時と次元を超えし者
プロローグ ナデシコサイド




とある次元

その宇宙のとある場では2隻の戦艦が壮絶なチェイスをしていた。

一方の船はナデシコC・・・
火星の後継者というテロ集団のテロを抑えた戦艦・・・

もう一方はユーチャリス・・・
世間では万単位にも及ぶ人間を殺したとされているテロリスト・・・テンカワ・アキトの戦艦である。

「アキトさん!いい加減に帰ってきたらどうなんですか!
ユリカさんは、もうすぐ退院なんですよ」

「・・・そりゃぁ吉報だ・・・
ならば、理想を外れた王子様は消えなければな・・・」

「何言って「何いってるんですか、テンカワさん!戻ってもらわないと私の給料が「プロスさん・・・」・・・あ、いや・・・」
ウインドウが開き、冷や汗をかいているプロスペクターが映る・・・
「・・・プロスさん・・・わざわざ通信で・・・いやプロスさんにとっちゃ一大事か・・・」

「いえ、それだけで通信を入れたのでは・・・」

「そうだ、テンカワ!お前が帰らなければ、プロスと俺と会長のプライベートファイルが公開されたり、
ネルガルがホシノのものになって減給されるなど・・・
断じてない!!

ルリのウインドウのほうから顔を出す月臣・・・
「・・・月臣、お前もか・・・」

「3人には、アキトさんに力を与えた責任がありますから・・・
ちなみに今帰ってきてくれるなら、昔のアキトさんの恥ずかしいのを世間に出すのはやめてあげます。
まあ、断ったら限りなく本物と見分けのつかない合成写真が世間に出回るのがプラスされるだけですが・・・」

かなりやばいことをさらりと言うルリ。
しかし
「ルリちゃん・・・
そんなことしたって無駄だ・・・
俺は戻る気はない・・・
ラピス、ジャンプだ・・・」
「わかった」
ラピスがジャンプの準備をする。

「クッ・・・
焦っているうちに捕獲しようと思ってましたが駄目ですか・・・
しかたありません、プロスさん、あなたはもう用済みです!
ここからはマジでいきます!
サブロウタさん、月臣さん!戦闘体制!
ハーリー君、ウリバタケさんからもらったアンカーを!」
マジになり部下に命令するルリ・・・
「ハイ、艦長!」
それを聞く部下ハーリーことマキビ・ハリ

ガシャン

「やりました!アキトさん。これまでですね」
「・・・甘いよ、ルリちゃん・・・俺にはまだサレナが・・・」
ビービー
「何だ!?」
「アキト!ジャンプユニットが暴走してる!ランダムジャンプしちゃう!原因はさっきのアンカーの直撃!」
「クッ、ルリちゃん!アンカーをはずせ!ランダムジャンプに巻き込まれるぞ!
このままではクルーが!」
アキトが叫ぶ
「ご心配なく。クルーはこういう事になってもついて行くと言ったサブロウタさんとハーリー君と月臣さんだけです。
ということでこちらも腹くくってるんでついてきますね。」
「オイ、俺は・・・」
「ちょっと、艦長!俺、そんなこと言ってませんよ!」
「艦長!お供します!」
3分の2は本人の意思を無視してるようだ・・・

「やはり、ウリバタケさんのアンカーを使ったのが間違いでしたかね〜?」
「何か仕掛けてあったのか?」
「ええ、ジャンプユニットを破壊すれば逃げられないだろうとジャンプユニットに向けて打ち出されるようになってたんです」
・・・まったく聞いてない二人・・・
しかもその会話はだんだん・・・

「・・・ふう、まったく馬鹿だなルリちゃんは・・・」
「その馬鹿になる理由となったのは、誰ですか?アキトさん、あなたですよ」
「ふふ・・・じゃあ俺は大馬鹿だな・・・」
「ええ・・・でも、良くも悪くもそれがアキトさんじゃないですか・・・
「そんなアキトさんだからこそユリカさんや私は・・・」
「いやユリカは、俺でなく。自分の理想に俺を当てはめてただけだ・・・
それに俺もユリカを愛してなかったかもしれない・・・
北辰を倒したとき達成感しか沸かなかったんだ・・・
復讐とユリカを助けるという目標を達成したという喜びしかね・・・
ユリカが助かったことに対する喜びはまったく・・・
むしろまたウザクなるなあって言う気持ちが沸いてきたんだ・・・」
「そんなんだったら告白しちゃえばよかったですかね・・・私・・・」
「ルリちゃん・・・」

加速する会話・・・
そしてさらに・・・

「今からでも間に合いますかね〜?」
「ていうか、その・・・。
・・・してくれるとうれしいな・・・」
「・・・じゃあ、言っちゃいますね・・・
・・・アキトさん。もしよければ私と・・・」


・・・ルリがその言葉を終らぬうちに2隻の戦艦は、光に包まれ消えた・・・



なお・・・
「「嫌だぁぁ〜〜!!」」
「艦長のばかぁ〜〜!!」
と絶叫する男3人と
「話してる暇があれば脱出できたと思うけど・・・」
とつぶやく少女がいたが思いっきり蚊帳の外だったのはいうまでもない。


ちなみに・・・
「戻ってくるときは、ルリさん脅迫の件、忘れてるといいんですが・・・」
と月ドッグでプロスがつぶやいたのはだれも知らない・・・




あとがき
読んだ通りアキト×ルリです。
ユリカを邪険に扱ったのはアキト側からもルリに仕掛けるものを作るためです。すいません。
まあ、アキトの周りに対する鈍さは変わらない方向ですんで・・・
月臣も逆行するのは+αということと、
月臣が逆行するやつがないなぁと思ったので
ならば自分が書いたるワイというノリです。

 

 

管理人の感想

ラミアスさんからの投稿です。

ふむ、確かに月臣が逆行するパターンは珍しいですね。

悲劇の当事者なだけに、馬車馬の如く働きそうですな(苦笑)