシン研究所跡か」

 三人の目の前には少し崩れた大きな建物があった。

 彼らは起動兵器開発所跡に寄った後にここに訪れていた。

 といっても機動兵器開発所はほとんど壊れていたため入ることは出来なかったのだが。

「うんそうだよ。 でどうする?」

「すみません中に入っても大丈夫ですか?」

「ああ大丈夫だよ」

 三人は少し崩れている建物の中に入っていった。

 

 

 

 

 

「ここはあんまり滅茶苦茶になってないんだな。

 さっきの機動兵器開発所なんかはほとんど壊れていたのに」

 研究所内部はそんなに崩れてはいなかった。

 とはいうもの中には瓦礫が少し散乱しているので避けながら歩いていた。

「ヒカワさん、ここにどんなナノマシンがあるのかわかりませんか?」

「う〜ん……調べないとわからないかな。

  確か所長室にまだ壊れていないコンピュータがあったからそれを調べてみよう」

  そういうとリョウトは右にある通路に向かって歩き出した。

「ところでナノマシンってなんなんだ?」

「ナノマシンというのはですね……」

 後ろについてきているルリは所長室につくまでシンにナノマシンの説明をしていた。

 

 

 

 

 しばらく廊下を進むと奥のほうに一つの扉が見えてきた。

「お、ここだここだ」

 扉をゆっくりと開け三人は中へと入る。

 所長室についたリョウトは奥の椅子に座ると目の前の機械を操作しながらルリに尋ねる。

「ここが所長室だけどホシノさんは何を調べたいんだい?」

「体からナノマシンを排除するナノマシンってありますか?」

「えっと……ちょっと待ってね」

 何故ルリはそんなナノマシンがほしいと思ったのか。

 それはここに来る前にイネスから聞いた話が関係している。

 

 

 

 

 

 火星の後継者の事件の後ルリはネルガルに来ていた。

 ネルガルがアキトに手を貸していたことは分かっていたので説得して戻ってきてもらおうと思ったのだ。

 会長室にいたアカツキと交渉(脅迫)してアキトが何処に言ったか聞きだそうとした。

 しかしアカツキにもアキトが何処にいるか分からないとのことだった。

 結局アキトが何処にいるかは分からなかったが代わりにイネスと会うことが出来た。

「イネスさんアキトさんを治す方法はないんですか?」

「……悔しいけど今の段階では無理としかいえないわ」

 イネスならば治せるのはではないか……そう思っていたルリはその一言で落胆した。 

「そんな……手術では取り除けないんですか?」

「お兄ちゃんに入ってる遺跡のナノマシンは脳の奥深くに入れられているの。

 手術で取り除くのはまず無理……でも何年かかってもお兄ちゃんを治して見せるわ」

 落胆しているルリを目の前に彼女は淡々と話し始める。

「ナノマシンがどういう風に働いているのか……まずはそれを調べることからはじめないと。

 それからあなたにも協力してほしいんだけどいいかしら?」

「なんでしょうか?」

「お兄ちゃんに行われた実験のデータを探してほしいの。

 それがあれば治せるかもしれないから」

「わかりました」

「さて……これから私はもう一つの方法をやってみるわ」

「もう一つの方法?」

「ええ、それはナノマシンを体内から除去する働きを持ったナノマシン……

 アンチナノマシンとでもいおうかしら。

 それを開発できればデータが無くても治すことが出来るかもしれないから」

 そういってイネスは部屋から出て行った。

 ルリは少しの間座ったままだったがやがて立ち上がって部屋を後にした。

 

 

 なお、この日の夜ネット上に某巨大企業会長のプライベートファイルの一部が流れたというのはどうでもいい余談である。
 

 

 

 

 

 

 

 

 しばらくリョウトは端末を操作していたがやがて顔を上げた。

「あ……これかな?」

「どれですか!?」

「うわ!? 押さないでください!」

 リョウトを押しのけて画面を見てみるとそこには一つのデータが表示されていた。

「これが……何処にあるんですか!?」

「ちょ、ちょっと待ってください……ああすぐ近くですね」

 ルリは少しの間画面を見ていたがやがて顔を上げた。

「……ヒカワさん、このナノマシンもらってもいいですか?」

「ん?使う人もいないから別にいいですよ。じゃあ今からとりに行ってきます」

 そういってリョウトは部屋を後にした。

 

