この歌よとどけ君に・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

ワァアーーーーーーーーーー!!!

 

今日も熱狂的にコンサートは終わる。

ステージの上でファンに手を振る三つ編みの美女。

「ありがとうございましたっ!

 またお会いしましょう!」

 

声援に負けじと最後の挨拶。

その良く通る、澄んだ声に酔う観客。

 

『MEguMI!MEGUMI!!』

 

会場はメグミコールの渦だった。

 

 

「メグミちゃん、お疲れ。」

花束で埋もれそうな控え室。

マネージャーがファンからの花束を抱えて入ってくる。

「お疲れさまでした。」

にこやかにそれを受け取るメグミ・レイナード。

外はまだ興奮冷め切らぬ雰囲気が続いている。

「よかったよぉ、なんかクーデター起きたときはどうなるかと思ったけどね。」

「えぇ。でもみんな思いっきり楽しんでくれてました♪」

心底嬉しそうなメグミ。

クーデターというのは、火星の後継者という集団が武力蜂起したことだ。

なんでも統合軍が征伐開始したとかなんとか。

一時は存亡の危機とか言われていたが、庶民の生活には、なんだかあまり関係ないみたいだ。

お陰で予定していたコンサートも大成功。

「ホントホント。何度も言うけど、ホントに良かったよ。」

ホッとしたぁといった感じのマネージャー。

「ありがとうございます。」

「じゃ、ちょっと休んでてよ。出発の準備するから。」

「あ、はい。よろしくお願いします。」

慎ましやかに送るメグミ。

まるでマネージャーが出ていくのを見計らったかのように、ぴぴぴっと電子音が響く。

「電話?」

控え室に備え付けの電話が鳴っている。

意外な感を受けつつも受信ボタンを押してみる。

「ハイ、レイナードです。」

「メグミさん、お久しぶりです。」

金縁メガネのプロスペクターがウィンドウで現れる。

「うわぁっ!プロスさん!お久しぶりです!!」

驚き嬉し懐かし三拍子揃った顔になる。

「お元気そうで。二年ぶりですかな。」

「そうですネ♪」

「いやぁ、探すのに苦労しました。」

その飄々とした笑みを見て相変わらずだな、と思うメグミ。

「どうでしたか?コンサートは。」

「はいっ。お陰様で♪」

「そうですか。」

うんうんという感じのプロス。

「それはそうと、どうしたんですか?」

「はい。メグミさんに一つお仕事を頼みたいのです。」

単刀直入。

プロスペクターが頼んでくると言うことは、ネルガルの仕事だということで。

また何か悪巧みでもしてるのだろうか。

「仕事ですか?」

そう思って聞き返したのだが、返ってきた言葉は意外な物だった。

「えぇ。ちょっとした同窓会です。」

「同窓会?」

 

 

