機動戦艦ナデシコANDマスタ−クロス 第3話『新年の夜明け』

『私らしく』かけながら読んでみよう!

MAIN A

「明けましておめでとうございます!!!」
はぁ……
思わず溜息をはいてしまう。
ここはナデシコのブリッジ、とは言え、この部屋に戦艦と言う雰囲気はほとんどない。
艦長であるミスマル=ユリカは振袖姿を披露しているし。
他のもの……プロスさんでさえなぜか袴などを着ている。
これには流石に俺も呆れた……が。
ここまで来たことで分かった事がある。
それは、魔龍とラピスが介入してきた事ですでに歴史が変わってきていると言うことだ。
以前は、ユリカだけだったのだが、今は、ブリッジにいる(正確には、ナデシコ内)全ての人間が袴【はかま】や法被【はっぴ】、振袖を着ている。
と、そうだ。
着ていない人間も何人かいる。
俺と魔龍だ。
理由は簡単だ……嫌だからだった。
と、言うか、ここは仮にも戦艦だろう。
「アキト……ここら辺は、本当にナデシコらしいよな」
魔龍がそんな事を言ってたりする。
彼も、ナデシコには以前から慣れ親しんでいるから……こんな所は平然としている。
もう、頷くしかなかった。
ユリカもそうだが、なんとラピスまで袴を着ていたのには驚かされた。
だが、俺は自然となれでラピスを受け入れてしまった。
ので、今はラピスは俺の膝の上にいた。
ちなみに、視線が痛い。
……ユリカ、こんな小さな子供に露骨に嫉妬の視線を送らないでくれ……
「みゅ〜……」
しかも、運がない事にラピスは寝ていた。
……一回寝返りを打つたびに更にユリカから来る視線が痛くなる
ユリカから聞いた話だと、昨日、ラピスは袴の帯でぐるぐるになりながらも一日かけてようやく着たらしい。
更に言えば、魔龍は隣りでにやりと笑っていたりする。
そして、一言。
「ふっ……これで俺も楽になる。アキト、がんばれよ」
だった。
まぁ、大抵の人は分かっているだろうがここはあえて伏せさせてもらう。
以前の俺だったらこの言葉の意味を図りかねただろう、が、今は違う。
どうやら、魔龍も気付いていたらしく、今の俺が昔のテンカワ=アキトではないと言うことに……
今の俺は、言うなれば闇の王子……おそらく画策【かくさく】したのも魔龍だろう。
故に、俺はそれにあっさりと答えた。
実質上、ラピスにも恩がある。
……それに、ラピスも気付いてるようだ。
に、しても、だ。
あの、ラピスがこんなに感情豊かになるとはな……魔龍、これだけは本当に感謝する。
「くくく……これからが大変だなぁ……ア〜キト?」
前言撤回……魔龍、お前、まさかそれが目的か?




連邦宇宙軍との会話(会談?)の後、ユリカ達は制服に着替え、ブリッジに来ていた。
俺はというと、魔龍の部屋に来ていた。
理由はこれからの事を話すためだ。
いくら俺とは言えども、木蓮や、連合宇宙軍を一人では倒せない。
……最も、魔龍なら別だが。
「それで、どうする?」
俺は早速魔龍に問い掛けるが魔龍は溜息を付く。
???
「あのなぁ……俺は全くこれから何が起こるか知らないんだぞ、それでどう答えろと?」
最もな意見だ。
「あっ……それもどうだな」
そう答えながら、俺は手短に答える。
まずは、ヤマダ=ジロウ……いや、あえてダイゴウジ=ガイのこと
次にサツキミドリの事。
合流するパイロットの事。
火星の事。
フクベ提督の事。
月の事。
イツキさんの事。
白鳥九十九の事。
……北辰の事。
……その他もろもろの事を事細かに話した。
それを聞いた魔龍は……
「そうだな……まずは、壊れたあの二機のサレナ型の代わりの事をどうにかしなくちゃなぁ……」
感慨深げに言う。
それはまず、武器の確保と言うことだろうか?
だが、これは俺たちにしてみれば大事な事だった
「しばらくはノ−マルのエステでやるしないのか?」
俺は慌てた調子で言う。
実際、この条件でもかなりわがままを言っているのは分かっていた。
だが、もう、誰も殺させたくなかった。
そう……誰も。
そのために、最低限の力が必要だ。
「A・S【エンジェル・サレナ型】なら何とかなりそうだが……あれ、俺のW・A・S【ホワイト・エンジェル・サレナ】の6分の1しか力はでねぇぞ」
「……それでも、ノ−マルのエステよりかは遥にましだろう?」
俺のその言葉に、魔龍は溜息を付きながら答える。
「ふう……確かにノ−マルのエステはW・A・Sの30分の1の力しかでねぇしな」
そう言うと、魔龍は立ち上がりパソコンに向かう。
……今時珍しい、旧式のノ−トパソコンだ。
と、思ったが最新のパソコンらしい。
画像が上にかってに立ち上がった。
そして……
「マスタ−−−−−−−−っ!!!!」
「ぬぁっ!?」
魔龍は、自らのAIであるフィムに蹴りを一発もらった。
……………はぁ……
俺が、心の中で溜息をついたとき。
ピンポンパンポン。
艦内放送がなる。
そして、続いて聞こえるメグミちゃんの声。
『テンカワ=アキトさん、魔龍 銀さん至急ブリッジに来てください。繰り返します……』




