LOST MIND GET AGAIN 16.0pt;color:blue">


第十一話『目覚めぬままの始まり……そして青年は旅立つ』

・このお話を読むときは、是非とも丹下桜さんの『おやすみなさいを言う前に』をかけてみてください、不思議な雰囲気が出ます。

・VOCALじゃないと無理ですけど……

AKITO

「ふざけないでください!!」

彼女からしたら、すごいボリュ−ムの声だった。

怒鳴ったのだ、ルリちゃんが……

だが、怒鳴りたいのは俺も同じだった。

ルリちゃんと違うのは俺はまだ冷静でいられた事か……

「どういうことなんだ……?ニュ−さん!イネスさん!」

今この場―――ナデシコの医療室にいたのはナデシコ、ガ−ベラの住民全てだった。

……マリアを除いて。

とりあえず、すぐに地球を目指したかったがそんな場合ではなかった。

このことの原因は、魔龍にあった。

それは……

「魔龍さんが……目覚めないってどういうこと!?」

メグミちゃんが涙を少し瞳に貯めた状態で言う。

それは、みんなも同じ意見だった。

戻ってきた魔龍は……すでに意識が無かった。

最初の頃は気にもしていなかったが、流石に……一日中起きなければ全員が不信に思う。

「言ったままです……魔龍さんは…目覚めません」

ニュ−がどこか虚ろな瞳で言った。

彼もショックが大きいのだ。

そして、それを話す人物が一番辛いのだ。

「……原因は、おそらく……全ての力を使った事にあります」

「!?全ての力を……だと!?」

その言葉に、俺は即座に反応する。

魔龍の記憶を見た中、それを使った時の後の事も知っていた。

……その力を解いた時に来る疲労は……凄まじい、死ななかったのが奇跡とも思えるくらいに……

「しかも……無茶苦茶したものです……全解放するだけでも、肉体がついていかないのに、それに加えて力を全力で解放しましたよ…魔龍様は。おかげで、昏睡してますよ……」

疲れた様子で、フィセアさんが言う。

「目覚める見込みは……?」

「ないわね」

イネスさんが即答した……

「そんな馬鹿な事って……あるんですか!?」

ルリが言った。

だが、俺が記憶する限り……前回は……ああなったんだよな。

でも……すでに、あれとの遭遇に成功している今回は……?

「………………」

誰もルリ達にかけてやる言葉がなかった。

MARIA

「うそ……そんな……?」

震える声で私はいった。

目の前にあるのは医療室……

頭がくらくらする、強く感情が滾る。

気持ちが悪い。

……でも、どれも問題にならなかった。

それ程にまで、私の精神は打ちのめされていた。私を助けたせいで……魔龍さんはこんな事になったの…!

声をあげたかった……でも、それだからこそ……私は声をあげなかった。

なにもできない……!結局私は……!!

