なぜなにナデシコ番外

〜結構知られていない事実〜

 

第五回「木連式人型戦闘機 ジンシリーズ」

 

 

 

 

・ジンとは?

 木連の優人部隊…つまりエースパイロット部隊の30m級有人人型戦闘機です。
戦艦並みの火力と時空歪曲場を持ち、史上初の単独有人次元跳躍が可能な兵器です。
 相転移炉の搭載で機体は30m以上と大型化、それが木連の聖典ゲキガンガー3の主役ロボと一致し、スタイルをゲキガンガーを模し、木連軍優人部隊のシンボルとして建造されました。

 ゲキガンガーを模した『テツジン』、ウミガンガーを模した『マジン』、リクガンガーを模した『デンジン』の3タイプがあり、
それぞれの武装強化型である『ダイテツジン』、『ダイマジン』、『ダイデンジン』を開発していました。

  

 

・ジンタイプの特徴

 ジンタイプの建造コンセプトは「単機で敵宇宙戦艦・施設に大打撃を与える」というものです。 

  1. ゲキガンガーを模した強力な武装
  2. 相転移炉の搭載
  3. 強固な装甲と時空歪曲場
  4. 単独有人次元跳躍

  

 

1:ゲキガンガーを模した強力な武装

 ジンタイプは単機で地球側の戦艦群に大打撃を与えるために強力な武装が装備されています。

 ・重力波砲

  グラビティブラストのこと、第四回参照。全タイプに胸部に搭載されています。 

 ・ゲキガンパンチ

   その巨大な腕で殴り・なぎ払い、止めに○ケットパンチという質量兵器です。
  その質量と次元歪曲場で破壊力は相当なものです。
  その手はエステバリスのように物を扱う為のマニピュレーターではなく、武器として特化した無骨な爪のようになってます。
  この爪は対歪曲場爪(アンチフィールドクロー)となっていて、歪曲場にをこじ開け穴を穿つことができます。
   前腕部自体が対艦ミサイルとして○ケットパンチのように切り離し飛んでいきます。
  「対歪曲場爪搭載誘導噴出弾(アンチフィールドクロー付対艦ミサイル)」とよべる代物です。

  この武装は系統によって異なる使用になっています。 

種類 説明
テツジンタイプ コミサイル内蔵。四本の爪で無理矢理広げるように歪曲場に穴を穿ち、コミサイルを叩き込む。
腕部自体も質量弾として歪曲場をぶち抜いて突き進むミサイルにもなる。
マジンタイプ 虫足の様な三本爪。前腕部先端に対歪曲場杭が搭載されている。
デンジンタイプ 爪というよりミミズのような三本指になっている。歪曲場を握り潰し突き進む○ケットパンチ。


 ・口部大口径レーザー砲

   ジ○ングのように頭部の口にあたる部分に搭載した高出力レーザー砲です。

   

 ・歪曲場剣 ゲキガンソード(非採用)

   独自のフィールド発生装置を搭載し刀身に歪曲場をまとわせ、叩きつけ砕くという剣。

  しかし、ゲキガンパンチとの兼ね合いで剣を握るためのマニピュレーターを装備することができずに非採用となりました。 

 

2:相転移炉の搭載

   重力波砲、歪曲場、そして次元跳躍装置、これらを稼動させるには動力として相転移炉の搭載が必須でした。
  しかし、相転移炉の小型化は木連の技術力では困難で、プラントより自動製造されるものを使用することになりました。
  ジンが全長30m以上の巨大な機体となった大きな要因です。

   

3:強固な装甲と時空歪曲場

   機体の大型化により攻撃回避は難しいと判断され、運動性の強化より装甲による防御力を高める方針になりました。
  戦艦級の強度を誇る時空歪曲場も搭載され、鉄壁の防御を誇っています。

 

4:単独有人次元跳躍

  ジンシリーズはチューリップを介さない単独次元跳躍が可能な機体です。
 しかし跳躍距離は数百m〜数kmに限定されていました。

   跳躍で敵の防衛線を無視するように突破、

   強固な装甲と歪曲場で攻撃を退け、その強力な武器で攻撃

   そして跳躍で瞬時に撤退

  と神出鬼没な「跳躍戦法」を行います。

 このような瞬間移動する兵器は連合軍にとって想像の範疇を越えたものでした。

  後半年、連合が歪曲場に対する有効な手段を見出さないうちに投入されていれば、大戦は木連の勝利だったとも言われています。

  

 

・ジンタイプのコクピット・操縦法

 コクピットは頭部にあり脱出艇も兼ねています。まるでジオ○グやクイ○マ○サの様です。

 ハンドルとスイッチやペダルに加え音声入力システムで操縦するようになっています。
 細かな部分は入力されてたモーションデータからAIが選択、動きを再現・制御しています。
 モ○ルス○ツと同様のものと思われます。

   

 

・ジンタイプの欠点

1:その巨体による運動性の劣悪さ

 遺跡から得られたロボット工学の技術は単メートルクラスの虫のような多足歩行ロボットの技術しか得られなかったため、木連では30m以上の巨体を機敏に動かす技術を持ち合わせていませんでした。

  結果、手足の動きが遅く、回避運動すらままならないような劣悪な運動性能となりました。
もはや戦闘機ではなく一人乗りの戦闘艦と呼べる代物でした。(良い意味でも悪い意味でも)

これは、戦艦というより巨大な敵を想定しており、装甲の強化や時空歪曲場・跳躍回避で補えるとされました。

  しかし、「6m級人型機動兵器エステバリス」という想定外の敵機が存在しました。
 この6m級機動兵器を相手に戦うように造られていなかったジンは、苦戦を強いられました。


