機動戦艦ナデシコ

The Triple Impact


第二話 出会い


木連、コロニー内…。

とある研究所の中に、少年を抱えて歩く北辰の姿があった。

プシュン!

北辰はドアロックを開けて部屋の中に入り、少年を近くにあったベッドに放り投げた。

「おや北辰さん。なんだい、その子は?なんか血がいっぱい出てるけど?」

白衣を着た男がそれを見て言う。なんとなく『面倒なこと頼まれそうだなぁ…』という目をしている。

「拾った。治療をしろ。それと妙な細工はするな」

「えー?僕に実験のサンプルを提供してくれるんじゃないの?」

「貴様にそこまでしてやる義理はないわ」

「ちぇっ、残念。ま、北辰さんにはいろいろと借りもあるし…いいでしょう」

そう言って白衣の男…山崎は、医療器具を棚から取り出し、少年の治療を始める。

「ところでなんでこの子を連れてきたんです?ま、まさか北辰さんそういう趣味が…!?駄目ですよ、北辰さん。あなたは仮にも妻子のい…る…」

「…斬るぞ」

かなり本気の殺気を放ちながら、北辰がポツリと呟く。

「じょ、冗談だよ、冗談。あはは、やだなー北辰さんったら」

震えた声で山崎が答える。どうやら本気で生命の危機を感じたようだ。

しかし一度回り始めてしまった歯車を止めるのはそう簡単なことではなく…。

(そういえば、北斗君を男として育てたのはもしやそういう願望が歪んだ形で…!?)

ピトッ(刃が首に触れる音)

「…次は殺る」

「ご、ごめんなさい(な、何で考えてることがわかったんだ?)」

「…そんな目で我を見ていれば普通、気づくわ」

脇差を懐にしまう北辰。その体からそこはかとなく鬼気が放たれているのはご愛嬌、というやつだろう。

「しかし、マジメな話どうしてこの子を連れてきたんだい?」

少年の治療をしつつ山崎が尋ねる。鼻歌交じりの所を見ると、この程度の傷ならば彼にとっては余裕で治療できるのだろう。

「我が見た所、その小僧の資質は中々のものだ。鍛えて、使えるようならば部下にでもする」

「…北辰さんが育てるのかい?」

「他に誰がいる。石動(いするぎ)が我の頼みを聞くとも思えんしな。」

「あの人も美人なんだけど、もうちょっと性格が丸くなればねぇ…。よし、弾の摘出、傷口の縫合は終わったよ。輸血の準備もできたし、あと一日もすれば目が覚めるんじゃないかな」

「わかった。明日また来る」

「はーい。じゃ、また明日」

(…まあ、鍛えるのは北斗にでも任せるか。実戦形式ででも鍛えさせればよかろう)

そんなことを考えながら研究室を後にする北辰。それを見送った山崎はおもむろに通信機に向かい、知り合いに通信をつなげた。

「ああもしもし、僕だけどさ。いやぁ、びっくりしたよ。あの北辰さんがなんと男の子を…。ひょっとしたらあの人そっちの方の趣味が…」

彼の未来はいったい…!?


木連コロニー内、とある道場の中…。

真紅の髪の少年と、黒髪の少年が張り詰めた空気を作り上げていた。

真紅の髪の少年はまだ八歳で、黒髪の少年は十三歳だったが、各々…特に真紅の髪の少年から発せられる殺気は、武道の達人と言えどもけっして長時間耐えられるものではなかった。

黒髪の少年はそれほどの殺気に耐え…いや、受け流していた。さながら強風になびく柳の木のように…。

「はぁっ!!」

真紅の髪の少年――影護 北斗は、彼の父親と比べてもなんら遜色のないスピードで黒髪の少年に殴りかかる。が…。

パァン!

少年は北斗の繰り出した拳を左手で払うと、北斗から見て右に回りこみ…、

ドン!

鳩尾に膝をたたきこむ。

「ぐっ…くぉお…」

かなりの衝撃を腹部に受け、胃液を吐き出す衝動に耐えつつ、北斗は少年を睨む。

「寝てろ」

ガッ!

