なぜなにナデシコ番外


第四回「相転移炉搭載戦艦 ナデシコ級」


こん○○は、音威神矢です。
今回は蜥蜴戦争を終戦に導いた戦艦「ナデシコ」です。

同じものであっても資料によって記述が異なるものがあったため、私の独断と偏見で取捨選択しています。
御了承ください。
ナデシコ級1番艦ナデシコを参考に紹介していきましょう。




・ナデシコってなに?

 ネルガル重工が独自に開発した、地球連合初の相転移エンジン搭載宇宙戦艦です。
火星の遺跡から得られたオーバーテクノロジーが惜しみなく盛り込まれており、新技術の運用試験艦の側面も持っていました。
ネルガル重工進めていたが『スキャパレリプロジェクト』の中核をなす新型戦艦で、民間運用が許可されクルーは民間人と軍人が混合という珍妙な形で就役した戦艦でもあります。

ナデシコ(撫子)とはナデシコ科ナデシコ(ダイアンサス)属の耐寒性多年草で、唐撫子(石竹)と区別するために大和撫子・河原撫子とも呼ばれています。
英名は「Superb pink」もしくは「pink」。
花言葉は『長く続く愛情』




・火星の遺跡とスキャパレリプロジェクト

2170(2160?)年代、火星で鉱山開発をおこなっていたネルガルはオリュンポス山や極冠等に有史以前の物と思われる遺跡が発見されました。
しかし、一般には公開されずネルガル主導で研究されることになりました。

2190年、コレまで秘匿し研究され続けてきた遺跡のオーバーテクノロジーを独占的に売り出すためのスキャパレリプロジェクトが開始されました。
その中核をなす新造戦艦はオリュンポス山の施設で設計が進められ、地球では専属オペレーターが選出され専門教育がなされました。

2195年、火星が木星の無人艦隊により占領され、火星の研究データや人材は取り残されてしまいました。
そこで、新造戦艦ナデシコによる火星奪還が計画に盛り込まれました。


・ナデシコに用いられたオーバーテクノロジー

 ナデシコに用いられた技術の大元は木連の技術と同じ、古代火星文明の技術でしたが、
ナデシコはそのまま流用するのではなく、新たな運用システムを盛り込まれて建造されたのです。


1:相転移エンジン(エンジンユニット)
2:グラビティブラスト(第一船体)
3:ディストーションフィールド(ディストーションブレード)
4:ユニット連結構造化による拡張性の高い設計
5:戦闘用艦載機(エステバリス)の搭載
6:単一の中枢コンピュータによる統合制御


1:相転移エンジン(相転移炉)
 ナデシコ級の装備を支える膨大なエネルギーを生みだす動力炉です。
大気圏内では出力低下し。宇宙空間でこそその力を発揮します。
火星の遺跡からのリバースエンジニアリングで得られた技術のひとつで、「現在の真空」を「よりエネルギー順位の低い真空」へ相転移させることによって膨大なエネルギーを取り出す機関といわれています。
基本的な理論や運用法は解明されましたが、作動原理は全く解明されていません。
結局、発掘された相転移エンジンを修理し、制御インターフェイスを付け足しただけと言う形で搭載されることになりました。

大戦後も作動原理は解明されておらず、その機能を全て発揮しているとはいいがたいです。


2:グラビティーブラスト
 第一船体の前部に配置された、ナデシコの主砲です。
相転移エンジンから得られた膨大なエネルギーを用い、重力波を収束させ放出する一撃必殺の主砲です。
射程範囲もリアトリス級の大口径粒子砲とは桁違いに広く、大気圏外から地上への艦砲射撃も可能なほどです。
また、収束された重力波の影響により相手からの攻撃を逸らすという副次効果があり、主砲発射直後にエンジンの出力ダウンが起こったとしても撃沈されると言う危険性を回避することができます。
ナデシコに搭載されたタイプは戦後に就役したリアトリス級に搭載されたものより強力なものであったようです。

