気がついたとき、あたりは一面の花畑だった(爆)

「むうっ!ここは一体・・・」

どうやら少々記憶が混乱しているようだ。

ちょっと前までシャトルの中にいたはずなのだが?

いや、それともナデシコ艦内だったか?

 

「珍しいこともあるものだ・・・」

 

考え込んでいた俺の背後から突然声がした!

ばかな、何の気配もなかったぞ!?

愕然としつつも可能な限りの速さで逆撃の体勢を取った俺が見たものは、真っ白に輝く光の集合体だった。

「・・・・・・・・・・」

さすがにこうわけのわからない現象が続くと、どう行動してよいのか判断に迷うな。

もっとも、相手?の方はそんなことには全く頓着していないようだが・・・

 

「本当に珍しいことだ。

 まさか、第一ブレイクスルーにしか到達していない生命体がこの階層に現われるとは。」

 

階層?

第一ブレイクスルー?

何のことだ?????

 

「階層とは、この世界自体だと思ってくれればいい。

 ブレイクスルーとは、生命体の進化の度合いを示す指標のようなものだ。」

 

何!?

俺の思考が読まれている!?

 

「ここはそういう世界なのだよ。

 だからこそ、君のような生命体がこの世界に現われたことは、非常に珍しいことなのだ。」

 

 

 

 

 

 

 

でんぱSS

“そして俺も見た! 神の世界を!”
〜Goat Got God

 

 

 

 

 

 

 

ふむ。

夢にしてはやけにリアルだが・・・

とりあえず、さしあたって身の危険はなさそうだ。

逆撃の体勢を止め、身体を起こしつつ、そう一人ごちた。

そんな俺に光の集合体は話を続ける。

「別に君の思考を読んでいるわけではないのだが。」

「では何故、言葉にしていない質問に答えることができる?」

光の集合体に向かい合いながら、そう質問を放つ。

「それにはまず、君は今、意識体だということを理解しているかな?」

意識体だと?

まさか・・・

「そのまさかだ。意識体という言い方が悪ければ精神体と言い換えたほうがよいかな?

 口に出して話そうとも、考えただけでもこの階層では同じことなのだよ。」

「・・・・・それでは、相当不都合が起こると思うのだが・・・・・」

 

人間誰しもあんなことを考えたり、こんなことを思ったりしたりするだろうし(滝汗)

 

「先ほども言ったが、それは君が第一ブレイクスルーにしか到達していないからだ。

 この階層は、本来、第三ブレイクスルー以上の生命体でなければ到達することはできないはずなのだ。

 そのレベルに達していれば精神体及び思考制御など児戯に等しいからな。」

光の集合体は淡々と説明してくれた。

なるほど、何らかの遮蔽方法が存在するということか。

もっとも、俺が説明を完全に理解しているとはとても思えんが・・・

しかし、そうするとさらに上のレベルの存在に思える、こいつは一体何者なのだ?

そんな俺の疑問にあっさりと光の集合体が答える。

「好きなように呼べばいい。

 これまでにも様々な呼ばれかたをしたからな。

 一番多かった呼び方は・・・・・神、かな?」

神だと!?

ばかな!?!?

「勘違いしないでほしい。

 私は、君たちの世界にある一神教の神や多神教の神々のように願いを叶えたり、罰を下したりする存在ではない。」

どういうことだ?

「私は私でしかないということだ。

 私は、この小宇宙を見守ることだけを自らに課した存在だ。」

違いが良く分からないのだが・・・

「私は、君たちの世界でいう全知全能に近い存在だろう。」

・・・・・それを神といわないか?

「だが、全知全能は同時に無知無能でもあるのだ。」

・・・・・わからんぞ?

何故、全知全能と無知無能が同時にあるんだ?

「そうだな。例え話をしようか・・・

 仮に、君がとある交差点で交通事故により一人の少年が死ぬことを事前に知ったとする。

 そして、君にはそこに介入し交通事故を防ぐ力がある。

 その場合、君はどうするかね?」

そんなことは決まっている!

むざむざと人の命を散らすわけがない。

「おそらくそうだろうな。

 では、君が助けようとしている少年が、未来で全く別の交通事故を起こし、一家四人を死傷させることも事前に知っていたとしたら、それでも助けるかね?」

・・・なんだと?

「つまりは、そういうことなのだよ。

 一つの悲劇を回避することにより未来で新たなる悲劇が発生するとしたら、どちらの悲劇を回避することが正しいのかね?また、それは誰にとって正しいのかね?」

むうっ・・・それは・・・・・

「全知全能が無知無能と同時に存在する、すなわち一枚のコインの裏表にすぎない理由はこれだけではないが、

その片鱗だけでもわかってもらえるかな?」

・・・・・・・・・・ううむっ・・・

「むろん、全ての事象に介入し、悲劇を全て防げばよいとの考えもあるだろうが、少なくとも己という存在を確立し、

文明を築き上げた生命体が、そんな操り人形の立場に甘んじていられるだろうか?」

むむむむむ・・・・

「そんなことは私自身も望まない。

 それゆえに、私は神ではないのだ。

 君たちの言葉も、思いも、願いも決して叶えることはない。

 ただ、見守るだけだ。」

なるほど・・・

確かに、完全に納得できるわけではないが理解できなくもないな。

それにしても、思うに、ずいぶんと人間臭い存在なんだな、あんたは。

「それは、君たちに合わせているからだ。

 別の生命体に会えば、その生命体に合わせた話し方をするさ。」

その発言に俺は先ほどとは別の意味で興味をそそられた。

「ほう。例えばどんな話し方だ?」

それに対する返答はそっけないものだった。

「それを君に説明することはできない。」

「何故だ?」

「理由は簡単だ。

 君にそれを理解することができないからだ。

 そうだな。生まれながらに目が見えない人に色を説明しろといわれたら君はどうする?

