「僕だってまだルリ君までならもう少し頑張れたんだけどね。

 やっぱりブランクがあるとつらいよね」





黒い王子の黄昏―或いは神々の平凡(?)な日常― 6話Aパート


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 ここは月にもあるネルガルの会長室、のはずだが。

 うるさい重役などから逃げたりするときに使う為なのか完全に本人の趣味の部屋と化している。


「いやあ、久しぶりだねえ」

 あいかわらずのアカツキと


「そうですね。でもいきなり呼び出してどうしたんですか?」

 黒髪の女性が座っている。
 

「実は君にナデシコに乗って欲しいんだけど?」


「本気ですか?」


「もちろん、本気だよ?」


「契約は、こういった物でどうでしょう?」


「ひっ」

 いつのまにかいた後ろに立っていたプロスペクターが契約書を差し出す。

「ぷ、プロスさん!?い、何時からいたんですか!?」


「先ほどそこの扉からですが、なにか問題でも?」


「い、いえ。それじゃあ、ちょっと見せてもらって良いですか?」


「では、乗って頂けるんですね?」


「ええ、ルリちゃんの事とか気になっていましたから」


 そう言って契約書に目を通していく。


「それと幾つか条件があるんですけど」


「なんですか?」


「あの、君達僕抜きで話進めるのやめてくれないかな?」(汗)


 
「アキトさんに会いたいです。アキトさんは何処ですか?」


 微笑む女と固まる男が二人


「さて、なんのことですか?私は知りませんが?」


「そうだよ?僕達がどうしてテンカワ君の居場所を知ってると思うんだい?」


 つとめて平静を装うプロスと明後日の方向を見ているアカツキ
 
 
 微笑んだまま二人を見つめる。

 それはもうジィ〜っと 




「視線が痛いですなあ」


「そうだね〜。エリナ君みたいに睨まれたりうるさく言われたりするのには慣れてるんだけどね〜」


「ですなあ」


「そう思うならはやく教えてもらえませんか?」 





「辛いね〜」


「辛いですなあ」


「「はっはっはっはっはっはっは」」


 会長室には乾いた笑いが響いた。





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 ここは、羅刹殿。代魔王の根城である。


 そこに入っていくものが一人。


「誰だ?」


 あ、代魔王。ラルです。なんか用ですか?



「お前に頼みがある」


 なんです?


「大魔王を探してきてくれ」


 いやです!


ほう?そうか?ここにこんな物があるんだが?」


 一枚の紙切れを懐から取り出す。


 う!?そ、それは!


 取ろうとするラルを眼力だけで押し返す代魔王。


 くっ


「……さて、もう一度だけ聞こうか?いくよな?」


 き、汚いぞ!代魔王!!


「なら涼水夢殿からとってきて欲しい物がある。行くか?」


 うう、わかったよ。大魔王を探しに行くよ。


 それを聞いて代魔王は勝ち誇った笑みを浮かべる。


「最初からそう言え」


 ちくしょおおおぉぉぉぉぉぉ!!


 羅刹殿からラルは去っていった。


_党首。よろしかったのですか?あの様子では大魔王側に寝返るかもしれません


「ふっ、奴は捨て駒だ」


_そ、そうですか。(汗)


「そうだ」

_…………党首、もしかして何かあったのですか?

代魔王の様子からなにかを感じ取ったのか汗をたらしながら聞く。


「よくわかったな。奴は先日非道にも私の食事の後のてぃーたいむを邪魔したのだ!」


_た、たったそれだけですか?(汗)


「………何か言ったか?」


_い、いいえ!


