機動戦艦ナデシコANDマスタ−クロス 第5話『火星一歩手前!』


MAIN A

「ア〜キ〜ト〜!」
ドサァ!
そんな感じの音がして、ユリカが俺に思いっきり抱きついてくる。
この前の一件から特にそんな事が多くなり始めた。
これも魔龍のおかげだな……と、改めて感謝し自覚してしまう。
俺は、ユリカがその体制のままで頭を撫でる。
ユリカはそれにうっとりとした様子で嬉しそうに微笑む。
「……………(にこにこ)」
と、笑っているのは魔龍だ。
あの一件以来、魔龍はそんな表情でずっと俺たちをみている。
そして、その魔龍の膝の上には、少しその様子を羨ましそうに見ている人物……ラピスがいた。
更にその隣りにはルリちゃんがいる。
まだ、出発してから3週間しか経ってないが相当懐いているみたいだ。
ルリちゃんほんのり頬を染めているのは少し恥ずかしいらしい……ラピスに無理矢理押しきられたんだろうな……
しかし……君達、仕事はいいのか?(汗)
と、思ったらオペレ−タ−シ−トに魔龍が座っていてその上にラピスとルリちゃんがいた。
……正直、良い傾向だと思う。
そんな感じでナデシコ内はおおむね平和だった。




「もう時期、サツキミドリ2号に到着します……」
「ハルカさん、もう少しスピ−ドを上げてもらえませんか?それとルリちゃん、ディスト−ションフィ−ルドを展開しておいて」
「「了解」」
ユリカの言葉に二人は同じタイミングで言うとサツキミドリ2号へと更に速度を上げ向かう。
俺と魔龍は頷き合うとブリッジを出る。
そして、格納庫に行きエステバリスカスタムに乗り込んだ。
「通信、来ていますけど?艦長」
「通信を開いてください」
ユリカの言葉に、メグミちゃんは頷くと通信を開く。
「こちらサツキミドリ2号」





MAIN B

「くそぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
どんっ!バゴン!
俺は、思いっきり自分机を殴る。
多少へこんだがそんな事を気にしていられない……サツキミドリ2号を……助けられなかった!
俺もアキトもユリカさえも大急ぎでコロニ−に向かったが……駄目だった。
どうやら、外部から攻撃を受けたのではなく、内部からサツキミドリは攻撃を受けたようだ。
だから……間に合わなかった……だが、俺の考えは違った。
あれは……俺のせいだ!あらかじめ、サツキミドリ2号から人々を非難させて合流地点も月面基地にしておけばよかったのだ!
リョ−コ達との合流の後の俺の考えだった。




そして……その日から、1週間が過ぎた。




MAIN A

「もう時期、火星です」
ルリちゃんの報告と共に見えてくる、火星……
そこは、全ての始まりと終りがある場所。
俺達の戦いの始まり……そして、終りのあった場所。
魔龍との最後の旅もここで終わったのだ……皮肉な事に。
俺にとっては切っても切り離せない皮肉な場所……
「アキト……」
ユリカも心配そうな表情で俺を見ている。
俺は、『大丈夫だ』といいユリカの頭を優しく撫でる。
そして、その様子をメグミ=レイナ−ドは羨ましそうに見ていた。
だが、火星に入る前に異変が起きた。
……更に言えば、それは俺とユリカを驚かせるのには十分だった。
「ボソン粒子反応増大……機影確認。識別信号……不明です」
ルリちゃんの報告がしんと静まり返ったブリッジに響く。
「ユ−チャ−リス……なのか?」
それは、俺がかつて乗っていた船、ユ−チャ−リスに似ていた。




MAIN B

さて……俺は、みなに気付かれないようにすばやく部屋に戻っていた。
そして、着替える。
服の上に、白いプロテクトア−マ−を着る。
更に、真っ白なマントを着込む。
これで準備OK……と。
「行くぞ、ルリ、ラピス」
「うん」
「はい」
二人は素直に頷くと俺の近くに来る。
そして、俺の口から一言漏れる。
「テレポ」