2:跳躍回避のパターン化

  跳躍回避は電脳制御によって行われ、出現位置がパターン化されていました。
 地球側にパターンを読まれ被弾することが多かったようです。 

 

3:背中の重力波ユニット下部装甲

  重力制御ユニットの下部には相転移炉の制御装置や重要な回路があり、さらに関節部で装甲が薄く、死角でもありました。

 強固な装甲を持つジンの構造的弱点なのです。グレ○トマ○○ガーと似ています。

 

・戦後のジン

地球と木連との和平締結により、木連軍はそのまま、統合軍へ編入されることになりました。
統合軍は地球兵器体系と木連兵器体系を組み合わせた新たな運用方法を生み出さねばなりませんでした。
特に巨大人型のジンシリーズはコレまでの兵器思想とは大きく異なっておりその運用方法の確立は困難を極めました。
そんな統合軍の力を疑問視するの世論の声も多く、そんな声を払拭する為にも新たな運用方法の確立は急務でした。

・ジンの新たな運用方法

同じ機動兵器であるエステバリスとの共同運用検討されます。
火力重視のジンと機動力・汎用性重視のエステバリスとの連係で新たな戦術が生まれることが期待されました。

 (1)エステバリスへのエネルギー供給兼火力支援 
    ジンが相転移炉搭載であることに着目し検討されました。
   ジンの頭部に重力波ビーム照射装置を装備し、エステバリスの後方支援及びエネルギー供給、つまり、本来の運用での母艦の役割をジンに置き換えただけというものでした。
    ジンの出力ではエステバリスへのエネルギー供給をまかなえきれず、実戦での有用性は疑問視されています。

 (2)母艦とのエネルギー中継機、緊急供給機
    相転移炉搭載のジンは宇宙空間において本領を発揮します。
   ジンに重力波ビーム照射装置に加え重力波ビーム受信アンテナを追加装備させ母艦からの重力波ビームの中継機としての運用しようというものです。
   遮蔽物等のためにエネルギーリンクの切れた機体に対してのエネルギー供給し、作戦可能範囲を拡大するといったものでした。
   次元跳躍で中継位置を瞬時に変更可能なことも非常に有効でした。
   ジン自体も母艦からのエネルギー供給を受けることで余裕が生まれ、火力支援機としての役割も存分に発揮できます。


  しかし、統合軍ではエステバリスに変わりスタンドアローンの新型機動兵器ステルンクーゲルが採用され、エネルギー供給の重力波ビーム中継機の価値が暴落します。

ジンシリーズは時代遅れの機動兵器として廃れていくこととなります。

 

・ジンのバリエーション

 

 ジン(30m級)
  武装は全機共通で胸部重力波砲、口部レーザー砲、ゲキガンパンチ

テツジン
(鉄人)
ゲキガンガーを模してタイプで、万能型、翼の様な重力制御装置を装備
マジン
(魔人)
ウミガンガーを模したタイプ、拠点強襲型、両肩に円形の重力制御装置を装備
デンジン
(電人)
リクガンガーを模したタイプ背中に筒状の重力制御装置を装備
後期型のジンで、対歪曲場戦闘を意識した形になっている。
ゲキガンパンチ発射後の格闘戦能力が低下しない様、改善されています。

  

 ダイ級(36m級) 

  機体・各装備も一回り大型化した武装強化型ジンシリーズ。
 それぞれのタイプで異なる強化がなされ個性が強く出ました。

ダイテツジン 多段式ゲキガンパンチ、前腕部内蔵のミサイルにも対歪曲場爪を装備。
内臓ミサイルの中にもコミサイルを搭載。
脇部に多連装レーザーユニットを追加、対空(?)戦力を強化。
ダイマジン 死角を埋める為に小型重力波砲を両肩部前後に、計4基追加。
腕の関節を追加し、ゲキガンパンチ発射後の格闘戦能力を維持されるよう改良されています。
ダイデンジン 建造途中で終戦を迎えたため詳細不明。


正式非採用型(イロモノ)タイプ 

ジャンボ級ジン  50m級ジンシリーズ。
・建造コストに見合う戦果が期待できない。
・その役目は従来の戦艦で代用できる。
・基本性能が従来のジンと変わらない。
等々、散々な評価を受けたペーパープラン。
マジン北辰専用機
(マジン ステルス仕様)
 頭部が笠のような巨大なクローキングディバイスになっているマジン。
市民艦からの脱走者の追撃に用いられていたといわれています。
(公式にはこうした脱走者の存在は認められていません。)
クーデター後草壁と共に所在が不明となっています。
ダイマジンX(ブイ)  技術者のロマンが生み出した三体合体のドリル付ダイマジン。
合体システムのために、接合部の強度に問題があり脆い。
実戦耐えられる機体ではありませんでした。
エステバリス
ゲキガンフレーム
ジンの技術・コンセプトで建造されたゲキガンガーV型巨大エステバリス。
実質はネルガル製ジンと呼べる機体でしょう。
歪曲場剣ゲキガンソードを装備した唯一の機体です。
ある意味、ジンの完成形といえる機体でしょう。

第一版2003/07/24
第二版2003/07/27

感想、応援、違うぞゴラァなど色々な御意見お待ちしております。

 

 


参考資料:
NADESICO PLUS[HOBBY JAPAN MOOK]
ニュータイプ100%機動戦艦ナデシコPERFECTS
ニュータイプ100%劇場版ナデシコGEKINADE ZENBU
デジタルムック機動戦艦ナデシコ1000%コレクション
デジタルムック機動戦艦ナデシコ1000%コレクション’99
機動戦艦ナデシコThe blank of 3yearsオフィシャルガイドブック