AKITO

ヴァ−チャルル−ム。そこにいたのは、俺とユリカと……ルリちゃんだった。

いや、呼び方で言うのなら……ルリ……そう、未来のホシノ=ルリだった。

ここにいた、ウリバタケさんの改造のおかげで(せいで?)このヴァ−チャルル−ムは複数人数のプレイが可能になったのだ。

故に、三人で来ていた。

……魔龍が倒れているのに不真面目だと思うかもしれないがけして遊んでいるのではない。

いや、むしろ己を鍛えているのだった。

と、言っても俺じゃない。

鍛えているのは……ユリカだ。

正確には戦略的なことだ。

ここにいるメンバ−は、当たり前だが一度でも艦長経験があるものと言う理由で集められた。

言うまでもなく、ユリカは現役バリバリのナデシコA艦長。

ルリ……言いにくいから、ルリちゃん(17)はナデシコCの艦長だし。

俺は、ユ−チャ−リスの艦長をやっていた。

それぞれの戦術を加えていく事で新たな戦術をより実戦的にし、かつ、応用が聞くように鍛錬しているのだが……

俺もルリちゃんも一回もユリカには勝てなかった。

最後は俺とルリちゃんと言う連合軍まで使ったのだが、勝てなかった。

改めて、俺とホシノ=ルリ艦長はテンカワ=ユリカ大佐の力を見せ付けられた。

そう、俺達は魔龍に頼りすぎていた所がなかったとは言えない。

戦うのは俺達みんななんだ、魔龍だけじゃない。

そろそろ、個々が自立しても言い頃である。

故に……俺は更なる力を、ユリカは新たなる戦術をルリちゃんたちは魔龍の復活した時のサポ−トORオモイカネとのダイレクトリンクの強化……など、をやっている。

ウリバタケさんやニュ−もエステやギアの整備と強化を行っている。

少しずつだが、俺達は間違う事なく進んでいた。

それこそが、まさに魔龍と俺の求めていたナデシコの強さだったのかもしれないと改めて認識させられた。

SYUN

「ウルトラ旋風【せんぷう】斬り!!」

「流気震!!【りゅうきしん】」

ガキィン!!

俺と、アキトの木刀が甲高い音を上げる。

使っている獲物こそ木刀だが……二人とも、すでに通常の木刀の状態ではなかった。

アキトさんは気の力で木刀を強化し並の刀を一刀両断できるし、俺にいたってはゲ−ト能力がある。

故に、その修行もまた勢いに乗って行く。

バァン!ガァン!ギィン!カァン!

大気は揺れ軽い電撃を走らせる。

それでも、お互いの剣は止まることを知らなかった。

「すごいッスね、アキトさん」

「瞬君こそ……中々のものだ……ふう」

お互い、どことなく疲れたような気がするけど……清々しかった。

それに、瞬の剣はどことなく魔龍の剣に似ている。

良きライバルを得た証拠だった。

「うふふ……同人ネタに使えるわね、あの二人」

「止めとけよ……」

「同人ネタ……どう、ジン、寝た?ククク……」

と、こんな恐ろしい会話が行われているとは露知らず……

YUKINO

私は、ただ一人……人として、ただ一人ここにいた。

医療室と言う場所に……

確かめたい事があったからだ。

「………………」

じっと見つめてみる。

顔つき、体つき……全てがそっくりである。

あの時私が助けた『魔龍』と言う男の人に……

『つっ……うぅ……』

『気づいたの?』

『君は……?』

一瞬、そんな回想が流れる。

もし……あの、四百年くらい前にいたあの男の人がここにいるのなら……私と同じと言うことになる。

自分と同じ……永遠を持つものと言うことに……

「教えて」

私は肩の上にいるヒサメを撫でながら言った。

そして……彼に触れた時。

バチィ!!

強い力に……私の意識が引き込まれた。

INESS

あたりに沈黙が起きる。

それは、暗黙の了解と取っていいのだろうか?

いや、もしかしたら認めたくない現実に目をそむけているだけなのかもしれない。

だから、私はもう一度言った。

「もう一度言うわ、魔龍君だけじゃなくて雪乃ちゃんも昏倒したわ」

その言葉に、今度はざわめき始める。

「それって、どういう事なんですか!?」

ルリ子ちゃん……だったわね、彼女が私にそう問いかけてきた。

私は、なるべく平静を装った。

「理由は……分からない、ただ言えることは魔龍君と脳波が同じ……つまり、シンクロしていると言うことだけ、まぁ、二人の意識が一つの場所にあるって考えた方がいいでしょうね。おそらく……二人にとっての一番思いで深い場所にいるわ」

MARYU

……………………?

