はぁ・・・まだちょっと自己嫌悪が続いているけれど気にしないで・・・

ま、恥かいたのは、どいつもこいつも同じよね。

でも、アキトさんも楽しかったって言っていましたし

ラピスやユウタも楽しんでいましたから・・・

少しでも戦争の事を忘れられたでしょうか?

このまま、戦う大人になんてなりたくありませんしね。

それより、次回は”赤ずきんちゃん”なんてどうでしょう?

私が赤ずきんちゃんでアキトさんがオオカミ・・・

アキトさんに食べられる私・・・(ポッ)

 

 

 

 

 

機動戦艦ナデシコ Re Try 第20話 深く静かに『戦闘』せよ

 

 

 

 

 

 

 

インド洋沖会戦・・・の後方約100kmで第13独立艦隊は展開しています。

と聞けば立派に作戦行動中なのでしょうけれど、実際はナデシコ一隻だけで辺りには何もありません。

一応、戦闘配置中なのですが、ユリカさんはノーテンキに歌なんて歌っていますし、

メグミさんはファッション雑誌をプルセルさんと一緒に見ていますし、

リョーコさん、イズミさん、ヒカルさん、イツキさんは恋占いをしています。

ゴートさんとジュンさんは将棋をしていますし、ラピスはユウタに絵本を読んであげています。

この二人も相当仲良くなったみたいですね。まるで姉弟みたいです。

アキトさんとカズマさんは対戦格闘ゲームで勝負をしていますし

ミサキさんとアヤさんはお料理の本を見ています。

アヤさんは、和食しか・・・それも、煮物系がまったく駄目で、いつも焼き魚だったとカズマさんが言っていました。

ミサキさんは、ホウメイさんやアキトさんには及びませんが、料理の腕はまずまずで、時々お菓子を作ってもらっています。

私も、料理をアキトさんに習っていますが・・・やっと人並みってところでしょうか・・・

「!!前線より通信!敵戦艦が一隻こちらに向かっているそうです。」

ほのぼのとした空気をメグミさんの報告が打ち破ります。

『確認、木連標準戦艦です。』

ルビィがデータを出します。

「敵戦艦より通信、どうしますか?」

メグミさんがユリカさんに問い掛けます。

「通信を開いてください。それからエステバリス隊は発進準備!」

ユリカさんの言葉でそれまでの和やかムードが一瞬にして戦闘モードに入ります。

性格に問題があっても、能力は一級と言う触れ込みの面目躍如、と言ったところでしょうか。

『ナデシコの諸君、私は木星圏ガニメデ・カリスト・エウロパ・及び多衛星国家間反地球共同連合体

突撃優人宇宙部隊所属、戦艦かんなづき艦長の秋山 源八郎です。

そちらの艦長とお話がしたい。』

画面の向こうにはサブロウタさんも見えます。

「私は連合宇宙軍第13独立艦隊、機動戦艦ナデシコ艦長のミスマル=ユリカです。」

普段のおちゃらけたムードは一転してシリアスモードのユリカさん。

『ほう・・・こんな美しい女性が艦長をなさっているとは・・・

いや、正直驚きました。』

その言葉にまんざらでもないユリカさん。まぁ、美しいと言われて気分が悪くなる女性は居ませんからね。

『単刀直入に言います。これより貴艦と戦闘をします。』

「え?」

『地球側の正義・・・見せてもらいます。』

そう言うと秋山さんは通信を切りました。

「いやはや・・・中々に律儀ですな。」

「男の中の男っちゅう感じやな。」

皆さん秋山さんの態度に感心していますが、ユリカさんとアキトさんはじっと様子をうかがっています。

『格納庫後方にボース粒子反応』

ルビィが報告します。

皆がその言葉を確認し終える前に爆発が起きました。

『続いてYユニット先端部・・・』

その報告が終わらないうちにまたもや爆発が・・・

「フィールドが破られたのか!」

「いえ、フィールド出力96%・・・グラビティブラストが敵艦から発射された形跡はありません。」

『どうした!何があったんだ?ディストーションブロックが無なかったら今ごろ全員オダブツだぞ!』

セイヤさんがウィンドウを一杯に広げて通信してきました。

「「ディストーションブロック?」」

アヤさんとミサキさんが同時に尋ねます。

『良くぞ聞いてくれました!こんな事もあろうかと、ナデシコ艦内の各ブロックをディストーションフィールドでスポット的に防御、

爆発のあったブロック以外には被害がいかないって寸法よ!』

セイヤさんの説明に皆感心しています。

『ふふふ・・・こんな事もあろうかと・・・こんな事もあろうかと・・・こんな事もあろうかと!

