・ ・ ・ どがぁぁっ! ・ ・ ・ 

「? プロスさん」

【ピースサウザンド】の中心区画、此処が船の中だと言われても信じられないほど豪華なつくりの一室から、鈴の音のような声が聞こえてきた

「これは、どうかなさいましたかな?」

その声に反応してメガネにチョビ髭、赤いベストと言う一見セールスマン風の男が出て来る

「先ほどから何か音がしているようなのですが?」

小首をかしげながら少女は男―プロスペクター―を見上げる

「いやいやいや、どうやら波が少し荒いようで、その音ではないでしょうか」

どこか人を喰ったような笑みを浮かべながらプロスは答える

「 ・ ・ ・ 波 ですか?」

どこか納得がいかないような表情を浮かべるが、疑う理由もない

「心配なさらずともこの【ピースサウザンド】多少の波ではビクともしませんっ

 いえ、たとえ嵐の中に突入しようとも中は絶対安全安定ですっハイ」

「そうですか」

ウソを隠す為に多少オーバーに表現するが、少女の方はそう気にしていないようだ

その様子をみて、プロスは気づかれないように息をつく

『いやはや、それにしても【ピースサウザンド】に仕掛けてくるとは ・ ・ ・ 

 今回の姫様の輿入れがそんなに気に入らなかったのでしょうかね』

今も攻撃を仕掛けてきている敵船、海賊の振りはしているがただの海賊船では無いだろう

並みの海賊船では【ピースサウザンド】に追いつくことは出来ない、ましてや分厚い魔導障壁を貫いて船体に魔導弾を当てる事など不可能だ

『追撃船は巡洋戦艦クラス ・ ・ ・ ですかね?

 何処の国かは知れませんが思い切ったことをするものですな』

ピースランド第2王女付き執事であるプロスには、この襲撃がピースランドとネルガル帝国との結びつきが強くなることを恐れたモノ(国)の仕業である事は容易に想像がついた

そしてそれが何処の国かも予想は出来たが、それよりも今はどうやってこの場を逃げ切るかどうかの方が重要だ

『 ・ ・ ・ 無理でしょうなぁ』

いくら船長がやり手でも無武装船で戦闘艦の相手などできる筈もない

が、王女付き執事であるプロスに出来る事は何とか振り切ってくれることを願う事ぐらいであった

 ・ ・ ・ ずぅぅぅんっ! ・ ・ ・ 

「? やはり何か音が ・ ・ ・ 」

「はっはっはっ 大波のようですなぁ」

「はぁ そうなんですか?」

耐震、防音構造の中心部には攻撃の音もほとんど響かない

 

 

 

 

 

機動戦艦ナデシコ ファンタジーストーリー

『Welsh』

第2章

The princess of Lapis−lazuli

 

第4話 『強襲』

 

 

 

 

 

「総帆、絞帆っ」

サイゾウさんの号令元に船員達が忙しそうに走り回りだす

「近づかないとダメなのになんで帆を畳むのかな?」

「さぁ、だけど船長が任せろって言っているんだから任せればいいわ、

 それより貴方達も準備した方がいいわよ」

「準備って言われてもオレはする事ないんですけど」

なんたって常に鎧と刀(黒百合)装備してるからなぁ

「アキトくんにはなくてもユキナちゃんにはあるみたいよ」

「ん?」

見るとユキナちゃんがバックの中から取り出した幾つかの金属棒を組み立てている

「ふんふんふ〜〜ん♪」

手馴れた手つきで組み立てていってるけど、棍棒か何かかな?

「かんせー」

組みあがった『それ』は、もしかして ・ ・ ・ 

シャリィィィィン

ビクゥゥゥッ!!

と、とりはだがぁぁぁぁぁっ!!

