ラストユニバース 〜時の流れに〜 IF

エピローグ

 

ガシッ

「フィリス君・・・」

「・・・で・・ださい。行かないで下さい」

「・・・・・・・・」

「私を好きなら行かないで下さい」

 フィリスはシュンの目をまっすぐと見つめながら言った。

「すまん」

 シュンのその言葉を聞いて、フィリスは腕を放した。

 そして、シュンはフィリスをそのままお姫様抱っこして駆け抜けていった(どこへ)。

 

五分後

「・・・・ところでさぁ〜〜〜」

 いままで『ほにゃぁ〜〜〜』っとしていた、栄治が口を開いた。

「はい?」

「シュンのやつ、アカネちゃんがどこにいるのか知っているのかな?」

「「あ、そう言えば・・・・」」

「シーク、一応検索しといて」

「りょ〜かい」

 そして、検索が終了すると同時に息を切らしたシュンが部屋に入ってきた。

「ぜ〜〜、ぜ〜〜、ぜ〜〜」

「ほい」

 息を切らしているシュンに栄治はドリンクを差し出す。

 パッ

 ゴクゴクゴク

 それをフィリスが受け取りシュンの口に流し込んだ。

「サンキュ」

「いえいえ。はい、これ」

 栄治はシークが書いたメモをシュンに差し出した。

「なんだ?」

「アカネちゃんの現在位置」

「なに!!」

 栄治がそう言うとシュンは首を伸ばしメモを口でとり、そのまま再び駆け出していった。

「がんばってねぇ〜〜〜」

 ちなみに現在栄治達のいる部屋からアカネのいる場所へまでは、2キロの距離がある。

 

栄治達のいる部屋から1200m地点

「つ・・・疲れた」

 さすがにばてたシュンであった。

「あの、私降りましょうか?」

「頼む」

 その後、シュンはフィリスに肩を貸してもらい残り400mを歩き、アカネのいる場所、ノイル展望室へと着いた途端ぶっ倒れた。・・・・・何しに着たんだ一体?

 そして、シュンが目を覚ますまでの数時間もの間に両者の間になんらかの協定が敷かれたらしく、その後シュンは両者から追い掛け回されることとなる。

 

 

 栄治達EGのメンバーは、火星に蓄えてあった軍資金をもってわずか1ヶ月でクリムゾングループを買収し、オーストラリアへと移住した。どうやら当分地球にいる気らしい。

 

 アキトと北斗は、その後一年余りを森で過ごすこととなった。約一年後、たまたまその森に狩りに来ていた親子に発見される。ちなみに発見場所はシベリアのど真ん中だったそうだ。

 その後、二人はオーストラリアで中華料理店を営んでいる(スポンサーは栄治とアカツキ)。もちろん、料理店は大繁盛である。

 

 同盟メンバーはアキト奪還作戦を展開することとなるが、アキト防衛軍(Akito Tenkawa Guard Force、略してATGF)によって邪魔され、十数回やったが今だ成功していない。

 ちなみにアキト防衛軍とは、クリムゾンの試作品で構成されている軍である。スポンサーはもちろんクリムゾン、指揮官は北斗である。

 またこの戦いは、ネルガル対クリムゾンの代理戦争であり、その後連合宇宙軍や統合軍まで出てくる始末である。

 

 某組織は、一応解散と言う形を取っている(アキトが結婚してしまったため)が地下では様々な活動を今だ続けており(もちろん女関係)、情報網も健在だ。現在、新たなる組織名を募集中である。

 

 ナオはこの後ネルガルを退職(しかし、今だ名簿には残っている)し、ミリアと結婚。現在は、雑貨屋兼大工を営んでいる。完全な日本建築で作る彼の家は欧米人に大好評で、注文が後を絶たないらしい。だが、その時ナオの姿を見た小さな子供はピーピー泣いている。

 

 