そう言って少年は、北斗の後頭部に肘を振り下ろした。

「く…そぉ…」

朦朧とする意識の中、北斗は自分を倒した相手――石動 透真(いするぎ とうま)の顔を見つつ、その意識を手放した。


「まだまだね」

長く美しい黒髪をひとつに束ねた女性が、透真に声をかける。

「最初の鳩尾への一撃で意識を奪えないようでは、一人前とは言えないわよ」

「無茶いわないでよ、姉さん。並みの相手ならともかく、相手は北斗だよ?ああ、零夜、邪魔だからこのバカを隅の方に運んどけ」

北斗を指差しながら、透真が姉と共に先ほどの戦いを観戦していた少女へ指図する。

「はーい…って、なんでわたしが?」

「そこにいたからだ」

「なんですか、それ」

不満を口にしつつ、北斗を道場の隅へと引きずって運ぶ零夜。くぐもった「うーん」という呻き声や、可愛らしい「うんしょ」とか言う声が聞こえてくる。

「話は済んだ?」

「ああ、一応」

石動 沙耶香(さやか)は、八つほど年の離れた弟に話しかける。

「では、今回の反省点を検討しましょうか。私が言ったことの他に何か思い当たることは?」

「さあ?」

首をひねる透真。実際、自分の技量が未熟、と言う点以外は、思い当たる節がないらしい。

「あなた、少しだけど北斗につられて殺気出してたでしょ?他はともかく、私は誤魔化せないわよ」

「ええ?あれだけの殺気に当てられてまったく殺気出さないなんて無理だよ。姉さんじゃあるまいし」

「あのねぇ…私に空迅流を継がせる気?アンタ男でしょ?女の私より弱いままで悔しくないの?」

「姉さんは別格だよ。太陽系で一番強い女に負けた、と思えばそれほど悔しくないし。それに俺が姉さんに負けるのはいつものことだろ?」

「…ったく。うちのひい爺さんも厄介なモノ作ってくれたわよね」

空迅流闘術――。透真、沙耶香の祖父、石動 博也(ひろや)が開発した流派で、中国拳法をベースに、空手、ムエタイ、ボクシング、マーシャルアーツ、さらに木蓮式柔を組み込み、発展、改良を重ねたものである。(博也は武者修行で世界を回り、最後に月に行き着き、成り行きで独立派に加わることとなった)

「それに、俺一応北斗よりは強いよ」

「フゥ…。百戦して百勝した相手に勝ったって、いまさら何の自慢にもならないわよ。大体、北斗だって女でしょうが」

「北ちゃんが怒りますよ、沙耶香さん」

ため息交じりに説教する沙耶香に向かって、零夜が口を挟む。その横では、北斗がウンウンうなりながら倒れ伏している。きっと嫌な夢でも見ているんだろう。…父親の夢とか。

「別に構やしないわよ、聞こえてないんだし。さて、以上のことを踏まえつつ…」

沙耶香が構えをとる。

「じゃ、目標は一撃入れるってことで…」

透真も構える。その面持ちは、北斗と対峙した時よりも真剣だ。

張り詰める空気。しかし、そこに殺気はない。あるのはただ、緊迫感のみ。


(うう…。やだなぁ、この雰囲気…)

ここに来るたびに思う。思い起こされるのは一年前の近所の公園。透真を見て、本能的に『強い』ということを悟った北斗が、

「おまえ、俺と戦ってみないか?」

と声をかけたのが発端だった。

そして始まったストリートファイト。

襲い掛かる北斗。それを頭部への蹴り一発で沈める透真。

それからだ、北斗が公園によく行くようになったのは。

が、六回目あたりから周りの人に迷惑がかかるということで、透真の家に場所を移し…、

結局、北斗が気絶して終わる。

そしてその後に始まる、透真と沙耶香の稽古。

…次元が違いすぎた。目で追うことすらできない。もっとも、北斗と透真の戦いも、何がどうなっているのかよくわからないのだが。

一度北斗が沙耶香に挑んだことがあったが、沙耶香が目視不能なスピードで北斗の後ろに回りこみ、軽く手刀で北斗の首をたたいて終わってしまった。

圧倒的。その他に形容する言葉が見当たらない。

沙耶香と透真の稽古は、大抵は透真が吹き飛ばされて終わる。

しかし、最近になってそれに変化が出てきた。

初めのうちは透真も沙耶香に触れることすらできなかったが、二、三ヶ月くらい前から、だんだんと掠るようになってきたのである。

沙耶香の服が稽古の後で、所々破れているからこそわかることではあるが…。

(強くなってるんだな。透真さんも、北ちゃんも)

そう、透真が強くなっているのはわかる。沙耶香に少しずつだが余裕が無くなりつつあるから。しかし、それなら透真ももっと楽に北斗を倒せるはずである。それはつまり、北斗も透真も同じペースで強くなっているということ。

(わたしも何か武術やってみようかな?)

最近そう思うようになってきた。そうすれば、最も親しい友人と共通の話題が持てるかもしれないから。

そんなことを零夜が考えているうちに…。

ドドドン!!