くぅ〜!一度言ってみたかったこの台詞・・・」

「って・・・あんた、またナデシコを勝手に改造して!」

エリナさんが怒っています。まぁ、無理もありませんね。

この間なんてナデシコがグラビティブラスト発射する時に

いきなり立ち上がってロボットに変形するんですから・・・

「どうします?艦長?」

プロスさんがユリカさんに問い掛けます。

「逃げましょう。」

「え〜えっ!?」

ユリカさんは立て続けにミナトさんに命令します。

「ミナトさん、ナデシコ緊急発進!」

ユリカさんがミナトさんに命令した直後・・・

『ボース粒子反応、今度はブリッジ真下です。』

ルビィの報告が入ります。

前回と同じくナデシコは間一髪でボソン砲の一撃から逃れる事が出来ました。

こう言う時のユリカさんは頼りになります。

「消極的じゃねぇか?反転して攻撃しようぜ。」

リョーコさんがユリカさんに噛み付いています。

「それじゃ、リョーコだけ突撃して敵の攻撃を受けてどっか〜ん!」

「ついでにリョーコの恋も」

「「どっか〜ん。あ〜あ、ご馳走様。」」

「てめぇら!」

顔を真っ赤にさせたリョーコさんがヒカルさんとイズミさんを追いかけています。

「イネスさん、一体どうなっているんですか?」

ユリカさんがイネスさんに説明を求めます。

『ちょっと待っててね、今行くから。詳しく優しくコンパクトに説明してあげるから。』

そう言うとイネスさんは通信を切りました。

 

 

 

ととん・・・

小太鼓の音が響きます。イネスさん・・・その衣装は一体何処から出してきたんですか?

女紙芝居屋さんなんて・・・どうせセイヤさんのコレクションでしょうけれど・・・

「さて、今回の爆発現場から木連軍が使用している質量弾の材質に非常に酷似した物質が

爆発後から検出されたわ。」

画面がナデシコ艦内で起きた爆発現場の映像を映し出します。

「報告では、爆発寸前にボース粒子反応が検出されたとか・・・

これは、ボソンジャンプ時に発生するものよ。報告では、木連軍によるジャンプの研究は進んでいるとの事・・・

彼らが軍事用にボソンジャンプを本格的に使用してきたって事ね。」

皆さん、駄菓子を食べてイネスさんの説明を聞いています。

「有効射程距離は100kmと思われるわ。それ以上距離を伸ばすと精度が落ちるのでしょうね。」

「ほな・・・アキトがジャンプしてから敵をやっつければええんちゃうん?」

カズマさんが一番の安全策を提示します。

「そうね、敵に対してはそれでも良いかもしれないわね。

でも、私たちはそれで良いの?」

イズミさんが言います。

「一番の安全策だからと言ってアキト君に負担ばかり掛けて・・・それで満足なの?」

久々にシリアスモードのイズミさんですね。迫力が違います。

「そうだな・・・じゃあ俺はここから皆の戦い振りを見物するとしよう。」

「そんな、アキト・・・」

「ユリカ、艦長はおまえだ。おまえの判断に任せる。」

そう言うとアキトさんは黙り込んでしまいました。

ユリカさんは、アキトさんに命令する事も出来ます。

アキトさんはユリカさん達の実力テストをするつもりなのでしょう。

結局、アキトさんはナデシコの護衛に専念すると言う事で皆に納得してもらいました。

「しかし、テンカワさんのジャンプを使わないで戦うとなると・・・」

皆がユリカさんの作戦案に期待します。

「・・・ボソン砲・・・」

唐突にユリカさんが言います。

「え?」

エリナさんが聞き返します。

「いや、名前付けておかないとピンと来なかったから。」

「あなたねぇ・・・」

「ボソッと関心・・・ボソッ、ホウ・・・」

イズミさん・・・無視されてます・・・

「とりあえず、現在の距離を保ってください。」

「それで?何か考えでも?」

エリナさんがコメカミをヒクヒクさせながら言います。

ユリカさんは目を閉じ、なにやら考えています。

「どうなの?ミスマル=ユリカ。」

「う〜む・・・」

「まさか、そのままクカ〜って言う居眠りギャグかますんじゃないでしょうね?」

「あ、あはははは・・・まさか、そんな。」

「考えてた、考えてた。」

イズミさんが呟きます。

「それでは、皆さん何か妙案でも有れば申し出てください。」

プロスさんの言葉でその場は解散となりました。

 

