時と次元を超えし者
第6話「サツキミドリに待つものは・・・」




―アキトとルリの愛の巣―

「ルリちゃん、サツキミドリはどうしよっか?」

「サツキミドリですか・・・
そうですね・・・私が作ったウィルスを改良したのを使いサツキミドリの警報を鳴らすのはどうでしょう?
ナデシコのスピードを何とかして上げてサツキミドリに行っても同じでしょうし・・・」

「俺もウィルスのほうがいいと思うけど参考に聞いとくけど急いでも同じってのはなんでだい?」

「前回なんであんなことになったと思います?」

「え?なんでって・・・」

「ナデシコが近づいたからという可能性がありますからね・・・」

「あっ、なるほど・・・
でも、ウィルスっていつの間に・・・」

「ふっ、対IQ300の男用に作った超強力なものです・・・
クリムゾンだろうがネルガルだろうがこいつを流せばイチコロです・・・
はっきり言って電子的戦略兵器ですね・・・
はっきり言って強力すぎて使えないと思ってたんですがよもやこんなところで使うことになろうとは・・・
ふふふふふふ・・・」
ブラックな笑みをするルリ・・・

「ル、ルリちゃん・・・こ、怖いから・・・」

「ハッ、すいませんアキトさん・・・
と、ところでラピスなんですけど・・・」

「何かあったの・・・」

「報告によるとクリムゾンを含んだ悪徳企業の隠し講座から金を盗みまくってるそうなんですが・・・
マオインダストリーのハッカーとよく重なってしまい資金があまり集まってないようなんですよ・・・
ハーリー君は存在が知られてるから手伝わせるわけにもいきませんし・・・」

「マオインダストリーって?」

「最近、創社された中小企業だそうです。ですが、府に落ちないところがいろいろあるんですよね・・・
しかもIQ300やメガネ小僧が助力している節も・・・」

「なんだって?」

「・・・それだけでなくど根性遷次郎という者も動いてるようです・・・」

そう・・・あのマシンファーザーが動き出していた・・・
彼の厄介なところはコンピュータらしからぬ根性や熱血で物事を解決しようとするところである・・・

サコン・ゲンに関してもいくらIQ300といえあの短時間でコンピュータと自分の脳をつなげるのには無理がある・・・
でもやっている・・・
いずれにしろこの二人は科学を無視しちゃってる科学者といえるのでウィルスだろうがファイヤーウォールだろうが理屈で構成されるものは効かないのだ・・・

しかも、マオインダストリーの人間(特に中心となっている旧ロンドベル)はいまだに電算室を使ってるというロートル集団・・・
大事な情報の保存もすべて外部接続をまったくしていないコンピュータに入れてある・・・
他のコンピュータも使用時以外物理的切断をしているのでハッキングも不能・・・
通用するとしたら比較的ハイテク技術を使っているNERVのヤツラだけだろう・・・
ロートル故の防御力・・・恐るべし・・・

「とりあえず警戒したほうがいいな・・・」

「資金集めは?」

「う〜ん・・・うまくいったらクリムゾンを潰せるかもしれない・・・資金集めは地道にやるようにしておいてよ」

「わかりました・・・
そうするとサレナの開発等に遅れが出ますが・・・」

「一朝一夕で俺の体が5年後のように強力になるなら痛いけどそうも行かないしね・・・
まあ、こちらが乗れなければすぐ出来ても意味はないしね・・・」




―ブリッジ―
ブリッジにはエルザムとアキトが呼び出されていた。
呼び出したのはゴートである。

「まず、テンカワ・・・
貴様の経歴を見たが戦闘の訓練などそれらしいものがなかった・・・
にもかかわらずあの実力・・・
一体貴様は何者だ?」

「・・・プロスさん」

「・・・はい、わかりました・・・
ゴートさんテンカワさんは契約上それらについては答えなくてよいことになっております・・・」

「しかし、ミスター・・・」

「ゴートさん契約違反の責任で減給になりたいのですか?
私も何もかも目をつぶっているわけではないですし・・・ここはおとなしく引き下がってください・・・」

「・・・・・・わかった・・・
ではエルザム・・・貴様はミサイル迎撃時何をしていた?」

「特殊武器を使用しただけですよ・・・
プロスさんとの契約でも技術の公開等は最小限としてありますからあれも当然の処置ということで・・・」

「しかし・・・」

「ゴートさん・・・給料30%でいいですかな?
エルザムさんの助言はかなり役に立ってますし・・・ここで何かあったら困るんですが・・・」
そういいつつ笑みを浮かべるプロス・・・