MAIN A

「目の前の艦隊が通信を送ってきています、開きますか?」
めぐみちゃんの質問にユリカは艦長の顔で頷く。
「お願いします」
そして、メインブリッジの画面に通信が映し出される。
そこに写っていたのは黒いバイザ−にそれ以外は全て白で纏めた男がいた。
丁度、昔の俺の格好をバイザ−以外は白にしたものと考えてくれればいい。
「始めまして、と言いましょうか?私は、ユ−チャ−リス型2ND機動戦艦『ガ−ベラ』艦長のカオスティック・シルバ−と言うものです」
「!?………ナデシコ艦長、ミスマル=ユリカです」
ユリカもあれが誰かは分かったようだ。
だが、何故こんな事をする。
「……これから、こちらの船も便乗させてもらいます。ま、とりあえず護衛と言う形だとお思いください」
「よろしくお願いします」
ユリカは即答すると、俺の方向を見る。
俺は頷き……
「これから、あちらの船に言って挨拶をしてきます」
「後をよろしくお願いします」
俺と、ユリカはそう言ってブリッジを後にした。
プロスペクタ−さんが文句を言うと思ったのだが……何も言わなかった。
魔龍、手回ししたな?




MAIN B

ルリの頬が上気していた、瞳も潤んでいた。
よほど嬉しかったのだろう、俺は、そう判断した。
積年の家族との会合だ、誰でも嬉しくて仕方ないだろう。
しかも、死んでいってしまった人とならなおさらだ。
≪魔龍さん、小型シャトルを収納完了≫
「よし、こちらへの道を送ってくれ」
≪了解≫
この船のAI、『初代オモイカネ』が答える。
そう、この船に収納されているのはファ−ストオモイカネ……オモイカネ型AI初号機なのだ。
だから、ルリとも仲が良い。
しかも、以前よりもバ−ジョンアップしているため性能は他のオモイカネ機に比べて格段と良い。
と、まぁ……そんな事より、来たな……
プシュ−
ブリッジのドアが開く、その前に立っていたのは……
ビクッ!
ルリの肩が一瞬震える。
そして、交互にその二人を見た。
「アキトさ…ん…ユリ…カ…さん……!」
最後の方は涙声で聞き取りづらかった……それは、今のルリの気持ちを表している。
「アキトさん!!ユリカさん!!」
ルリは二人に思いっきり抱きついた。
良かったな……ルリ。




「さて、ラピス……俺達は向こうに戻るぞ」
「……そうだね、家族の会合を邪魔しちゃ悪いもんね」
「そう言うことだ」
ま、流石に艦長なしの状態プラス副提督がいないとやべぇからな。
俺とラピスは、オモイカネに後を任せガ−ベラのブリッジからナデシコの自室……そしてT・Sの格納庫へと空間転移した。




MAIN A

「ルリちゃん……」
ユリカが嬉しそうにルリちゃんを見ながら言う。
「ユリカさん……アキトさん……お帰りなさい……」
ルリちゃんは、涙を拭おうともせず俺達に笑いかける。
……相当心配かけたようだな……俺は……
「ただいま」
「ただいま、ルリちゃん!」
ユリカも笑顔でそう言う、それは俺も同様だった。
その様子を見て、ルリちゃんはようやく涙を拭いながら言った。
「はい……魔龍さん…約束守ってくれたんですよ……アキトさん」
俺は……彼が一番の苦労人だと思う。
あの後……つまり、俺が実際の時間軸で死んだ後、ルリちゃんの精神的な面でのカバ−をしたのは魔龍だった。
勿論、ラピスも同じである。
……ここら辺は、俺が頼んだのもあるが、おそらく、彼自身でもやっただろう。
この二人にとって、今の様子を見てもらえば分かると思うが魔龍は俺と同様にルリちゃんにとっては家族と同じだった。
……もしかしたら、それ以上かもしれないが。
つまりである、魔龍は彼女達にとってはなくてはならない存在なのだ。
無論、俺にとってもユリカにとってもだ……
俺を、ここまでの状態に戻してくれたのも魔龍だしな。
実際、ユリカを解放してくれたのも魔龍だ。
復讐人……テンカワ=アキトをコック兼パイロット、テンカワ=アキトに戻してくれたのも魔龍なんだ。
それに、今回の事。
魔龍は、本当に良くやってくれている。
むしろ俺は、彼にものすごく感謝している。
だから……俺にとっては、彼は無くてはならない存在なんだ。
もしかしたら、親友としてではなく、俺は、彼を父親……肉親としてみているのかもしれない。
だが……それと同時に、彼は、俺以上に全てを自分の中にとどめてしまう癖があった。
その上、なまじ力があるから誰も気付かなかったり……最悪、一人だけで苦しむ事になる。
しかも、それを一人で尻拭いする……
人の事は、妙に気にかけて自分の事はほとんど明かさない……友に、大切な人に心配をかけないために……
かつての俺も……今の俺も、彼と似たようなものだった。
今は分かる……人は一人では生きていけない。
魔龍、お前は強くないんだ、人間は強くないんだから……
最も、みんなにかかわる事は言うんだけどな……
一人で悩まないでくれよ……みんなに心を打ち明けてくれ……
なぁ、魔龍……