「ラル、私の食事を邪魔した罪は仕事から逃げた大魔王の次の次くらいに重いのだよ」



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 30分後ー会長室


 二人でお茶をすすっている。


「はあ、テンカワ君も大変だよね」


「それならなぜあんなに簡単に折れてしまわれたのです?」


「僕だってまだルリ君までならもう少し頑張れたんだけどね。

 やっぱりブランクがあるとつらいよね」


「そうですね。これからの為に耐性を付けておかないといけません」


 二人そろってお茶をすする。


「まあ、テンカワ君にはあとで言うとして、ブロス君と彼女のどっちにしようか?」


「そうですね。彼はハーリー君と同じ系列のようですから彼女でいいのではありませんか?」


「確かにそうなんだけど。これからの事を考えるとね」


 プロスがため息をつく。


「また、なにかたくらんでいるのですか?私は手伝いませんよ?」


 プロスはそう言って席を立つ。


「それでは、会長。私は外の仕事がありますから」


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 俺は格納庫でサレナの整備をしているであろうセイヤさんに会いに行った。


「セイヤさん整備の進み具合は?」


「ん?ああ、アキトか。まだかかるに決まってんだろうが?どういう使い方したのか知らんが、

 いくらなんでも手荒に扱いすぎだ。すこしは反省しろ」


「そうか、急でわるいが手を加えて欲しい部分がある、頼めるか?」


「まあ良いけどよ、何処に加えるんだ?」


「実は………………と言う風にして欲しいんだが?」


 セイヤさんは少々呆れたような顔をしている。


「お前がそういうならしてやってもいいが。時間掛かるぞ?」


「ああ、早くできれば報酬代わりにこれを渡すが?」


「あ、アキト!そ、その写真ど、何処で手にいれた!?」


「どうする?」


「わかった!全て俺に任せておけ!そのかわり」


「わかっている。それじゃあ、頼んだぞ」


 そういって格納庫を後にする。



 サレナの改造が終わったのはたったの数日後だった。


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薄暗い部屋の中、ベッドの中に一組の男女がいる。




「アキト、明日から残党狩りに出るの?」


寂しそうに、心配そうに見つめてくる。


「ああ、サレナの改造が終わったからな」


アキトはそれに何時もと変わらぬトーンの声で応える。


「これでまた私は置いてけぼり、か。ドクターの所にはもう行ったの?」


「いや、今回は会わずに行くつもりだ」


「体は大丈夫なの?」


 ………そういえば、言ってなかったな。


「大丈夫だ。あまり気にするな」 


全く表情を変えずに言う。


「気にするなってね!新しくディアって娘を乗せていたからてっきり

 あの娘にもサポートさせないといけなくなったんじゃないかって私は!」


少し怒ったように言ってくる。


「私は…」


最後の方は言葉にならない。


「俺は大丈夫だから」


肩まで伸びた黒髪を撫でる。


「それとそのディアとラピスだが、二人ともユーチャリスから降ろす」


「!?」


「二人をこれ以上付き合わせるわけにもいかないからな。二人を頼む」


髪を撫でたまま言う。


「アキトはどうする気?それにディアって娘は知らないけどあのラピスが降りるわけないでしょ?」


「………さあな」











翌日、俺は予定どうりラピス達を置いて月ドッグを出た。


『アキト置いてきて良かったの?』


「付き合わせるわけにも行かないだろう?」


『でもディアはともかくラピスは捨てられたと思うかもしれないよ?』


「何も言わずに置いてきたからな」


『いくらなんでもそれじゃあかわいそうだよ』


「そうだよ、まさかほんとに何もいわずに行っちゃうとは思わなかったよ」


………………


「ディア、なんでここにいる」


「ラピ姉もいるよ」


「アキト!」


がしっといきなり抱きつかれる。


「何時のまに乗りこんだ?」


「最初から乗ってたよ?」


「…ダッシュ、裏切ったな」


『僕がラピスが悲しむような事すると思ったの?甘いよアキト』


「くっ」


「アキト、どうして置いていったの?アキトは私が嫌いになったの?」


うるうるとした目で上目づかいにじっとこちらを見てくる。


「その方がラピスのために良いと思ったんだが」


「アキト兄、今度置いていこうとしたらルリ姉と追いかけるからね?」


『アキトの負けだよ?』



「はあ、勝手にしろ」

(……これでもう俺を止められる者は存在しない。俺が人の道をはずれた外道となる日も近いな)




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_これからはアキトの監視を強化しないと。影の兄弟!


 なんです?


_ちょっと行って、アカツキと交渉してきてくれ


 ………わかりました。行ってきますよ。(私はなぜここで大魔王の手伝いなどしているんだろう?)

影の兄弟が去った後、大魔王はくるりと体を反転させる

…といっても何処が前なのか当人にしかわからないが


_さて、ラルよく来たね?一体どうしたんだい?