沙耶香が中段蹴りのポーズで固まっている。どうやら決着がついたようだ。

「いったたた…。うん、腕を上げたわね。お姉さんは嬉しいよ、透真」

沙耶香が青く腫れた左手をブラブラと振っている。おそらくガードの際にでも痛めたのだろう。

「ゲホッ!!ゲホッ!…よく言うよ。腹、アゴ、腹の順に一本の足で連続蹴りする女が」

腹をさすりながら起き上がる透真。…表情がつらそうだ。

「あら、私にガードさせたんだから、大した進歩よ。」

「姉さんの足元くらいには…届いたかな?」

「そうね、私の実力を百とすると…二十五、六ってとこかしら?」

「ちぇっ、手厳…しい…ね……ぇ……」

ドサッ…

倒れ込む。どうやらダメージはそんなに軽いものでもなかったらしい。

「あら、気絶しちゃった。ま、起き上がってきた根性は買うけど…零夜ちゃん?ここで寝てるバカ二人、運ぶわよ」

「あ、は、はい!」

北斗を引きずって道場を出る零夜。もちろん道場を出るときの礼は欠かさない。

(お、重い…。どうせだったら北ちゃんも沙耶香さんに運んでほしいのに…)

が、そんな事は言わない。言った所で、どうせ『いいじゃない、トレーニングにもなるし』とか言われて終わりだ。というか、言われた。そういう女なのだ、石動 沙耶香という人は。

それが、この一年間で零夜が学んだ事の一つだった。


翌日、影護家。

北斗は困惑していた。

父親が自分と同年代の子供を連れてきたからである。

「…コイツは?」

「とある事情で拾った。木連のことはほとんど知らんから色々と教えてやれ。それと、可能な限り鍛えろ。では、たのんだぞ」

そう言ってその場を後にする北辰。父と子の会話にしては実に味気なかったが、この二人はいつもこんな感じなので、深く追求はしないでおく。


残された二人。気まずい沈黙が場を支配する…。

「えーと…とりあえずおまえ、名前は?」

「…テンカワ アキト」

「歳は?」

「八歳」

…ダメだ。こんな調子では、トレーニングを始めるまでどれくらいかかることやら…。

「…とりあえず、透真の所にでも連れて行くか」

現状では、それが最良の策と判断した北斗だった。


「…火星から来た、ですって?」

コクリ、と肯くアキト。不安そうな目をしている。まあ、いきなりワケもわからないうちに両親を殺され、見知らぬ所に連れてこられたのだから、無理もないが…。

「まったく…あの男は。確かにアキト君は素質あるみたいだけど…、いくらなんでも攫って来ることはないでしょうに」

呆れた声で沙耶香が言う。道場にいるときと違い、眼鏡をかけている。

「北斗、北辰は『アキト君を鍛えろ』って言ったのね?」

「ああ」

答える北斗。興味深げにアキトを見ているが、アキトはその視線にさらされてビクビクしている。

「ってことは、ある程度強くしないと殺されるわね、この子」

「え、どうしてです?」

問いかける零夜。北斗がアキトのことをじぃっと見ているのが気に入らないのか、不機嫌そうだ。

「わざわざあいつが『鍛えろ』なんて言うくらいよ。戦力にならないようなら、おそらく始末するでしょうね。あるいはあのマッドサイエンティストの所に回されるか……透真」

「なに?」

「あなたがやりなさい」

「…え?」

唐突に弟の名前を呼び、いきなり何をやれ、と言うのだろうか。この姉は。

「あなたがアキト君を鍛えるのよ」

「………は?」

しばしの沈黙の後、呆けた声を出す透真。そりゃそうだろう、いきなりそんなこと言われれば。北斗と零夜も驚いている。

「オレが?何故?」

我に帰った透真が面倒くさそうに沙耶香に抗議する。沙耶香は眼鏡を人差し指でクイッと押し上げると、

「そうね、いくつか理由が有るけど…まず第一に、あなたのためよ」

冷静に説明を開始する。おや?火星の方からプレッシャーが…?

