「じゃあな、みんな!また会おう!

ルリ、あまり無茶な事はするなよ!」

その直後に目の前にあったナデシコブリッジを映し出していたウィンドウは

砂嵐となった。

「ふう、後はあの二人に任せて8ヵ月後の月にジャンプしてもらうしかないな。

しかしお約束とはいえ8ヵ月後にジャンプする必要があるのかな?

ま、俺は俺の仕事をするだけだがな。」

そう呟くとアキトは自らが駆るエステバリスカスタムをチューリップの中に突入させていった。

「目的地は・・・ヨコスカシティ・・・ジャンプ。」

エステバリスの周りを青い光が包みアキトの体内にある無数のナノマシンが活性化していき

アキトの顔を薄く光らせる。

そして・・・

 

 

 

 

 

機動戦艦ナデシコ Re Try 外伝1 新たなる『出会い』 

 

 

 

 

 

どぉん

 

木星蜥蜴による攻撃も日常的なものになっているためか

民間人の反応もやれやれ、またか・・・と言うものになっている。

人間あまりにも非日常的なことが続くとどちらが日常なのか解らなくなるものだ。

しかし、今回の出来事はあまりにも突拍子の無いものになっていくのだった。

 

 

「第8中隊は敵側面より攻撃!

我々はなんとしても敵を殲滅する!

各員、攻撃開始!」

軍の攻撃は木星蜥蜴に対しては有効ではなくただの時間稼ぎにしかならないことは

戦っている軍人はともかく一般の人にもわかっていることだった。

「司令!第3中隊連絡途絶!」

「第5中隊は撤退を求めています!」

「くそう!民間人の非難はどうなっている!」

「現在80%がシェルターに避難完了。後4分ですべての避難が完了します。」

「まったく!上の連中は何考えてるんだ!

こないだの戦艦に逃げられたりしなければこんな苦労はしなくてもすむのに!」

ほんの少し前にサセボシティに現れた木星蜥蜴をわずか1機のロボットが撃破したり

今まで破壊する事すら出来なかったチューリップを

一瞬で破壊する戦艦を徴発する事に失敗した挙句

今まで武器供給を請け負ってきたネルガルと完全に仲違えをしてしまったのだ。

現場に必要なのは生き延びるために少しでも高性能の武器を手にする事だ。

ネルガルとの関係が悪化しなければネルガルからの武器供給を受ける事が出来たはずだ。

現にネルガル本社ビルは過去に何度も木星蜥蜴により襲撃を受けているが

ことごとくこれを撃退してきた。

我々が何度やっても多大な犠牲を払っても撃退する事すら不可能な

木星蜥蜴をたかが1企業の私設軍が撃退してのけたのだ。

「司令!このままでは我々は全滅します。撤退の許可を!」

男の前に現在の被害状況が次々と映し出される。

これでも引かないのであれば本当のバカだな・・・

男は撤退の指示を静かに継げた。

「この場を撤退する・・・民間人の80%を守れただけでも良しとするか・・・」

男の中ではすでに民間人は数字としてしか扱えなくなっていた。

すでにこの世界は非日常が日常になっているのだから・・・

 

 

 

木星蜥蜴により破壊されていた街にソレが現れたのは取り残された人々が絶望をしていたときだった。

不意に現れたソレは人型のロボットであった。

「ふぅ、何とか無事にジャンプできたみたいだな。」

アキトが現在位置を確認していく。が、だんだんその表情が険しいものになっていく。

「ふざけるな!民間人を守るのは軍隊の役目だろう!」

アキトの前には撤退を開始している軍隊の姿があった。

そして、アキトの周りにはバッタやジョロが取り囲んでいる。

「ふっ、この程度で俺の相手が出来るものか。」

そう呟くとアキトは正確無比な射撃でバッタを叩き落していき

持っていたフィールドランサーを舞うように操りジョロを破壊していった。

やがて、すべての敵を破壊すると急に動かなくなった。

「ちっ、バッテリー切れ・・・か・・・

しょうがない、このまま待っていれば向こうからやってくるだろう。

それまではこちらから動くべきではないな。」

アキトはゆっくりとシートに身を沈め、深い眠りについていった。

それから2時間後・・・

ネルガルシークレットサービスがアキトのエステバリスを

回収しに来るまでアキトは目を覚ます事は無かった。

 

 

 

 

 

 