「・・・わ、わかった・・・」
こうして両者ともプロスの助けによりすべて不問として済まされたのだった・・・





さて・・・サツキミドリのことだがウィルス作戦は成功
サツキミドリ自体は前と同じだったものの人的被害は最小限でとどめられたのだった・・・





―ブリッジ―

「エステバリスを5機確認。
そのうちの2機は牽引されているようです」

「・・・はい?」

「・・・識別信号は?」

「出ていません。
・・・まあ、蜥蜴はあんな事しないでしょうし、敵ではないでしょうね・・・
敵だとしてもあんな状態で戦闘しかけるやつは相当な馬鹿でしょうね・・・」

「そこまでボロクソ言うこともないんじゃない?」

「・・・そんなことよりとりあえず敵ではないようですし着艦させちゃってください」

「・・・格納庫のガルドさんから念のための武装許可要請が出ていますが・・・」

「・・・まあ・・・一応ということで許可します」



そして格納庫・・・
着艦したエステバリスから誰かが降りてくる・・・
それに反応して整備班とガルドが(ウリバタケとオオミヤ作成の)銃を構える・・・
「止まれ!まず、所属と姓名を名乗れ!」
ガルドが言う。

「な、なんだよ・・・いきなりそれはねぇだろ!」

「・・・リョーコ、この場で反論するのはよくないと思うわ・・・」

「そうだよ〜」

「お、美人」
整備班がそう反応するが

「見た目で判断するな!
所属と姓名を名乗れ!まずはそれからだ!撃たれたくなければ早く名乗れ!」
ガルドはそう続ける。

「わ、わかったよ!スバル・リョーコ、サツキミドリで補充する予定だったエステバリスライダーだ!これで言いか?」

「アマノ・ヒカル・・新パイロットで〜す。好きなものはピザの端っこのかたいとこと・・
湿気ったおせんべえで〜す。撃たないでぇ〜!」

「マキ・イズミ・・・・・・」
何かを言うイズミ・・・
・・・・・・
そのとき格納庫の時間は止まった・・・

「・・・少し待て、ブリッジに確認を取る」
そう言うとガルドはブリッジに通信を入れる。

「どうでした?」

「補充パイロットのスバル・リョーコ、アマノ・ヒカル、マキ・イズミと名乗っている。
プロスペクター会計士かミスターゴートに確認を取ってくれ」

「プロスさん、どうなんですか?」

「はい、彼女達は確かに補充パイロットです。今からそちらに行きますから待つように伝えてください」

「了解」
ガルドは通信をきった。

「補充パイロットと確認した。艦内警戒態勢をレベル3に。
現在、プロスペクター会計士がこちらに向かっている。それまでここにいろ」

「・・・はいはい・・・ったくめんでぇなぁ・・・」

「識別信号を出してないからだ」

「・・・こちらの不手際というのなら反論はないわ・・・」

「ていうかこの状況でまだ反論する人がいたらお子ちゃまだもんねぇ、リョーコ・・・」

「な、なに言ってやがる!」

整備班一同(・・・図星だな・・・ありゃ・・・)

しばらくするとプロスが来た。
「いや〜、お三方全員無事で何よりです」

「御託はいい・・・それよりも何だこりゃ!やけに手荒い歓迎じゃねえか!!」

「やっぱ、リョーコお子ちゃまだねぇ、イズミちゃん」

「お子ちゃまだけに怒っちゃまいました・・・くっくっく・・・」

「てめぇら!」

「まあまあ・・・」

「ち・・・それより他のパイロットは?」

「8人います。さっきまであなた方に対処していたガルドさんもその1人です」

「あれ〜?確か雇ったパイロットって私達を含めて4人って聞いてたけど・・・」

「あなた方を雇った時点ではそうでしたが急遽増員しましてね」

「でも、0Gの数が合わないけど・・・」

「ああ、それでしたら問題ありません。彼らは個人所有で地空宇対応の機体を所持してますので・・・」

「チッ・・・どこの金持ちだよ・・・」

「あれですか?エステの3倍以上あるっぽいですけど・・・」
ヒカルがガーリオントロンベを見て言う。

「ええ、あの機体はエルザムさんのです。他にも、ほら」

「なんだぁ?あの無駄にでかい戦闘機は・・・スペースの無駄だろ・・・
あんなの積んでて無駄じゃねえか?」

「んだとぉ!!俺のかわいこちゃんに向かってなんだそりゃぁ!!」

「・・・言っていい事と悪いことがある・・・」
愛機をけなされた事に怒ったイサムとガルドが近づいてくる・・・

「ああ!?・・・っててめえは俺らに銃を向けてたやつじゃねぇかてめえもパイロットかよ・・・」

「この際そんなことはどうでもいい・・・問題は俺たちの機体を侮辱したことだ・・・」

「そうだぜ・・・謝りな・・・」
怒りでかなり威圧的な態度を取る二人・・・
ガルドだけならまだ早々に収拾がついただろう・・・
だが・・・
このような状況・・・同じような短気タイプが二人以上集まると・・・

