ようやく火星にたどり着いた私たちを待っていたのは

木星蜥蜴の大歓迎。

でもブリッジでは相変わらずのバカ騒ぎ。

やっぱりナデシコって・・・

バカばっか・・・

 

 

 

 

機動戦艦ナデシコ Re Try 第6話 『運命の選択』みたいな

 

 

 

 

 

『テンカワアキト、エステバリスカスタム出るぞ!』

いち早く出撃したのはアキトさん、続いて騒動に加わっていなかったヤマダさん。

『リョーコちゃんが出てくるまでナデシコの防衛をする!ユリカ!』

「うん!ルリちゃん!グラビティブラスト広域発射!

その後リョーコさんたちの発進を確認したらフィールドを展開!

ミナトさんはグラビティブラストを発射した後このポイントまで移動してください。

メグちゃんは各エステバリス隊との通信を確保!」

ユリカさんの言葉に私たちは機敏に反応します。

グラビティブラストを発射した後リョーコさん達が発進していきました。

『先程のグラビティブラストで敵機動兵器は壊滅した。どうする?リョーコちゃん。』

『俺とテンカワとヤマダは敵戦艦を撃破!

マキは援護を!ヒカルはナデシコを護衛!』

『了解』

最近のリョーコさんは指揮官としても成長したみたいですね。

アキトさんの要求にきっちりと答えています。

『ガイ!お前は右の戦艦を頼む!』

『わかった!』

相変わらずアキトさんの言う事は素直に聞きますね、ヤマダさん。

しかし随分無駄な動きが無くなっています。特訓の賜物でしょうか?

近くではナデシコを防衛しているヒカルさんが今日19機目のバッタを破壊しています。

イズミさんは護衛艦をレールカノン・スナイパーカスタムを使って破壊していっています。

リョーコさんはフィールドランサーを使い1隻目の戦艦を破壊していっています。

アキトさんとヤマダさんもほぼ同時に戦艦を落としています。

5人の連携プレーで戦闘開始からわずか8分の間に火星軌道上にいる敵艦隊の消滅を確認しました。

 

 

 

「ナデシコはこれより火星に着陸します。ルリちゃん、コース算定お願い。」

「はい・・・ミナトさん、どうぞ。」

私が計算した進入コースを表示したウインドウをミナトさんに向けて弾き飛ばします。すると

「サンキュ、ルリルリ。」

そう言うとミナトさんはゆっくりと火星への着陸コースを取っていきました。

「グラビティブラスト発射準備。」

ユリカさんが宣言します。

「どうしてグラビティブラストの準備をするの?」

ミナトさんがユリカさんに尋ねます。

「火星で待ち受けている敵第2陣を一挙に殲滅します。

ルリちゃん!サーチ出来た?」

「はい、ミナトさんこのポイントです。」

私はミナトさんに移動ポイントを記した地図を渡す。

「了〜解〜。」

「メグちゃんは艦内放送でグラビティブラストによるショックに備えるように連絡して!」

「わかりました。」

そう言うとメグミさんとミナトさんはそれぞれの仕事をしています。

やがてナデシコが指定のポイントにたどり着く。

「グラビティブラスト発射!」

「了解、グラビティブラスト発射します。」

ナデシコから発射されたグラビティブラストによって地表上にいるチューリップは殲滅されました。

 

 

今回は事前にショックに備えるようにしていたので

リョーコさん達を抱きかかえるイベントは・・・

やっぱりあったみたいですね(怒)

 

 