「会長、ヨコスカシティで発見されたエステバリスの回収終わりました。」

「ご苦労、エリナ君。」

ネルガルの会長室、ここには二人の男女が居た。

一人は切れ長の目に整った顔立ち、肩まで伸ばした髪に一目で高級品とわかるスーツを

身に纏った若きネルガルの会長でもあるアカツキ=ナガレと

意志の強さかそれとも気の強さを表しているのだろうか強い光を発する目と

ショートに切りそろえられた髪に青を基調としたスーツを着た会長秘書たるエリナ=キンジョウ=ウォンが

突然現れて木星蜥蜴を撃破していったエステバリスの資料を見ていた。

「間違いなく、ナデシコに搭載されていたエステバリスなんだね?」

「はい、識別コードはナデシコ所属を示すものです。」

「ほう?パイロットの身元は?」

「はい、パイロットはテンカワ=アキト・・・ナデシコのコック兼パイロットとなっています。」

「テンカワ?あのテンカワかい?」

「はい、テンカワ夫妻のご子息です。」

「ふむ・・・ところでこの報告書は間違いないのだね。」

「はい、ナデシコが火星で消息を絶ちました。」

「とりあえず、テンカワ君に会ってみよう。

もしかしたらテンカワ君は貴重な存在かもしれないからね。」

「そうおっしゃるのではないかと思い特別応接室に通しておきました。」

「さすが、優秀だねぇ。」

そう言うとアカツキとエリナは会長室を後にしていった。

 

 

 

 

 

 

「まったく、いつまで待たせるんだ?」

アキトが呟くと同時に応接室の扉が開いた。

「いやぁ、待たせたねぇ。」

アカツキは出来る限り軽薄な口調でアキトに声をかけた。

しかしアキトはまったく油断した様子は無くアカツキとエリナを睨みつける。

「いきなり連れて来られて挨拶も無しか?」

「おや、これは失礼したね。

僕の事は元大関スケコマシとでも呼んで貰おうか。」

アカツキは応接室に備え付けられているソファーに座りニヤニヤしながら言う。

アキトは観念したように

「ふぅ、で?アカツキ会長?何の用だ?」

アカツキは驚いた顔をする。

隣に控えていたエリナも驚きの表情を浮かべる。

「驚いたなぁ、僕がネルガルの会長だって事を知っている人間はそんなにいない筈だがな。」

「ま、企業秘密って奴だ。」

しばらくにらみ合いが続いたが折れたのはアカツキだった。

「ふっ、負けたよ・・・単刀直入に聞くけれどどうやって火星からここまで来た?」

「当ててみな。」

「あなたねぇ!」

エリナがアキトにつかみかかる。

「おや?エリナ君、テンカワ君の事が気に入ったのかな?」

「なっ!何言ってんのよ!」

少し顔を赤くさせてアカツキに抗議する。

「ま、冗談はともかく・・・君はジャンプしたんだね?火星から地球に・・・」

「ジャンプした?何を言ってるんだ?」

あくまでも惚けるアキトであったが

「ところで、君の胸ポケットに入っている物は何だね?」

「ふっ、気付いたか・・・」

「この応接室は特別でね。入るときにスキャンさせてもらった。」

「なるほど、だがこいつが何であるかは解らない、だから直接聞こうって腹か・・・」

「そのとおり。」

再び沈黙が部屋の中を支配する。

「これを見ると後戻りできなくなるかもしれないぞ。」

「ほう?」

アカツキはアキトの両親が研究していたボソンジャンプを息子が引き継いだのだと思っていた。

そして、その技術は完成していたのだと・・・

しかしそれは大きな間違いである事を思い知らされるのであった。

「これはジャンプフィールド発生装置。今ネルガルやクリムゾングループが

躍起になって研究しているボソンジャンプを行うための装置。」

エリナはハッとした顔でアカツキを見る。

アカツキも驚きの表情を浮かべる。

アキトはジャンプフィールドを発生させアカツキたちの後ろにジャンプする。

アカツキたちは呆然とアキトを見ていた

「それがあれば・・・」

エリナが呟く・・・

「しかしボソンジャンプにも欠点がある。

生身の人間だとジャンプできない。

それはネルガルの研究でも解っている事じゃないのか?」

アカツキとエリナは次第に表情を硬くしていく。

社外秘と思われていた機密が完全に漏れているのだ。

「もちろんクリムゾングループにしても失敗続きだ。

あちらにはボソンジャンプを扱っている人間がバックについているのにな。」

「テンカワ君・・・君はいったい何者だ。」

「と言う訳でジャンプが可能な人間はこの世の中で一握りしかいない。

ジャンプするには遺伝子を少しいじる必要がある。

ああ、あと普通の人間にもジャンプが可能なケースがある。」

エリナはアキトを見る。

「高出力のディストーションフィールドがあれば

普通の人間にもジャンプは出来る。戦艦とかな。」

「それは君のご両親の研究成果かい?」

アカツキが賭けとも言える発言をする。

「・・・まぁそう思ってもらってもいい。」

「・・・そうか・・・」

「そう言う事だからもう人体実験は止めるんだな。」

アキトはそう言うとエリナを見る。

「本当はもう掴みかけているんだろう?