「へぇメグミさんもなんですか。」

嬉しさがありありと見て取れるサユリ。

「うん。最初はどうしようか迷ったけどネ。」

くすっと笑いながらメグミ。

「私たちもそんな大きなお仕事出来るかどうか迷ってたんです。」

「でもここで一つおっきい華も咲かせてみよって。」

「同窓会もやりたいなぁって♪」

「ホウメイさん来てるかナ。」

新東京国際空港行きの機内でバッタリ会ったホウメイガールズ。

最近はヒサゴプランのキャンペーンガールになってテレビやらでよく見かけるが、会うのは久しぶりだった。

みんなもプロスペクターから同じような話しを受けたようだ。

プロスの話しでは他にも旧ナデシコクルーの面々に声を掛けているという。

「何これ、変なの。ニョホホホ。」

スチュワーデスに配られたおつまみを開けてはしゃぐミカコ。

「なにそれゲキガンガーみたい!」

「ホントだっ」

「でもおいしい♪」

「腹が減っては、イクサは出来ぬ♪」

「あ、そっか、今から戦いにいくんだよね。」

「でも本業だし、大丈夫だよ。」

「愛で人類を救おうっ!てね。」

「そう言えばなんかあった。大昔の漫画に。」

「何?」

「えっと、名前忘れたけどロボットのSFもので歌がキーになってるの!」

「あ、それ知ってるぅ!」

「覚えていますかって♪」

「そうそうそれそれ!」

こうして騒いでいると、メグミは懐かしい日々を思い出す。

収録のスタジオに突然現れたネルガルの大男。

そしてスカウトされたナデシコという戦艦での仕事、通信士。

ある男性の争奪戦。

海。

コスプレ。

コンテスト。

失恋。

自分らしさ。

何もかもがハチャメチャで懐かしい。

そう、確かに今回は同窓会なのかも知れない。

みんなあの日々を共有して今それぞれに生きているのだから。

(だから私はここにいる。)

(みんなだってそう。みんな生きて来た時間があるから・・・。)

(生きてきた・・・。)

メグミの思いはある人物に行き着く。

(あの人達の分も、私たちが。)

(求められなくてもいいよ。ただ、自分の存在と時間は守りたいし。)

(だから。)

「私、この仕事断ろうかと思っていたんです。」

唐突に隣のサユリが語りだして物思いから引き戻されるメグミ。

「やっぱりちょっと怖いですから。」

ちょっと不安そうな目。

「そうだね。」

自分も感じていることだけに、すんなり同意した。

「メグミさんは、どうして引き受けたんですか?」

「私は・・・。」

ちょっと視線を外す。

「伝えたいから。」

自然と言葉が出てきた。

「私らしくって。伝えたいから。」

サユリの方をしっかり見てそう言い切った。

「あっ、」

メグミの言葉にはっとするサユリ。

「それって、」

「そう。」

優しい顔で頷く。

なんだか包み込まれそうな笑み。

「私は、なにか大きなことや、ファンのためとかじゃなくて、私自身の為に。」

ナデシコのクルー達は、アキトとユリカの死によって半ば強引に過去から卒業させられた。

みんな自分の中に、自分のための居場所を作ることによって、強くなった。

過去を、血肉に変えて。

新しい自分の居場所で、自分の時間を積み重ねることによって。

メグミの顔には、そうして得られた強さがあった。

「伝えたいの。武器じゃなくても、変われるよ。私らしくいればいいんだよって。」

ちょっと驚いたような顔をしていたサユリ。

「私もです。」

口をついて出た言葉はそれだった。

ふっと微笑みがこぼれる二人。

「いい仕事しようね。」

「はいっ!」

飛行機は着陸態勢に入った。

眼下に滑走路が見えてくる。

 

 

「起動します。」

白い機体が静かな唸りを上げる。

「クロー展開。」

腕の巨大なクローがガシャンっと展開される。

「クロー、異常なし。」

「ホイールダッシュ。」

甲高いモーター音を響かせ足のキャタピラが高速回転する。

「ホイールダッシュ、異常なし。」

「ジェネレーター、出力安定。」

「以上でテストは終了、いつでもいけます。」

「了解。」

コックピット内の規則的な機械の呼吸音。

それと一体となるかのように呼吸を整える月臣元一郎。

「中佐、会長がお待ちです。」

「了解した。」

オペレーターのウィンドウが閉じてからふと時計に目をやる。

「いよいよか。」

目を閉じると、木連にいたときが昨日のように思い出される。

命令で友人であった白鳥九十九を殺し、その後秋山源八郎とクーデターを起こした。

クーデターの戦闘中に世の表から姿を消し、彷徨っていたところをネルガルに拾われた。

裏の人間となっていた自分が、今再び表に出ようとしている。

反逆者である火星の後継者鎮圧のために。

「ふっ。」

お笑いだな。

運命の悪戯に、思わず笑いが漏れる。

「九十九・・・。」

いるはずのない友の名を呼んでみた。

なんだか守っていてくれるような気がする。

「本当の和平。実現させてみせるぜ。九十九。」

 