お、落ち着けっ落ち着けっ此処に北辰はいないんだっ

「う〜ん、いつもながら涼しげで良い響き」

機嫌よさそうに振るってるのは、やっぱり錫杖だよな

 ・ ・ ・ 

いや別に『錫杖』自体が悪い訳じゃないんだ、うん装備としてあってもおかしくないんだし

 ・ ・ ・ 

 ・ ・ ・ 

いかん、どうしても北辰の顔がぁぁぁ 負の感情がぁぁぁ

「どうしたのアキトくん」

「い、いえ 何でもないです」

「そう?なんか顔色悪いけど」

と、取り敢えずこの感情は海賊に向けることにしよう、うん

 

 

「絞帆終了しあしたっ」

「次はマストだっ急げよっ」

「「「「アイサーッ」」」」

マスト? マストをどうするんだ ・ ・ ・ へ?

「うわぁ 折畳式のマストなんて始めて見たぁ」

2本とも三つ折り状態に収納された、どうなってんだこの船?

「安定翼展開っ」

「「「「サーッ」」」」

ガゴンッガゴンッ

「あらま、舷側から翼が生えたわよ」

 ・ ・ ・ 

「水中翼出せっ」

「「「「サーッ」」」」

ゴォンッゴォンッ

「ねぇアキト、船の下のほうで音がしなかった?」

 ・ ・ ・ やな予感が

「よぉぉしっ 超魔導推進機関に切り替えろっ」

「「「「アイアイサーッ」」」」

「「「超魔導推進んん?」」」

ゴォォォォウン

「ルーンジェネレータッ発動!!」

シュイイイイイイイイイィィィィィ

「エーテルリアクター出力全開!!」

 

「トレジャーシップ『雪谷』発進!!」

ドバアアアアアァァァァァァァァアァァァッ!!

「きゃぁぁー!」

「な、何なのよぉ!!」

「! 危ないっ」

ゴスンッ

いきなりの急加速に耐え切れず吹っ飛びかけたユキナちゃんの腕を掴み手摺にしがみつく、

 ・ ・ ・ ? ゴスンッ?

「あ」

シエルの事忘れてた ・ ・ ・ 気絶したままだっけ?

船尾のマスト(折畳み済み)に頭からぶつかってる ・ ・ ・ 

「シエルけーれんしてるみたいだけどほおって置いて大丈夫かな?」

いや、全然大丈夫じゃないと思うけんだど

「こんな高速航行中にシエルの所まで行ける自信があるなら手当てしに行ってみればいいわ」

「「無理だな(ね)」」

マントにしがみ付いているイネスさんの言葉に即座に言い返す、下手に動いたらシエルの二の舞になるだけだし

「 ・ ・ ・ 仕方ない、乗り移ったあとでサイゾウさん達に手当てしてもらおう」

「そうね、それが妥当な所かしら?」

「 ・ ・ ・ それまでもつかなぁ?」

 

 

 

 

 

「【ピースサウザンド】の35%を制圧ッ」

「機関室、及び通信室の制圧完了ッ」

「制圧部隊、引き続き抵抗勢力を排除しつつ進攻中ッ」

「ダーハッハッハッハーッ 弱いっ弱すぎるっ いくら悪に染まったとはいえそれでも王都の騎士団かっ」

海賊船の艦橋部で船長らしき男が盛大に騒いでいた

が、彼は【ピースサウザンド】に騎士の1人すら乗っていないことをまだ知らない。

「このまま行けば当初の予定よりかなり早く制圧できそうだな」

「ふっ あたり前だオレ達があんなひよっこ騎士なんかに遅れをとるわけがないっ」

副官らしい女性の言葉にキッパリと言い切る

「今回の事あまり乗り気ではなかったと思ったが、そうでもなさそうなんだな」

「納得いかないのは今でも同じだっ

 何が悲しくてヒーローであるオレが海賊の真似事なんか………うっうっ」

「あああっもう、わかったから泣かない泣かない」

いきなり泣き出した船長の頭を撫でながらあやす副官、此処は本当に戦闘中なのだろうか?