普通の人間ではジャンプが出来ないってことに・・・」

「ええ、そうよ。」

エリナは開き直って言う。

「で、あなたの要求は?地位?お金?」

「あいにく地位やお金にはまったく興味ない。

だが、実験を中止するのであればボソンジャンプのデータを渡そう。

ああ、一つ言っておくが俺自身がボソンジャンプのデータだ。

殺して奪い取ろうなどと思わない方がいい。」

「つまり君自身が取引の材料って訳か。」

「そう言う事だ。」

「それで?ただ実験を中止するだけで良いのかな?」

「いや、いくつか頼みがある。一つは現在ネルガルが行なっている

マシンチャイルドの実験も中止して欲しい。」

アカツキは渋い顔をする。

「どうして君がそこまで知っているのかはもう詮索しないが・・・

それは無理だ。」

「どうしてだ?会長権限を使えば良い事だろう?」

「親父の代までならな。今のネルガルは決して一枚岩ではないんだよ。」

「・・・社長派の動きか。」

エリナは目の前にいる青年がどうしてこんなにネルガルの事情に詳しいのか

不思議に思いながらも答える。

「そうよ。今現在私達はマシンチャイルドの研究は中止するべきだと伝えているわ。」

「・・・アカツキ・・・」

「なんだい、テンカワ君。」

アカツキは奇妙な感覚にとらわれていた。

今までアカツキの事を会長としてみる人間は大勢いた。

しかし目の前にいるテンカワ=アキトという人物に会長である自分が

呼び捨てにされているにもかかわらず長年の親友のように振舞う事が出来る。

自分はひょっとしたらテンカワ=アキトという人物と以前から知合いだったのでは・・・

そう思わずにいられなかった。

「災害って奴は突然襲ってくるものだよな・・・」

アカツキはアキトが何を言っているのか最初は分からなかったがすぐに言葉の真意を捉えた。

「・・・ああ、災害にしても事故にしても突然襲ってくる。大変だよねぇ。」

「ふっ・・・そう言う事だ。」

エリナは訳もわからず呆然としていた。

「エリナ君、テンカワ君に適当な部屋に案内してくれ。

もちろん、牢獄なんて無粋なところじゃあないところだよ。」

「は、はい。」

そう言うとエリナはネルガル傘下のホテルに連絡を取ろうとしたが

「俺は何処かその辺のアパートでいい。

それに何処で社長派に動きを察知されるか解らないのに

ホテルを予約してどうする。」

エリナは自分のうかつさを反省していた。

「エリナ君、恋愛は君の自由だが

出会ってすぐホテルに連れ込むなんて・・・

意外と大胆だねぇ。」

アカツキはニヤニヤしながら言う。

エリナは真っ赤な顔をして抗議している。

(アカツキたちの性格はナデシコに乗る前からこんな感じだったのか・・・

道理ですぐにナデシコに染まっていってしまったからな・・・)

妙に納得したアキトであった。

 

 

 

 

 

『やあ、テンカワ君。調子はどうだい?』

アキトのコミュニケにアカツキから通信が入る。

結局アキトはヨコスカシティのボロアパートに身を隠していた。

生活はアルバイトをしながら食いつないでいた。

「その日暮らしと言うのも中々良いものだ。

で、何の用だ?」

『以前より内偵中の施設にいる事が確認できた。』

アカツキはアキトと出会って以降ずっと一人のマシンチャイルドを調査していた。

「そうか、場所を教えてくれ。」

『夜8時にイケブクロのサンシャイン公園に来て欲しい。』

「イケブクロ?どうしてそんなところに・・・」

『それは後から解る事だよ。』

アキトは少し怪訝な顔をしたがアカツキがわざわざ場所を指定しているのだし

からかっている様子も無かったので了承した。

 

 

 

 

イケブクロのサンシャイン公園は盛り上がっていた。

200年前からずっとこの公園ではストリートファイトが行われ続けており

今も大勢のストリートファイター達が腕を競い合っている。

「ほう、中々いい腕をしている。」

アキトは試合を見学している。

中には格好だけや妙に理屈っぽい奴もいるが

本物のファイターに敵うわけが無く一瞬で決着がついている。

流石にファイター同士の試合は見ごたえがあり、その分観客も大勢いる。

「さて、アカツキを探さないとな。」

アキトはアカツキを探すため公園内を移動し始めた。

すると、何処からか聞きなれた音楽が聞こえ始める。

「これは・・・ベートーベンの『第九』だな。」

アキトが音楽の聞こえてくるほうを向くと周りにいた観客が一斉に移動を開始した。

「おい、カズマが来てるんだって?」

「この音楽聞けば解るだろう?間違いないって!」

どうやらこの音楽はカズマという男のテーマソングみたいなものらしい。

自然とアキトは『第九』が聞こえてくるほうに足を向けていた。

 

 

 

 

 

「なんや?それで終わりかいな?」

アキトが『第九』が聞こえてきた場所に移動すると一人の男が試合をしていた。

赤銅色の肌をし、顔は中々のハンサムだ。犬歯を剥き出しにし

野獣を思い起こさせる。身長は190cmといったところだろう。

体つきも良く、ボディビルディングなどで鍛えた見せ掛けの筋肉ではなく

戦闘をする為に鍛えられた筋肉であることをアキトは見抜いていた。

虎縞のバンダナを巻いて少し破れかけたジーパンと

Tシャツの上に赤いジャケットを着ている。

観客の声援からこの男がカズマらしい。

「くそっ!」

カズマの対戦相手が懐からナイフを取り出す。

「けっ、かなわんから武器を使おうって思っとるんか?

