アカツキは間抜けだ!カッコよくない!
 ハーリーは糞だ!
 ジュンってだれ!?
 脇役死ね!
 と思う人は読まない方が無難です。
 それでも構わない人、どうぞ駄文ですが読んでやってください。







      
波乱万丈な人生

       
第二話 『〜僅かなズレ、そして枝分かれ〜』
         






 大量の無人兵器が砂糖に群がるアリのようにナデシコに近づいてきた。

 (なんだか前よりか多いような気がする…)

 最も接近していたバッタをアキトが打ち落とす。

   ダンッ、ダンッ!

 音が無い世界で、ライフルの素早い二連射は少なくない振動を感じさせた。



 「リョーコ、作戦は?」



 「この数だぜ?各自戦況に応じて応戦だ!!」



 「「「了解!!」」」



 アキト、ヒカル、そしてイズミの三人の了承が戦いの合図となった。

 四散するパイロット達。

 そのなかでアキトは敵の層が厚いところに突っ込んでいく。

 …傍から見れば自殺、普通の人にはその二文字が脳裏に浮かぶが、ここにいるパイロット達は違う。

 それを見守るナデシコクルー。

 戦闘中にもかかわらず、クルー達に焦りは無い。

 もし、この戦艦がナデシコで無かったならば、これ程の大群に襲われてはなす術も無く、
 簡単に撃沈されていただろう。



 「ハァーー!」



 気合とともにリョーコの乗るエステバリスはスラスターを盛大に噴かしながら接近戦を開始した。
 
 普段は接近戦が得意でも敵には近寄らずに、中距離で撃破するのだが今回の敵はそれを許してくれない。



 「…進化する兵器、って訳ね」



 このイズミの言葉がそのことを説明した。

 それでもナデシコパイロット達は無人兵器に遅れは取らない。

 それをリョーコが体言する。



 「負けるかよ!」



 そして、宇宙に一つの花火が咲いた。


 
 






 「…みんな疲れてきたのか?

  だんだん動きが鈍くなってきている」



 俺は皆の動きを見ていて、特にガイを見て、つい口に出してしまった。
 
 俺にとってはたいした事は無いがリョーコちゃん達にはきついかも知れないな…。

 そう思いながらライフルの引き金を引く。

   ダダダダダダダン!

 七連射。

 この速度での連射は多分これくらいが限界だろう。

 それ以上連続で打つと銃身がもたない。

 冷静に考えながらさらに三連射。

 俺の目の前で二匹のバッタが宙に散る。

 当たり所が悪かったのか、派手に爆発した。

 ん?

 ふと違和感を感じてセンサーを全範囲に切り替える。

 後ろか…
 
 後ろからの体当たりを寸で避け、
 バッタの体制が崩れたところにスラスタの強烈なバックファイアーを叩きつける。

 弾き飛ばされたバッタは姿勢制御もままならずに、そのまま他のヤツまで巻き込み、爆発した。

 それを見ないで更に獲物を求めて宇宙を駆け巡り、そしてまた繰り返し…。

 過去に嫌と言うほど経験して、俺の身体に染み込んだ行動に無駄は無い。

 ナデシコに見えている俺の姿は、貪欲に狩をするハンターそのものだろう。

 …………まだか?

 俺は単純な動きのバッタどもを破壊しながらそう思った。








 「くそ〜、なんて多さだ。
  
  いいかげん疲れてきたぜ…」



 そう呟きながら、なんとかスペースが開いた所に移動して、リョーコはしばしの小休止を取った。

 (しかし、アキトのヤツ流石だな…いつか俺もあんなふうになれるだろうか…)

 リョーコはアキトの乗るエステバリスを眺める。

 水の様に流れる機体。

 速度の緩急が激しく、見ているものに美しささえ思わせる。

 あれは生き物だ、と言われても信じる事が出来るだろう。

 (俺はなに戦闘中に考え事なんてしてんだ!?)
 
 気を取り直し、リョーコは近づいた無人兵器に攻撃を仕掛けた。



「さてと、行くか!!