ここは、どこだ。

俺は……誰だ。

不思議な感覚だった。

自分は誰なのか、ここはどこなのか。

それが、全くわからなかった。

ふ、と目の前に少女が現れる。

「あの、すいません」

俺は、そう問い掛ける。

すると彼女は振り向く。

十一、二歳位の少女だが、どことなく大人びて見える。

肩に載っているオコジョが妙に彼女の雰囲気に似合っていなくて、そして、矛盾しているが似合っていた。

「……なに?」

彼女が、俺に問い直すと冷たい瞳で俺を見る。

「ぶしつけな質問で悪いけど……ここって、何処なんだ?」

そう問い掛ける、彼女も首を少しだけかわいらしくかしげて言った。

「わからない」

SNOW

「でも、ど〜して、同調したの?」

私は、最もな問いかけをする。

でも、イネスも首を傾げるばかりだ。

「分からないわ……ただ……うっ!」

「えっ……あぅ……?!」

MARYU

「ううむ……」

「………………」

どうも、先程から気まずい空気が漂っている。

……ような、気がする。

まぁ、それはともかくなんかずっと俺達は二人っきりで歩いていた。

ま、お互い行く当ても無いんだし仕方ない。

そして……また、それからしばらくすると一軒の家があった。

「入ってみる?」

「(こくり)」

「……なんだぁ!?」

「………中国の玩具」

「そう言う冷静すぎる突っ込みは駄目だよ、雪乃ちゃん」

瞬がそう言う。

て、まぁなんでもいいがなこの家にはいったら急激に思い出したぞ……記憶。

とりあえず、一部だけ。

「マ−ジャンでもやる気か、お前等?」

「そうみたいね」

イネスがそう答えはぁ……と溜息を吐く。

今ここにいるメンバ−……俺と雪乃、イネス、瞬は今説明した通りだ。

残りは……アキト、ルリ、ルリ子……そして、フェイ……ウォン・フェイ・フォンだ。

ユリカは……いない(爆)

「馬鹿らしい、この人数でマ−ジャン!?できるかっ」

「じゃあ、トランプにしておくか?なんかここにあるしね」

アキトがそう言いながらトランプを懐から出す。

……お前、いつもそんなもん持ち歩いているのかよ?

と、思ったが口に出さないでおいた。

怖い答えが返ってきそうだしな……

「それにこれは……以前の、記憶マ−ジャンと同じみたいだな」

アキトがぼそぼそと囁く。

無論、俺にしか聞こえない。

俺は、ふう……と、溜息を吐いた。

「まぁいいわよ、それでなにやるの?」

ルリ子が興味深そうに聞いてきた。

ここら辺は……遊び盛りの高校生だな。

「馬場抜き?豚の尻尾?」

「……ポ−カ−」

≪(汗)≫

―――

一同心の突っ込みである。

「と、ともかく。どうする!?」

瞬が少しどもりながら言った。

「七並べ……妥当じゃねぇか?」

俺は、そう言いながらアキトに目配せをする。

アキトも頷き。

「OK、それがいいんじゃないかな」

と、言った。

ルリも分かったらしい。

コクコクと頷いている。

「よし、じゃあ始めよう」

「ハ−トのセブン、誰持ってる?」

「あ、俺が持ってる」

12.0pt">U ・フェイがそう言いハ−トの7を置く。

ん、雪乃の番か。

「………………」

無表情、無口でカ−ドを置く。

置かれたカ−ドはハ−トの6だ。

次は……瞬か。

「じゃ、俺は……」

と、いいながらスペ−ドの6を置く。

スペ−ド……お、よくみて見るとスペ−ドの6には俺の……(汗)ア、アクエリアンエイジ時代かぁ!?(滝汗)【2001年ごろから、1年間くらい】……み、見なかったことにしよう。

ルリちゃんの視線が非常に痛いが……ま、まぁ……ははは……(滝汗)

ハ−トの6にはフェイが映っている。

あれ……ヴェルト−ルの初陣……

ヴェルト−ルの隣りで必死に村を守っている俺がいる。

……おっ?次は俺か。

「パァス、出すカ−ドねぇ」

そう言い、ひらひらと手を振る。

ちなみに、俺の手札は……

ババが二枚にハ−トのAがあって後は、クロ−バ−のKがあってスペ−ドの7、9で……ラストにダイヤのJだ。

今回は……枚数あわせのためにババが四枚も入っている。

でも、その二枚が来てる俺って一体……?

