ラーメン屋奮戦記(脱出)

by poti

もう・・・駄目です。

わたしは覚悟を決めながらも、捕まる自分を見たくないために、ぎゅっと、固く目を閉じました。

 

「ぐが!?」

「え?」

 

恐る恐る目を開けると、わたしに手を伸ばしてきた男が前のめりに倒れます。

その後ろから、

 

「ルリちゃん、無事か!?」

 

・・・・あ。

 

「テンカワさん!?」

 

その後ろには、どうやって逃げ出してきたのか、青痣だらけのテンカワさんがいました。

 

「テンカワさん!」

「ルリちゃん、そのまま走って!!」

 

どうやってテンカワさんが脱出したのか考える余裕もなく、わたしはくるりと後ろを向き、脱出カプセルらしい乗り物へと走りました。

 

背後からは骨が軋むような音や、怒号が飛び交っていますが、わたしは振り返らずに走ります。

 

そして、やっとその乗り物の前にたどり着きましたが、ひょいと体を背後から抱きすくめられました。

 

「きゃ!?」

「そこまでだ。」

 

先ほどの男達と同じ格好の義眼の男性が、わたしを小荷物のように抱きかかえていました。

 

「離して!!」

 

じたばたじたばた。

両手両足をばたつかしてみましたが、男の腕はびくともしません。

 

「・・・やはりラピスに似ているな。」

「ラピス?」

「汝のオリジナルだ。」

「彼女は死んだはずです!」

 

わたしは湧き上がる劣等感に顔をしかめます。

 

ネルガルの科学者が発明したIFS、そのなかで最も調整が難しく、あらゆる機械を制御、コントロールできるナノマシーン『ラピス・ラズリ』の唯一の成功例。

彼女は名前すら与えられず、ネルガルの施設に幽閉されていましたが、テロリストによって殺害されたと聞かされました。

そこで、当初彼女が乗るはずだったナデシコに、予備だったわたしが繰り上げで乗ることになったんです。

たぶん、この男が言う『ラピス・ラズリ』は彼女のことなんでしょう。

 

大人しくなったわたしに、

 

「遺伝子細工の人形とはいえ、感情はあるか。」

 

赤い義眼の男は笑います。

 

「ルリちゃん!!」

 

あ。

 

「テンカワさん!?」

 

全身を返り血や自分の血で赤く染めた彼が立っていました。

そのずっと向こうには、死体が6体、転がっています。

 

「軍の仕事も楽ではないな。なあ、テンカワ大尉。」

「・・・『大尉』?」

 

・・・え?じゃあ、やっぱり、テンカワさんは軍人だったんですか?

それに、『軍の仕事』って、仕事だからわたしを助けに来てくれたんでしょうか?

 

「テンカワさん、『お仕事』だから助けに来たんですか?」

 

なぜか、わたしは泣き出していました。

 

「違うよ。これは・・・俺の意思なんだ。」

「珍しいな、貴様が仕事以外に関心を持つとは?」

「あんただってラピスを気にしているじゃないか、北辰。」

 

二人はにらみ合います。

 

「ふん。こんな小娘はどうでもいいのだがな。」

 

そう言って、わたしを無造作に放り出します。

 

「ルリちゃん!そのカプセルで脱出してくれ!」

「テンカワさんはどうするんです!」

 

置いていけるはずがないじゃないですか!

わたしは小さな子供のように地団駄を踏みます。

 

「一緒にナデシコに帰りましょう!」

「くくく。この男があんなぬるま湯のような場所に帰りたがると思っているのか?

こいつの頭の中は人殺しの術しか考えられん。」

 

わたしの言葉に、赤い義眼の男はせせら笑います。

 

「あなたの意見なんて聞いていません!

テンカワさんはどうなんですか!?」

 

わたしは彼が一緒に来てくれることを願いました。

 

でも。

 

「駄目だよ。早く、行ってくれ。」

 

先ほどの男達から奪ったらしい短刀を、赤い義眼の男相手に構えます。

 

どこーん!!

 

どこからか爆発音が響き、警報がいっそううるさく響きます。

 

「・・・テンカワさん。」

「頼む。逃げてくれ。」

 

わずかに彼は顔をゆがめ、こちらを見ます。

 

「・・・行かせると思うか?」

「俺が邪魔するさ。」

 

わたしは踵を返し、カプセルに乗り込みました。

 

義眼の男がこちらに銃を発砲してきますが、テンカワさんが体当たりをして、その銃弾を逸れさせます。

 

わたしはカプセルに座り、一際大きなスイッチを押すと、風船が破裂したような音とともに、宇宙空間へと飛び出ました。

小さな丸い窓から外を見れば、木星とかげの戦艦が、煙を巻き上げながら壊れていくのが見えました。

 


あとがき

こんにちは。

巨大ゴキブリや巨大ナメクジと戦う毎日のぽちです。

実話なのが嫌なんですけど(苦笑)、職場には色んな珍客が参りまして、壊れた換気扇から足長蜂が10匹入り込んでくるし、植木にはナメクジが大量発生するし、しまっていた書類を取り出したらゴキブリがワサワサ出てくるし、後輩がお化けを見たと大騒ぎするし・・・・。

昆虫はまだしも、除霊なんてできないよ、わたしゃ(うつろな目)

第一、経費で落ちるのか、お祓い代は?

なんていうか、今年の大掃除(12月末予定)は大変そうだと、今から心配してます(遠い目)

せめて大掃除した時間も残業手当くれればいいんだけど、そうはいかないしね〜。

以上、近況報告でした。

 

 

 

 

代理人の感想

 

「君は、生き延びることが出来るか」

(ナレーション・永井一郎)

 

 

いや、サブタイトルが「脱出」なんていうから・・・・ねえ(爆)。

 

・・・・するってぇとア○ロがアキト、セ○ラがルリはいいとして、シャ○は北辰(核爆)?

ラピスがキ○カならそれはそれでぴったりなんですが(笑)