 コバルトブルーの海の青、血のように赤い夕焼け、真っ白な入道雲・・・

 どうやれば説明できるかな。」

なるほど・・・

確かに説明することはできんな。

そんな風に考え込んでいた俺に、光の集合体は先ほどと比べるとやや低い声で話し掛けてきた。

「さて、少々無駄話が過ぎたようだが、話はこれで終わりだ。」

「・・・どういうことだ?」

突然の話の打ち切りに、いぶかしげに問い返す。

「何度もいったと思うが、本来、君はこの階層に存在できる存在ではない。

 おそらく、現世でよほどの衝撃を受けてここへ飛ばされてきたのだろうが。」

そうなのか?

どうもよく思い出せないのだが・・・

「それ故に、あまりに長くこの階層に留まることは、君の意識体に悪影響を及ぼしかねない。」

そういわれるとそうかもしれんな。

「さあ、もう己の肉体に帰るがいい。」

そういうと光の集合体は一瞬強く光ったかと思うと次の瞬間姿を変えていた。

 

・・・おい、ちょっと待て。

女性に変化したのは理由はともかくまあいいだろう。

だが、その手に持っている100tと書かれた超巨大ハンマーは何だ?

しかも、その女性の顔に見覚えがあるぞ。

確か、毎週火曜日発売のBUNCHに続編が連載されているガンスリンガーの恋人で、交通事故にあった女性じゃないか?

#何故、そんなことを知っている?(^-^;

そんな女性に変化してどうやって俺を肉体に返すつもりだ?

 

だが、俺の疑問に答えは言葉では返ってこなかった(笑)

 

「では、さらばだ。珍しき訪問者よ。」

その言葉と共に超巨大ハンマーが問答無用とばかり俺めがけて振り下ろされる!

 

ズガシャアアアアアァァァァァァァァァァンンンンンン!!!

 

とてつもない衝撃と同時に、俺はその世界から弾き飛ばされた。

普通死ぬぞ、こんなことされたら・・・

ナデシコで鍛えられたからこそ生きていられるが。

それにしても、人生、何が幸いするかわからんものだな・・・

 

落ちていく・・・

     頭を下に落ちていく・・・

          くるくる回転しながら落ちていく・・・

意識体が肉体に向かって落下していくのがわかる。

そして、落下しつつ様々な光景が、まるで万華鏡のように俺の目の前に現われては消えていく。

そして消えると共に流れ込んでくる「想い」・・・

流れ込む・・・

     身体中に流れ込む・・・

          毛細血管の先の先まで流れ込む・・・

知らなかった・・・

     ちっとも知らなかった・・・

          全く、全然知らなかった・・・

世界はこれほどの「想い」に満ちていたのか・・・・・

 

伝えなければ・・・

何としても、伝えなければ・・・・・

人々にこれを伝えること。

それこそが、俺がこの世に生まれ出でた理由なのだと、今こそ理解できる!!!

そして、これこそが俺のであった存在が神だということを証明している!!!!!

 

我が神よ。

必ずや、貴方の想いを皆に伝えんことをここに誓おう。

 

そういえば、俺の名前をまだ言っていなかったな。

俺の名はゴート・ホーリー。

神に出会い、そして神の世界を垣間見た男だ・・・・・

 

 

 

独り言

 

で、電波が〜、電波が〜〜〜(^^;)

猫スーツSSを書いていたら、

電波が、私の身体を乗っ取ってこのようなものを〜〜〜(爆)

何がいいたいんだがさっぱりわからんぞ(苦笑)

私は、電波の受信感度はそれほど高くはなかったはずなのだが・・・

まあ、最近お仕置きものが続いていたから、いい気分転換になったかも♪

果たして、ゴートが出会った存在は神なのか?

さらに、ゴートが肉体に向かって落下する最中に見たものとは!?

それは、私も知らない(^○^;)

全てはBenさんに聞いてくれ!(N2地雷爆)

 

・・・・・別に宗教が好きってわけじゃないですからね。

そこのところ勘違いしないように(笑)

 

さらに全知全能と無知無能についての突っ込みも無用です(-_-)

全ては電波のせいですから(爆)

そもそも、ブレイクスルーや見守る存在は他の小説からの借り物だしね。

原作では超巨大ブラックホール知性体だったもんな。

元ネタ分かる人、どれくらいいるんだろうな。

滅茶苦茶古い代物からなぁ。

確か、元ネタは角川文庫かスニーカー文庫だったと思ったけど・・・

 

 

 

代理人の感想

 

ブラックホール知性体・・・・某と学会会長の作品すか(笑)?

あれは一応スニーカーだったかと。

 

ちなみにBUNCHはウチの近くには何故か全然入荷しないぞ。

入荷されても多分読まないけど。

(ちなみに私の家は東京二十三区のど真ん中にある・・・・不思議だ)

 

作品に付いては・・・・ノーコメント(笑)