 …ってあいつ何してんだ!?」



 リョーコが見たのはガイのエステだった。

 まるで突っ込む事しか知らないイノシシのようだ。

 すぐ後ろに付いてきている敵にさえ気づいていない。

 

 「くらえ!ゲキガンフレアァー!!」


 
 高々に叫ぶガイ。

 正面のバッタに普通のパンチを浴びせ破壊した。

 さらに、右側の近いところに居たバッタに攻撃を仕掛ける。

 今度は大きくタメを作りながら…



    「ガァイ!! スゥーパァー…ぐえぇ!!」



 後ろから追いついてきたバッタは勢いを殺さず突っ込み、ガイは弾かれた。

 そして囲まれるガイ。



 「うぉ!! おのれ卑怯な!!

  アキト!!親友のピンチだぞ!!」



 (…親友って…なんだか親友を止めたくなったよ、俺。しかたがないな…)



 「今助ける!!」



 アキトはそう言ってガイを囲む無人兵器に狙いを定めてトリガーを引いた。

 ダダダダダダダダダン!

 量が多かったが九発で倒すアキト。

 そしてアキトは近づいてきたジョロにライフルを向けて撃つ。
 
 が…

 弾丸は見当違いなところに飛んでいった。

 熱で銃身がやられ使い物にならなくなったライフルを見るアキト。

 

 「くそ!」



 ライフルのマガジンを抜き、銃身を投げる。

 フィールドに阻まれたが、すぐに絶妙な体当たりをしかけ破壊。

 (まだアカツキは来ないのか!?もうそろそろ来ても良い筈だ!)

 さらにマガジンを投げる。

 マガジンの残弾が爆発し数体を巻き込んだ。

 だがこれでアキトに残された武器は何もない。

 

 


 アキトの疑問…

 もちろんアキトがいた過去やハーリーがいた世界のときならばすでに来ていた。

 そしてこの…僅かなズレから全ては狂っていく。












――――ナデシコブリッジ



 「リョーコさん達は苦戦していますね」



 「うむ。」



 「…ですが、テンカワさんだけは普段と変わっていないようですね」



 「………ミスター、やはりヤツは"危険"だ…。

  他のやつらとは…違う」



 「そう言いましてもテンカワさんの働きは経費が浮くのですよ。

  …ザッとこれくらいですか」



 懐からソロバンを出して目に見えないほどの高速で動く指…。

 プロスペクターは計算が終わったそれをゴートに見せる。



 「…むぅ…」



 ゴートはソロバンが分らないようだ。



 「アキトすごい!さっすがぁ!」



 ユリカの脳天気な声がブリッジ全体に響く。

 (あたりまえです。私のアキトさんはこんなものじゃありません!)

 ルリがそう思った。

 ブリッジにいるクルーはアキトの動きに注目している。

 しかし、その危うさに気づく者はブリッジではゴートとプロスペクターだけであった。

 モニターに映るのは、アキトのエステバリスがバッタやジョロに体当たりをしかけ破壊する姿。

 体当たりなので破壊した敵数は少ないが、その派手なシーンは迫力がある。



 「すげぇーぜアキト!」



 「うんうん、確かに凄いよね!」



 リョーコとヒカルが言う。

 確かに、色々な意味で凄い。

 そして、それは二人には分かっていなかった。

 アキトの危うさを…

 


 (凄いなんてもんじゃない、アキト君は恐怖心が無いの?)

 イネスが思った。 

 他にそれをナデシコ内で分かるのは、ウリバタケやイズミだけだろう。

 イズミは補給のためにナデシコに居る。

 そのためイズミとウリバタケは見ていなかった。

 危うさとは一体なにか?

 それは強度。

 いくらアキトが天才的でもエステはそうもいかない。

 フィールドを纏っていても何度もぶつかれば損傷する。

 そのことが理解できる人はもっといるだろうが、アキトの今までの活躍にカーテンを掛けられ分からない。

 ここまでエステのフレームがもっているのは単にアキトの腕が異常なだけだ。

 そして、不運にも、この世界にはそのことがこの戦闘空間に居るだれよりも理解できるヤツがいた。

 


 宇宙空間に一体の無人兵器があった。
 
 ジョロに似ているが違う。

 バッタでもない。
 
 近づいてよほど注意してみないと分からないだろう…。

 <<ジ、ジ、ジ…キュル、キュル>>

 カメラがアキトの乗る機体にピントを合わせていた。

 <<ピー、ピー、…キュイン>>

 そしてそれは電波を発信する。

 その電波は色々な通信に紛れてナデシコにはキャッチできなかった。

 それは送られた。

 木星に…
 

 
 それからすぐに、
 
 