「テンカワ=アキト、ブリッジに入ります」
「魔龍 銀、ブリッジに入ります」
二人同時に、挨拶をし入る。
……しかし、俺は、ここのブリッジに入るたびに思う……
戻ってこれたんだなぁ……と。
あの時、魔龍を庇った時……俺は、自らの命を失った……遺言と共に。
そして、今……俺は、俺を成長させてくれたナデシコにいる。
俺達の言葉に、ブリッジの面々は振り返る。
俺は、まずは身構えた。
ユリカの体当りに耐える為だ。
が、意外な事が起こった。
「はい、アキトに魔龍さん……そうですね、二人とも、エステバリスのほうへと向かってください」
「!?了解した」
「!?あ、ああ……」
魔龍は驚きながらも冷静に返事を返した、だが、俺はあからさまに驚いてしまう。
どう言うことなんだ!?
「メグちゃん、クル−全員に個室で待機と言う艦内放送を出してください」
「了解しました!」
メグミちゃんも冷静に返す。
「ハルカさん、連合宇宙軍の攻撃をなるべく避けながら向かってください」
「了〜解!」
ハルカさんはいつもの調子で答える。
「ルリちゃん、ディスト−ションフィ−ルド出力最大!」
「了解」
ルリちゃんも抑揚のない声で答える。
やはり……この頃のルリちゃんには感情らしきものが少ない。これは、魔龍と俺でどうにかするしかないな。
「……アキト、行くぜ」
「ん?あ、ああ……」
俺は、またもあいまいに答えてしまった。




MAIN B

おかしい……
俺は、ユリカの言動……いや、行動にも不可思議なものを感じた。
何故なら、彼女はいつもの事なら……『ア〜キト!』とか言ってアキトに思いっきり抱きつくはずだからだ。
だが……今回はそれがなかった。
いくら、パラドックスが起きたからと言っても……おかしすぎる。
ならば……
「ルリちゃん」
俺は、シ−クレットラインでルリちゃんにコミュニケで連絡する。
「はい……?魔龍さん、今は作戦行動中ですよ?」
いきなりだが、呆れた調子で言ってくる。
……ま、それはともかく。
「それはともかく……緊急の用事なんだ。ルリちゃん、お願いがあるんだけどいいかな?」
「はぁ……」
彼女がハテナ顔で聞き返す。
俺は、それを半ば無視し……
「これから、ユリカ……艦長のことを監視してくれないか?オモイカネにも頼んで」
「……どうしてです?」
ごもっともな意見。
「悪いけど……それは話せない……ごめん……」
俺は、頭を下げて謝る。
こうするしか出来ないんだよ……俺には。
「はぁ……仕方ないですね……」
「ありがとう、ルリちゃん……今度何かお礼するよ」




しばらくぶりのこのコクピットの感覚……懐かしい。
俺はそう思いながら、IFS【イメ−ジ・フュ−ドバック・システム】伝達率を上げて行く。
あの後、シュミレ−ションの特訓もあったおかげで最大伝達率が91%まで上がったのだ。
とは言え……ノ−マルの空戦フレ−ムだ、普段W・A・Sに馴れているせいもあって、どうやって戦うのかを戸惑っている。
あ、そう言えば、今回の戦いにはヤマダ=ジロウもいたな。
『ダイゴウジ=ガイだ!』
「て、人の心の言葉に突っ込みを入れるな!」
俺は、そう言い返しながら溜息を付く。
さて……やるか。
「はぁぁぁぁぁぁっ!」
俺の乗っている空戦フレ−ムが震える。
それは俺の気合に呼応するかのようだった……
だが。その時俺は気付かなかった。
IFS伝達率が140%の値を示していた事を……
まるで、このエステバリスが俺のために作られたかのように……
「アキトにガイとやら!行くぜッ!!」
「了解!」
「オウッ!まかせとけぇ!」