その後、俺達は今までの事をたくさん語り合った……時間を忘れて……




MAIN B

「A・S【エンジェル・サレナ】機動」
俺の膝の上にはラピスが座っている……でも、まぁ……コクピットは狭いから当然そうなる。
本当は、頼んでいたのはT・S【タクティクス・サレナ】(現在のB・S≪劇場版参照の)と同じくらいの出力を持つ機体)なのだが……いかんせん、まだ装備なのだが出来ていないからこちらに搭乗している。
『魔龍さん、聞こえます?』
突如コミュニケが開く。
こいつはニュ−の……彼は、今このガ−ベラにメカニック兼パイロットとしてのっている。
はっきり言おう、パイロットの腕は彼の方が俺よりも遥に上だ。
て、言うかな……アキトよりも遥に操縦がうまいし……
機械関係を彼に任せたら、すさまじい速さで何でもやってくれるだろう。
今のB・SとW・A・S……それと、試作機すら出来ていない『あれ』を作っているのも彼だ。
……ま、『あれ』を作るのは今現在では机上の理論なんだけどな……
だが……一年経ったら彼の手によってそうではなくなるだろう……ウリバタケやルリもビックリの腕前だし……
ま、それはともかく……
「なんだ?」
俺は彼にそう言う、その言葉に彼は……
『ええ……気を付けてください!歴史への干渉のせいで木蓮側もどうやら、あれを配備しているようです!』
「あれ……優人部隊の事か!?」
『はい!サブロウタさんの報告によればそうらしいです!』
ちなみに、サブロウタには木蓮に進入してもらっている。
だが、まさか……もう、優人部隊を投入しているとは……
「そうか……では、その中にサブロウタも……?」
『はい!目印をつけているようなのでいたぶって回収してください、だそうです』
「くくく……そいつは面白い物言いだな……!」
俺は、笑いをこらえるのが大変になってきた。
しかし……自分をコテンパンにしろとは……ま、せいぜい戦闘不能にしてやるか!
「おしっ!魔龍……T・Sで、で……」
「魔龍様−−!」
と、かなりの大声で俺の言葉は遮られた。
右を向くと……
フィセア……(汗)
彼女の名は、フィセア・ディス・ライド……俺が、創った存在の一人。
……実をいうと、俺達は本来ならば高次元にいるべき存在なのだ。
ちなみに、神様や人間は小次元の存在、そして、その上にいるのがロ−ド・オブ・ナイトメアなどの存在で…更にその上が、俺……魔龍なのだ。
最も、この魔龍と言うのも本当は違う。
俺の本名は……カオスティック・シルバ−……だ。
昔は、精神生命体だったが……今は、普通の人間、言うなれば『生物』つまり、『生命体』だ。
そのためには、色々代償にしたが……
でも、後悔はしてない。
と、話しがずれたな……
ま、そう言うわけで俺はフィセアを創ったのだ。
……神以上の存在である俺が、人を創れないはずがないし……な。
「ご無事でいてくださいよ〜(ありとあらゆる意味で……)」
これ、分かった人ははっきり言ってすごい……(汗)
「あ、ああ……ともかく、行くぜ!」
まぁ……出鼻をくじかれたが……今度こそ本当に行くぜ!