 「君達!下がりたまえ!!ここは危険だ!!」



 アカツキの通信が入り、まもなくして、閃光が木星蜥蜴の軍を襲った。

 あの無人兵器を巻き込んで…しかし、遅かった。

 もう歴史は狂ったのだ。















 「ハーリー、そっち終わった?」

 

 ラピスが僕に聞いてきた。



 「ああ、もう終わったよ。これで全部だよね?」



 「じゃあ、後は作るだけね」



 僕らが言っているのは現在には存在しない物、ブラックサレナとブローディアのことだ。

 完全に完成といきたいところだが無理だった。

 なんでも…優秀な技術者がナデシコにしかいないらしい。

 世界中を探せばいると思ったけど甘かった。

 だけどブローディアのオモイカネ級コンピュータの縮小版――ディア、ブロスの外形は出来上がっている。

 僕とラピスがやれるところはもうない。

 後はウリバタケさんとイネスさん次第だ。

 あ、…ルリさんの微調整が残ってるや。

 計画はもう設計図など細かいところまで出来上がって、後は作るだけの段階。

 もう直ぐ完成だ。

 なぜか気がついたときからラピスとは同じ研究施設に居た。

 予想より早くできたのはそのためだと思う。

 過去よりか、かなり早いが別に構わないだろう。

 そなえあれば憂い無しってやつだ。

 それにラピスの情操教育もした。

 多分、過去よりましな性格になってる…と思う…大丈夫かな?

 あとは僕自体の計画を進めるだけだ。

 最初にテンカワさんと連絡を取りたいが不自然だろう。
 
 まずはルリさんだ。

 さて、もうそろそろナデシコは跳躍し終わったはず。

 明日にでも連絡をするか。
 


 「ねぇ、ハーリー。いつアキトの所へ行けるかな?」


 
 考え事をしていたため、ちょっと反応が遅れた。



 「さ、さぁ?僕に聞かれても…でももう乗っても構わないと思うけど?」



 「アキトに聞いてみる♪」


 
 僕がそういったらうれしそうに言った。

 でも、僕らがナデシコに乗った場所はヨコスカベイ地球連合宇宙戦艦ドックだ。

 残念だけど無理だと思うよ?

 うれしそうなラピスを見てると、口に出来そうもないので心の中で言う。



 「もうちょっと待ってだって」



 「はぁ?」



 いきなりラピスが僕に言う。

 ラピス…主語がないよ…。



 「どうしたのラピス?なにを待つの?」



 「だ・か・ら、ナデシコに居るアキトが言ってたの!」



 あ!そういえばラピスはテンカワさんとテレパシーが出来るんだっけ。

 

 「でも、すぐに乗れるようにしてくれるって言ってたよ!」



 ラピスがうれしくてしかたがない、と言った感じで言う。 


 
 「そ、そう…よかったね」


 
 「ハーリーも一緒だよ?」



 ああ、こんなところから歴史が狂ってるのか…それともココは過去じゃない?

 分からないよ…













 「ルリちゃん、ちょっといいかな?」

 

 アキトがブリッジに入ってくるや否やそう言った。

 ルリは振り返り、アキトの真剣な目を見る。



 「もちろんです。

  さぁ、行きましょうか」



 「ずるいよ〜!ユリカも行くー!」



 アキトとルリの会話に口を挟むユリカ。



 「…ユリカ、すまないが…これから話す事は悪いが言えない。…今はまだ…」



 アキトの言葉にユリカは黙る、そしてブリッジ中が静まった。



 「行こう、ルリちゃん」



 「はい」



 ブリッジから出て行く二人の後ろ姿は、いつもと違う。

 そうブリッジクルー達は思った。



 


 「アキトさん、何処で話しますか?」



 「盗聴されないところなら何処でも良いんだが…どこかないかな?」



 「それなら何処でもOKですよ。

  私がオモイカネに言っておきますから。
  
  私の部屋でどうですか?」



 「ならそうしようか」



 そう言って二人はルリの部屋に入っていた。






 「…で、話…とは?」



 「ああ、それはね。

  実は今さっきラピスから連絡が入ったんだ」



 「そうですか…」



 (なんだか羨ましいです。)

 ルリはそう思った。



 「それで、なんでも、計画はほとんど終わったらしい。

  後はイネスさん達の分野が残ってるだけ、と言ってたよ」



 「もうですか!?