おっと……俺の次は……アキトか

「俺も……パス(滝汗)」

そう言いながら、冷や汗を流す。

どうやら、何か危険なカ−ドが手元にあるらしい。

さっきの話だが……俺の手元のカ−ドは、全て危険カ−ドだ。

まずは、ハ−トのカ−ドに映っているのは俺と親しげに話しているシ−ラ・シェフィ−ルド、エンフィ−ルドの少女だ。

ババの一枚には、俺が間違えて転移した時の……があるし。

んで、ここまでは個人的な危険だが……これからのものはそれをはるかに超えて知られたくないもばかりだった。

まずは、スペ−ド7……過去の俺……このカ−ドが俺に来たのは幸運だった。残虐、虐殺、暗殺、殺戮……そのカ−ドの光景はまさに、その言葉がじかに感じられ相応しい。

それを、無表情に行っている過去の俺……戦うことに関心を持たず、心を持たない俺……

インフィニティに命じられるまま戦い、殺し、滅ぼす。

……まさに、戦うためのデス・マシ−ンだった。

最も……これが徐々に積み重なったせいで……俺に、感情が出来たのだがな……皮肉な事に。

他のカ−ドだが……スペ−ドの9は過去のアキト……黒き王子の時代のアキトがいる……しかも、ナノマシンを埋められるシ−ンだ……

そして……ダイヤのJか。まぁ、これはいいのだが別に。

むしろほほえましい事だしな……アキトとユリカのキス……遺跡を飛ばす時のシ−ンだな……

さて次の奴は……

とか考えていたら、いつのまにか自分の番にまでなっていた。

今のところ出ているのは……

ハ−トが6、7。

ダイヤが6だけで。

スペ−ドは5、6。

クロ−バ−だが、なし。

それじゃあ…… 12.0pt">

「ジョ−カ−!!」

そう言いながら、俺はクロ−バ−の6の所にジョ−カ−を置く。

ここにいたのは、ルリが俺に抱き付いて泣きじゃくっている所だった。

そう……俺と、ルリの初めての出会いのときだ。

俺は、未来のアキトが死んだ後すぐにホシノ=ルリの住む家に向かった。

そこにいたのは、一人で泣いている少女だった。

その時俺は知る、その時点で未来のテンカワ=ユリカが死んだ事を……

しかも、アキトが死んだのと全く同じ時間だ。

……その光景をみて、俺もルリも今更ながら少しだけ頬を染める。

『今日はゆっくりと寝るといい、大丈夫、俺がついているから』

カ−ドの中の俺は言った。

彼女は、初対面のはず(実際は違う)の俺に対した警戒心を持たずコクリと頷きベッドにはいる。

カ−ドの中の俺は、その隣りで(ベッドの外の端の方)目を瞑った。

……こういう光景見てると思うけど俺も天然のナンパ野郎かも知れねぇ……

気を付けねぇと……て、この馬鹿に甘い性格は治しようも無いか。

「そう言えば、あの時はどうして俺をああもあっさりと受け入れたんだ?」

俺は、今更だがルリに問い掛ける。

その言葉にルリは……

「いえ……実はあの時、少しだけ自暴自棄になっていて……もう、どうされたって構わないと思っていたもので……その……」

かあっと、赤くなって俯いてしまった。

まぁ……いいか。

と、そうだ。 12.0pt">

「イネス、お前、記憶が無いんだよな?」

と、唐突にイネスに俺は問い掛けた、んで、あっさり頷く。

「ええ……よく知ってたわね」

「ちなみに言えば、俺とアキトとユリカ……それに、ルリも知ってるぞ」

そんな感じで、カ−ドゲ−ムは白熱していった。

MARIA 12.0pt">

ぼおっと、していた。

なんだかもうよく分からない。

私の支え……魔龍さんは私のせいで倒れてしまった。

もう、どうしようもないよね……馬鹿だよね……

MARYU 12.0pt">

「魔龍」 12.0pt">

突然、アキトが俺に声をかけてくる。

勝負は一騎打ちだった。

他のみんなはもう上がっている。

そして……俺の番……

「そのカ−ドは……お前の過去なんだろう?」

ドクン! 12.0pt">

一瞬、凄まじいまでの動揺が俺の心と体を覆う。

落ち着け……俺!