数年後・・・

 ガラガラ

「いらしゃ・・・あ、栄治おじさんだ!!」

 栄治がとある店ののれんをくぐると、アキトの少年時代によく似た少年が栄治に声を掛けた。

「よっ。ヒビキ君は店の手伝いかい?」

 少年の名はテンカワ・ヒビキ。アキトと北斗の息子である。今年で8歳だが、もちろん学校でかなりモテている。同級生や下級生、あげくの果てには上級生や先生にまでモテている。もちろん、学校の男子生徒&男子教職員によるテンカワ・ヒビキ抹殺委員会(非公式)が設立したのは言うまでもない。

「うんっ!!!ところで今日は何にするの?」

「今日はちょっと君のお母さんに用事が会ってね」

「母さんなら・・・」

 ドタドタドタドタ

「げっ!!もう起きたのか。母さんなら二階にいるから。それじゃ!!!」

 ガラッ!!!

 バシンッ!!

「お兄ちゃん、どこ!!?」

 階段を猛スピードで下りて奥の扉をものすごい勢いで開ける赤毛のロングヘアーの少女。身体には昂気を纏っている。

「おはよう、アキナちゃん。ヒビキの奴ならナオミちゃんのとこに行ったぞ(ニヤリ)」

「う〜、またあの女の所に行ったのね。それじゃ、栄治おじさんゆっくりしてってね」

 そう言って少女は、入り口を勢いよく開け飛び出していった。

 少女の名はテンカワ・アキナ。ヒビキの妹である。今年で・・・グハァ

「乙女の年齢を言うな!!!」

 モノローグに文句を入れるなよ。だいだい、乙女という年齢にしては胸が・・・うぎゅう(轟沈)

「ふんっ!!」

 さてそんなモノ1(モノローグ1号)はほっといてっと、・・・・そのままアキトの家に入った栄治は北斗に会いに行った。

「よぉ、北斗」

「何用だ、栄治?新兵器でも出来たのか?」

 栄治は前にも書いたように北斗率いるATGFのスポンサーであった。ただし、彼の送る兵器はほとんどが試作・実験段階の兵器だった。彼はTA同盟軍との戦いで様々な実験データを入手するために北斗に協力しているのである。

「いや、悪い情報が入った。・・・・そろそろ時間だな」

 そう言って栄治は腕時計を見ると目の前のテレビをつけた。

 その中では、紛糾している地球連邦議会の様子が映し出されていた。与党側が出す多重婚法案、それについてもめているのである。

 しかし結果、与党側の強行採決でこの法案は通された。ただし、施行から半年限りと言う期間つきで・・・。

「・・・・と言うわけだ」

「どう言う訳か説明してもらおうか」

 北斗が静かだが、かなりの怒気を含めた声で言った。その証拠に身体に昂気を纏い、髪を逆立てている。

 栄治は北斗にあらゆる情報を話した。これが同盟側が用意した最終手段だと言うこと、そして施行日から半年間が勝負であることを。施行日から半年間アキトを守り抜けたら、同盟は今後二人に手出ししないことを確約させたことを・・・。

「また、契約により施行日からは我々は協力できなくなる」

「ほう。では、なぜこうなったのか説明してもらおうか」

「そ、それは・・・・」

「どうした?説明できないことなのか?」

「うぅ・・・・」

「なぜ視線をそらす?」

「す・・・」

「す?」

「すいませんでしたぁ!!すべて私どものミスでございます!」

「・・・・・・・わかればいい」

「ははーー」

 その後、栄治は施行日までに多額の援助金、そして多量の最新鋭武器を北斗に渡した。施行日後はその金で自分の会社の製品を買ってもらおうというのだ(※強制ではない)。要するに、金さえ出せば協力ではなくビジネスである。同盟との規定には何ら違反していないと言うわけだ。こんな単純なことをなぜ同盟が気づかないのかと言うと、その頃同盟はアキト奪還作戦(とは言っても実質的にはオーストラリア侵攻作戦)を練るに練っていたので、それどころではなかったのだ。・・・・・・・巻き込まれる方はかなり迷惑である。

 さてさて、結果はどうなることやら。

終わり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「って終わらないでくれます」

 おや、フィリスさん。あっしになんか御用ですかい?