「なんでコイツを鍛えるのがオレのためになるんだよ?」

「人に物を教えることで、つかめるものもあるってこと。」

「…そんなもんなの?」

「そんなもんよ。それと、この子のためでもあるわ」

チラッとアキトを見る。…相変わらずビクビクしているアキトの顔を見て苦笑しつつ、

「やっぱり年の近い方がアキト君も親しみやすいでしょうし…友達もいたほうがいいでしょ?」

とりあえずは納得のいく説明である。

「…ただし、空迅流は教えちゃダメ。あくまで格闘術の基本だけ。そうね…、ある程度基礎ができたら木連式柔でも教えるといいわ。理由はわかるわね?ま、最初の内はさすがに人に教えながら私に教わるってのは難しいでしょうから、戦略の教習だけにしとくわ」

「ああ。『曇った心の持ち主に空迅流を教えるわけにはいかない』、だろ?…にしても、戦略教習の方が辛そうだなぁ」

透真と沙耶香の会話を聞いて、どことなく機嫌の悪そうな北斗。先程の台詞は、北斗に『空迅流を教えろ』、と言われたときにも使ったものだ。

「曇ってるのか、こいつの心は?」

アキトを指差す北斗。どうやらアキトの観察はとりあえず終わったらしい。

「…両親が目の前で殺されて、心にわだかまりを残すなっていうのは無理だと思うぞ、俺は。そのくらいわかれ」

北斗の疑問に答える透真。と言っても彼の場合、母親は彼を生んですぐ、父親は物心つく前に事故で亡くなっているので、『両親』、と言ってもピンと来ない。その代わり、親代わりの姉がいるからいいのだが。

「知るかそんなもん。大体、俺の心のどこが曇ってるんだ」

「自分で考えるんだな」

「…フン、姉と同じ台詞を言うな、シスコン」

「…黙れ、ファザコン」

八歳と十三歳の会話とは思えない険悪な雰囲気のやり取りをする二人。その横では零夜がオロオロし、沙耶香が落ち着いて茶をすすり、アキトはやっぱりビクビクしている。

「おっと、こんな下らんことしてる場合じゃないな」

北斗から視線を外す。約一名が激昂し、『まあまあ』などと言う声が聞こえてくる気がしないでもないが、気にしないこととする。そして、アキトの方へと歩み寄り…。

「じゃ、これからよろしくな、アキト」

「…うん」

握手する二人。と、そこに…。

ガラガラガラッ

「こんにちはー!透真いますかー!?」

「あら、海人(かいと)君が来たみたいね」

沙耶香に言われるまでもなく、透真はその声の人物が誰であるかわかっていた。

「…そういや来るって言ってたな、アイツ」

「友人が家に来る、ということくらい覚えておけ」

クギを刺す北斗。その言葉に透真は、

「忘れてたんじゃない。少しの間思考から外れていただけだ」

人、それを…『忘却』と言う。

「剣狼よ!」

「なに言ってんの、アンタ?」

容赦ない姉のツッコミに消沈する透真。…チッ、ノリの悪い女だ。

光のエネルギーが頂点に達すると…って、あれ?もう終わったんですか、このネタ?」

「…海人君、あなたまで一緒になって何を下らないことやってんのよ」

頭を抱える沙耶香。どうやら彼女はツッコミ役に確定したらしい。

「ま、流れ…というか、場の勢い…というか…。おや、見ない顔ですね。誰です?紹介してくださいよ、透真」

アキトに気付いて透真に問いかける海人。一瞬アキトと目が合うが、ニコリと微笑みかける。

「テンカワ アキトだ。北斗の家で面倒みてるってよ」

「…ってことは、あの爬虫類男が保護者になるんですか?」

「…そういうことになるんだろうな、多分」

石動 透真、天宮 海人、そしてテンカワ アキト…。十年後に地球と木星、そして火星の命運を握るものたちの、これが出会いであった…。



そんな様子を嬉しそうに眺めている沙耶香。しかし…、

「うっ…」

小さく呻きながら、服の胸の部分を握り締める。

「どうしたんですか?」

その様子に気付き、質問を投げかける零夜。他の面子はどうやら気付いていないらしい。

「…何でもないわ。さあ、みんなでお菓子でも食べましょうか!」

「……?」

いきなり必要以上の元気を振りまき始めた沙耶香をいぶかしみつつも、零夜はみんなと一緒に移動を始めるのだった。


一方そのころ、北辰は修練所へと向かっていた。

無論、勘を鈍らせないため、ひいては更なる実力アップを図るためだ。最近息子(娘、と言うべきなのだろうか?)が自分と互角程度に強くなってきたため、ボヤボヤしているとすぐに追い抜かれてしまう危険性が出てきた。…格闘マンガでこういうノリがあったような気がする…。とにかく向上心の旺盛な人である。

ヒソヒソ…ヒソヒソ…。

すれ違いざまに何かを小声で言ったり、チラチラとこちらを見たりしている者がいる。まあ、こういう仕事をしている以上、仕方あるまい。むしろ、悪名が売れることは光栄ですらある。あるのだが…。