「それにしても妙な気がしないか」

「ん? なにがだ」

「進攻速度が速すぎる気がする」

「何を言うっオレ達が育てた精鋭部隊っこれしき事ができずにどーするっ」

「いやぁそれは確かにそうだけど、それにしても「左舷船影1っ」なにっ」

「艦種はっ?」

「ちょっと待ってください ・ ・ ・ 

 民間船 ・ ・ ・ トレジャーシップのようです」

双眼鏡を覗きながら船員が報告する

「どうする?」

「オレが無関係の民間人を巻き込むと思ってるのかぁ?」

「それもそうだな、それに民間船が好き好んで海賊船に近づいてなんかこないか」

「オレ達は海賊じゃねー」

「はいはい、お前がヒーローだって事はよくわかってるから」

ポンッポンッと頭を撫でる

「ええっと、それで民間船は?」

「放っておけ、そのうちいなくなる」

「りょうか ・ ・ ・ 

 !? トレジャーシップ急加速っ接近してきます!!」

「なっ!?」

「っ 民間船に見せかけた伏兵かっ卑怯者めっ

 魔導砲塔1番2番、自由発砲っ 撃てぇぇ」

一瞬呆然とする副官の横を船長の号令が飛んだ。

 

 

 

 

 

「どうやら気づかれたようね」

イネスさんの言葉どおりに海賊船(サイゾウさん曰く巡洋戦艦クラス)の三連装砲塔が2基回頭しこちらに照準をつけている

が、それがわかったところでオレが操船してるわけじゃないのだから、やる事は1つだけ

「サイゾウさんっ!」

「わかってらぁっしっかり掴まってろよっ」

 ・ ・ ・ これ以上どうしっかり掴まれと?

「「 ・ ・ ・ 」」

見るとイネスさんとユキナちゃんの顔も青ざめている

「敵艦、発砲っ!!」

「そりゃぁぁぁぁっ」

ガラガラガラガラッ

凄まじい勢いでサイゾウさんが舵輪を回し、当然の如く船体は急角度に旋回する

と言う事は、当然

「横Gがああぁぁぁぁっ!」

「「きゃわぁぁわわああ〜」」

ゴロゴロゴロゴロゴロ ごずんっ

反射的にユキナちゃんを引き寄せ手摺りと挟み込むようにして支える

ドバアアアアァァァァン

右舷後方に6つの大きな水柱が立つ

「第一波はかわせたようね」

「まだまだどんどんきそうなんだけどぉ」

「当然来るだろうな  って言ってる傍からっ」

慌ててユキナちゃんを抱きしめ手摺りを掴みなおす

 

「取り舵ぃぃぃぃ」

ガラガラガラガラッ

「のおおおぉぉぉ!」

「「うひぃぃぃぃぃ」」

ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ がすんっ

「面舵ぃぃぃぃっ」

ガラガラガラガラッ

「ぬああぁぁぁ!」

「「きやぁぁあぁぁ」」

ゴロゴロゴンッガンッゲンッゴロゴロゴロゴロ   めりっ

「まだまだぁぁっ」

ガラガラガラガラッ

「くぬぅぅぅぅ!」

「「あううぅーーっ」」

ゴロゴロゴロゴロゴロ  ざくっ

「見えるっそこだぁぁっ」

ガラガラガラガラッ

「「「見えるってなにがぁ!?そこってどこぉぉぉ!?」」」

ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ  ぐちょっ

「やらせるかぁぁっ」

ガラガラガラガラッ

「「「なにをぉぉぉ!?」」」

ゴロゴロゴロゴロゴロ  めきょ

「 ・ ・ ・ ッ」

「「「 ・ ・ ・ ・ ・ ・ !?」」」

ゴロゴロゴロゴロゴロ ・ ・ ・

 