「では、今からナデシコはオリンポス山に向かいます。」

「そこに何があるんですか?」

プロスさんの説明にユリカさんが質問します。

「そこにはネルガルの研究所があるんですよ。

わが社の研究施設は一種のシェルターでして・・・一番生存確率が高いのですよ。」

「では今から研究所への突入メンバーを発表する。」

前回はここでアキトさんがユートピアコロニーに向かったのですね、メグミさんと・・・

私の視線がメグミさんを貫きます。

「俺、ユートピアコロニーに行きたいんすけど。」

アキトさん、それじゃあ前回と同じ台詞じゃあないですか。

まぁフクベ提督がいるから問題は無いでしょうが・・・

「何を言っている!お前は研究施設への突入メンバーなんだぞ!」

ゴートさんが喚いていますがアキトさんは

「せっかく火星まできて故郷を一目みたいと言う気持ちがわからないのか!」

「構わん、行きたまえ。」

フクベ提督、やはり予想通りのリアクションですね。

「しかし提督・・・」

「お飾りの提督とはいえ私にも戦闘に関しては口出しする事が出来る。

そういう契約のはずだが?」

契約を持ち出されてしまいプロスさんは沈黙します。

「あ、じゃあ私も・・・」

「艦長は此処に居なくてはいけません。」

ついて行こうとしたユリカさんをプロスさんが止めます。

「じゃあ私がアキトさんについていきます。」

みんな私の方を見ています。

「ルリさん・・・あなたこそナデシコに居てもらわないと・・・」

「大丈夫ですよ、私の代わりにルビィを起動させておきますから。

それに私の勤務時間はすでに過ぎています。

これ以上働かせようとしますと法律に違反しますし

契約書の項目にも反してしまいますよ。」

私が契約書を持ち出した時点でプロスさんは黙ってしまいました。

沈黙は肯定と受け取ります。

「ルビィ。」

『はい、何でしょうか?』

ルビィ・・・あなた何を見たんですか?

今日はセーラー服を着ています。

しかも20世紀後半の・・・スカート丈が物凄い短い奴・・・

「・・・私はアキトさんと出かけますから留守を頼みます。

留守中はユリカさんとジュンさんの両人が認めた行動をとってください。」

『了解、ナデシコ艦長及び副長の両名が承認した行動を取ります。』

「なお、ナデシコが危機的状況にある場合は自己の判断によって行動する事を許可します。」

『了解。』

これでユリカさんが私達を迎えに行くといっても

ジュンさんが承認しないでしょうからナデシコはここから動く事は無いでしょう。

「ウリバタケさん、準備は出来ていますか?」

アキトさんがセイヤさんに通信を入れます。

『おお、準備できてるから何時でもいけるぞ。』

セイヤさんから準備O.Kの通信がすぐさま入ってきました。

流石にいい仕事していますね。

「それではテンカワ=アキト、ホシノ=ルリ両名はユートピアコロニーの探索に向かいます。」

「無理しないでね、アキト・・・」

 

私達はセイヤさんが作り上げたエステバリス強行偵察型に乗り込みました。

この強行偵察型は砲戦フレームをベースにしていますが

武装を極力削り、代わりにナデシコに匹敵する策敵レーダー、

長期間の活動を想定し重力フィールド外での稼働時間を

大幅にアップするためバッテリーを積んでいます。

もちろんそれだけでなく、通信能力にも優れ

ステルス性能を大幅に高めており

オモイカネには及びませんがサポートA.Iを装備しています。

さらに、電子戦も展開可能なため

サブパイロットとして私が乗込む事が可能となっています。

したがって従来のエステバリスと異なりアサルトピットは

2人が乗れるように専用のものが用意されています。

 

 

「テンカワ=アキト、ホシノ=ルリ。エステバリス強行偵察型・・・出るぞ!」

重力カタパルトによってユートピアコロニー方向に打ち出された私達は

急いでユートピアコロニーに向かいました。

メグミさんは・・・格納庫に向かう途中

原因不明のめまいに襲われて医務室で休んでいます・・・

「ルリ・・・やりすぎだと・・・」

「アキトさんも原因不明のめまいには気をつけて下さいね。」

「・・・ああ」

 

 

 

ユートピアコロニーに到着し、私とアキトさんは周囲の地面を調べています。

「確かこの辺のはずだが・・・」

「アキトさん、ココじゃあないですか?」

私が不自然になっている地面を発見すると

アキトさんは私を抱きかかえ思いっきり地面を蹴りました。

すると地面は突然崩れ落ち私とアキトさんは地下に落ちていきました。

「大丈夫か?ルリ。」

「ええ、アキトさんこそ・・・」

私達はお互いの無事を確認していると・・・

「お兄ちゃん!」

 

・・・勘弁して・・・

 

 

声をかけてきたのはイネスさん。

でも私達の記憶にあるイネスさんじゃあなく・・・

「イネスさん、相変わらずその姿は反則です。」

「あ〜ら、ルリちゃん。妬いてるの?みっともないわよ。」

そう、イネスさんの年齢が19歳になっているんです。

「ま、まぁ二人とも・・・それにしても無事で何よりだ。」

アキトさんが私達をなだめます。

私は神気を篭めた一撃をイネスさんに見舞おうとしていましたし

イネスさんは手に注射器をもっています。

「お兄ちゃんこそ、大変だったでしょう?」

イネスさんがアキトさんに寄り添います。

「な、何がですか・・・」

アキトさんは冷汗をかいています。

「ルリちゃんの体じゃあ性欲処理は出来ないでしょう?

でも安心して。これからは私がきちんと処理してあげるわ。」

「イネスさん!」

私は顔を真っ赤にさせながら抗議します。

「安心して、ルリちゃん。私は2号さんでいいのよ。」

まったくこの人は・・・

「イネス、早速だが準備は出来ているか?」

「ええ、ナデシコが来たからにはこんな所から早く出たいわね。」

「じゃあ、「私はお兄ちゃんのエステに乗るわ。」

アキトさんの言葉をさえぎりイネスさんが言います。

「イネスさんはあっちに乗ってください!」

「ルリちゃん、私達が過去に来たからには出来る限り歴史に逆らわないほうが良いわ。」

「で?」

「私がお兄ちゃんのひざに乗るのは歴史の必然なのよ!