 

 

 

 

すでにリョウトが出て行ってから十五分あまりが経過していた。

ルリは待ちきれないのか部屋の中を動物園の熊のように徘徊していた。

「遅いですね……」

「まぁそう焦っても仕方ないだろ。 もう少し待ってみたほうが……っと、来たみたいだな」

シンが喋り終わると同時にドアが開きリョウトが戻ってきた。

「すみません遅くなりました」

「いえ、それで……」

「はい、これですね」

そういってリョウトは注射器を差し出す。

「……ありがとうございます! これでアキトさんも……失礼します!!」

「あ、ちょっと!?」 

ルリは戻ってきたリョウトからそれを受け取るとすぐに部屋を飛び出していった。

 

 

 

 

「ダッシュ……どうだ?」

機体に入ったアキトがダッシュに話しかける。

【装甲にかなりの損傷があります。装甲は捨てていったほうがいいですね】

「やはりか……パーツは捨てていくか」

アキトは部屋で味気ない食事を終えた後自分の機体を整備していた。

【これからどうするんですか?】

「帰る方法を見つける。 ルリちゃんを元の世界に返さないとな」

【そうですね】

 そうダッシュとやり取りしながら頭の中では違うことを考えていた。

 頭に浮かぶのはさっき見た美味そうに朝食をとるシンの姿……

(もし俺がまだ屋台をやっていたら沢山の人にあんな顔をさせることができたかな……いや、いまさらだな……)

 

 

 

 

 

…マ……タ…………マスター!?マスター!?】

「………ん? ああどうした?」

【どうしたじゃないですよ! いきなり黙り込んで】

「すまん。でなんだ?」

【まったくもう……ルリさんがこっちに来ます】

「ルリちゃんが?」

コクピットから身を乗り出すとルリが走ってくるのが見えた。

ルリはアキトのことを確認するとさらにスピードを上げサレナの足元で止まった。

「ハァ…ハァ……ここにいたんですか」

「ルリちゃんどうしたの?」

「実はですね……」

そういってルリは手に持ったアンチナノマシンの説明を始めた。

 

 

 

 

 

 

「ふぅ……」

 コクピットの中アキトは一人呟く。

「元に戻れる…か」

 アンチナノマシンの説明を終えたルリはすぐにでもアキトに使う気だったのだがアキトがそれを止めた。

 そして『色々考えたいから一人にしてくれないか』といってコクピットにもぐりこんだ。

 しばらく目を閉じていたがやがて目を開いて

「なぁ…どうしたらいいと思う?」

【それを私に聞きますか?】

 アキトの目の前にダッシュが反応する。

「……確かに元に戻りたいとは思うんだ……でも」

 そこでいったんアキトは口を切った。

「…でもな心のどこかで声がするんだ。

『罪の無い多くの人々の未来を奪ったお前が自分だけ未来を掴むのか』ってな…」

 そういって口を閉じる。

【マスター……】

「……なぁ…どうすればいいのかな…俺は……」

 

 

 

 

 

 

「すまんな愚痴みたいになってしまって」

【いえ…】

「まぁもう少し考えてみるよ」

そういってアキトはコクピットから出ようとする。

【マスタ……ちょっといいですか?】

「なんだ?」

【エステバリスは何で動かしていますか?】

「IFSだろう?」

【ではIFSとはなんですか?】

「image Feedback System……体内にナノマシンを注射し補助脳を形成。

 それによって自分の意思を機械に反映させるシステム……だったな」

【で、アンチナノマシンというのは体から全てのナノマシンを排除するといいましたね】

「そうらしいが……それがどうかしたのか?」

 

 

 

 

 

 

【IFSをなくしてどうやって機体を動かすんですか?】

「あ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結局アキトはアンチナノマシンを使うのをやめることにしてルリにもそのことを伝えた。