3:ディストーションフィールド
 周囲の空間を歪ませることにより敵からの攻撃を『逸らす』、重力制御技術の応用による防御手段です。
第一船体の左右から前方に伸びる部分に櫛状に並べられた多数の発生装置で強力な楕円形のディストーションフィールド発生させています。
その非流線型形状の船体を包み、大気圏内における整流作用も担っています。



4: ユニット連結構造による拡張性の高い設計
 火星オリュンポス遺跡で発掘された古代の宇宙艦艇は「必要なモジュールを繋げただけ」という極めてシンプルな構造でした。
ナデシコはこの構造を取り入れ、船体を構成する各部を徹底したユニット化がなされ、各部を連結する構造という設計になりました。
船体各部の建造はネルガル各支社で行なわれ、サセボドッグで最終的な連結・調整を行なわれました。

 この構造は戦艦でありながら高い拡張性を獲得しており、新装備の開発に合わせて艤装を換装・追加も可能で、改装期間の短縮にも繋がりました。
ユニットの組み合わせ次第で、目的にあわせた艦艇をつくることが可能でした。

また、ユニット化により船体各部に機能が集中され、船体内にに余裕が生まれました。これはクルーの精神衛生を重視しを居住ブロックやレクリエーション施設に当てられました。

参考:ND-001ナデシコ

各ユニット 機能
第一船体 グラビティブラスト・格納庫等の戦闘の為の機能が集中しているブロック。
船体下部に小規模な調査や人員輸送のために揚陸艇「ヒナギク」を装備。
第二船体 ブリッジと居住ブロック。脱出艇を兼ねている。
重力波ユニット 第一船体の左右から前方に突き出たブロック。根元に重力制御ユニット、ディストーションフィールド発生装置多数が櫛状に並べられたディストーションブレードで成り立っている重力制御関係の機器が集中しているブロック。
後方にあるエンジンとのバランスをとるためのバラストでもあり、グラビティブラストの遠距離射撃の精度を高める銃身の役割も持っている。
エンジンブロック 第一船体後方左右にあるエンジンブロック。相転移エンジンと推進機関(反重力推進機関?重力波放射装置?)
補助推進機関の核パルスエンジンから成り立っている。



5:戦闘用艦載機『エステバリス』の搭載
 詳しくは日和見氏の「エステバリス大全」を参照のこと。
エネルギーリンクをしている限り中枢コンピュータネットワークとリンクしており各装備や戦況を常に確認することが可能となっています。



6:単一の中枢コンピュータによる統合制御
 航行・攻撃・防御などの全てのシステム(艦載機も含む)が単一の中枢コンピュータによって掌握・制御されており、最低限の乗員でも運用が可能となっています。
船体の各重要ブロックに端末がありそれぞれがバックアップを兼ねています。

 どんな優れたコンピュータであっても乗員との意思疎通がなければ緻密な運用は見込めません。
しかし、命令系統が多岐化するようなことがあればフリーズするようなトラブルが起こりえます。
そこでデータ入力担当者はナノマシン処理により補助脳を形成したオペレーターひとりが行うIFS(イメージフィードバックシステム)が導入されました。
ナノマシン処理された担当者がいれば、膨大なデータの管理も比較的容易にできるとされています。

コンピュータのハード自体が遺跡のリバースエンジニアリングから得られた技術で作られたらしく、マシン自体の防衛本能・・・『自我』があるようで、外部からの強制的な介入には強い抵抗を示すことが予測されています。

また乗員はコミュニケと呼ばれる個人端末と接続されており、常時、中枢コンピュータを通じて交信できます。また、コミュニケは空間に表示するウィンドウ、通称「フライウィンドウ」で様々なサービスを受けることもできます。
ウィンドウを重ね合わせることもでき、作戦・戦況・装備の確認なども容易にできる様になっています。




・第一世代ナデシコ級戦艦



蜥蜴戦争中建造されたナデシコ級は計4隻。
それぞれ、全く仕様が異なり、ナデシコ級のポテンシャルの高さを証明しています。

ナデシコA(NERGAL ND−001)