「それも……インフィニティにしたがっていた頃の……」

ドクン! 12.0pt">

更に強く波打つ俺の心臓……

「そ、それは……」

アキトは哀れむように俺を見る。

……ッ! 12.0pt">

「出せよ、そのカ−ド……俺も同時に、出す」

……ッ!? 12.0pt">

まさか、その残りの一枚は……!

「ふう………………分かった」

そう言い、お互いカ−ドを同時に残った場所に置く。

ブァン! 12.0pt">

今までとは違い、そのカ−ドはまるで空中にホログラフィを映すかのごとく映る。

「!?」 12.0pt">

「嘘、嘘です!」

あるものは愕然と、あるものはその光景に悲鳴をあげた。

その光景は…… 12.0pt">

「来るな!こちらに来るな!!」

男は、家族を連れて逃げ回る。

無駄だ…… 12.0pt">

無情にも映像の中にいる俺は剣を振り落とす。

「ぎゃあああああ!!」

男が断末魔の悲鳴をあげ死んだ。

だが、それすらも無表情に見つめる。

そして……残りの人間に手をかざす。

「………………」

無口……何も言わずに俺は力を放つ。

ボガァ! 12.0pt">

女の胸に風穴が開く。

更に隣りにいる子供に魔力で作ったナイフを投げる。

ブスッ! 12.0pt">

立て続けに、2、3度投げ確実に息の根を止める。

そして……そのまま、魔力を貯め展開させる。

ブワァ!!ボガァァァァァァン!!

島一つが消し飛んだ、おそらく……今のたった何秒かの間に何万、何億ともいう生命が消えただろう。

「ククク……消せ、カオスティック・シルバ−よ」

インフィニティが俺に命を下す。

俺はそれに答え、更に強い魔力を手に貯める。

「バ−スト……」

感情の無い声……そう、雪乃やルリにすら及ばない感情のこもらない声でいうと俺はそれを放った。

それも、指を軽く鳴らした程度だ。

ブアァァァァァァァァァァァァン!!!!

その力のせいで、星一つが消えた。

AKITO 12.0pt">

ブラックサレナが真空の宇宙を舞う。

目の前にあるのはコロニ−の『タチバナ』。

そのコロニ−はクリムゾン所有の物だった。

そして……そのコロニ−は20分後には宇宙の藻屑と消える事になる。

バァン!バァン!