ルリは凄い剣幕で理由を求めたがIFSのことを話すと自分でも気づいていなかったのか顔を真っ赤にしてしまった。

その後にルリが数時間かけて説得した結果元の世界に戻れたら使うことにした。

「さてこれからのことを話しましょうか」

「これからのことか?」

アキト達は四人でまた部屋に集まっていた。

「ええまず重要な問題があるんです」

「問題…ですか?」

「なんだ?」

アキトとリョウトは首を傾げながら何のことか考えていた。

「ええ……食糧が少ないんです」

「…それは重要だな」

 ルリが走り去ったあとリョウトとシンは食糧庫にいき残りの食糧を数えていた。

「俺とリョウトで調べた結果四人で分けるとだいたい一ヶ月ぐらいの量しかない」

「じゃあどうするか…この星でほかの食糧があるか探すか?」

「それも手ではあるんですが…現実的には厳しいです」

「じゃあどうするんだ?」

「……あんまりすすめられないんですが……一つ手があります」

 

 

 

 

 

 リョウトが出した案というのは修理できた転移装置を使いここから移動するというものだった。

 リョウトはこの二年間で生き残っている機械を調べていた。

 そして自分を元の場所に戻るためにある機械……転送装置の修理をしていたという。

 しかし移動するために必要なエネルギーは一回分しか溜まっていないという。

 そこで全員でリョウトがいた地球に戻ろうと決めた。

 

 

 

 

 

数日後……

 

 

アキト達はそれぞれの機体に乗ってリョウトが修理した施設に向かっていた。

「…狭いな」

「仕方ないよ。 PTっていうのは基本的に一人乗りなんだから」

 シンだけは機体が無いのでリョウトの機体に一緒に搭乗することにしていた。

「でもこうも狭いとなぁ…」

「なら施設まで走った方が良かった?」

「……我慢します」

 文句を言うシンを速攻で撃沈するリョウト。

「ダッシュ…どうだ?」

【問題ありません。 もったいないけど追加装甲をはずして正解でした】

 アキトの機体は追加装甲をはずして普通のエステバリスになっている。

 火星の後継者との戦いで追加装甲はボロボロになってしまっていた。

「しかしバッテリーが持つか問題だな……ヒカワ、その施設は何処にあるんだ?」

「えーっと、あの前方に見えるあの建物です」

前を見てみるとリョウトのいうとおり大きい建物がかすかに見えてきた。

「ん? あれって俺が倒れていた場所か?」

「そうだよ。 あと少しで着くね」

その言葉どおり五分もしないうちに施設にたどり着いた。

 

 

 

 

 

施設に入ったアキト達はリョウトの先導で広い部屋に来ていた。

「これからどうするんですか?」

「やることはほとんど終わってるから後は中央にあるスイッチを押すだけです」

そういいながらリョウトが部屋の中央にあるスイッチに手をかける。

「じゃあ……いきますよ」

そういってリョウトがスイッチをゆっくり押す。

その途端部屋中が虹色の光に包まれていく。

 

 

 

 

(……あの時のボソンジャンプに似ているな)

 虹色の光に包まれていくなかアキトはじぶんがここに来る羽目になったことを思い出していた。

(……ボソンジャンプ……俺はあれで人生を狂わされた……もしあの時に……ナデシコ……)

 

 

 

 

 

 そして光が収まった後は何も残っていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 頭を押さえながらアキトはゆっくりと目を開ける。

「う……成功したのか?」

【わかりませんがどこかに転移したのは確実ですよ】

「そうなのかダッシュ?」

【だって辺りの様子が全然違いますし洞窟みたいですよ】

「洞窟?」

【見てみます?】

 ダッシュがウィンドウが閉じると同時にコクピット内に辺りの様子を映し出す。

 辺りは薄暗く目の前の壁には岩肌が見える。

「ルリちゃんたちは無事なのか?」

【ルリさん達でしたら後ろの方にいますよ】

 後ろを確認するとルリとリョウトの機体がそれぞれ片膝をついて佇んでいた。

 アキトのエステは立ち上がるとゆっくりとルリのエステに近づき揺らし始める。

「ぅ……アキトさん?」

「ルリちゃん大丈夫?」

「……はい」

「よかった……さてあいつらは……」

「……起きてるよ」

「……ここは?」

 アキトが揺らす前にマークVから返事が来る。

 隣に佇んでいたマークVが立ち上がる。

「無事だったか……とりあえず外に出てみないか?」

 