 

 

「アキトさん・・・」

「ルリか・・・」

展望室にいたアキトさんに私は声を掛けました。

「これで・・・良かったのかな?」

「はい、私がサブロウタさんに渡したディスク・・・多分彼らはそれを見たでしょう。

ですが、にわかには信じられないので、こうして決闘と言う形を採ったのでしょう。」

私がサブロウタさんに渡したディスクは、私が密かに集めていた

クリムゾングループと草壁一派の関係でした。

その内容は、草壁の真の狙い・・・地球圏の支配を計画している内容が記されています。

「和平の道を模索しているのは秋山さんだろう。」

「はい、以前の歴史では秋山さんがクーデターを起こしてまで草壁の野望を阻止しましたし、

サブロウタさんは、木連の正義も地球の正義も関係なく動く事の出来る人ですから。」

「月臣は結局、正義の意味を盲信していただけだからな・・・ところで、あいつらの動きは何かつかめたのか?」

アキトさんの顔が険しいものになります。

「はい、地球にいることは確かなのですが・・・足取りが掴みきれません。

プロスさんも協力してくれたのですが・・・」

「クリムゾンに匿われている可能性はやはり捨て切れんか・・・」

「ええ。」

私は、サツキミドリでの出来事を思い出します。あの外道たちが奪っていったもの・・・

それを使って何をしようとしたのか・・・そして、サツキミドリで研究していたものは・・・

「ルリ、大丈夫だ。」

突然、私の体をアキトさんが抱いてくれます。

「・・・はい・・・」

私とアキトさんは暫くの間、抱き合っていました。

 

 

 

 

アキトさんは食堂に、私はブリッジに戻るとまだ皆さん結論が出ないままのようです。

「ルリちゃん、お兄ちゃんは?」

「食堂です。何でも戦闘前に釣った魚を調理しておきたいそうです。」

「ああ、お兄ちゃんとカズマ君の釣り対決ね。」

戦闘が始まる前に、カズマさんがアキトさんに釣り対決を挑んで、その様子は

実況メグミ=レイナード、解説イネス=フレサンジュ、ゲストにホウメイさんで艦内放送されました。

結果は、カズマさんが年季の違いを見せつけた結果になりました。

でも、お互いにかなりの量を釣り上げたので食堂で調理される事になりました。

「お、なんや・・・あの時の話かいな。ワイがアキトに完全勝利を収めた時の話しとるんか。」

カズマさんは余程嬉しかったのでしょうね。何せアキトさんには負けつづけていましたから・・・

「カズマは子供の頃から釣りをやってたわよね。」

「おう!釣りなら負けへんで!」

ぐっと拳を前に掲げて言うカズマさん。

「まったく、何時までも子供なんだから・・・」

と、そこへ・・・

「あぁ!そうよ!それだわ!」

ユ・・・ユリカさん・・・いきなりの超音波兵器は・・・こたえますね・・・

しばらくの間・・・ブリッジは壊滅状態に陥りました・・・

 

 

 

「エステバリス隊、発進準備完了しました。」

メグミさんの声がした後、

『ミサイルの設定を全て変更したぜ。いつでも発射オーライだ。』

セイヤさん、

『調理場の火、落としたよ。これで良いのかい?』

ホウメイさん、

『艦内を見回って不要なエネルギーはカットしてきたわ。』

イネスさんの報告を受けて

「作戦準備完了、全てスタンバイ中。」

ゴートさんが締めます。

ユリカさんの立てた作戦は前回と同じでした。

アキトさんが参加しない以外は・・・

「じゃあ、ミナトさん。相転移エンジン停止してください。」

「相転移エンジン停止しちゃいま〜す。」

ミナトさんが相転移エンジンを停止します。

「これで、ディストーションフィールドがなくなったわ。

今、攻撃を受ければ全滅よ。」

エリナさんがユリカさんに言います。

「信じていますから。相手は人間なんですよね。

私たちと同じ・・・だから信じています。」

 

 

 

 

 