  二人がいくらマシンチャイルドだと言っても…早すぎじゃ…」



 「ハリ君ががんばってたみたいだよ。行き詰っても、そこら辺をパパッとやったらしい」


 
 「そんな…B計画もですか?」



 「そう言ってたよ」



 ルリは黙った。

 なにか考えているようだ。



 「…信じられない話ですが…。

  では、二人はもうすることがない…と?」



 「ああ、俺も最初は信じられなかったけどデータを見れば納得したよ。

  そんなに真剣に考えなくても良いと思うよ、ルリちゃん。それに、早い事に越した事はないからね」



 「…分かりました。

  アキトさんの言う通りですよね」


 
 「それとルリちゃんに話したい事はそれだけじゃないんだ」



 「他に何があるんですか?」



 「もうラピス達は研究所にいる必要はないからね。

  あんな場所には一秒も二人を置いておきたくない」



 そう言うアキトの目は、なんだか遠くを見ていた。



 「実験体にさせたくないんだ」



 「そうですね。

  私もアキトさんの意見に賛成です。

  二人をどうにかしてナデシコに乗せたい…と言うことでしょ、アキトさん?」



 「その通りだよ。ルリちゃんは優しいね」


 
 アキトはルリに微笑んだ。



 「………………」



 それに見惚れるルリ。



 「ルリちゃん?どうしたの?」



 「…ハ!いえなんでもありません。

  それでどうしましょうか?やっぱり、アキトさんが無理やり攫いますか?」



 「そうしたいんだが…今のところ、騒ぎは起こしたくない。

  なにか良い方法はないかな?」



 「なら、ネルガル会長さんに頼みましょうか。

  脅せばイイエとは言えないでしょうし、元はといえばネルガルが法を犯してることなんですから」



 そう笑顔で言うルリ。


 (…なんだか怖いよルリちゃん…)
 
 

 「…そ、そうだね。

  ちょうどナデシコにも乗ってるし、アカツキなら大丈夫だろ」



 「じゃあ…」



 「それは俺が言っても良いんだが…怪しまれるな、確実に」



 「別に良いんじゃないですか?

  怪しまれても何も出来ないでしょう」



 「…それも…そうだな」



 明らかに大企業を嘗めてるとしか言いようのない会話。

 だが、二人にはそう言うことのできる力があった。


















 
 一方そのころ木連では…




 (つまらん、我が動く必要もないではないか。

  話にならん…)

 

 「ヤマサキ、謀りおったな?」


 
 男が白衣を着た男、ヤマサキに言う。



 「そんなことないよ。

  久々に身体動かして楽しかったでしょ?」



 「動かすまでも無かったわ…」



 そう言って男はディスクを投げた。

 ヤマサキは危うく落とすところだった。



 「わぁっとと!あぶないな〜。大事な物なのに」



 「知らん…」



 男は部屋を出て行こうとする。



 「ちょっとまってよ!実は良いもん貰ったんだよね〜」



 ヤマサキの言う事に耳も貸さず、男は歩みを止めなかった。



 「ちょ、ちょっと待ってて!絶対面白いから!!ほら、これ!!!」



 ヤマサキは手を素早く動かしてメインモニターに映像を映した。



 「さっき情報部から頼まれてね〜、偶然映したらしいよ。

  でさぁ、本当にこんな事が出来るのかって聞かれてね」



 男は振り返り、言った。



 「我の知るところではな…」


 
 男の目に映る映像には、エステバリスが無人兵器に体当たりして破壊しているところだった。

 しばらくそれを見つめる。 

 突然、 

  クッククッ

 男の笑いが不気味に響いた。



 「…中々…まさかこのようなことが出来るヤツが地球にいるとは…」


 
 ククッと笑いそう言った。

 その笑いにさすがのヤマサキもそれにはひく。

 (なにが面白いんだか…北辰…頭おかしいんじゃないの?)

 自分の事は棚に上げそう思うヤマサキ。



 「それでさ、こんなこんなことって出来るの?