デルフォニウムの部隊がさくらと言う衛星から出てくる。
その数9機。
対する俺達は3機だったが……余裕だった。
「はぁ!」
ボガァン!
俺の気合戸ともに、俺のエステの拳がデルフォニウムの機体を破壊する。
『うぉぉぉぉ!ガァイ!スゥパァナッパァァァァァァァァ!!!』
ズガガァン!
ガイのわけのわからん叫びと共に吹っ飛んで行くデルフォニウム。
性格はともかく腕は一流……マジだな。
『……………』
ボガァ!ドガァ!
終始無言で戦いつづけるアキト。
戦況は圧倒していた。




MAIN A

「やっぱりジュンを忘れてきていたな……ユリカ?」
俺は、そう囁きながら溜息を付いた。
しかし……普通友人を忘れるか?
まぁ……そこがユリカらしいといえばそうだけど……
と、そこまで思い至った所だった。
『ユリカらしい……か』……俺は、自分で自分の考えを否定した。
今のあいつは非常にらしくない、なんと言うか……例えれば、まるで何かを思いつめているような……そんな感じだ。
いつものユリカとの雰囲気とはうって変わっている。
ガァン!ボォン!
そうこう考えているうちに、俺はジュンの機体以外のほかの全ての機体を破壊した。
『すごいです!アキトさん!魔龍さん!』
『本当に、二人ともやるわねぇ……』
『あ、てめぇら!俺はどうなんだよ!』
メグミさんとミナトさんが通信に入ってきて、俺と魔龍を誉める。
……何気に、ガイが抜けたのは言うまでもない。
『アキト……頑張って』
ユリカ……
やはり何かが違った。




MAIN B

なるほど……
俺は、あの様子から一つの仮説を立てた。
それは……ま、秘密、かな?
て、そんな事はともかく俺はアキトに連絡する。
それは、いわゆるあいつの事後処理をさせるためのものだった……てのもあるけど……
俺の言葉じゃあ納得しねぇもんな。
二人とも。
「アキト、後は……お前の番だぜ?安心しとけ、どっかのバカは俺が引っ込めとくから」
「番?引っ込めとく……は、ガイだな?」
「そゆことっ、と」
俺は、そう言いながら空戦フレ−ムを0G戦フレ−ム・Mタイプ(俺の、W・A・S追加装甲用の専用機)で引っ張って行った。
なんか、中から『おいしい所をやらせろ!』とか、『離せぇぇぇ!』だとか『ヒ−ロ−はこの俺様だぁぁぁぁ!』とか聞こえるけどまぁいいや……
……イネスが乗ってきたらイネスに引き渡そう……(にやり)




MAIN A

「お前がテンカワ=アキトだな!」
「……そうだ」
俺は、ジュンの言葉を冷淡にあしらう。
戦いの時は、すでに冷静に……
魔龍の教えだ。
「テンカワ=アキト!僕と勝負しろッ!」
「……俺は、構わない…が、だ。お前は何故、ナデシコの前に立つ?」
一瞬、ジュンが言葉につまったのには俺は気付いていた。
それに追い討ちをかけるように更に言う。
「ユリカのため…か?だが、今、お前はその女の前に立ち塞がっているんだ」
「ぐ……好きな女だからこそ、地球の敵になるのが耐えられないんじゃないかぁぁぁぁぁぁぁ!!」
その言葉をきっかけに一気に突っ込んでくる。
俺は、デルフォニウムの攻撃を避けながら、ライフルを放つ。
もちろん、機動力を奪うため破壊したのはエンジンだけだ。
とは言え、長時間は持たないだろう。
「今のお前には、二つの選択がある……このまま重力に引かれて落ちるか……それとも、ナデシコに乗るか」
「ナデシコで、僕にどうしろと言うんだ!?」
ジュンは苛立った様子で言う。
俺は、勤めて落ち着いて言った。
「……今は、まだ、ユリカの騎士の位置は空いている……!」
俺は、自分の気持ちを抑えながら言葉を紡ぐ。
「……ナデシコなら……それも自由だと言うのか?」
「そうだ」
勤めて冷静に言ったつもりだが、感情が表立っているのに気づいた。
嫌な奴だな俺も……
「ジュンくんが来てくれたら……私も嬉しいな」
ユリカがそう言う。
ナイスタイミングだユリカ。
「ゆ、ユリカ!」
ふっ……もう何も言うまい。
俺は、ジュンを……いや、デルフォニウムを抱えてナデシコに戻った。