ブリッジは非常用の明かりしか灯りません。

「敵艦、加速停止。本艦とほぼ同速度で移動中。」

ラピスが報告します。

「ほう、一気に差を詰めてくると思ったのだがな。」

「向こうも結構慎重ですね。」

ジュンさんとゴートさんが話しています。

「うわわわわわ・・・」

「右舷バラスト放出。針路変更左5度。上下角マイナス2度。」

「いやぁぁぁぁぁ・・・」

「全艦異常はありません。」

メグミさんが言います・・・が・・・一名だけ・・・

「艦長、シートベルトを着けないと危険です。」

プルセルさんが言います。

「そんな事・・・先に言ってよ〜・・・」

ユリカさんは空中遊泳をしています。

「潜水用バラストの圧搾空気で針路変更というのは妙案でしたが・・・」

プロスさんが汗を拭きながら言います。

相転移エンジンが停止すれば重力制御システムも停止します。

ま、当然の結果ですけどね・・・

「エステバリス隊、発進準備できたけど・・・」

ジュンさんが頭を抱えながら言います。

「直ちに発進してくださ〜い!」

ユリカさんが叫んでいます。格納庫の様子は・・・

『スタートはマニュアルだ!気合入れていけよ!』

セイヤさんが叫んでいます。

はっ、まさかアキトさん・・・マニュアル発進がイヤだから作戦を降りたなんて・・・

あるわけ無いですよね。

『おっしゃ!いくで!』

『気合入れすぎよ、バカ。』

『まぁ、アヤもその辺で・・・』

ミサキさん達は相変わらずです。

『ルリ、アキトはやっぱり・・・』

「はい、皆さんの実力テストと言っています。」

『ま、ダブルエックスなら心配ないか。』

「ええ、でも気をつけて下さいね。」

エステバリス隊の作戦は2機一組となって攻撃をします。

カズマさんとアヤさん、ミサキさんとリョーコさん、ヒカルさんとヤマダさん、イズミさんとアカツキさんが

それぞれペアを組んで、かんなづきに攻撃を加えます。イツキさんはアキトさんとナデシコの護衛です。

やがて、エステバリス隊は無線封鎖のまま発進していきました。

発進後はソーラーセイルを広げます。そのままプカプカと浮いているだけなんですけどね。

次に連絡があるのは、攻撃開始の時だけです。

「本艦上方を敵グラビティブラスト通過。」

ラピスが報告しています。

皆さん一斉に上を向いていますが・・・もう見えませんよ。

「ウリバタケさん、敵艦の進路に向かってミサイルを全部放出してください。」

『了解。』

「艦長、何も全部使っちゃう事無いんじゃ・・・これでもミサイルは高いんですよ。」

「駄目です。エサはたっぷり、そうしないと大物がかかりません。」

絶対の自信を持って言うユリカさん。

「自信が有るの?」

プルセルさんがユリカさんに尋ねます。

「相手は同じ人間です。機械じゃないんですから行動は読めます。

特に頭のいい人なら。」

「戦争・・・なんですよね。」

メグミさんが悲しい顔をして言います。

「そう、戦争です。でも、私たちは戦いを止める為に戦っている。

それは向こうも同じはずです。でなければ、わざわざ通信を送ってきたりしません。

さ、そろそろ元の進路に戻りましょう。ミナトさん、お願いします。」

「了解。」

ミナトさんの手がコンソールの上を踊ります。

秋山さんにとっても戦いは望んでいないはず・・・戦いつづける事など所詮は無理なのですから・・・

「敵、戦艦。ミサイル群に接触。」

ラピスの報告に皆が喜びの声をあげます。

「ミサイル一斉点火だな。」

「いえ、まだです。」

「なぜです?艦長。」

「ここで、ミサイルを点火しても敵艦にダメージを与える事は出来ても撃沈する事は無理です。」

「そうね、艦長の言う通りだわ。」

イネスさん・・・何処から現れたんですか?

「で、艦長はどうするつもりなの?」

「釣りはあせっちゃ駄目ですよ。」

イネスさんはフフッと微笑を浮かべます。

「そうね、あせっても仕方ないわね。」

「そうです。」

ユリカさんはにこやかに言います。

私が艦長なら・・・不安で怯えているかもしれませんね・・・

 

 

 