  僕じゃちょっと分からなくてさ…専門が違ってね」


 
 「…ふぅむ、なるほど…面白い!」



 「いや、だから面白いとかじゃなくて『中々の物を見せてもらった、礼を言う』…ってちょっと!」



 北辰はそう言って出て行った。

 (行っちゃった…そういえば、礼を言われたのって初めてじゃないか?)
 






 


 



 



 「――――で、話ってなに?」



 テンカワ君が話しかけてきた。



 「…ネルガル重工会長アカツキ・ナガレに頼みたい事がある」


 
 頼み?

 興味あるな、それに何で僕の事を知ってるんだ?



 「会長って…いったい何の事だい?」



 あくまでもとぼける。

 だぶん無駄だろうが、しかし…いったいテンカワ・アキトとは何者なんだ?

 先の戦闘で少ししか見てないが、あれほどの実力があれば話題になっても良い筈だ。

 が、聞いた事がない。

 ナデシコが地球を出るとき、ミサイルの群れを打ち落とした、と聞いた。

 それが初めてだった。



 「とぼけなくてもいい。

  頼みとはマシンチャイルドのことだ」


 
 しばらく、僕とテンカワ君は見詰め合った。 


 
 「…ふぅ〜、君には敵わないね。

  一体君は何者だい?」



 参ったね、そうとうな情報網を持っているようだ。



 「別にただのコック兼パイロットだ」



 「本気で言っているのかい?

  悪い冗談だ…まぁそれは今は関係ないみたいだね」


 
 そう言いながら設置された自動販売機にカードを差し込む。

 ピ、

 ランプが点いた。

 そしてコーヒーと書かれたボタンを押す。

 
   カタン…ジョーーー


 
 「それで、頼みとは?」


 
 カップに入れられたコーヒーの香りが充満する。

 僕はカップを口につけ飲む。

 流れが自分にやってくるのが分かる。

 これが僕の常套手段だ。



 「…それはマシンチャイルドの二名をナデシコに乗せてほしい。

  名前はラピス・ラズリとマキビ・ハリだ」



 「マシンチャイルド?とっくにそれは禁止されたよ。

  僕の元にはそんな情報は来てない。

  なにかの間違いじゃないのかい?」



 「間違いじゃないさ、この船にもマシンチャイルドが乗ってるのを知らないのか?」



 なるほどね〜、情報源はそこか。



 「分かった。善処してみるよ」



 「善処だけじゃダメだ、絶対に、だ!」



 睨みつけられた訳ではないのに…

 くっ…この威圧感は身体に悪いよ…

 流れがテンカワ君の方へ…これがテンカワ・アキト…。


 
 「分かったよ。
  
  だからそんなに睨まないでくれ、身体に悪い」



 そう言ったら僕を縛っていた威圧感が無くなった。

 これで約束を破ったら殺されるな…。



 「何時ごろまでにだい?」


 
 「…出来るだけ早くしてくれ」



 テンカワ君…ちょっと我侭すぎないかい?

 ボランティアは好きじゃないんだよ。

 いっちょガツンと言ってやるか。

 

 「良いだろう。その代わり、貸し一つだ」


 
 間が出来た。



 「…ああ」


 
 それだけの、たった二言の会話で僕は寿命が縮む思いをした。

 後ろを向き、去っていくテンカワ君。

 いったい君は何者だい?

 このとき僕は、今作った貸しの価値を知らなかった。

 後に『漆黒の戦神』と呼ばれる彼に作った"貸し"の価値を…

 













――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 あとがき


 こんにちは、みなさん。

 第二話どうだったでしょうか?

 読みやすくするためにちょっと書き方を変えました。

 

 さて、さっそく歴史が変わっていきます。

 この時点ですでにアキトは北辰に目をつけられるのです。

 つまらないかもしれませんが…


 三話はもっとオリジナルが入りまくっていきます

 つまらないかもしれませんが…もうラピスとハーリーはナデシコに乗ってしまうのです(爆)

 
 こんな駄文を読んでくださる皆さん、そして感想をくれた人、本当にありがとうございます。

 勝手な事ばかり書いてますがどうか見捨てないで(涙)


 

管理人の感想

桃次郎さんからの投稿です。

ラピスの性格矯正に成功するとは・・・侮れんな、親父ハーリー(笑)

北辰がこの時点でアキトに感心を持つという前振りは、なかなか良い感じだと思います。

この先のハーリーやアカツキの活躍も楽しみですね。