「ゼイゼイゼイゼイ ・ ・ ・ 

 ユキナちゃんイネスさん、生きてます?」

「あうぅ〜〜空と海が回ってるぅぅぅ」

駄目だ、ユキナちゃんぐるぐる目になってる

「い、いい加減にしてほしいわよ、まったく」

イネスさんは、まだなんとか大丈夫そうだな

「ハッハッハッハッハッハッハーーッ

 オレの船に当てられるものなら当ててみなぁ!!」

 ・ ・ ・ 

サイゾウさん楽しそうだ

「そうね、でもなんだかんだ言って砲撃全部避けているんだからたいしたものよ」

「【ピースサウザンド】に乗り移る前にこっちが潰れそうですけど」

「言い換えたら、それくらい無茶をしないと乗り移れないって事よってまた来るわよっ」

ドバアアアアァァァァン

「くううっ」

ゴロゴロゴロゴロ  べきぃ

真横に20mほどの水柱が立つ、狙いがかなり正確になってきてるな

こっちのスピードに慣れてきたのか?

「接近して的が大きくなってきてるからってのもあるわ」

なるほど、それもそうだな ・ ・ ・ ・ ・ ・ オレ声に出してたっけ?

「さあ、ね」

「それよりも私は旋回のたんびに聞こえる『ゴロゴロ』って音が気になるんだけど?」

お、ユキナちゃん復活した

「そう言えば、そんな音も聞こえてたな」

「これだけの急旋回をしてるのよ、固定してない備品が転がり回ってるんじゃないかしら?」

「その割にはずいぶん湿っぽい音とかしてたけどぉ」

甲板にあって固定してなくて、更に水気を含んだもの?

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ あ

「そ、そう言えば、シエルってどうなってたかな?」

「「 ・ ・ ・ 」」

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

 ・ ・ ・ 

「さっ もう直ぐ【ピースサウザンド】よっ」

「戦闘準備よしっ海賊なんてこの私が叩きのめしてあげるわっ」

人生前向きに進まないといけないな、うん

「敵艦まで後20秒だっ

 止まらずに真横を抜けるからその瞬間に乗り込んでくれよっ」

「了解っサイゾウさんも後少し、しっかり頼みますっ」

「へっ 任せろってっ」

 

 

 

 

 