やめとけ、やめとけ。そんなん使って勝てへんかったら見っとも無いだけやで。」

「うるさい!そのインチキくさい関西弁喋れなくしてやる!」

アキトは一瞬カズマを助けようとしたがカズマにまったく隙が無いことを察すると

高みの見物を決め込む事にした。

「だぁ!」

男がカズマにナイフで切りかかるが所詮はナイフ。

切りかかったときにバランスを崩した男の顎に飛び蹴りを食らわす。

「がっ!」

男は白目をむいて倒れこむ。

観客は一瞬何が起こったのか理解出来なかったがカズマがこの

傍若無人の男を叩きのめした事を知ると一斉にカズマコールを始めた。

「なるほど、エンターテイナーとしての才能もあるみたいだな。」

アキトはカズマと呼ばれている男の実力はこの公園内にいる誰よりも上だと認識した。

「ほな、次の奴はどいつや?・・・ん?」

アキトとカズマの視線がぶつかる。

「そこの黒いの!試合せぇへんか?」

「黒いのって・・・」

そういえば今日は隠密行動だからって黒いマントと黒いバイザーをしていた事に気が付いた。

しかしこの公園内では自分は浮きまくっている・・・そう認識したアキトだった。

アキトはこのカズマという男に少し興味を覚えていた。

実力的にはアキトよりも下なのだろうが何か隠していることがあるのではないかと思われる。

「良いだろう。」

アキトがカズマのほうへ歩み寄る。

「へっ、あんた・・・ここは初めてなんか?」

「ああ、だがいきなりこんな事になるとは思っても見なかったが・・・」

「まぁ、ええやないけ。それに、あんたからは凄い力を感じるで。

ワイはクサナギ=カズマや。」

「テンカワ=アキトだ。

手加減は無用。いくぞ!」

「へっ、だれが手加減するかっちゅうねん。

手加減したらこっちがやられてまうで。」

カズマはそう言うとアキトに牽制のジャブからわき腹を狙った中段蹴りを放つがあっさりとよけられてしまった。

「中々いい蹴りだが・・・まだ甘いな。」

「そうか?なら、これならどうや!」

カズマはアキトとの距離を一気に縮めると凄まじいラッシュでアキトを攻撃する。

しかしアキトは冷静にすべての攻撃を受け流し、時には一瞬で来た隙を突き反撃する。

「くっ強いなぁ。あんた・・・けどなぁ、これは受けられへんやろ!」

そう言うとカズマは独特の呼吸法を開始した。

アキトの目にはカズマから赤い神気が出ているのを確認する事が出来る。

相手が神威の拳を使うとなればアキトも神威の拳を使わざるを得ない。

そう判断するとアキトも独特の呼吸法を開始し、神気を集中させる。

「へぇ、あんたもかいな!せやけどワイは負けるつもりは無いで!」

「偶然だな、俺も負けるつもりは無い。」

「へへへ・・・気が会うなぁ。」

「そうだな。」

お互いがじりじりと間合いを詰め、やがて・・・

「いくでぇ!・・・炎の虎!

「いくぞ!・・・皇龍覇ぁ!

お互いの神気の塊がぶつかり合いお互いが力を振り絞る。

一進一退の攻防だが観客は何が起こっているのかわからない。

しかし、最前列にいた者はある者は腰が抜け、

ある者はすさまじいプレッシャーに押しつぶされそうになっていた。

そんな二人の攻防はやがて終わりを迎えることになる。

カズマが押され始め、そして・・・

「がぁ!」

カズマが後ろに吹き飛ばされる。

アキトも神気を使い果たした為疲れきってその場にしゃがみこんでしまった。

「ふぅ、危なかった・・・」

アキトは素直な感想を言う。

「テンカワ君、ここに居たのかい。」

アカツキがアキトを見つけたのは少し経ってからだった。

 

 

 

 

 

 