 

ターミナルの屋上に上がるにぎやかな一団。

「ん〜!気持ちい〜!」

一番に屋上に出るエリ。

眩しい夏の日差しと、わっとくる熱気。

それでもやっぱり外は良い!という心の声が聞こえてきそうな雰囲気である。

「うん、時間ぴったし。」

腕時計を見ながら外に出るサユリ。

「あ!あれホウメイさんとプロスさんじゃない?」

ジュンコが指さす方を見やると、空を見上げているホウメイとプロスペクターがいた。

「ホントだ!」

「プロスさーん!」

メグミが呼びかけると、二人とも気づいて振り向いた。

なんだか夫婦に見えなくもないかな、などと思ったりする。

「ホウメイさーん!」

ホウメイの顔を見て、飛び跳ねて手を振るミカコ。

「こんにちわー!」

快活に声を合わせて挨拶をするメグミとホウメイガールズ。

「おやおや、みんなはもういっちまったよ。」

たった今、ナデシコクルー達のシャトルを見送ったホウメイは、開口一番そう言った。

「いえ、彼女たちには別の任務が。」

「べつ?」

プロスペクターの言葉に、怪訝そうに呟くホウメイ。

「さぁ皆さん、行きますよ。」

「はいっ」

にこやかで、力強い返事だった。

 

 