「うわぁ!」 12.0pt">

火星の後継者の男が死ぬ。

そのまま俺はビ−ムサ−ベルを抜き手早く二人の研究員を殺す。

「草壁はどこにいる」

俺は、無表情に呟くと研究員の男の右腕を切り落とす。

飛び出す鮮血。 12.0pt">

俺は、それを浴びる。

しかし、全く動じずむしろ冷ややかな笑みを浮かべる。

「わ、私は知らない!!」

ズバァ!! 12.0pt">

「ぎゃああああ!!」

左足を切り落とす。

「ほ、ホントだ!!しらないんだ……!助けてくれぇ!」

俺は、男の言葉に一瞬武器を引く。

その様子に安心したのか、研究員は一瞬安堵する。

が…… 12.0pt">

ブスリ…… 12.0pt">

「ならば、死ね」

俺は、無表情に言い放ちその男を無機物とかさせた。

MARYU 12.0pt">

余りにも、二つともリアルで生々しく残酷な光景だった。

みな、騒然としてしまっていて誰も言葉を話そうとしない。

それ程の光景だった、それ程の衝撃だった。

こんな苦痛とも取れる時間が何分か続いた。

いや、あるいは何時間も……

そう錯覚させるほどの衝撃だった。

やがて、誰ともなく声を出す。

信じられない現実を否定しようとして……

「嘘……よね?」

「事実だ。これは現実に俺……魔龍 銀……いや、カオスティック=シルバ−とテンカワ=アキトが歩んできたロストメモリ−【失われた記憶】……過去の強大なる罪」

ルリ子の言葉に、俺は平然を装いながら答えた。

皆は今だに現実を直視しきれない。

ルリは気丈にもキッと俺の……アキトの映っているカ−ドを睨みつけているが表情が青ざめている。

「過去、俺の中にも強い大きな闇と光があった。自分でも正直わからないがな……これがあったせいで、いや、今更何も言うまい。これが……俺の、テンカワ=アキトの真実の一つ。そして、魔龍 銀の真実の一つだ」

きっぱりと言い切った彼の表情は言いがたい表情をしていた。

ルリも知っていながら余りにも残酷すぎるその描写に嗚咽を漏らしている。

ときたま、余りにも残酷なその光景に吐き気を催しているものもいる。

それ程の光景だった。

カ−ドが揃った、遂に……それぞれの生活、思い出が詰まっている記憶のカ−ドが。

そしてそれは、この夢の中での自分の終りを意味する。

そして、その効果はすぐに現れた。

ブァン。 12.0pt">

「!?体がっ!」

そう言うと、一番にあがった瞬が消えて行く。

シュン!! 12.0pt">

その場から、瞬が消滅した。

……と、言うか元の体に精神が戻っただろう。

「あ……」 12.0pt">

ルリがなにか言おうとするがその前にルリが消える。

「ちょっと……!」

俺以外の全ての人物が消えかかっているのが分かった。

……いや、ゆういつ二人だけ……アキトと雪乃だけは存在が保てている。

ただ、雪乃は全く平然としているのに対して、アキトは辛そうだが。

「魔…龍、最後、に教えて、くれ」

「……なんだ?」

俺は、そういう風に答えながらアキトを見つめる。

アキトは俺を見つめ返した。

「お前は……何を望んでいるんだ?」

苦しげに言うアキトに俺は笑顔を向けた。

「……大切な人たちの幸せかな?」

その言葉が終わった時、アキトも丁度消えた。

U・FEI 12.0pt">

「うっ……はっ!?」

ガバリと、俺は勢いに乗って起き上がる。

そして、慌てて辺りを見回してみる。

そこは、俺の部屋だった。

隣りには、静かに寝息を立てているエリィがいた。

どうやら、ずっと看病していてくれたらしい。

「ありがとう」 12.0pt">

スッと言ったその言葉にエリィの表情が安らいだ。

MARYU 12.0pt">

「何で君は残ってるんだろうね」

俺は、苦笑しながら彼女にそう言った。

彼女……雪乃はいつもの調子で俺のその言葉に答えた。

「私、見たい物見てないから……」

「ふ〜ん、なるほど」

妙な所で納得してしまう自分に苦笑しながら俺は雪乃の言葉を肯定した。

そして、この家……そう、ユメ=フィセアの家を俺はふと見回し言う。

「それじゃあ、記憶探しに行くか」

「ん」 12.0pt">

俺の言葉に頷くと俺も彼女も扉を開け記憶を探すための旅へと出た。

後に残るのは記憶を受け継ぐトランプだけだった……

AKITO 12.0pt">

「うぅ……ハッ!?」

何がどうなったのか一瞬理解できなかった。

ただ、強い眠気が……

「アキトォ!?」

「テンカワ……さん?」

瞳を開けると、目の前にいるのはルリちゃんとナデシコC艦長のルリちゃん……それに、俺の最も大切な存在……ユリカがいた。

「どういうことなんだ?」

「前回の記憶マ−ジャンみたいなものですね……ただ、今回のものは……」

そう言い、17歳のルリちゃんは首をかしげた。

そう、俺も魔龍もIFSをしているのだが瞬君やルリ子ちゃんは……

「それは、先程イネスさんの説明にも会ったように魔龍さんのせいだと思われます」

そう、11歳のルリちゃんが説明する。

おそらく、魔龍のアルティメット・モ−ドだがそこら辺の所だろう。

………魔龍!? 12.0pt">

そう言えば、魔龍はどうしたんだ!?

