これは・・・サイドストーリー(笑)

 

メグミの「回想」

 

 

 

 

 

「きゃっ。」

 

エステバリスがちょっとした段差を乗り越えた振動で私は操縦席の方に倒れ込んでしまった。

 

 ふわり

 

ぶつかると思ったが予想した衝撃はなく、何か暖かいものに包まれる感覚がした。

思わずつぶっていた目を開くとそこにはアキトさんの顔があった。

 

「大丈夫、メグミちゃん?」

 

優しい表情で私を気遣ってくれる。

 

「ありがとう、アキトさん。おかげで助かりました。」

 

「思っていたよりも段差が多い。やっぱり立っているのは危ないよ。」

 

そういいながらアキトさんは視線をモニターに飛ばす。

私もつられてモニターを見ると、そこにはさっきから代わり映えのしないだだっ広い火星の

平原が広がっている。

この火星がアキトさんの故郷なんだ...

そう思うと感慨深い想いが込み上げてくる。

 

アキトさん、貴方はなぜそんな瞳をしているのですか?

そんな悲しみに満ち、そしてどこまでも澄み渡ったきれいな瞳を...

私は貴方の瞳が気になります。

おそらく、私は貴方に惹かれているのでしょうね。

強いけれども時々悲しみの気配を漂わせる貴方に...

声に出さずそっとつぶやく。

 

その形にならない声が聞こえたわけではないでしょうが、アキトさんが視線をこちらに

向けます。

 

「どうかした、メグミちゃん?」

 

「いいえ、何でもありません。」

 

「そう、良かった。」

 

そういってアキトさんは笑顔を浮かべます。

 

  ポッ

 

アキトさん、その笑顔は反則です!

そんな笑顔を向けられたら何にも話せなくなっちゃうじゃないですか!

そう心の中で文句を言ったとき、私は違和感に気づいた。

 

          あれ?

 

何か胸に圧迫感があるけどなんだろう?

不思議に思って視線を胸元にずらすと、私の胸が大きな手で包まれていた。

 

「・・・・・・・・・・」

 

えーと...

えーと...

えーと...

 

アキトさんの手って大きいなぁ。

細く見えるけどやっぱり男の人なんだぁ。

艦長やミナトさんには、胸の大きさは負けるけど形の良さでは負けないです!

触り心地はどうですか、アキトさん?

 

 

.....

 

 

って、そうじゃなくて!!!

 

数秒の間、私の思考は地平線の彼方に旅立ってしまったけど、身体の方は事態が

理解できず固まっていたみたい。

でも、思考と身体が再び同調するのに成功すると一気に頭に血がのぼる。

 

 

アキトさんの手が私の胸を揉んでいる...

アキトさんの手が私の胸を揉んでいる...

アキトさんの手が私の胸を揉んでいる...

 

 

私の顔が急に真っ赤になったのをいぶかしく思ったアキトさんが、私の視線を追って自分

の手が置かれている場所を認識したようです。

 

     ボンッ

 

まるでそんな音が聞こえてきそうなほど一気に顔を赤くすると、慌てて私を抱えていた手

を外し謝ってきました。

 

「ご、ごめん、メグミちゃん!そ、その、け、決してわざとやったわけじゃないんだ!」

 

「・・・・・」

 

でも、動揺が収まっていなかった私は何も応えることができません。

その様子を私が怒っていると思ったのか、アキトさんが動揺しながらも真摯な口調で言葉を

続けます。

 

「言い訳は男らしくないね。

 ただ信じてほしい。本当にそんなつもりはなかったんだ。

 とっさに倒れるメグミちゃんにケガをさせないよう抱え込むことしか考えていなかった。

 でも、メグミちゃんの胸を触ってしまったのは事実だ。

 だから、メグミちゃんの気の済むようにしてほしい。」

 

その言葉を聞いているうちに頭の冷えた私は、少しの間、頭の中で考えをまとめると

アキトさんに呼びかけた。

 

「アキトさん。」

 

「はい。」

 

私の呼びかけにアキトさんが視線を合わせる。

その瞳の中には真摯な光が溢れている。

やっぱり素敵な人ですね、アキトさん。でも、今回はそれを利用させてもらいます。

 

「...さっき、アキトさんは立っているのは危ないといいましたよね。」

 

「ああ。」

 

「それは私にも良く分かりました。

 でも、それじゃどこに座ればいいんですか?」

 

「えーと、それは...」

 

アキトさんが言葉に詰まります。

当然ですよね。

エステバリスは元々一人乗り。余分なスペースなんてあるわけないんですから。

 

だから、こうさせてもらいます。

 

「アキトさん。」

 

「何?」

 

「それじゃ、これから私の気の済むようにしますね。」

 

そういうと私は一旦立ち上がり、それからパイロットシートに座っているアキトさんの膝

の上に腰掛けた。

 

「メ、メグミちゃん!?」

 

アキトさんの声が思いっきり動揺しているのが分かります。

でも、あえて平静な声で注意します。

 

「あんまり動かないでくださいね、アキトさん(ニッコリ)」

 

あっ、アキトさんが固まった。

 

    くすっ。

 

何だか楽しいな。

アキトさんの膝の上に座り、下から動揺しているアキトさんの顔を見上げながら私はこれ

からのことを考えていた。

 

アキトさん...

私は貴方の悲しみを癒したい...

貴方の瞳が悲しみでなく喜びに満たされた顔が見てみたい...

それに...

胸を揉まれた責任を取ってもらわないと(はぁと)

だ・か・ら、逃がしませんからね、アキトさん!

 

 

 

...こうしてTA同盟を構成する女性がまた一人増えたのであった。

 

 

 

独り言

 

メグミ親衛隊最高幹部会議長殿。

人気投票の応援をといってはなんですが、このようなメグミものを書いてみまし

たけどいかがでしょうか?

一応、胸に関するエピソードも盛り込んでみました(爆)

気に入って頂ければ幸いです(核爆)

蛇足ですが、これは火星でユートピアコロニーに向かっている最中の出来事を想

定しています。この出来事があったから、ナデシコへ帰還する時、メグミがアキ

トの膝の上に座っていたという設定になります(笑)

まあ、この時点でイネスは同盟に参加していないのでどっちがアキトの膝の上に

座るかでもめたりはしなかったと思いますけどね(苦笑)

でも、そうするとアキトは行きと帰りの2回分、ルリちゃんとユリカからお仕置

きを受けたのか(笑)

それにしても...

ある意味このSSもお仕置きSSかもしれない。ミナトさんは登場しないけど(爆)

 

 

 

 

 

管理人の感想

 

 

鳥井南斗さんから6回目の投稿です!!

メグミですね〜

これで、人気投票の動きが変るかな?(苦笑)

でも、メグミちゃんのフォローはもう必要無いな(笑)

本編でも活躍させようと思ったてけどね。

しかし・・・純なメグたんだね〜

本編の性格が全然出てないや(爆)

・・・やっぱり、書く人の人格の差か?

 

それでは、鳥井南斗さん投稿有難うございました!!

 

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