 

 

 

 

 洞窟から出るとあたりは闇に包まれていた。

 時折野鳥のものと思われる鳴き声が辺りにこだまする。

 洞窟からでてそれぞれの機体から降り四人は集まる。

「さて……どうしたものか?」

「とりあえず此処が何処かわかるといいんだけどね」

 その時一陣の風が吹きなにかが飛んできた。

 それはちょうどルリの目の前に落ちる。

「なんでしょう?」

 飛んできたものを広げてみるとそれは新聞だった。

 ルリはそれに目を通してみる。

「え〜と…………木星蜥蜴ヨーロッパ襲撃……!!??」

「ル……ルリちゃんその新聞の日付は…?」

 震える声でアキトがルリに問いかける。

「……2196年です……」

「…………」

 ルリの答えに絶句するアキト。

 ルリも自分で言ったことが信じられず目を白黒させている。

「テンカワさん、ホシノさんどうしました?」

「なにかあったのか?」

二人の問いにもこたえず固まる二人……

一瞬の間があって……

 

 

 

 

 

 

「……なんじゃとてぇぇぇぇぇ!!??」

 

 

 

 

 

 

辺りを震えさせるほどの声でアキトが叫びだす。

 

 

 

 

 

「ど、どどどどどういうことですか!!??」

「おおおお落ち着いてルリちゃん!

 こ、こういう時は掌に『人』と書いて飲み込めば落ち着くって…」

「ははははい……ええっと『人』『入』『入』……」

「ホシノさん! 二回目から『入』になってますよ!?」

「いやその前に手の甲に書いているところを突っ込めよ!」

 

 

 

 

 ………大丈夫だろうか?

 

 

 

 


 

 

 

 

 

   作者:あー死ぬかと思った。

リョウト:なんで生きてるの? 普通あれだけ穴だらけになったら死んでると思うけど。

   作者:ふっ! 私にはギャグ属性がついているからな!

リョウト:……自分で言ってむなしくない?

   作者:…………ちょっとな。

リョウト:それにしても食糧がなくなったって無理矢理過ぎない?

   作者:うーむ、やっぱりそう思うか?

リョウト:どっかの無人島でサバイバルしてんじゃないんだからそれなりにあると思うけど。

   作者:しかしなぁ、戦争で滅んだんだから保存食品とかもほとんど焼けたり瓦礫に潰されてると思うんだが。

リョウト:うーん、そういう考え方もあるか。

   作者:そういうことだ。

リョウト:あ、そういえばホシノさんから伝言があったよ。

   作者:ん? なんだ?

リョウト:『私とアキトさんはラブラブにしてくれるんですよね?』っていってたよ。

   作者:あー……予定は未定ってことで。

リョウト:……いいのかな?

   作者:いいのいいの。 

リョウト:本当に?

  作者:大丈夫大丈夫。

リョウト:後悔しない?

   作者:しつこいね君も。 大体彼女にはハーリー君という (ドボォ!) 

           ギャフンッ!? この背中に走る痛みは何? 何が起こったの!? 

    ルリ:何ぶっこいてんでしょうこの男は? 馬鹿なこと言ってるとこのハンマーで殴りますよ。

   作者:もう殴っとるやん!

    ルリ:だいたいハーリー君はただの奴隷です。 それ以外何者でもありませんよ。

   作者:ひ、ひっでぇ。 弟ですらないのか。

    ルリ:さて……あなたには三つの選択肢があります。

         @死 A殺 B斬首 さあどれにします?

  作者:い、生き残れるのは!?

    ルリ:ありません。 愚かな発言を悔やみなさい。 

   作者:ヘ、ヘルプでミィィィィィーーーー!         

 

 

 

 

ズルズルズルズルズル…………(引き摺られていく作者)

 

 

 

 

 

リョウト:だからいったのに……あ、それではまた次回お会いしましょう……つーかヘルプでミーってなんだろう?

 

 

 

 

 

感想代理人プロフィール

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代理人の感想

うーん。やっぱり、以前の展開のリプレイを見せられてるようにしか思えません。

細かいところはいろいろ変わっているのかもしれませんが・・・