「チッ・・・わーったよ・・・あたしが悪かったよ!これでいいだろ!!」

「ああ!?てめ、ちゃんと誤るつもりあんのか!?」

「んだと!?コラ!あたしにケンカ売りてぇのか!?」

「てめえが売ってんだろ!」

「「ああ!?」」

「まあまあ、二人とも落ち着け、落ち着け・・・」

「そうそう、ケンカするならシュミレーターで模擬戦でもしたらどうだ?
ちょうど、出来たところでテストしたいところだったし・・・
それに俺が作ったやつだからバルキリーも使えるぞ。
IFSの有無も完全対応だ・・・」

「ロブ・・・お前、いつの間に・・・」

「へっ・・・俺を甘く見るなよ・・・これでも昔はゲームのプログラマーやってたんだ。
そこいらのと一緒にするなよ」

「なるほど・・・どうりでデータの調整が早いわけだ・・・
で、お二人さんやるのか?」

「当たり前だ・・・」

「へっ・・・ついでだそこにいる連れも一緒に相手してやる・・・
まさか、まだ2人しか同時に出来ねえってことはないだろ?ロブさんよぉ?」

「そんなことないに決まってるだろ」

「・・・傍から聞いてりゃなめられたもんだぜ・・・
てめえもそこにいるヤツと他にいるヤツ1人と組みな・・・」

・・・こうして、模擬戦が始まった・・・




「くっ・・・なんだよ!?あの機動性は!?」

「あんな速さの機体をまともに扱えるなんて・・・只者じゃないわね・・・」

「・・・そう言いつつ、一番避けてるイズミちゃんのほうも只者じゃないと思うけど・・・」
3人は二機のバルキリーに翻弄されていた・・・
ちなみに2人ともムカついているのでかなりスピードを出している・・・
地球での戦闘も敵の数が多かったのであまりスピードを出してない・・・事実上速度的にはこの世界での始めての全力というわけだ・・・
さすがに最高速度(マッハ5,1、5,06)は出してないが・・・(一応、体にかかる負担も再現するようにしてあるため)



ちなみにギリアムも参加していたのだが・・・

「喰らえ!」
攻撃を仕掛けるリョーコ・・・だが

「Mk-Uの名は伊達じゃない!」
あっさり避けるギリアムだったが・・・

「グォォォォ!!!俺の腹の中で悟空とベジータがぁ暴れているぅぅぅぅ!!!
他にもコーウェンとスティンガーがぁぁぁ!!!」
急にワケのわからないことを叫び動きがおかしくなる・・・
前話で食べたアレのせいっぽい・・・

「「「もらった!!」」」
いっせいに攻撃を仕掛けるエステ三機。そして・・・

「おおお!!見えた!!時の涙の一滴ぅぅぅ!!」

ドッゴォォン

・・・・・・・・・

撃墜された・・・・・・


ちなみに損傷度は上から順にリョーコ、ヒカル、イズミ、イサム、ガルドである。
エステバリス、バルキリー共に戦い方の性格が出ている・・・

まずリョーコ。
接近戦を好んだ戦い方からイサムが仕掛けなくてもソニックブームでダメージを受けている・・・
しかも、格闘攻撃をメインにしているものの早くてあまり当たってない・・・
だが、その分当たったときのダメージはなかなかのものだ。

次にヒカル。
中距離射撃重視の戦い方のおかげでダメージをもっとも与えることが出来ているが、
ディストーションフィールドと違いピンポイントバリアは実弾兵器にもよく働くためこれといったダメージを与えられていない・・・

イズミは遠距離重視なためダメージこそ少ないものの相手にもあまり当たってないし当たってもあまり喰らってない・・・

イサムは機動力を生かしてかく乱しているがややおちょくっているためダメージを受けている。

ガルドは戦闘は戦闘と割り切って冷静に対処しているがIFS対応でもBDIまではついていなかったため少しいつもより動きが悪い・・・

「どうした、どうしたぁ!!そんなんじゃ俺と俺のかわいこちゃんをとめることはできないぜぇ!!」

「てめぇ!!いくら今はてめぇのほうが優勢だからって調子に乗りやがって・・・
小技ばっか使いやがって・・・」
リョーコは頭に血が上って周りが見えていないようだ・・・