なぜこんな事になったかというと・・・

イネスさんは私達がジャンプしたとき遺跡の調査をしていた。

そして私達のジャンプによって活性化された遺跡によって

私達同様過去へと飛ばされた。

しかしイネスさんの場合私達と違って戻ってきたのは火星の砂漠に放り出されたときだった。

しかし今回は最初からボソンジャンプについて理解しているため

CCを手に入れて空港テロ事件があった後にジャンプ。

警察により保護され身元引受人不在のまま孤児施設に入り、

そのまま飛び級で一気に大学院卒業と数々の博士号を取得し、ネルガルに就職。

そして、火星にチューリップが落ちた後、密かに地球へボソンジャンプ。

私達が過去に戻って来ている事を確認し

未来を変えようとしている事を知ると、

火星の生き残りをまとめるために火星に帰っていった。

そして今に至っているわけなのだが・・・

「ダメです!どうしてもこっちに乗りたいんだったらナビシートに座ってください!」

「解ったわ。」

「では早速ナデシコに向かおう。」

アキトさんが言うと私達は準備に掛かりました。

 

 

「で、ルリちゃん。

今のこの状態を簡潔かつ正確に説明してくれない?」

「見ての通りです。」

イネスさんをナビシートに座らせ私はアキトさんの膝の上に座っている。

これほど見事な状況説明は無いと思うのですが・・・

「ルリちゃん、あなたが私とお兄ちゃんの邪魔をするのなら・・・」

そう言ってイネスさんは注射器を取り出します。私は神気を溜める準備をしようとすると

「だぁぁぁぁ!二人ともエステの中で暴れないでくれ!」

アキトさんの言葉にシュンとなる私達・・・

「それにしてもよく脱出艇なんて用意できたな。」

「火星に落ちた戦艦の中にあったのを私達が修理したのよ。」

私達のエステバリスについてくる脱出艇を見てアキトさんが言います。

流石にイネスさんは抜け目が無いですね。

「よし、ナデシコが見えてきた。」

「周囲に敵影無し。」

「ナデシコ、聞こえるか?」

アキトさんがナデシコに通信を入れます。

アキト!無事だったんだね・・・(怒)

「ああ、ユートピアコロニーで火星の生き残りの人たちを保護した。」

アキトさん・・・(怒)

「脱出艇の燃料も少ないので至急受け入れ準備をしてくれ」

テンカワ・・・(怒)

「って、何でみんな黙ってるんだ?」

ユリカさんとメグミさんとリョーコさんが怒っています。

当然ですね、私は今アキトさんに抱かれているような感じですし

イネスさんがナビシートからナデシコの様子を見るためにアキトさんの傍によっています。

丁度胸をアキトさんに押し付けるように・・・

『アキト君って筋金入りね。』

ミナトさん、だから苦労してるんですよ。

『アキト君はやっぱり人間磁石よね〜』

ミサキさん・・・それ以上言わないで・・・

「と、とにかく着艦するぞ」

アキトさんはまだ状況が解り切っていませんでした。

 

 

火星の人たちを収容した私達はやっぱりイネスさんの説明を受ける事になりそうです。

「ナデシコがいかに優秀な戦艦でも木星蜥蜴には勝てない。」

「そんな事ありません、私達は今までも勝って来ましたし・・・アキトが居るから大丈夫です。」

ユリカさん・・・理屈になってませんよ。

「そうね、ナデシコが持つグラビティブラストにディストンションフィールド。

相転移エンジンにエステバリス。

加えてお兄ちゃんの実力・・・

これだけあればと思わせるには十分よね。」

イネスさん・・・また誤解を招くような発言して・・・

「お兄ちゃんって・・・アキトさんの妹だったんですか?」

メグミさん、嬉しそうな顔をしないでください。

「いいえ、テンカワ夫妻に娘さんが居たとは聞いていませんし・・・」

プロスさんが言います。

「あぁ、私がお兄ちゃんと出会ったのは・・・

そう、運命の出会いって奴よね。」

イネスさん・・・目をウットリとさせないでください・・・

「イネスさんって面白い人ね・・・」

ミナトさん・・・面白いだけじゃあないんですよ・・・

「むう、それだけじゃあ解りません!説明してください!

あ〜あ、とうとう言っちゃった・・・その言葉を言うと・・・

「宜しい、説明しましょう!」

って、何処からホワイトボードを取り出したんですか?