「何故当たらんっ」

海賊船の艦橋部で船長が青筋立てて騒いでいた

「それが、敵船の動きが速すぎて狙いがつけられません」

「そんな筈あるかっいくら速かろうが相手はトレジャーシップだぞっ」

「いや、そうでもなさそうだ 見てみろ」

「ん? どれ」

副官から渡された双眼鏡を覗いてみる

「な、なんつぅー速さと操船だ」

「またく何を考えているんだか、あんな操船をすれば乗組員はただじゃすまないぞ」

感心半分呆れ半分の表情で副官が呟く

「あれじゃあたんねー訳だな ・ ・ ・ って感心してる場合じゃないっ

 さっさと沈めろっ」

「りょ、了解っ」

「後部3番砲塔自由発砲始めっ左舷副砲もだっ」

「魔導弾の無駄使いにしかならないと思うが?」

「射撃は瞬発力と勘だっ気合と根性入れれば必ず当たるっ!!」

「あたるかっ」

スパ〜〜〜ンッ

副官のハリセンが船長の後頭部を張り倒した

「まったく、まぁ乗り込まれるまでの時間稼ぎにはなるか

 【ピースサウザンド】の部隊に伝達っ『敵の増援あり注意せよ』だ」

「了解っ」

のびている船長の替わりにテキパキと指示を出す

『それにしても妙だ、あの船が伏兵なら私達の襲撃は最初からわかっていた筈

 なら【ピースサウザンド】の方にもそれなりの対応があって然るべき

 だけどそんな手応えはまるで無い、いったいどうなっているんだ?』

が、彼女にそう考えている時間は与えられなかった

「敵船本艦と衝突コースをとっていますっ」

「なにっ!?」

「衝突まで後10秒っ」

「全速転舵っかわせ!」

「無理ですっ【ピースサウザンド】に撃ちこんだアンカーが ・ ・ ・ 」

「総員衝撃に備えろっ」

「後5秒っ!」

艦橋の全員が息を呑む

 ・ ・ ・ 

 ・ ・ ・ 

「?」

「て、敵船本艦の左側面を通過、そのまま離脱していきます」

「衝突直前で転舵したのか、助かった

 魔導砲塔っ左舷副砲、敵船はまた向かってくるっ 沈めなくてもよい近づけさせるなっ」

副官が即座に命令を出す、が

「ですが、敵船はそのままの速度でこの海域から離脱していきます」

「旋回して再接近してくる様子は?」

「今の所ありません。 敵船魔導砲の射程圏内を離れました」

「なんなんだいったい?」

トレジャーシップの行動がいまいち理解出来ず頭を抱える

「制圧部隊より連絡っ 敵船より侵入者3名っ」

「侵入者!?あのすれ違った一瞬で乗り込んできたのか?

 だがたった3人で何ができ「第5小隊からの応答がなくなりましたっ」 ・ ・ ・ 」

3人で充分すぎる戦力のようだ

「くっ 付近の部隊を至急向かわせるんだっ」

「いやっオレが行くっ」

いつ復活したのか船長がスクッと立ち上がり

「突然現れオレ達の前に立ち塞がる強大な敵っ

 次々と倒されていく仲間達っ

 彼らを救う為に単身乗り込んでいくヒーローッ

 くぅぅぅぅっ 燃える展開だぁぁぁっ!!

そのまま艦橋から駆け出して行くっ

「え?あっコラ待てっ指揮官が前線に出てどうするっ」

慌てて副官もその後を追って行き ・ ・ ・ 正副両方の指揮官がいなくなった

「 ・ ・ ・ いつものことか」

「ああ、いつものことだ」

「「「はぁ〜〜」」」

 

 

 

 

 

「悪党には手加減しないからねっ

 符よ我が問いに答えよ 汝の名は」

『我は爆砕符、あらゆる物を吹飛ばす破壊の符』

ちゅどぉ〜〜〜〜〜ん

「「「「どわぁぁーー!!」」」」

ユキナちゃんの符術で宙に舞う海賊達

手加減しないのはいいけど ・ ・ ・ 【ピースサウザンド】も一緒に破壊してるって気づいてるのかな?