「というわけで、皆さんは安心して台本通りにやって下さい。」

会場と一連の流れを説明をしたプロスペクター。

「しつもーん。」

ハルミが手を挙げる。

「なんでしょう。」

「もし敵の人達が、話を聞いてくれなかったらどうなるんですか?」

「その状況は考えていません。全て皆さんの力にかかっています。」

「勝負ですね。」

幾分緊張気味のメグミに、プロスペクターは深く頷く。

「そうそう、会長が説得に助っ人を呼ぶとかおっしゃってました。」

「助っ人ですか?」

「えぇ。意外な人です。」

そこにタイミング良くドアがノックされる。

視線が戸に集中する。

「失礼。」

おもむろに入ってきたのは、連合宇宙軍首脳陣の面々。

ミスマル・コウイチロウ総司令、ムネタケ・ヨシサダ参謀総長、秋山源八郎少将。

「ミスマル、提督?」

「いやぁお待ちしておりました。」

驚くメグミ達を後目に、楽しそうに迎え入れるプロスペクター。

「皆さん、こちらがベースのムネタケ・ヨシサダさん、こちらがドラムのミスマル・コウイチロウさんと秋山源八郎さんです。」

にこにこと紹介するプロスペクター。

「ええっ!!??」

思っても見なかった配役に、驚きの声を上げる一同。

「うっそぉ〜っ!」

「ほんとに?」

「すごぉい。」

「制服のままやるんですか?」

ミカコの突っ込みに思わず苦笑する宇宙軍三人組。

「いえいえ。ちゃんと衣装も持ってきてますよ。ねぇ司令。」

面白そうにコウイチロウにふるムネタケ。

「ん、うむ・・。」

ちょっと恥ずかしげなコウイチロウ。

その様子にきゃーっと騒ぐホウメイガールズ。

「面白そうっ!どんな衣装なんですか?」

「えっ?これですかっ?」

「わーっ、すごーい。和服だ。」

ホウメイガールズに囲まれるコウイチロウ。

色鮮やかな華に押しつぶされそうな様子。

だが満更でもないようだ。

そりゃアイドルに囲まれれば、いくら軍の司令官とはいえ、そこは人間の漢である。

嬉しくないわけが無い。

そんな感じで、重要な作戦前という固っ苦しい雰囲気は全く無かった。

傍らで見ているメグミはくすっと笑った。

「どうしましたか?」

「ちょっと、思い出しちゃって。」

懐かしそうな、遠い目つきになるメグミ。

次の言葉を待つプロスペクター。

「変わってませんよね。ホントに。」

「えぇ。」

「なんだか、緊張がほぐれていくッテ感じで。」

「えぇ。」

「でもなんていうか、やっぱり同窓会なんですね。」

「えぇ。」

鷹揚に頷くプロスペクター。

「みんなが確認する場が同窓会ですから。」

賑やかな様子を優しい表情で見るプロスペクター。

ふとメグミはプロスペクターの持っている物に気づく。

「プロスさん、なんなんですか?それ。」

「これですか。」

持ち上げて見せるプロスペクター。

「私も久しぶりなので、うまく弾けるかどうかは解りませんが。」

「ギター。」

「はぁい。」

作戦開始三〇分前の事である。

 

 

「すぅ〜、はぁ〜。」

深呼吸して気を落ち着けるメグミ。

やっぱりドキドキする。

ただのコンサートではないのだ。

緊張しないほうがおかしい。

ウィンドウに突入してくる兵士達の姿が映っている。

みな必死の形相で脇目もふらず・・・。

いや、たまにふっているが、とにかく突っ込んでくる。

あ、トイレに突っ込んだ。

「そろそろです。」

プロスの声と共にウィンドウが閉じられて、照明が落ちる。

メグミは軽く目をつぶった。

(みんな、必死なんだよ。)

(どっちかが偉い訳じゃないけど。)

そこまで考えたときだった。

 

バッツァン

 

文字通り、扉をぶち破って兵士達がなだれ込んできた。

「ダメダメ♪せっかちさん♪」

スポットを浴びながら色気たっぷりにメグミ。

「えぇっ?」

唖然として凍り付く兵士達。

「めぐたん・・・。」

約一名撃墜!

(よっしゃっ!)

心の中で勝利ポーズ。

ミュージックスタートっ!

「みなさんこんにちは!メグミ・レイナードです!」

「ホウメイガールズでーす。」

自分達でも怖いくらいの、アイドルぶり。

(いけるっ!)

「今日は私たちのコンサートにようこそおいで下さいました。」

「たっぷり楽しんでいって下さいね。」

兵士達が、慌てれば慌てるほど冷静に、快活になっていくメグミ。

その隣に、いそいそとかけこんで愛想良く挨拶するエリ。

 

ウォワアアアアアアアアアッ!!!

 

それと同時にマルチスクリーンに映し出される大衆の映像。

熱血の体である。

「総会は、地球連合の総会はどうした!」

遅れて入ってきた、突撃隊長のカワグチは困惑顔。

指揮官の動揺が伝わったのか、更にうろたえる兵士達。

「ギター!プロスさん!」

ハルミの紹介で、スポットが当たるプロスペクター。

参ったなァ、とか言ってる割には切れのいい音である。

「ベース、ムネタケ・ヨシサダ。」

「ハッピ〜。」

クールにベース弾くムネタケ。

「キーボードは飛び入り、ホウメイさん。」

嬉しそうなサユリの紹介に、ちょっと照れて頭を掻くホウメイ。

しかも、片手弾きである。

「ドラム、ミスマル・コウイチロウ、秋山源八郎!」

なんと気合い入れつつ、着流しで大太鼓の乱れ打ち。

流石軍人と唸らせるような、たくましいバディーである。

「そしてスペシャルゲスト!」

もったい付けるようにメグミと顔を見合わせるエリ。

「アカツキ・ナガレーッ!」

一呼吸置いて、最後の締めをメグミがとる。

 

ドドドパパパパパパパッ

 

背後のパネルから、爆音と共に花火が上がり、パターンがめまぐるしく変化。

頂上にせり上がってくるアカツキ。

まるで衣装はプレスリー。

音楽も最高潮に達したその時!