 実は…………という事があって、

ラルは寝返る事に決めたようだ。

_じゃあ君はこれからはこちら側についてくれるって事かい?


 ええ、代魔王を見返してやりましょう!


_ラル!


 大魔王!


大魔王は新しい同士を得た。


_(でも元あちら側だから注意しておかないと。いつでも切り捨てられるように、ね…ニヤリ

そういえばラル、僕の半身をしらないかい?

 

 半身?一体なんの事ですか?

 

_実はさあ、あの艦長殿を切り離す時に僕の一部も離れちゃったんだ。

 やばくないですか?

_そうだね。僕と違ってちょっとやばいやつだからね。

そうだ。そいつ探してきてくれないか?

ラルはすこし考え込む。

 

 闘うのはいやですよ?

 

_う〜ん。まあ、いいや。じゃ、いってらっしゃい。

 




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『アキト、次に向かう所なんだけど』



「そういえばアキト兄、ユーチャリスで出てくる前日エリナさんと居たよね?」(怒)


「ラピス、お菓子でも作ろうか?」


「うん!」


とてとてとて


「アキト兄!聞いてるの!」(怒)



 無論聞いてはいない。


『…………こんなんで大丈夫かな?』


ダッシュがアキトに見せる為に表示したウィンドウには

これから向かう場所を捕らえた幾つかの映像がうつされていたがアキト達の姿はそこにはなかった。



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 某所


白衣を着た二人の男がお茶菓子を片手に話をしている。

片方はにこやかにもう片方はどうでもよさそうに。


「ジャンプをコントロールできるようにしたのは良かったんですけどね。

 敵にもA級ジャンパーが居て、それで」


「もういい。何しに来た?言っておくが私はお前の話しをを聞いてとても機嫌が悪い。

 全くどうしてお前等を弟子にしたんだろうな」

片方がため息をつき湯のみを手に取る。


「そうは言わずに聞いてくださいよ。これからが面白くなるんですから。

 なにせ北辰さんが負けちゃったんですよ?」


今まで興味なさそうにしていた男が疑いの目を向ける。


「北辰が負けた?何の冗談だ?」


「それがほんとに負けちゃったんですよ」

少し意表をつけたことが嬉しいのかさらに笑みを深くする。

「それであいつは顔をださんのか?私に痛めつけられるのが嫌で来ないんだと思っていたが……

それともまだ棺桶から出てこれんのか?」


「そうなんですよ。だから北斗君を返して欲しいんですけど?」


「北斗を?どうせ貴様等には扱いきれんぞ?」


「闘ってくれれば良いんですから。それに枝織君もいますから」


片方が少し考え込む。

「ふむ?でもいないぞ」


「は?」

そう言われ、ヤマサキが呆気にとられる。

「お前等から預かった後少しの間ここで暮らしてたが」


「どうしたんです?」


「近くで助けた女に預けた。私が実験やらに使ってるとでも思ったか?」


ヤマサキの方を半眼で見る。

”や、やばいな〜”

「す、少なくとも居るとは思ってましたよ。でもどうしてそんな事をしたんです?」


「気まぐれだ」


「う〜ん、じゃあかわりに先生が作ったのを幾つか貰っていっても良いですか?」


「やらん」


その場を沈黙が包む。

ずず〜


「お前等に渡すくらいなら私の手で壊す」

「こまりますね〜」

 

「私の弟子なら自分で作ってみろ…?」

お茶を置き何かに気付いたのか部屋につけてある端末を操作を始める。


「どうしたんです?」




「見ろ。お前なんぞが来るから外の奴まで来てしまった」


表示されたウィンドウにはユーチャリスの姿があった。



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後書き


最後の会話そんなに長くするつもり無かったのに長くなってしまいました

会話していたうちの一人はヤマサキなんですがわかる人いるんでしょうか?

でもやっと出したかったオリジナルのキャラが出せそうです

それでは、このような駄文を最後まで読んでくださってありがとうございました


 

 

代理人の感想

・・・ちょっと訳がわからなくなってきましたね。

黒髪の女とかオリキャラとか。

ま、いいですけど。