全長298m
  地球側初の相転移エンジン搭載戦艦です。
 オペレーター以外の搭乗員のほとんどは「人格より実力」ということで他業種からのスカウトによって集められた民間人でした。
 艦載機がエステバリス5機、となっている。これは、様々なフレームを積んでいる為で格納スペースを圧迫している為だと思われます。
メインコンピュータ SVC2027オモイカネ
 思兼神(八意思兼命)・・・智慧・技芸の神様。天照大神が岩戸に隠れた際、神々に知恵を与えた神様。
     名前の意味は「数人の思慮る(おもんばかる)智を心に兼持たる(かねもちたる)」
 人間のような人格を持つほどに育ったパーソナルはB型、C型に受け継がれます。

 武装:グラビティブラスト×1 ミサイル発射管16×2


Yナデシコ(形式番号:NERGAL ND−001Y?)
 シャクヤクに装備するはずであったYユニットをユリカの判断でナデシコが無理やり装備した姿。
電装系がシャクヤクと違ったが、ウリバタケ・セイヤ率いる整備班の合体への情熱(笑)と、
ホシノ・ルリの中枢コンピュータ・サルタヒコを掌握・取り込むことで運用を可能にしていました。
計4基となった相転移エンジンのうち3基とYユニットのシステムを利用して相転移砲を撃つことが可能となっている。
Yユニット戦闘管制コンピュータ:サルタヒコ(猿田毘古神)、邪霊を防ぎ、神々を導いた道開きの神名が付けられている。
武装:Gブラスト×2、ミサイル発射口48×2、相転移砲


コスモス(NERGAL ND−002)
 全長約600m
  ナデシコ級2番艦で、前部ブレードを展開し、他の戦艦を補修・整備可能なドッグ艦。
 一門の威力はナデシコAのモノより劣るが多連装となったグラビティーブラストを複数装備し強大な火力も有する戦艦でもあります。
 格納庫・カタパルトは船体下部に配置されています。
 相転移エンジンは左右に2基づつ計4基。
花言葉「乙女のまごころ、愛情、たおやかさ」

武装:大口径五連装Gブラスト×2、小口径三連装Gブラスト×4

大戦後、整備スペースを機動兵器ハンガーに改装するプランが浮上したが、双胴型戦闘空母の完成によりプランは破棄されドッグ艦として存在しています。



カキツバタ(NERGAL ND−003)
  ナデシコ級3番艦、ナデシコとは異なるディストーションブレードのレイアウトが特徴の戦艦。
 初の単独ボソンジャンプ(チューリップ無し)を行った戦艦でもあります。
 第一船体前部は
 中心にグラビティーブラスト
 左右にレールカノンやミサイル等のある武装ユニット
 上下のディストーションブレードの根元は巨大レールカノンユニット
 火力が前方に集中しています。
 搭載艦載機エステバリスも最低で38機。
 レールカノンを標準装備した攻撃力・機動力共にナデシコAを上回る強力な戦艦です。
 火星決戦時、木連に雑魚扱いされ、ナデシコを無視してのジンシリーズ集中攻撃により撃沈されています。
 花言葉は「幸運、雄弁」
武装:大口径グラビティブラスト×1、巨大レールカノン×2、レールカノン×4 ミサイル発射管32×2


シャクヤク(NERGAL ND−004)
 ナデシコ級4番艦。Yユニットを装備する予定だった戦艦です。
基本的にナデシコと同じ形状ですが、ディストーションブレードとエンジンブロックが一列に繋がり、エンジンブロックも大型になっています。
Yユニット装備以外の仕様が全く不明で
花言葉は「生まれながらの素質」
強かったのでしょうが、ゆめみづきの無限砲の砲撃で月面地下ドッグが崩落し就航前に破壊された不幸な戦艦です。
武装は大口径グラビティブラスト×1






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