やはりこれは・・・ナデシコ七不思議に登録ですね。

 

『敵影確認』

オモイカネが敵の接近を表示します。よかった・・・

「敵木星蜥蜴、本艦を取り囲むように接近してきます。」

「ルリちゃん、グラビティブラスト発射!」

ユリカさんが指示をしてきますが

「無駄よ、敵もディストーションフィールドを持っているわ。」

イネスさんが指摘します。

「木星蜥蜴さらに増加!」

「何でそんなにいるのよ!」

私の報告にミナトさんが叫び声をあげます。

「居るんじゃぁ無いの。出てくるのよ。」

イネスさんが指摘した通りチューリップからどんどん戦艦が現れてきます。

「どうするの?このままじゃあ完全に囲まれちゃうわよ。」

「そう、ここは真空中じゃあないから相転移エンジンも役立たず。

このままだとナデシコは撃沈されるでしょうね。」

ミサキさんの言葉にさらに追い討ちをかけて行くイネスさん・・・

「ユリカ、ここは撤退するべきだ。」

ジュンさんの言葉に頷くユリカさん。

「フィールド出力全開で全速後退。ミナトさん、操船お願いします。」

「了解。」

そのとき、ナデシコ全体を大きな振動が襲い掛かりました。

「敵グラビティブラスト発射、シールド出力減少現在50%、機関部小破。」

その後・・・私達は敵の追撃を何とか振り払う事が出来ました。

 

 

 

私とアキトさんがイネスさんを連れて食堂へ向かっているとユリカさんから声を掛けて来ました。

「アキト・・・私の判断が遅かったから・・・ナデシコが・・・」

「ユリカ・・・すんだ事だ・・・次から気を付ければいい。」

「でも!」

ユリカさんの言葉をさえぎるようにアキトさんはユリカさんの方に手を置き

「ユリカ・・・前に言ったな。お前はこの艦の艦長だ。そのお前が落ち込んでいる姿を見せるな。

少なくともお前は皆が安心して仕事が出来るように堂々と自信を持って行動すべきだ。」

「そうです。落ち込んでいるユリカさんなんて艦長じゃあありませんよ。」

私は少なくともそう思います。

「そうね、まだ死んだわけじゃあないし、後悔するなら死んでからにした方がいいわ。」

「イネスさん、死んでしまっては後悔できないんじゃあ・・・」

「そうね、でも後悔して死ぬよりは精一杯あがいてから死んだほうが良いわ。」

イネスさんの目が少し悲しいものになりました。

実際、イネスさんは死んだ事になっていた時期があります。

そのときの苦労を後で笑い話のように『説明』してくれた事がありますが

そのときも今のように悲しい目をしていました・・・

「ユリカが諦めない限り俺達も諦めない。」

「そう・・・だね。ユリカは艦長さんなんだもんね。

ありがとう、アキト、ルリちゃん、イネスさん。」

そう言うとユリカさんはブリッジのほうへ行きました。

「それに死んでしまっては復讐なんて出来なかったからな・・・」

アキトさんの呟きに私とイネスさんの心は締め付けられるようでした。

 

 

 

 

 


 

ルリ:とうとう出てきましたか・・・

作者:イネスさんだね。

ルリ:しかも19歳バージョン・・・

作者:そう、しかも19歳からあの見事なプロポーションをしている。

    これもアキト君のため毎日美容体操をしているそうだ。

ルリ:さらに愛人宣言・・・

作者:男の浮気も甲斐性だって。

ルリ:何言ってんですか、すでにアキトさんの愛人候補は何人になりましたか!

作者:えっと・・・ユリカにメグミ、リョーコにイネス、4人かな?

ルリ:ミサキさんをなぜ入れていないんですか?

作者:え・・・

ルリ:この先エリナさんやラピスも入りますよね。

作者:ハハハハハハハ・・・

ルリ:ひょっとして木連側にも愛人を作ろうとしていませんか?

作者:・・・それでは次回

ルリ:誤魔化さないでください!

作者:どわぁぁぁぁぁぁ!たとえモデルガンでも銃口は人に向けてはいけないんだぞ!

ルリ:安心してください。本物ですから。

作者:なお悪いわい!

 

がぁぁぁぁぁぁん!!

 

ルリ:これ以上私の苦労を増やされてたまるもんですか!

作者:酷い・・・

ルリ:それでは次回 機動戦艦ナデシコ Re Try 第7話 いつかお前が『歌う詩』 です。

 

・・・その場の『のり』でイネスを19歳にしてしまった・・・

 

 

 

代理人の感想

>抱きかかえるイベント

・・・・・重力制御にエネルギーを回しておけばすむ事ではないかなと思ったり。