MAIN B

「さぁて、どう言うことか教えてもらおうか!ユリカ!?」
俺は、ユリカをブリッジから最も遠くそして、食堂からも更に遠い場所に来ていた。
ま、ここの方が一番足が着きにくいからな。
「それは……」
「気付いてないと思ってるのか?少なくとも俺は気付いているぜ」
俺が言った言葉に、ユリカは押し黙ってしまう。
俺は、全くそれを気にせず……
「それとも……本名をフルネ−ムで呼んで欲しいか?テンカワ=ユリカ!」
「!?」
その反応から、俺は自分の仮説が当たっている事を確定した。
彼女も、未来から来た者の一人なのだ。
他には、俺と、ラピスとアキトも……
正確に言うのなら、アキトとユリカの体だけはこの時代の二人のものだ。
そして、俺とラピスは未来から直接来ている。
ちなみに、初期時代に俺が、ナデシコに乗ったときはアキトと同じ年だった。
だからこそ、W・A・Sと言う物があったのだ。
「……気付いていたんですね」
「お前の様子がおかしいと思ってな……仮説を立てたんだよ、そんでもってさっきの通信で確信した」
「……アキトは……?」
押し殺した様子が痛々しい……
「気付いてねぇ……だろう」
「そう、ですか」
ユリカは少し悲しい表情をした。




しかし、俺は気付いてなかった。
この時点でパラドックスが非常に激しく行われていた事を……
それは、運命の悪戯なのかもしれない……
いい度胸じゃねぇか……この俺に、喧嘩売ったんだから覚悟しやがれっ!
父さん……いや、インフィニティ!







魔龍 銀

W・A・Sのパイロット。
その潜在能力はまさに無限大……不明。
本人でさえ、自分の力を図りきれていない。
光王の剣と黒神の剣と言う武器をよく使う。
格闘術においては誰も勝てない……
白兵戦では、W・A・S、B・Sをも凌ぐ……それも、本来の力を出してない今でもだ。
と、言っても……魔龍にとってみればホワイト・エンジェル・サレナは枷だからだ。
もう、人殺しはしたくない……と、言うのが本心だった。
剣の流派は『魔闘鬼神流』とオリジナルのありとあらゆる武道を複合させた『破邪龍聖流』。
MIRACLEと言う称号を持っている。
インフィニティとディスティニィの力から創られた『全ての始まりを作りし存在』でもある。
本名は『カオスティック・シルバ−』と言うが本人はその名で呼ばれる事をすごく嫌がっている。
仕事の都合で、色んな世界に行くので正確な年齢は本人にもわかっていなかったりする。
最も……一日一日数えているらしいのでわかっているらしいが……

身体デ−タ

生年月日:2283 7月8日
年齢:19歳
その他不明。




座談会:テンカワ=ユリカ


銀:どうも、魔龍です!
ユリカ:はい!小説ではかなりブラックな役なテンカワ=ユリカです!
銀:ん?妙なくらい、テンション高いですね?
ユリカ:だって……ここくらいじゃないとテンション高く出来ないじゃないの!役柄が役柄だし……
銀:確かにですねぇ……でも、もう少しして枷が外れれば何とかなると思うよ。
ユリカ:へぇ〜そうなんだ。
銀:うん、ま、期待してくださいよ。
ユリカ:うん!て、ことは……アキトと私のラブラブもあるの!?
銀:(うおっ!このパタ−ンは……)そ、それは……
ユリカ:あるのよね?(にこ)
銀:いや……その(汗)
ユリカ:つくってくんなきゃ……グラビティ・ブラストだからね?それとも、送転移砲がいい?
銀:うう……(泣)
ユリカ:ルリちゃん?聞こえて……
銀:わぁ−!わかりました−!創ります!作ります!
ユリカ:うふふ……聞いたからね?楽しみにしてるよ〜。
銀:……はい。
ユリカ:さぁて、アキトのご飯食べにいっこ〜

るんるんとした様子で返っていくユリカ……
それを見つめる作者が一言……

銀:横暴だ……(ぼそ)
ドガァァァァァァァァァン!

その後、グラビティ・ブラストがあたり一体を焦土と化させたようだった。


これから、呼び方がこうなります。
魔龍 銀(作者)=銀
魔龍 銀(キャラ)=魔龍
よろしくお願いします!



 

 

 

 

管理人の感想

 

 

魔龍さんからの投稿第三話です!!

むぅ、少なくともアキト君は帰還者みおたいですね〜

でも、ナデシコクルーの振袖姿・・・見てみたいですね(笑)

それにしても、ジュンは何時もの通りの役だし(苦笑)

・・・ユリカも、帰還者なのですか?

う〜ん、複雑ですね。

それにしても、魔龍さん・・・プロフィールの通りだと、最強キャラだね〜

 

では魔龍さん、投稿有り難う御座いました!!

 

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