 

カポケッ

 

小気味よい音と共に、上空より飛来せし金だらいがアカツキヘッドにヒットする。

「金持ちをなめんなよ。」

鼻血出しつつボケかましてみるアカツキ。

マルチスクリーンに映るおばちゃんたちの乾いた笑いが響く。

だがようやく我に返ったカワグチの天誅の一言で、一斉に兵士達の銃口が火を吹いた。

しかし。

「ディストーションフィールド!?」

呆然とする決死隊。

そう、弾道は完璧だったが、銃弾はアカツキに届くことなくはじかれた。

余裕のアカツキ。

「だから言ったでショ。なめるなって。」

「貴様っ!どういうつもりだっ!」

一人冷静さを取り戻したカワグチが吼えたてる。

「どういう?ムリなことはヤメロっておしえさ。」

アカツキの声が響く。通常の照明に戻る地球連合総会議場。

なにぃっ?っと息巻くカワグチ。

「総会出席者を人質とるような組織じゃ、天下はとれんよ。」

まさに見下して言い放つアカツキ。

今にも切れそうな兵士達。

「汝死にたもうことなかれ。」

口元は笑ってるが、目が冷たいアカツキ。

ざくっと切り捨てた。

一抹の不安を覚えるメグミ。

その思いを見透かしたかのように、天井を突き破って二機の機動兵器、積尺気が会場に侵入する。

「ならば貴様が死ねっ!!」

切れたカワグチの言葉で前に歩き出す積尺気。

機動兵器が現れてもまったく動じた様子のないアカツキ。

メグミ達もじっと近づいてくる様子を見ている。

大丈夫だという説明は受けていたが、流石に・・・近い。

いくら安全だと言われても、敵対する六メートルの武装したロボットが近づいてくれば、誰だってびびる。

ズンズンとステージの目の前まで進み、銃を構える積尺気。

照準はアカツキ。

張りつめた空気。

「奸賊アカツキ・ナガレ、天誅!」

引き金が引かれようとしたまさにその時、アカツキと積尺気との中間地点の空間に光の波紋が広がる。

ジャンプアウトする白い機動兵器、アルストロメリア。

「え?」

(な、なに?)

三年ぶりに見る単独ボソンジャンプ。

その光景に小さな声を上げるメグミ。

アルストロメリアは実体化すると同時に、腕の巨大なクローを展開し、積尺気に襲いかかった。

アッという間もなく、胸部をえぐり取られて崩れ落ちる積尺気。

もう一機は、後退しながら反撃を試みようとしたが、ローラーダッシュで懐に潜り込まれ、頭部を貫かれる。

まさに、あっという間だった。

兵士達の方に向き直るアルストロメリア。

思わずどよめく兵士。

「外もあらかた鎮圧した。あきらめて投降しろ。」

パイロットが降伏勧告を出す。

それを聞いて悔しげに銃を構えるカワグチ。

「ボソンジャンプ・・・、新型か。」

開くコックピット。

そこには砕けたポーズで座る月臣の姿があった。

「久しぶりだなぁ、カワグチ少尉。」

「つ、つ、月臣中佐!?」

愕然とするカワグチ。

周りの兵士達もこれにはマジで驚いたようだ。

だが驚いたのは兵士達だけではない。

(月臣、中佐っ!?)

(なんで月臣さんが!?)

(もしかして意外な人って!)

思いも寄らぬ人物の登場にとまどいを隠せないメグミ。

後ろを振り返ると、プロスペクターが頷いていみせた。

ホウメイガールズも顔を見合わせている。

「変わっておらんな。」

周りの驚きを余所に、ニヒルな笑いを滲ませる月臣。

その視線は真っ直ぐにカワグチを捉えている。

「な、何故、中佐が・・。」

ショックから立ち直れずにいるカワグチは、通り一遍の質問しか発せられなかった。

「ボクが呼んだのさ。」

一瞬にして存在を忘れ去られていたアカツキが、幾分得意げに言った。

ばっと視線がアカツキに向けられる。

「そう、白鳥九十九のボウレイと一緒に。」

「なんだとっ!?」

ざわつく兵士達。

そんな中ステージに上がる月臣。

メグミと目が合う。

表情を変えず、互いに軽く会釈する。

(変わったな・・・)