(…おかしい。いつもと視線の『質』が違う)

そうなのだ。どこが違う、と明確に言い表すことはできないのだが、いつもの恐れ、おののき、恐怖に打ち震える者の視線ではない。何かこう…纏わりつくような…。

「…あの、隊長?」

「…何だ?」

六人衆の一人が恐る恐る、といった感じで北辰に話しかける。

「あの…、その…」

「早く言え」

部下にまで恐れられるほど、自分には外道としての風格が出てきたのだろうか?それはそれで嬉しいのだが、どこか寂しい。せめて信頼している部下くらいとは、普通な感じでしゃべりたい…。

顔とキャラに似合わぬ不気味なこと考えながら、部下を急かす北辰。

ゴホンと咳払いして、意を決したように話し始める部下。

「あの…。隊長、少年趣味って本当ですか?」

沈黙。痛いほどの沈黙。そして…。

「…誰から聞いた?」

「や、山崎博士です」

「そうか…」

来た道を引き返す北辰。…行き先がどこかは、言うまでもあるまい。
「あの、隊長!?きょ、今日の修練は…?」

「今日は休暇だ、我が許可する。…存分に休め」

「は、はい…」

少し振り向いて、北辰が答える。後に六人衆は口々に、『あんなに怖い隊長を見たのは、後にも先にもあれっきりでした』と語ったとか何とか…。

突如浮上した『北辰ショタ疑惑』、これが消える日は果たしてやって来るのであろうか!!??

…来ないかもしれない。



「う。うわああーー!?ちょ、ちょっと待って北辰さん!!話せばわかっ…」

「貴様を殺して我も死んでやるーーー!!!」

「ギャアアアアアアアアアァァァァァァーーーーーーーーーー!!!!!」



あとがき


北辰「滅!!!」

ヒュオッ!(刀が空を切る音)ゴロゴロゴロ…。(転がって回避する音)

ラヒミス「うおおっ!?いきなり何するんですか!!?」

北辰「自分の胸に聞いてみろおおぉぉぉ!!!!」(血涙)

ラヒミス「い、いや、アレはその場の勢いと言うやつで…。」

北辰「勢いで我を特殊な趣味の持ち主にするなあああぁぁぁぁ!!!ウッ、ゲホッ、ガホッ、ゴホッ!!」

ラヒミス「あーもう、そんな大声ばっかり出してるから咳き込むんですよ。はい、とりあえず深呼吸して」

北辰「すぅーーーっ、はぁーーーーっ……フウ。」

ラヒミス「落ち着きました?」

北辰「…誰のせいでこうなったと思っている?」

ラヒミス「誰のせいでしょうね?」

北辰「…もうよいわ」

ラヒミス「さて、第二話ですけど…」

北辰「いきなり話題を変えるな。…それはそれとして、オリジナルキャラを出してきたな」

ラヒミス「いや、沙耶香はオリジナルですけど、透真はDC版主人公、海人は…まぁ名前でわかると思いますけどSS版主人公がモデルになっています。以後は、これにアキトを加えた三人を中心に物語が進んで行きます。」

北辰「DC版主人公の口調はもっと丁寧だったと思うのだが…」

ラヒミス「うっ…。いいんですよ、半分オリジナルみたいなもんなんですから。それと、海人もゲームとは違う感じに仕上げようと思ってます」

北辰「そう言えば、DC版の主人公は別段詳しい設定もなかったような気がする…」

ラヒミス「そうなんですよね。せめて地球出身か木星出身かくらいの設定はつけてほしかったです。ま、おかげで自由にキャラ設定できるからいいんですけど」

北辰「シャロンとか南雲とかは結構深い設定がついていたのだがな」

ラヒミス「では、今回はこの辺で。次回の対談ゲストは石動 沙耶香さんでーす」

北辰「おい、うやむやにならないうちに聞いておくが、我の疑惑は次の話までには晴れているのだろうな?」

ラヒミス「皆さん、さよーならー」

北辰「おい!!!!」

 

 

代理人の感想

だはははははははははは(笑)!

 

ぎゃははははははははは(爆笑)!

 

うわはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは(大爆笑)!

 

 

シリアスにもかかわらずこんな親しみの持てる北辰は初めてかもだぞ!(爆笑)

 

 

それはともかくDC版主人公透真くんとその姉、いきなり最強キャラにしちゃって大丈夫かな?

ナニがまずいって、北斗は「最強のライバル」でなくなった時点で

単なる賑やかしになってしまいますので(核爆)