「・・・・私とシュンさんの関係はどうなったんですか?」

 おや、何気に呼び方が・・・・何かあったんですかい?

「あなたには関係ないです」

 うぐぅ

「あなたがやってもかわいくありません」

 グサッ

「それでどうなったんですか?」

 さぁ、それは読者様に考えていただくと言うことで・・

「なんていい加減な・・・・」

 納得していただけませんか?

「納得しません」

 ならば仕方ありません。書きましょう

「今すぐですか?」

 今すぐです。それではスタート

 

 

B

A

@

りんごぉーーーん りんごぉーーーん

 夏の初頭、うららかな日差しの中教会の鐘はなった。

 説明する必要もあるまい。シュンの結婚式である。さて、相手は誰かな

 コンコン

「よぉ、シュン準備は整ったか?」

 栄治がニヤニヤとしながら入ってくる。ちなみに彼はEGの礼服(第二種制服)を着ていた。

「シュンさん。似合ってますよ」

 その後ろからシークが現れ、シュンを誉める。彼女もまたEGの礼服を着ていた。

 そのシュンの格好はと言うと、面白みもへったくれもないただのタキシードである。しかも、ノーマルVerである。これで、ウリバタケや説明おば・・・・もといイネスさんが改造を入れてくれると面白いのだが・・・・。ちっ

「この年になってこんな格好をするとは・・・・・」

「何を言う。若い者が」

「お前の方が若いじゃないか」

「こう見えても俺はお前の2倍くらい年を取ってるんだが・・・」

「見た目だ見た目」

「あら、見た目だけなら若くなる方法がありますよ」

 栄治とシュンがくだらないことを言い合っていると、後ろから女性の声が割り込んできた。

 そして、栄治とシュンが後ろを向くと、青い髪を蜜網にし前にたらし右手にオレンジ色の物が入った瓶をもち、ニコニコと笑っている統合軍上級指揮官の礼服を来た女性がいた。

「「秋子さん(水瀬大将)っ!!」」

「オオサキさん。若返りたいのなら、このジャムを・・・」

 そう言って、ズズッっと大量の邪夢をシュンの目の前に出す、水瀬 秋子統合軍大将。

「遠慮します」(間0.01秒)

「そう、残念だわ・・・」

 シュンが断るとトボトボと秋子さんは部屋を出て行った。

「・・・・なぁ、あれは一体何なんだ?俺の勘があれに関わるんじゃないと告げているのだが、かなり気になる」

「知らん。あの邪夢に関しては作った本人以外誰も知らんのだ。ただ、それを食べた人間は即集中治療室行きになり、今後オレンジ色のジャムは食べられなくなると言う代物だ」

「・・・・・・・・・・・」

 シュンのその言葉を聞いて、栄治は冷や汗を流した。

「ま、そういう事だ。ついでに言うと水瀬大将自体謎な人物だ」

「・・・わかった。この件は封印しておこう」

「懸命だな」

 

 さて、結婚式もあっという間に終わり、新郎&新婦が教会から出てくるシーンである。

 そして、出てくる新郎新婦。そして沸き起こる、「おめでとう」コール。

「フィリスさん、おめでとうーーーッ!!!」

「アカネちゃん、カムバーーックッ!!!!」

「シュン、腰痛には気を・・・・へぶしッ」

「三人ともお幸せにーーーッ!!(全く、余計なこと言うんじゃないの!!)」

「(はぁ〜〜い)」

 と言う訳で、シュン、フィリス、アカネの三人は空き缶がごろごろと付いた車(正式名称不明)で、ハネムーン旅行へと向かうのであった。

 ちゃんちゃん

 

 その夜、某ホテルの部屋
「「「「かんぱーーーいっ!!!」」」」

 カキンッ

「いやぁ〜〜。まずは一段階成功したな」

「そうですね。後はTのことが上手くいけば・・・」

「計画はすべて成功裏に終わりますな」

「ま、今日は・・・」

「「「「朝まで飲むぞーーー!!!」」」」

 そして2時間後、このうちの一人を強制連行しに来た一人がこの飲み会に加わるのを初め、その後加速度的にどんどん増殖するのであった。

 そして、翌日には部屋一杯に酔死体が横たわっていた。

今度こそ終わり


作者とキャラの座談会

ノ:ふ〜、やっと完結したぁ〜〜〜

栄:さて、聞かせてもらおうか

ノ:なにを?