公園内では相変わらずストリートファイトが続けられている。

アキトとアカツキは観客の輪から離れると人通りの少ない場所へとやってくる。

そこには何故か先程までアキトと闘っていたカズマの姿があった。

「で?どういうことだ?」

「せや、説明してもらおうか?」

その言葉を聞き一瞬ビクッとするアキト・・・

既に条件反射となっているようである。

その様子を怪訝に思いながらアカツキは説明を開始した。

「ようするに、今回の作戦はテンカワ君とカズマでやって貰おうと思って・・・」

「知合いなのか?」

「大学時代の同級生だ。」

「そういうことや。」

「ところでアカツキ、カズマの実力はよくわかった。

でもたった二人でやれる所か?」

アカツキはチラリとカズマを見る。そして、

「もちろん、二人だけだと流石にきついかもしれないんでもう一人用意してある。」

「まぁ、ええけどな。」

カズマが即答したがアキトはアカツキが何かたくらんでいる事を察した。

同時に先程から背後にいる気の正体が何なのかわからないでいた。

「アカツキ・・・何をたくらんでいる?」

アキトがアカツキをギロリと睨む。

「やだなぁ、僕は何も企んでいないよ。企んでいるのは彼女さ。」

そう言うと同時にアキトの背後から感じていた気が

一瞬で殺気を篭めたものに変化したのをアキトは感じた。

そして、その場で大きく跳躍して殺気を放つものから逃れる。

アキトはアカツキの隣に着地して先程まで自分がいた場所を見る。

そこには一人の女性がいた。

その女性は可愛いというより美人、美人というよりハンサムといったほうがしっくりくる感じがした。

長く伸びた髪をポニーテールにし、キリッとした目、すっきりとした鼻、

そしてその姿はまるでサムライを思い起こさせた。

さらに先程の殺気の正体が彼女である事をアキトは見抜いていた。

「あ、危ないやろ!それに今お前本気やったな!」

「ええ、そうよ。本気と書いてマジと読むのよ。」

見ると彼女が手にしている得物は正真正銘の日本刀であった。

朱色の柄には意匠を凝らした紋様が描かれている。

カズマはその刀を白羽取りで受け止めている。

「相変わらずだねぇ。」

「アカツキ君も変ってないわね。」

そう言うと彼女はふっと気を抜き膨れ上がっていた殺気はあたりから完全に消えていた。

「アカツキ、彼女は一体・・・」

「あぁ、そうだったね。彼女はクサナギ=アヤ。カズマの双子の妹だよ。」

アキトは呆然とアヤを見る。

そして交互にカズマとアヤを見ている。

しばらく二人を指差していたのだが・・・

「に、似てない・・・」

「じゃかぁしい!」

「私もこんなのが兄とは思ってないわよ!」

「なんやて!」

「それにそのインチキ関西弁いい加減やめてって何時も言ってるでしょう!」

「まぁまぁ、こんな二人だけれど腕は立つから連れてってくれ。」

「アカツキ・・・ネルガルの人間は使えないといっただろう。」

「その心配はない、カズマとアヤは私立探偵だ。」

「探偵?何でも屋の間違いじゃあないのか?」

「そうともいうねぇ。」

アカツキがそれもそうだと頷く。

「カズマはともかく私は違うわ!」

その一言で再び言い争いになる。

「なぁ、アカツキ・・・この二人って本当に仲が良いんだな。」

「そう思うかい?僕もそう思うよ。」

「「何でこんなのと!」」

二人の感想に仲良く抗議したカズマとアヤであった。

 

 

 

 

 

「用意は良いか?」

アキトがカズマとアヤに確認する。

現在アキト達はカルイザワにいる。

かつては別荘地として人気だったこの地も次第に廃れていき

今ではゴーストタウンと化している。

その中の一つ、洋館に似た別荘が問題の研究所だ。

このことはネルガルの内部調査でようやく明るみになった事で

事態を公に出来ないためアカツキが

ネルガルとまったく関係の無い人物を総動員して調べ上げた。

「護衛が・・・正面に6人、裏に3人・・・中は・・・解らないな。」

アキトがそう言うとカズマが感心したように

「へぇ、そんなん解るんや。」

「当たり前でしょう、相手は所詮素人に毛がはえた程度のもの

気配も消せない雑魚なんだから。」

「ほな、そろそろ行こうか?」

「まて!誰か来る。」

アキトがそう言うと同時に問題の別荘に車が入っていった。

「ちっ!しゃあない!アヤ!お前は裏口に廻っとけ!

ここはワイとアキトで受け持つ。」

「アキトの足引っ張らない事ね。」

「アホ!誰に向かって言っとんじゃい。」

「アキト、カズマのこと頼むね。」

そう言うとアヤは裏口に向かって走り去った。

走っているというのにほとんど気配を消している。

アキトですら気配をたどるのがやっとだ。

「見事な穏業だな・・・」

「ん?ああ、アヤの事か・・・」

「彼女は剣をやっているんだろう?」

「ああ、剣道ではなく剣術をな・・・

おかげでワイは木刀で殴られつづけたわい。」

カズマは少し懐かしそうな顔をする。

「さて、どうする?俺達がここに来ている事がバレたのかもしれん。」

「それならそれでかまへん、ブチのめせば良いだけやからな。」

そう言うとニィッと笑う。

アキトも最初からそのつもりだったので否定はしない。

その時、別荘から銃声が聞こえた。

「おい、これはただ事やないで。」

「ああ、少し早いが突っ込むぞ。」

そう言うと二人は正面玄関に向かい駆け出していった。

 

 

 

 

 

 