MAIN C

「!謎の機体がガ−ベラから発射されました。信号は……!?」
私自身の目が大きく見開かれるのを感じました。
そして、その様子をミナトさんが気づいた。
「どうしたの、ルリルリ?」
「いえ……その…出ている信号が魔龍さんなんです……」
「へぇ!?」
先程の疑問が一気に解決されました。
そうです、この場にいなくちゃいけない人……魔龍さんがいません。
今から、検索しようとした矢先の出来事です。
でも……いつの間にナデシコから出たんだろう?
もしかして、艦長達についていったのかな?
ううん……でも、あの艦から謎の機体が出ていますし……あれにのっていると言う事は艦長の許可が出たと言うことですし……まさか!?
私は、少しだけ慌てて先程の艦長さんとの会話の部分を目の前に小さく出し、再生する、すると……
……やっぱりですね……
思ったとうり艦長さんと魔龍さんの声の質が同じです。
それに、輪郭も似ていますし……
魔龍さん……後で覚悟して置いてくださいよ?
少女を騙した罪は重いんです。




MAIN B

ゾクッ!
俺は急激な寒さを感じた。
俺の第六感がナデシコに戻らないほうが良いと告げている……
ちなみに、俺の今の服は普段着である。
それはともかく……どちらにせよ、戻らなければならない……ナデシコに……
何故なら……もう時期火星に着くのだから……
ありとあらゆる運命のある火星に……




ナデシコに戻った俺は、格納庫でウリバタケにT・S型の製作を頼んだ。
T・Sの設計図を渡されたウリバタケは喜んで自室に戻った。
そして……今、俺がいる所は……女性部屋の廊下前……
目の前には一人の少女がいる……
連行……その言葉が一番合うだろうか?
ともかく、俺はそれをされていた。
そして、その少女の部屋の前まで来る。
「入ってください」
彼女はそう言うって俺を促す……
「いや……そのぉ……」
俺は、冷や汗気味に一歩引く。
だが、彼女は今度は冷たい瞳とつめたい声で言う。
「入ってください」
勿論、どすの入った声で……
「はい……」
俺は、渋々ドアをくぐった……




その後の事は、説明せずとも分かるだろう……




座談会INミナト



銀:どうも!魔龍です!前回はとんだ邪魔が入ってこれませんでした!
ミナト:……魔龍君。(かなりどすの聞いた声で)
銀:は、はい?
ミナト:私たちの出番……妙に少なくない!?
銀:あ……と、ははは……ですが……
ミナト:言い訳は聞きたくないわねぇ……覚悟できてる?
銀:ま、待ってください!
ミナト:なぁに?
銀:み、ミナトさんは後半で出てきます!後、魔龍……彼と11歳のルリちゃんの間に入ったりとか……そ、そう言う関係では多く出てきます!それと、ツクモさんとのハッピ−(?)エンド!
ミナト:そう……でも、それはつまり、当分は出番がないって事でしょ?それに……白鳥さんとのハッピ−エンドもハテナになっているわね……
銀:ひっ……(汗)
ミナト:さぁ……いらっしゃい……(にっこり)
銀:う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!

その後、作者の悲鳴がとどろいたと言う。

合唱!!(笑)



 

管理人の感想

 

 

魔龍さんからの投稿第五話です!!

いやはや、もうラブラブカップル状態ですね、アキトとユリカ(笑)

ルリとラピスは魔龍にべったりだし。

・・・で、疑問その一

ジュンはどうなったんでしょうか?(笑)

疑問そのニ〜

メグミちゃんも姿が見えないんですけど〜(核爆)

魔龍さんの正体は神様より高位の存在らしいですね。

さてさて、今後はどんな展開になるのでしょうか?

 

では魔龍さん、投稿有り難う御座いました!!

次の投稿を楽しみに待ってますね!!

 

感想のメールを出す時には、この 魔龍さん の名前をクリックして下さいね!!

後、もしメールが事情により出せ無い方は、掲示板にでも感想をお願いします!!

出来れば、この掲示板に感想を書き込んで下さいね!!