機動戦艦ナデシコ 新たなる旅立ち

 

第三話  サブロウタの一日

 

 

 

 

「おい、早く起きろ!」
 
ん、だれだ?
 
俺は、眠たい目をこすりながら目を開けた。
 
「今日はゲキガンガーの劇場版が上映される日だろ?
 早くしろよ!」
 
「・・・ん?
 白鳥さん!?」
 
俺はびっくりして間の前の人物を眺める。
 
「ん、どうした?三郎太」
 
「い、いや・・・」
 
白鳥 九十九は確か月臣 元一郎に暗殺されたんだよな・・・
 
「早く行くぞ!」
 
九十九は早く劇場版が見たくてうずうずしているようだ。
 
「ええ、行きましょう・・・」
 
俺は、苦笑を浮かべながらそうつぶやいた。
 
「この場に集まってくれた諸君!
 私は悪の地球人に対抗するために、また皆の結束を高めようとここにゲキガンガー劇場版を放映したいと思う!
 正義は絶対に負けない!
 さぁ、叫ぼう!正義の合言葉を!」
 

「「「レッツ!ゲキガイン!!」」

 
草壁中将・・・
 
俺はだいぶ今の状況が把握できてきた。
 
ここは木蓮と地球が和平を結ぶ前の世界。
 
あのジャンプで俺は過去に戻ってきたみたいだな。
 
それにしても・・・
 
今思えば草壁の手の中で踊らされていたんだなぁ・・・
 
悪の地球人を倒すといいながら、裏ではその悪の地球人であるクレムゾン・グループと手を結んでる。
 
矛盾だな・・・
 
「どうしたんだ?三郎太?」
 
隣では九十九が心配そうな顔で俺の方を見ている。
 
「え?」
 
「なにやら難しい顔で草壁中将を見ていたぞ」
 
「ああ、何でもありませんよ・・・なんでも」
 
「そうか・・・」
 
「白鳥さん!」
 
「何だ?」
 
「・・・地球は悪ですかね?」
 
「おいおい、どうしたんだ?突然」
 
「答えてください」
 
「う〜ん、そうだなぁ。確かに我々を木星に追い込んだ地球人は悪だ。
 だが、みんながみんな悪ではないと信じている」
 
「どういう意味ですか?」
 
「みんなが我々を追いやったわけじゃないだろう?
 それにゲキガンガーは地球で作られたんだ。これを愛してくれる地球人は悪じゃないと信じてる!」
 
「そうですか・・・」
 
「どうしたんだ。一体?」
 
「いえ・・・何でもありません」
 
九十九はしらない。
 
一年後、草壁の口車に乗せられた親友に殺されるのを・・・
 
この人は死なせちゃいけない。
 
和平後、必ず必要になる人物だ。
 
今、俺がここにいるということは艦長やハーリー。それにあの黒い王子様もいるだろう。
 
さて、どうするかな・・・

 

 

管理人の感想

のほほんさんからの投稿です。

なるほど、サブロウタも逆行してるんですか。

さてさて、彼は今後、木連内でどう動くつもりですかね?