アキト達が駆け出す少し前

別荘の中には先程車で入ってきた紺色のスーツを着て

長い金色の髪毛を一つに束ねている女性と

別荘で研究を続けている白衣を来た研究員が激しく言い争っていた。

「どういうことです?社長からはすでに実験中止命令が出ているはずですよ?」

金色の髪の毛をした女性、プルセル=キンケードは酷く狼狽していた。

彼女は現在ネルガル社長秘書をしている。

現在彼女はアカツキ会長が出したマシンチャイルドの研究中止を受けて

各研究所の閉鎖を手がけていた。

プルセル自身もマシンチャイルドの研究は好ましく思っていなかったので

むしろ積極的に行動していた。

そんな彼女の行動は社長に疎まれている・・・そう感じていた。

研究所の中でもサツキミドリの研究所は謎の爆発により研究データごと無くなったのだが

ここカルイザワの研究所は今でも研究を続けている。

「プルセル君、この研究所は社長も同意の上なのだよ。」

「ですから、その社長から研究中止の命令が・・・」

「ふっ・・・ふははははははははは・・・

いや、失礼。私の言う社長とはネルガルの社長ではない。」

「えっ?」

プルセルは一瞬この目の前にいる男が言った言葉を理解する事が出来なかった。

しかし、ある結論に達したとき自分の現在置かれている状況が

とてつもなく最悪のものであるのでは・・・そう思い始めていた。

「気付いたようだな。そう、我々はネルガルからクリムゾンに宗旨変えをしたのだよ。」

そう言うと男は手に拳銃を握りプルセルに銃口を向ける。

「裏切ったのね」

「違うね。裏切ったのは君達のほうだ。

何が最新鋭の設備と予算を提供する、だ!

挙句の果てに実験中止だと!」

「それは私のせいではないわ。」

「責任逃れかね?まぁいい。ところで・・・」

男は明らかに下心のある目でプルセルを見る。

「こんなところにいると少々女っ気が足りなくてね・・・

どうだ?ここで我々と一緒に住まないか?」

プルセルはキッと研究員を睨みつけ

「そうしてあんた達の慰み者になるなんて絶対いやよ。」

とはっきり言った。

「そうかね。残念だよ。せっかく生き残るチャンスだったのに・・・」

男が握る拳銃が少し震えている。

おそらく拳銃を撃つという行動は男にとって初めてだったのだろう。

男が引き金を引くのとプルセルが動いたのは同時だった。

 

 

 

 

 

正面にいた警備をアキトとカズマは一瞬で黙らせる。

「ふう、やっぱり雑魚ばかりやな。」

警備の男達をカズマが縛りながら言う。

「さっきの銃声が気になる。突入するぞ!」

「へいへい、人使いの荒いこっちゃ。」

軽口を叩きながらアキトの後を追うカズマ。

「どないするんや!部屋いっこいっこ調べとったら日が暮れてまう。」

「大丈夫だ!気配をたどっていけば良い事だ!」

そう言いながらアキトは奥に突き進んでいった。

途中で警護の人間が襲ってきたのだが一瞬で叩きのめされる。

「アヤの奴・・・大丈夫やろか?」

カズマが走りながら呟く。

「どうした?やはり心配か?」

「アホ!ワイが心配しとんのは相手のほうや。

せめて一瞬で事切れるようにしてやらんと相手が可哀想や・・・」

アキトは初めてアヤに会った時を思い出していた。

確かにアヤの実力なら一瞬で相手を絶命させる事が可能だろう。

しかもここに来る前に言った一言が

「悪党には人権なんて無いし生きていても百害あって一利なし。

どうせ悪人なんだし、どんなふうに斬ってもいいのよ。」

と言うものだった・・・それじゃあリナ=インバースだろう

やがてアキト達は一つの部屋を発見する。

「相手は拳銃を持っている。気をつけろ!」

「誰に向かって物言うとるんや!」

そう言いながら扉を蹴破るアキト。

すでに神気を右手に篭めている。

「何者だ!」

白衣を来た男がアキトに銃を向ける。

しかし、アキトに気を取られたばかりに

横から来るカズマに気が付かなかった。

「往生せいや〜!」

「がぁ!」

カズマの炎の虎が男をアキトの方に吹き飛ばし

アキトも男を床に叩きつけるように神気を込めた一撃を放つ。

「なんや、あっけなかったな。」

「そうだな。」

アキトとカズマはそう言いながら

先程からうずくまっている女性の側に寄っていく。

よく見ると肩口に銃弾を受けている。

「さて、事情を聞かせてもらおうか?」

アキトが問いただす。

「あなた達は一体・・・」

荒い息を吐きながらその女性は言う。

「・・・ネルガル会長の命によりここで研究されているマシンチャイルドを救出に来た。」

「会・・・長の・・・

申し・・・遅れました。

私・・・は・・・プルセル・キンケード・・・

ネルガル・・・社長・・・秘書を・・・して・・・います。」

改めてアキトはプルセルを見る。

それはすべてを突き刺す刃のような視線だったかもしれない。

しかしプルセルはアキトの視線を真っ向から受ける。そして

「私は・・・社長命・・・令が・・・行き・・・届いていな・・・い

この・・・研・・・究所を・・・閉鎖しに・・・来たの・・・ですが・・・

そこの・・・研究・・・員が・・・クリムゾン・・・に・・・寝返って・・・いた・・・

私は・・・銃で・・・撃た・・・れて・・・」

プルセルは意識が遠退きそうになりながらも必死にアキトに伝える。

アキトが見たところ急所は外れているものの

放って置けば危険だと判断する。

「もういい!喋るな!