「・・・リョーコもあれだねぇ・・・いくら自分が一番今ダメージがでかいからって・・・
一応あっちは1機やられてるんだし・・・」

「でも実際はこっちが不利だわ・・・リョーコもあと少しでやられるでしょうし・・・
ヒカル、リョーコは遅かれ早かれやられるわ・・・実戦じゃないし・・・
ここは・・・」

何かをヒカルに言うイズミ。

「確かにねぇ・・・まあ、シュミレーターだから死ぬわけじゃないし・・・やっぱ、返すものは返さないとね」

ヒカルとイズミはこの状況をどうするか考えている・・・

そのときイサムが動いた・・・

「ほう・・・おもしれぇ・・・この俺様に力押しを挑むだと・・・その勝負・・・うけてやるぜぇ!!」

そう言うとイサムは機体をバトロイドに変形させる・・・
初めてのバルキリーの変形に戸惑うリョーコ。

「なっ!?」

「このYF-19をただの戦闘機と思うなよ!!
ピンポイントバリアパンチを・・・くらいやがれぇ!!!」
イサムはそう言うと拳にピンポイントバリアを纏わせる。

「ていうかもう戦闘機じゃねぇだろ!!」
リョーコもそう言いつつ拳にデストーションフィールドを拳に収束させる。

「おりゃぁぁ!!!」

「くたばれぇぇぇ!!!」


拳と拳が正面からぶつかる・・・
このときの拳の威力を決めるのがサイズとバリアである・・・
サイズだけ見れば普通の力比べならYF−19に軍配が上がる・・・
だが、単純にそうさせないのがバリアである・・・
バリアの強度としてはピンポイントバリアのほうが上といえよう・・・
しかし、これはDFの通常寺とピンポイントバリアを比べたものである・・・
ピンポイントバリアは元から収束したバリアであるためこれ以上の収束は不可能・・・
しかしDFはまだ収束が可能。これによってでる結果はDFのほうが強度が高いということである・・・
これによって威力の差が縮まるのである。

とはいえ、攻撃力はそれを見てもYF−19に分がある・・・
損傷していたリョーコのエステバリスは粉砕されてしまった・・・

「へっ・・・どんなもんでい」
調子に乗るイサムだったが・・・

「イサム!」
ガルドの声で我に返る・・・
しかしそのときには手遅れだった・・・

「しまった!」

「ジョーォォォ!!・・・じゃない・・・リョーコォォォ!!」

「リョーコ・・・あなたの死・・・無駄にはしないわ・・・」

この瞬間を狙っていたヒカルとイズミが攻撃を仕掛ける・・・
ピンポイントバリアは事実上一箇所しか守ることが出来ない・・・
現実に複数守れても強度が落ちてバルキリーでは撃墜される可能性が高い・・・拳に纏わせるという攻撃の手段に使用するなら別だが・・・
その上バリアを張るのが少し遅れた・・・拳の真っ向勝負のダメージがひどかった・・・
そのせいでイサムは撃墜されてしまった・・・

「討ち取ったりぃ!」
ヒカルは喜ぶが

「ふぅ・・・
・・・!しまった!!」
イズミは気づいた・・・
だが手遅れだった・・・気づいたときには2機のエステは弾幕に飲み込まれてしまっていた・・・
YF−21の全武装の一斉発射に・・・
ガルドはこうなることを読んでいたのである・・・

「あの馬鹿のことだからな・・・調子に乗って1機撃墜したところでやられると思っていた・・・
だから、それを利用させてもらった・・・
シュミレーターじゃなけりゃ助けていたがな・・・」

こうして模擬戦は終了した・・・

「まさか獲物を仕留めたところを仕留めたところを仕留められるとはね・・・」

「裏をかかれたってことだね」

「クソー・・・皆して卑怯な手使いやがって・・・あのやろうにも負けちまうし・・・」

「ガルド・・・てめぇ・・・わかってたんなら注意してくれよ」

「所詮シュミレーターだ。さっさと終らせる手をとるに限る」

・・・ギリアムは・・・気絶している・・・
口からなんかでてるけど・・・ていうかあのカレー、オリジナルよりひどいのでは?