「おいっ!魔龍は、あいつはどうなったんだ!?」

俺は、自分の親友とも言えるべき男のことが突如心配になった。

そして、来た答えは半ば俺が予測していた最悪の答えだった。

「眠っています……北条雪乃さんと一緒に……」

悔しそうに彼女は言う。

それは、最愛の男を元に戻せなかった為か……

俺は、ルリちゃんの悔しさがどれほどのものかとはかりかねた。

「ゆっくりと探そう……魔龍を元に戻す方法を……」

俺は、静かにルリちゃんの肩に手を置いた。

NEW 12.0pt">

ひっそりと私とウリバタケさんは佇んでいた、目の前にあるのは私の作った機体。

「すげぇ!このスペックは!!なんちゅうもんをあんたはつくるんだ!!」

「いえいえ、あなたの改造したグラン・エステバリスも中々ですよ!!」

私とウリバタケさんは妙に興奮しながら言った。

そう、私とウリバタケさんは今ギアとエステの改造にいそしんでいた。

そして……今、その完成形がある。

L・ア−スの改造、L・フュ−チャ−が!!

「だが……」 12.0pt">

「ええ……勿論ですよ、ウリバタケさん……」

「まだまだ、完成形じゃない……」

「ふふふふ……そうです!!」

「いっそのこと……」

「二つをあわせてみましょうか」

「「ふっふっふっふっ……」」

不気味な笑い声が格納庫に木霊した。

キャラクタ−達による座談会

作者:どうも!魔龍です!!なんか、最後が雰囲気壊しちゃってすみません!!

アキト:こんにちは!テンカワ=アキトだ。

ユリカ:はいは〜い!まだ、ミスマルのミスマル=ユリカで〜す!

ルリ:……ホシノ=ルリです。

作者:今回は、未来からいらっしゃったお三人に……て、あの……ホシノ=ルリさん……?

ルリ:許しません……魔龍さんをあんなめにあわせるだなんて……(怒)

作者:落ち着け!!暴力反対!!

ルリ:安心してください、武力行使ですから。

作者:へっ!? 12.0pt">

ルリ:ナデシコ、ガ−ベラ……グラビティブラスト&プラズマ・ブラスト発射。

ボガァァァァァァァァァン!!バチバチバチバチバチバチバチ!!

作者:ぎゃああああああああああああああああああああああ!!!

ユリカ:ル、ルリちゃん……過激ぃ……(汗)

アキト:ま、まぁ……彼女も魔龍関連になると人が変わるからな……

ユリカ:そろそろ、本題に入ろう。

アキト:……そうだな、今回の話の目的は魔龍の過去を教えることと俺の過去を暴露する事……

ユリカ:あ、そうだ!新機体の暴露ってのもあったよね!!

アキト:ああ……その通り。

ユリカ:それじゃあ、みなさん!!

アキト:感想等などが家の馬鹿作者まで送ってやってください。

二人:それでは!!

 

 

管理人の感想

 

 

魔龍さんからの投稿第十一話です!!

さて、記憶麻雀へと話が飛んだ訳ですが(笑)

魔龍さんは七並べできましたか。

それぞれのカードに過去が映っている、と。

う〜ん、自分の手持ちのカードに嫌な過去があれば、隠したいのは当然ですよね〜

 

では魔龍さん、投稿有り難う御座いました!!

次の投稿を楽しみに待ってますね!!

 

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