ノーテンキなユリカさんの歌声がブリッジを支配します。

そろそろですね・・・

『こちら、アカツキ機。獲物が針にかかった。今日は大漁だ。繰り返す、今日は大漁だ。』

アカツキさんから作戦成功の暗号が届きます。

「相転移エンジン再始動、各エステバリスに重力波ビームコンタクト。」

「了解。」

ブリッジが明るくなります。

オモイカネの表示もオールグリーン、反撃開始です。

かんなづきからは無人兵器が多数出ています。

私はチラリとアキトさんを見ます。

アキトさんはコクリと頷きます。私はあるコードをかんなづきに送ります。

「エステバリス隊、無人兵器と接触。」

「無人兵器でリョーコさん達が近づけません!」

『な、こいつら・・・きちんとフォーメーション組んでやがる・・・』

『こいつは・・・拙いな・・・』

『くそっ!』

結局、かんなづきに取り付いたのはカズマさん、アヤさん、ヒカルさん、ミサキさんの4人です。

実は・・・私がサブロウタさんに渡したディスクには仕掛けがしてあり、無人兵器の攻撃プログラムを

2201年型・・・つまりアキトさん達がユーチャリスで無人兵器を使っていたプログラムに書き換えています。

このくらいしないと実力テストにならないから、とアキトさんは言っていました。

「敵艦にボース粒子反応、ボソン砲来る。」

ラピスの声があがるのとカズマさんの攻撃がボソン砲の発射装置を壊すのは同時でした。

『やったか?』

『ちょっと待った!何か来る!』

イズミさんの言葉で皆さん散開します。

テツジンですね・・・攻撃力はとてつもなく強いですが、機動力があまりにもありませんから・・・

あっさりと、攻撃を受けて爆発します。まぁ、脱出ポットが爆発前に出ていましたから

サブロウタさんは大丈夫でしょう。

アカツキ機はかんなづきのブリッジにグラビティカノンを向けます。

『降参するかい?』

その言葉で無人兵器の活動は停止します。

「艦長、敵艦より通信です。」

「出してください。」

やがて、スクリーンには秋山さんの姿が映ります。

『見事だ。地球側にも貴女のような素晴らしい指揮官がいるとは・・・』

「脱出ポットはこちらで回収しました。受け取りに来てください。」

サブロウタさんの脱出ポットはアヤさんが回収していたようです。

『ありがたい。うちの副長は中々有能な人物で・・・いないと困るんですよ。』

秋山さんの男くさい笑顔は皆をホッとさせます。

「秋山さん、あんたには判っている筈だ・・・本当に倒すべきは何であるか・・・」

アキトさんが静かに言います。

『・・・判っています・・・ですが、今まで親のように目を掛けてくれた閣下を裏切る事が出来ない・・・

そう思ったから、あなた達に戦いを挑んだのです。一度負けないとどうにもスッキリせんのです。』

「では・・・」

『和平への道・・・私たちも考えてみます・・・これ以上悲しみが広がる前に・・・』

そう言うと、秋山さんは通信を切りました。

そして、静かに去っていきます・・・

「どうして・・・あいつらは敵なのよ!」

イツキさんが叫んでいます。

「だが、彼らは希望だ・・・これ以上・・・これ以上の悲しみを繰り返したくないからな・・・」

「・・・」

アキトさんの目に悲しみの色があふれます。

もう二度と・・・あんな悲しみは・・・味わいたくない・・・もう二度と・・・

 

 

 

 


 

ルリ:珍しく、シリアスですね・・・

作者:最終回まで残りわずか・・・たまにはシリアスな展開も良いだろう?

ルリ:で?赤ずきんちゃんはやってくれるのでしょうね?

作者:オオカミが君でアキト君が赤ずきんちゃんだっけ?

ルリ:逆です!それにどうしてそう言う発想になるんですか!

作者:いや・・・つい・・・

ルリ:まぁ、今回はラブシーンが有ったから良しとしましょう。

作者:イツキも不幸だよね。

ルリ:誰が不幸にしているんですか。

作者:いや・・・どうもイツキのキャラクターが固定できなくて・・・仕方なく・・・

ルリ:存在を忘れていると・・・

作者:ああ・・・全国1452万938人のイツキファンの方ゴメンなさい。

ルリ:細かいですね・・・それでは次回、機動戦艦ナデシコ Re Try 第21話 いつか走った『草原』です。

作者:有名な9人マージャンだね。今回だと・・・14人マージャン・・・牌が足らないのでは・・・

ルリ:役もあまり知らない人がマージャンの話なんて書けるんですか?

作者:・・・どうしよう?

 

 

―ホントにマージャンの役って知らないんだよね・・・

 

 

 

 

代理人の感想

麻雀の牌って136枚しかないから、十四人だとどうやっても少牌になってしまいますね(爆)。

無論九人でも麻雀が打てるわけじゃありませんが。

 

ちなみに、役だのなんだのはネットで検索すれば一発ですが

面倒臭かったらそこらの麻雀劇画から適当にアガったときの会話をコピペして

ちょちょいと手直しすればいかにもそれっぽく聞こえます(笑)。