で、その作者は・・・
「う〜ん・・・いい味だ・・・オリジナルよりいいかもしれん・・・この謎ジャム・・・ふふふふふふふ・・・
他のもいい感じだ・・・」
・・・某殺人ジャムを作っていた・・・
一体どこから作り方を・・・
「クロスゲートパラダイムシステムの空間コントロール装置の開発実験中に偶然現れたらしい・・・
後は直接味わってそこから分析したというわけだ」
・・・



しばらくして
―ブリッジ―

ブリッジでは現在のサツキミドリについて話し合っていた・・・

「では、エステバリスがまだ1機残っているのですね?」

「ああ」

「・・・ナデシコが受け取るはずだったエステのほかにもおそらくいろいろ残ってるはずよ・・・」

「ふむ・・・エルザムさん、ゴートさん、どう思います?」

「現在、軍は地球や月のことで精一杯でしょうし、あそこまでやられたとなると使い物にならないでしょう
物資の回収に軍が動くわけでもないでしょうし」

「同感だな」

「あの・・・僕も発言してよろしいでしょうか?」

「どうぞ、ジュンさん。骨折しているようですが大丈夫ですかな?」

「僕が副長としてやらないといけないことは地味ですから、支障はありませんし、
この程度ならあと3時間で完全回復するでしょう」

ヲイ

「ちなみにヤマダさんは?」

「2時間前には完全に回復してました。とはいえ肉体的疲労から考えると戦闘時ではナデシコの護衛につけておいたほうが・・・」

はい?

「ふむ給料分の働きはできそうですな・・・で、話の続きを」

「はい、機動兵器によるサツキミドリ内の残存物資の回収を提案します。
蜥蜴のえさにされるよりはいいでしょう・・・・・・・・・・・・僕と僕のデルフィニウムのように・・・」
なんか最後に哀愁があるが・・・

「私もそれには賛成ですね」

「ゴートさんは?」

「俺もだ」

「ふむ」

「ミスマル艦長はどう思いますか?っていない」

「艦長でしたら私とジュンさんが出した宿題をやっていますよ、エルザムさん」

「宿題?」

「はい。バーチャルによる戦闘訓練なんですが特性で艦長の判断能力を狂わせるようなデ−タが入力してあります・・・」

「具体的には?」

「グロいシーンとかイチャついてるテンカワさんとルリさんとかです」

                                  その頃ユリカは・・・
                                   「ふえぇ〜〜ん!!イヤー!!ギャァァ!!」
                                   号泣・絶叫していた・・・

「なるほど・・・でもなんでこんなときに?」

「憂さ晴らしです」

「日々の鍛錬はするべきです」

2人以外のブリッジにいる面子「はぁ?」

プロスの発言に反応するブリッジの面子・・・

「・・・生存率をあげるためです・・・ちょっとした憂さ晴らしもありますが・・・」

「艦長としてやっていることだけでは私的面の清算が出来ませんのでその足しです」

・・・・・・・・・

「アオイ副長・・・そこまでストレスがたまってたのね・・・」

「・・・プロスさん、恐るべし・・・」

「・・・ゼンガー・・・貴様もエクセレンのことは言えないぞ・・・少し硬派になりかけてるぞ・・・」

「・・・なんだよそりゃ・・・」

「これ、漫画のネタになるかも!」

「・・・やっぱり恨みってのは恐ろしいのね・・・」

「・・・まあ、溜まっていたものが爆発したわけですし・・・」

「・・・まあ、艦長が大事なことを学べるのならいいではないか・・・」

「・・・・・・はぁ・・・茶がおいしいねぇ・・・」
珍しく一言とはいえ出番のあるフクベ提督・・・ホント小説だと途切れ途切れだな・・・

「まあ、サツキミドリの物資の回収を行うということよろしいですな?」

「了解」

こうしてサツキミドリの残存物資の引き上げを行うことになった


―格納庫―

「では、行く前に自己紹介と行こう。私はエルザム・X・ブランシュタイン、こっちがゼンガー・ゾンボルトだ」

「よろしく頼む」

「ギリアム・イェガーだ」

「あ、なんかお腹の調子が悪くて撃墜された人だ!」

「・・・それは言わないでくれ・・・」

「ガルド・ゴア・ボーマンだ」

「イサム・ダイソンだ」

「ラトゥーニ・スゥボータ」

「これは、絵にすると売れるぞぉぉぉ!!」

ヒカルがそう言うが・・・ラトゥーニは

「拉致は嫌・・・拉致は嫌・・・ある意味アードラーの実験より嫌・・・」

・・・震えている・・・

「テンカワ・アキト。コックも兼任している」

「おっ、おめぇがエステでミサイル群突破したって言う噂のパイロットか」

「噂かどうか知らないけどとりあえず俺はテンカワアキトだよ。リョ・・・スバルさん」
ニコ

スバル・リョーコ撃墜

「ちゃ、ちゃんと名前とか調べてんのか・・・か、感心、感心・・・
そ、それとあたしのことはリョーコでいい・・・」(赤面)