近くで月臣を見て最初に思ったのはそれだった。

昔、木連と地球が戦争をしていた時、メグミは月臣と会ったことがある。

あの時は、ミナトと白鳥もいた。

ナデシコに侵入した白鳥を逃がしたミナトとメグミは、戦艦ゆめみづきに招かれた。

そこで月臣に会ったのだ。

白鳥とオレは親友だ。

そう生真面目な顔で言っていた月臣。

しかし、彼は命令でその白鳥を暗殺してしまった。

白鳥の恋人、ミナトの目の前で。

そのことをきっかけに、後に彼は秋山源八郎と共に熱血クーデターを起こした。

そして、その戦闘中に行方不明となっていた。

「諸君。」

月臣が語り出すと、ざわめきは自然と消えていった。

そのうち、みなが月臣の話しに聞き入っていた。

涙している兵士もいる。

その話は力強く、泣けた。

それは、自分を捨て去った月臣だから言えることだった。

本当に、隣に白鳥九十九がいるかのようだった。

「白鳥九十九が泣いているぞ。旧木連そして地球の勇者諸君、武器を納めよ!」

最後に月臣は、そう言って話しを締めた。

沈黙。

誰も言葉を発しようとしなかった。

他の場所にいる部隊に開かれた通信回線からも、物音一つ聞こえてこない。

「メグミさん・・・。」

隣にいたエリが囁きかける。

メグミは頷くと、一歩前に出た。

「皆さん。」

澄んだ声。

思わず兵士達は顔を上げた。

それを見回して一呼吸置くメグミ。

「私は、月臣さんのような事は言えません。でも、伝えたい気持ちは持ってます。みんな、同じモノ感じてるハズです。」

誰も身じろぎ一つせずに、じっと次の言葉を待つ。

「そんなあなたに捧げます。”In my dreams”」

穏やかであるが力強いメロディーが奏でられる。

殺伐とした心の透き間を通り抜け、奥底に眠る何かを呼び覚ます。

照明が絞られて、メグミにスポットがあてられる。

光の中で、メグミは自分自身の心の躍動を感じていた。

そして、周りの人々の鼓動も。

マイクを口元に近づける。

ぱっと開かれたその目は、遠い未来でも過去でもなく、今の自分をしっかりと見据えていた。

 

 

 

END

 

 

 

 

<あとがきぃ〜>

 

ども、こちらに初めて投稿させていただいた東山方面第二航空団所属オルカであります。

本物のコンサートとかと比べると、見劣りする描写も多々見受けられますが、イメージ優先といいましょうか、フィーリング的にといいましょうか。

まぁ、読んでの通りです。

最後のとこちょこっとナデシコらしからぬモノになっていましたが、あくまでこのSSの目的はメグミさん大活躍っ!!

でもって某親衛隊援護っ!!

だからこの際メグミさんがよけりゃ何でもありだっ!!

 

・・・・・・・のハズだったんですけど・・・。

 

・・・・・・。

 

まあいいや。

もう言い訳はすまい。

つーか、結構月臣さんがおいしいとこもってちゃってましたね。

 

 

な、なんだこの気迫は・・・。

ま、まさか・・・。( ・・;オソルオソル

 

あっ!!

 

 

つーーーーーーーーーーーーー(この音声は品質管理のための信号です。)

 

 

 

管理人の感想

 

 

オルカさんからの初投稿です!!

メグミ応援SS・・・

着実に信者を増やしてますね〜(笑)

近頃は何かとメグミの応援作品が届きます。

まあ、それはさておき。

劇場版の裏側とも言える作品でしたね。

メグミの思いが良く伝わりました。

やたらと月臣とアカツキが目立っていた気もしますが(苦笑)

 

では、オルカさん!! 投稿有難うございました!!

 

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