栄:『なにを』って、次回作に俺達の出番があるかどうかだよ!!

ノ:ああ、それね

栄:で、どうなんだ?

ノ:ないよ

栄:そうか・・・・ないのか

ノ:だって、今度はナデひなのKANONVerだからね。そんなにキャラは必要はないんだよ

栄:・・・・・ところで、同盟は出るのか?

ノ:出るかもしれないし、出ないかもしれない。現在細かい部分を構想中

栄:それに・・・

ノ:ん、なに?

栄:アキト達は結局どうなったんだ?あれじゃ、わからんぞ

ノ:それは読者様のご想像次第

栄:なんて、いい加減な

ノ:それはともかく、ラス時IFは一応これでお終い。気分次第でその後を書くかもしれないし、書かないかもしれない

栄:まぁ、読んでくれた皆様いままでありがとうと言っておこう。出番あまりなかったような気がするが・・・・

ノ:だめだよ、そんな態度は。今まで読んでくれてどうもありがとうございました。今度始めるKANONSSの方もよろしくお願いします

  ちなみに、栄治が同盟のわがまま(というレベルではないような気がするが)を許したのは、シュンを助ける(というかからかうダシを作成)するためだったりします。

 

キャラ設定

コミヤ・アカネ

シュンの従弟の娘。年齢は18歳。

最初にシュンに会ってから一目ぼれをしたらしく、シュンが休暇で帰郷するたびに追い掛け回していた。もちろんその時には、シュンの嫁さんも一緒に帰郷していたのだが、特に目に入れなかったらしい。

ちなみに、この件に関してシュンの従弟は何もいってこなかった。

 

テンカワ・ヒビキ

アキトと北斗の息子。現在8歳。

アキトと北斗に鍛えられており、身体能力はかなり高い。だが、今のところ昂気はつかえないようだ。

将来の夢はアキトみたいな料理人になることらしい。

学校で女子の人気NO1である。

妹のアキナと幼馴染のナオミは苦手らしい。

 

テンカワ・アキナ

アキトと北斗の娘。現在6歳。

彼女もまたアキトと北斗に鍛えられており、ヒビキには勝てないものの身体能力は高い。しかし、彼女はヒビキに関することとなると昂気(嫉妬気、怒気等とも呼ばれる)を使うことが出来る。

上の文からもわかるように、極度のブラコン。

もちろん夢はヒビキのお嫁さんだ

 

ヤガミ・ナオミ(名前のみ登場)

ナオとミリアの娘。現在8歳。

彼女はナオに鍛えられており(もちろん何かあったときのため)、ヒビキやアキナには及ばないものの普通の大人ぐらいだったら、軽く気絶させるくらいの実力を持つ。(アキナだったら昏倒、ヒビキだと当たり所が悪ければ死ぬ)

現在、栄治宅に居候中でヒビキと同じ学校に通っている。

本当はアキト宅に居候しても良かったのだが、ナオが断固反対し栄治宅となった。

ヒビキの保護者役

 

ノ:・・・・・座談会は書こうかな?

 

 

 

代理人の感想

う〜ん・・・・・・・・最後に言わせて欲しいんですけど、お話ってのは筋を描くだけじゃ駄目なんですよ。

盛り上がりがあって、盛り下がりがあって、最後にちょん、とオチをつけないと。

つまり、もっと話にメリハリが欲しかったな、と。

次回作は頑張ってください。