「「リョーコが落ちた・・・」」




「ヤマダ・ジロウだ。負傷中ですまん・・・」

「じゃ、こっちの番だな。スバル・リョーコ、18、んでアマノ・ヒカルとマキ・イズミ、以下同文。よろしく頼む」

「・・・リョーコ、私たちまで何で?」

「・・・オメエらに喋らすと何言うかわからんからな・・・特にイズミ!
てめえ、寒いギャグするつもりだったろ・・・」

「・・・チッ・・・」

「・・・聞きたくないのでやっぱこのままでいいで〜す!」

「・・・ヒカルまで酷い・・・」

「そんなに酷いのか?ロバート博士、ウリバタケ整備班長、ガルド君、ダイソン君」

「ええ・・・某スタンド能力と同義ですよ・・・」

「もしかしてあのザ・・・」

「ええ・・・」

「ま、まあ、とりあえず回収に行こうか・・・」




話し合いの結果エルザム、ヤマダ、ゼンガーが留守番することになった・・・

「では、エルザム、ヤマダ君、ゼンガー、留守を頼む」

「応」

「任せな」

「ああ・・・しかしギリアム・・・ホントに大丈夫か?」

「・・・ああ・・・何とか殲滅した・・・」(力使ったけど・・・)

「そうか・・・無理するなよ」

「わかっている」

「テンカワ、どうだ?カスタムした1-Bは?」

「デルフィニウムのシステムを使っているせいか慣れるのに時間がかかりそうですが問題ありません」

「武器は空戦のミサイルとワイヤードフィストをつけてある。格闘も腕に急遽0Gのナックルガードをつけたおかげで向上している。
あとはお前に頼まれて作った2丁の銃・・・メテオとコメットだ」

「すいません。それ、たぶんルリちゃんの考えたやつだと思うんでせ・・解説してもらえますか?」

「ああ、わかった。
メテオは一発の威力を重視したライフルでトンファーにもなる。
コメットはハンドガンでナイフにもなる。
こんな感じだ。
それと連射重視の2丁の銃ジャスティスもできてる。こっちのほうがよければよこすが・・・」

「いえ、それには及びません。
なるほど・・・中距離と近距離の隙はほぼなくなりますね」

「ああ、俺らも一応人の命預かってるからな・・・安全性と実用性から考えてこれをまず作らせてもらったよ」

「フィールドランサーは?」

「今、製作中だ」

「わかりました。それと・・・
ガイ、何かあっても無茶はするなよ」

「わかった・・・だがアキト、これだけは言わせてもらう・・・」

「なんだ?」

「今の俺はヤマダ・ジロウだぁぁぁぁぁ!!!ダイゴウジ・ガイは今はダメだぁぁぁ!!!」

一部を除いた格納庫内の面子「なっ!?」

「・・・が、ガイがそんなことを言うなんて・・・」

「ゼンガー・・・性格が変わってない気がするのだが・・・」

「俺は戦闘と戦争をアニメと重ねるなと言ったが別にアニメ好きで熱血を直せとは言っていない・・・
前に修正したときもマジモードのスイッチが入っただけだ・・・
マジな話のときはマジ、オタク話ならオタクと分離しただけだ・・・」

「へ〜、ヤマダ君ってアニメ好きなんだぁ」

ヒカルが反応する。

「おう!一番すきなのははゲキガンガーだ。お前、知ってるか?」

「もちろん!」

「そうか!ならば、今度俺の部屋に来い!ゲキガンガーグッズはぼほすべてある」

「ホント!?じゃあ、今度お邪魔するね!」

「・・・結構リュウセイみたいなタイプっているのね・・・」

                                そのリュウセイは・・・
                                  「レッツゴー!!ゲキガンガー!!俺の趣味にかなり合うぜこのアニメ〜〜!!」

                                ・・・地球でゲキガンガーにはまっていた・・・


こうして回収組は出撃した・・・

「とりあえず、場所のわかっている受領品のエステの回収に新入り2人とテンカワ君を向かわせ、
私は単独、ボーマン主任とダイソン注意、ラトゥーニと新入り1人で残存物資の回収を行おうと思うのだが・・・」