「アキトくんっ」

「わかってますっ」

ザンッ     ガスッ     ギンッ

ドサドサドサッ

「お見事」

「自慢できることじゃないですよっと」

はっきりいって倒してる数ならユキナちゃんの方がはるかに多い

「符よ我が問いに答えよ 汝の名は」

『我は雷光符、天駆ける紫電の符』

ばりばりばりばりっ

「「「「「しびしびしびびびびーー」」」」」

「ほら」

「これだけ密集してるんだもの、符術の恰好の的よ

 その分ユキナちゃんが集中して狙われてるみたいだけど」

「それをフォローするのはオレの役目ですね」

ユキナちゃんの背後に回ろうとしていたヤツを切り伏せる

「 ・ ・ ・ アッチのフォローはしないの?」

「必要だと思います?」

イネスさんの指差す方を見ないように答える、

ゴスンッ  めきょっ どすどすどすっ

見ないようにしても音はしっかり聞こえて来るんだよなぁ

「滅っしなさい!!」

「声もね」

赤黒く染まった白衣(?)を纏った鬼が片手に3本づつ計6本のスローイングナイフを手に暴れまわっている ・ ・ ・ 

もう目が完全に血走ってる、まぁあんなめに遭ったんだから怒りがつのるのもわかるけど、八つ当たりされている海賊達が不憫だ ・ ・ ・ 

「怒りがつのる前に出血多量と全身打撲で再起不能になってるわよ」

「無茶苦茶元気ですけど?」

「あの回復力 ・ ・ ・ 実験してみたいわ(ニヤソ)」

ぞわぞわぁぁ〜〜

「な、なんですかっ今の悪寒はぁぁ!?」

あ、シエルが正気に戻った ・ ・ ・ 嫌な戻り方だけど

「! シエル後っ」

叫ぶと同時に足元に転がっていた剣を蹴り飛ばす

ザクッ

「ぎゃ!」

「はああぁ!!」

ごすんっ

キレイに決まったなぁ踵落とし、正に流れるような動作だ

「テンカワさん助かりました」

「安心するのはまだ早いよっ

 なんたって敵中真っ只中に乗り込んでるんだから」

言いつつ斬りかかって来た海賊を叩きのめす

「心配ありませんよ、この程度なら油断しなければ軽いものです」

どすっ   どすっ   どすっ

腕が一閃し投擲された3本のナイフがそれぞれ別々の目標に突き刺さる、そしてシエルの手には既に新しい3本のナイフが

いい腕、どころじゃないな ・ ・ ・ 本当に学者なのか?

「ますますもって正体不明な娘ね、シエルって」

確かに オレ達、護衛として雇われた意味あったのかな?

「な〜んだ、海賊って意外とたいした事ないじゃないのぉ

 符よ我が問いに答えよ 汝の名は」

『我は粘着符 ・ ・ ・ つまりハエトリガミ』

ビシャッ べとべとべとべとべとぉぉ〜〜〜

「「「「「ぬあああああ〜〜〜」」」」」

海賊が大した事ないんじゃなくて、ユキナちゃんが強すぎるんだよ

「そうよね、攻撃力だけならユキナちゃんって正規の破魔巫女より数段上よ

 どうしてまだ見習いなのかしら?」

「 ・ ・ ・ 筆記試験で躓いているんじゃないですか?」

「何でアキトがその事知ってるのよぉ!!!」

「 ・ ・ ・ 冗談だったんだけど」

「あうっ」

「自爆ですね」

「無様ね」

戦闘中なのに和気藹々としてるなぁ

 

 

 

「待てぇいっ!!」

 

 

 

 

 

第5話へ

 

 

 

 

 

あとがき

ルリ:随分と中途半端ですね

めるう゛ぃる:ぐはぁぁっ

  いや、確かに自分でもそう思うんだけど

ル:思うんだったらちゃんと書き上げることです

め:でも、それだと4話が他と比べて長くなり過ぎるし ・ ・ ・ 

ル:そう言う事は周り(Action投稿作家陣)を見てから言ってください

め:うぐぅ

ル:まったりと戦闘させているからこうなるんですっ

め: ・ ・ ・ 返す言葉もないです

ル:まぁそれはどうでもいいんです、

  問題なのは此処ですっ

『ピースランド第2王女付き執事であるプロスには……』

ル:これってどう言う意味ですか?

め:どう言うってそのままプロスさんが第2王女の執事って事ですけど

ル:と言う事は【ピースサウザンド】に乗っているのは

め:当然ピースランドの第2王女って事で ・ ・ ・ 

  あ、あのぉもしもし?

ル:オモイカネ グラビティー・ブラストッ トリガー解放!

め:ちょ、ちょ、ちょっと待ってーーーーー!!( ̄д ̄|||)

ル:グラビティー・ブラストッ 発射ぁぁ!!

め:どわぁぁ(???:ダッシュ! ディストーション・フィールド展開!!)あ?

ル:こ、これは ラピス!?

ラピス:駄目だよルリ、いくら出番が無さそうだからって言っても暴力は   ふっ

ル:きぃぃぃぃっ なんですか!!その勝ち誇った笑みは!!

ラ: ・ ・ ・ ふっ

ル:くぅぅぅぅっ 言い返せないのが悔しいぃぃぃ!!

め: ・ ・ ・ ラピスが出るなんて言った覚えないんだけど 

 

 

 

 

 

 

 

 

代理人の個人的な感想

だいりだいりだいり、あこが〜れ〜のだいり〜♪

 

 

・・・・すまん、疲れとんねん。

 

 

それはさておき今回はアクションシーン。

尤も雑魚ばっかりなので薙ぎ倒されるだけですが(笑)。

まぁ次回は幹部が出て来るのでちょっとはいい勝負になるでしょう。

 

しかしアレが海賊船の船長・・・・・やっぱ名乗りは「キャプテン・ガヴァメント」なんかな(笑)。