すぐに救急車を呼んでやる。」

「優・・・しい・・・のね・・・あな・・・たの・・・名前・・・・は?」

薄れ行く意識の中でプルセルはアキトに質問する。

「アキト、俺の名はテンカワ=アキトだ。」

「テン・・・カワ・・・ア・・・キ・・・ト・・・」

そういったところでプルセルは意識を失った。

「なんや、死んでもうたんか?」

「いや、意識を失っただけだ。

それより救急車の手配とここの爆破準備を頼む。

俺は俺の仕事をする。」

―ほんま、ワイより年下とは思えへんな・・・

カズマはテンカワ=アキトという人物がとてつもなく大きな存在に映ってきた。

自分よりも明らかに年下であるはずなのに時々年齢以上の考え方をするのだ。

カズマはアキトに言われたように救急車を呼ぶ。

途中でアヤが合流したのでプルセルの応急処置をアヤに任せると

倒れている研究員を引き摺って表に投げ研究所の爆破準備をしておく。

程なくして救急車がやってくる。

―アキトと一緒やったらおもろい事有るかも知れへんな。

カズマはそう思い始めていた。

 

 

 

 

「くっ、ラピスは一体何処にいるんだ?

こうなってくるとさっきの研究員を問答無用でぶちのめしたのは拙かったな。」

アキトは研究所内をくまなく探しながら悪態をつく。

確かにこの状況ではラピスを探し出すのは容易ではない。

―ルリがいれば屋敷内のシステムをハッキングしてラピスの居所を探せるのに・・・

そう思ったアキトはハッとして手近な端末を操作する。

―もしラピスがこの騒ぎを感知しているとすれば・・・

「ラピス、聞こえているか?迎えに来た。何処にいるんだ?」

『右から三つ目の扉の中・・・』

端末に表示された文字を見てアキトは心の中で喝采をあげながら指定された扉を開ける。

はたしてラピスはそこにいた。

ただし培養液の中につかりまるで実験動物のように

体のあちこちにセンサーを取り付けられている。

アキトはスイッチを操作し培養液を排出、

次にカプセルを開けるとラピスに自らが羽織っているコートをかけてやる。

「ラピス、もう大丈夫だ。」

「・・・アキト?」

「ああ、ルリから聞いているだろう?」

アキトの姿を確認するとラピスはアキトに抱きついてきた。

「・・・うん。」

「さあ、こんなところから早く出よう。」

アキトはそう言うとラピスを抱え外に向かい走り出した。

 

 

 

 

 

アキトがラピスを抱きかかえて研究所を出た直後に研究所から爆発が発生した。

「カズマの奴・・・俺ごと殺す気か?」

実際カズマはアキト達が出てくるのを見計らって爆破のスイッチを押しただけなのだが・・・

「アキト・・・これからどうするの?」

「ラピスは俺と一緒に来るのは嫌か?」

「うぅん」

ラピスは小さくかぶりを振る。

「アキト、無事か。」

アキトはカズマの傍によるといきなりカズマに蹴りを入れる。

カズマはまったく油断していたのでその蹴りをまともに受けてしまった。

「何すんねん!」

「いきなり爆破させやがって!

俺達が巻き込まれたらどうするつもりだったんだ!」

「そういやワイあんまり爆破とか苦手やねん。

それにアキトやったら大丈夫やろ?」

確かにアキトにとって爆発程度で致命傷を負う事は無いが

現在アキトの腕にはラピスがいる。

「ラピスはどうする?」

「・・・不幸な事故っちゅうことで・・・」

「カズマ・・・あんたまたやっちゃう所だったのね?」

何時の間にかアヤがカズマの後ろに立っている。

「ア、アヤ・・・そ、そういや・・・う、裏口の人間は・・・」

カズマが話題を変える為に話を振る。

「ちゃんと生かしているわよ。」

そう言うと一点を見つめる。

アキトとカズマは視線の先を見ると確かに裏口にいた警護の者は生きている。

しかし、裏の世界で生きていくためには最早死んだも同然だ。

なぜなら男達の腕はあらぬ方向に捻じ曲がれ指は第3指と第4指が無くなっている。

ついでに両足も変な方向に向いている。

中には右の手首から先が無くなっているものもいる。

思わずアキトとカズマは顔を見合わせる。

「な、アキト・・・ワイの言う通りやったろ・・・」

「ああ、ここまでするとは・・・」

ちなみにアキト達は顎の骨を砕き利き腕の関節を外したり肋骨を数本折っただけだ。

「何か文句でも?」

「「いえ、ありません」」

二人ともアヤを怒らせると自分の命がやばいという事を骨身にしみたのであった。

「と、ところで・・・ちゃんと救急車を呼んだんだろうな。」

アキトが心配になって聞く。

「さっきの女性ね。心配しないで。

私が応急処置をして救急車でネルガルの病院に

運び込まれているはずよ。」

「そうか・・・二人とも、世話になったな。」

アキトはカズマとアヤに礼を言う。

「ええってこっちゃ。

久々に暴れる事も出来たし、

何よりあんたみたいに強い奴に会う事が出来たんやからな。」

「そうよ、悪党を斬ったのも久しぶりだし・・・」

―頼むから斬るのは悪党だけにしといてくれ・・・

て言うより今まで何回も有るのか?