「特に異存はありません」

「他は?」

「・・・・・・」

「ないならこれで行こう。ラトゥーニと行動させる新入りはなるべく無理をしないものが望ましいのだが・・・」

「・・・では私が・・・」
立候補するイズミ・・・

「・・・ラトゥーニ・・・凍って帰ってこないことを祈るぞ・・・」

「・・・不吉な事言わないでください・・・」

「・・・ふっふっふ・・・」


こうしてそれぞれは行動を開始した・・・





そして・・・







「あ〜!おっきい真珠見っけ!」

アキトたちは前と同じようにエステを見つけた。
暗くてエステは完全に見えていないが損傷がほとんどないのはわかった・・・

「んじゃ、さっさとこいつと残った武器持って引き上げるとするか・・・」

「そうしますか・・・」

「・・・・・・」

置かれたエステに近づいていくリョーコとヒカルのエステバリス・・・
だが、

「2人とも下がれ!!」

「「えっ!?」」

2機は何事かと後退する・・・
すると、エステの見えてない部分から赤い光が光りエステが起動した・・・

ワイヤードフィストでゴリラのごとく移動している・・・

「チッ・・・敵に乗っ取られてるか・・・」

「デビルエステバリスだぁぁぁ!!」

「なんじゃ、そりゃぁぁぁ!!」


叫ぶ二人・・・

「煩い」

ドン

「「エ゛?」」

アキトはコメットでバッタのついている頭部を狙って撃った・・・
弾は命中し、エステは活動を停止した・・・

「あっけない・・・メテオの試し撃ちをする間も与えんとは・・・
まあ、これくらいの損傷なら使えるだろう・・・
目的の物を一応回収できただけでもよしとするか・・・」

「・・・おまえすげぇな・・・」

「いや、今のは反動で少し狙いがずれた・・・
まぐれだ・・・」

「だめだよぉ・・・せっかくのシュチュエーションなのにこんなのあっけなさすぎるよぉ・・・」

そんなことを言うヒカル・・・

「・・・オイ・・・」

「ま、まあ、とりあえずこれもって帰ろう・・・」

「そうだな・・・おい、行くぞ」

「はいはい・・・わかりました・・・」

3機が作業に入ろうとしたとき・・・


「チッ・・・来たか」

小型のバッタが20機ほどやってきた・・・
形が少し違っている・・・

「なんだ?こんなタイプのバッタ見たことないぞ・・・」

アキトがそう呟いたときバッタが急に6機ずつ変形、くっつき始めた・・・

「「な、なんだ!?」」

「な、なに!?」

動揺する三人・・・
そんな中バッタは3機の機動兵器らしきものになった・・・
2機バッタが余っているが・・・

「なるほど、狭い場所なら複数のバッタよりエステのほうに分がある・・・
ならば、合体してそれに対抗する兵器になればいい・・・ってことか・・・」

「さしずめバッタバリスって事?」

「・・・わざわざ、名前付けるな・・・」





一方、他も同タイプのバッタに襲われていた・・・

―イサム・ガルド―

「チッ・・・こんな場所じゃバルキリーの機動力が殺されちまう・・・」

「しかも、行き止まりを狙われたか・・・」

2人は行き止まりでバッタと戦闘していた・・・
向うは合体して輪のようになり背中から刃物が出ている・・・



―ギリアム―

「おかしなのが出てきたが・・・
今日は腹の具合が悪くてムカついてるし・・・
ここにいるのは私だけ・・・力使ってもばれないし、出そうかな・・・
・・・いっそ、XNガイストでも・・・」

6機のバッタバリスに囲まれてるギリアム・・・
しかし、とんでもないことを考えている・・・
空間創造できる機動兵器を気まぐれで出そうなどというやばい考えを・・・


―ラトゥーニ・イズミ―

「もうやめて〜〜!!このままじゃ凍死する〜〜!!」

「ふふふふふ・・・まだまだ、あるわよぉ〜〜・・・」

こっちは出くわしてないようだがイズミのギャグ地獄のようだ・・・

・・・いや・・・敵は出ている・・・しかし、襲うタイミングを合わせるため通信を傍受したりしているせいで・・・フリーズしている・・・




―アキト・リョーコ・ヒカル―

「ここは各個撃破にしよう・・・余ってるバッタにも気をつけないと・・・」

「りょうか〜い」

「合体しようが、ぶちのめすだけだ!むしろうまくいけば一撃で粉砕できて好都合だ!!」

3機は戦闘態勢に入った・・・

バッタバリスのほうも動いた・・・余ったバッタは動こうとしない・・・

リョーコがバッタバリス一機に向かっていく・・・
そして拳がぶつかろうとした時・・・

ガシュン

「なに!?」

バッタバリスはオープンゲットのごとく6機のバッタに分離し、リョーコの攻撃をかわした。
そして機銃で攻撃を仕掛ける・・・

「がっ・・・クソ!んなんありか!」

リョーコはそういうが無人兵器に卑怯もクソもない・・・攻撃を続ける

「どうしよっか?」

攻撃をかわしつつ
このままでは攻撃しても分離でかわされると見たヒカルが言う。

「・・・そうだね・・・やつらは特別な機構な分ミサイルはあまり持ってないと思うんだけど・・・
まあ、機銃は基本型と同じで2門かな・・・
フィールドは・・・持ってないから防御はこちらが上・・・
バッタバリス時に使うような武装はないみたいだし・・・」