そうアキトは思わずにいられなかった。

「ところでアキト、これからどないするんや。」

「ヨコスカシティで屋台引きながらボロアパート住まいさ。」

カズマは意を決したような顔をして

「・・・なぁ、ワイらと一緒に探偵やらんか?丁度人手不足でな。」

とアキトに提案する。

「そうそう、カズマみたいに考え無しに暴れまわるだけじゃ芸が無いし・・・」

アヤも同じことを考えていたらしくカズマに賛同する。

「でも、それじゃ君達に迷惑じゃ・・・」

「その辺は心配せんでもええ。

アカツキにあんた達の事頼まれとってな。」

「アカツキ君の紹介に加えてアキトの実力を判断すればノドから手が出るくらい欲しいのよ。」

アキトは今も抱きかかえているラピスを見る。

ラピスはアキトを見つめている。

前の人生ではラピスにまともな教育すら受けさせてないし友達もいなかった・・・

それに自分の立場があやふやなままではラピスにとってプラスにならない・・・

何より自分はこのカズマとアヤの二人が気に入っている・・・

アキトはすうっと深呼吸して二人に笑顔で答える。

「解った。世話になる。」

「よっしゃ、それなら今晩はパァッといこか?」

「そうだな。」

「何処に行くの?」

ラピスがきょとんとしている。

「カズマ、帰ったらもう朝になってるわよ?」

「ええって、事務所でパァッとやればええんや。」

「私・・・アキトの料理が食べたい・・・」

おそらくルリから散々自慢されたのであろう。

ラピスはアキトの腕をつかんで言う。

「そうだな、それじゃあ俺が料理を作るよ。」

「あきと、料理できるんか?」

「ああ、これでもコックの端くれだ。」

―これは中々ええ買物かもしれん。アヤの料理は当たり外れがあるからな・・・

「カズマ・・・あんた、今なに考えてたの?」

アヤのコメカミから血管が浮いている。

「い、いや・・・料理が出来るっちゅうんはええ事やなって・・・」

「そう?私の料理は当たり外れがあるからね・・・」

「い、何時から人の心が読めるようになったんや!」

アヤがすらりと日本刀を抜く。

「途中から声に出てたわよ!」

アヤが攻撃する前にカズマは逃げ出していた。

アキトは苦笑しながらその様子を見ていた。

「ねぇ、アキト・・・あの二人・・・仲・・・良いね。」

「そうだな。」

アキトはラピスの言葉を肯定する。

暗闇に星々が瞬いていた・・・

 

 

 

こうして、アキト・カズマ・ラピス・アヤの4人は出会った。

しかし、この出会いが新たな騒動を巻き起こすのに十分であったのだが

それはまた次の機会に・・・

 

 

 

 


 

アキト:外伝だな。

作者:空白の8ヶ月間でラピスを救い出しておきたかったからね。

アキト:本編も書かずに・・・

作者:ちょっとルリの一人称が行き詰まったんで気分転換にね。

アキト:またまたリアバウからキャラを引っ張り出してくるし・・・

作者:最初はカズマだけだったんだけどカズマを止めるのは飛天流の剣術使いだろう?

アキト:しかもいわくありげなキャラも出すし・・・

作者:『神威』さんからこんなキャラどうですかという申し出があったので出してみた。ありがとう、『神威』さん。百万の感謝を!

アキト:ルリが知ったら・・・

作者:当然、私が殲滅させられる。

アキト:もはや殲滅されるのは時間の問題・・・か。

作者:当初ラピスを助け出すだけだったのが外伝を続けなくてはならない幕引きになってしまった・・・

アキト:自業自得だ。それよりこの先の展開は本当に考えているのだろうな。

作者:本編の最終回だけはまとまっている。

アキト:それは最終回以外はまだまとまっていないってことだな。

作者:おう!

アキト:威張るな!

作者:それでは次回も外伝です。

アキト:まだプロットも決めていないくせに・・・

作者:うぅぅぅ・・・アキトがいじめる〜

アキト:幼児化するな!

 

・・・あまりキャラを出すと他の人物にスポットが当たらなくなっていく・・・プロスさんは自らスポットライトを当てているが・・・

 

 

代理人の感想

黒マントでうろつくアキト・・・・既に定番なのかも知れない。(笑)

しかしクサナギ兄弟って、えらい先祖に似とんのやな←つられてエセ関西弁