・・・もはやバッタバリス命名か・・・

「じゃあ、基本的にこっちが上でリョーコは頭に血が上ってるから苦戦してるだけって事?」

ボロクソ言ってるぞ・・・

「基本的にはそう」

アキト・・・フォローしろよ・・・

「ただ・・・」

「ただ・・・なに?」

「合体時にバッタの武装を全部使用できるとしたら・・・
しかも、機銃の配置が360度フォロー可能な位置だとしたら・・・」

「・・・それは、不味いね・・・じゃあ、射撃にしたほうがいいかな?」

「だね。リョーコちゃん!接近戦は不味い!ここは射撃でパーツとなってる1機1機でもいいから破壊するんだ!」

「チッ・・・仕方ねぇか・・・了解だ!」

射撃戦を開始する3機、バッタバリスも機銃とミサイルで応戦するが機銃と数の少ないミサイルでは、やはり不利なようで接近しようとする・・・
しかし3機はそのタイミングを狙って射撃する。
バッタバリスは避けられず損傷する。

アキトが相手をしていたバッタバリスは中核となっていたバッタを貫かれた。
その後バッタバリスは分離した。
ヒカルが相手していたものも右腕になっていたバッタを破壊された。

「よし、このちょ〜しぃ!」

「やはり中核となっているバッタさえ破壊すれば分離せざるおえないという事か・・・」

しかし、このとき戦闘に参加してなかったバッタ2機が動いた。

そしてヒカルのバッタバリスは破壊された右腕のバッタをパージし1機と合体した・・・

「ええ〜!?そんなのありぃ!?」

せっかく腕を破壊したのに再び完全となったバッタバリスを見て驚愕するヒカル。

アキトのほうも再び6機となったことでバッタバリスとなろうとする。
しかし、さすがにアキト、むざむざ合体させるようなことはさせない。

「させん!」

ドンドンドン

射撃により3機のバッタが破壊された。

残りの3機が向かってくるがアキトはメテオとコメットを格闘モードにして2機をさらに破壊した。
そして残りの1機も口直しのごとく破壊した。
そして、バッタバリス1機が破壊されたことにより1対1の状況ではなくなり残りのバッタバリスもあっさり撃破された。

「まったく・・・何なんだよ・・・」

「とりあえず、すぐにナデシコに戻ろう・・・バッテリーもヤバイ・・・」
(一体どういうことだ?あんなバッタ、俺は知らない・・・まさか、月臣に関係してるのか?
いや・・・自分が乗る有人機ならまだしも、やつが無人兵器の開発に助力するのは考えにくい・・・
では、その過程でもたらされた技術で?・・・いや、合体するような機体に今のやつが乗るとは考えにくい・・・
・・・わからん・・・だが、このままだと火星でナデシコが沈む状況も考えられる・・・
・・・ともかく対策を練らないと・・・)

「・・・そうだね・・・あれだけのバッタでここが落ちるとは考えにくいしね・・・」

こうしてエステ回収組は帰還を開始した。

ちなみに他のグループは

「へっ・・・俺らの相手がそんなちゃちな無人機で務まるわけねぇだろ!!」

「全くだ・・・それより・・・あれは使える物資ではないか?」

「なに?んじゃ、さっさと持って帰ろうぜ」

イサムとガルドはそれなりに損傷したが撃破していた。
ついでに何か見つけたようだ

「ハッハッハ・・・そんなものでは我がゲシュに傷つけることすら適わん!!
量産ゲシュとは違うのだよ!量産ゲシュとは!」

ギリアムは無傷で全機撃破したようだ・・・
ギリアムのゲシュペンストは何故かさっきまであったステークが取れていた・・・
どうやらMK-U‐RをMK-U-Mに偽装していたらしい・・・
そんなに量産型はイヤなのか?

「やはり量産型より試作型だ!!」

・・・・・・

で、最後は・・・

「ね・・・眠い・・・私は・・・死ぬの・・・?」

「うふふふ・・・ってこれバッタじゃない・・・停止してるみたいね・・・
・・・さっきから何にも見つけてない・・・この状況でもどったら嫌な予感がするし・・・
これでも持って帰ろうかしら・・・」

どうやらイズミは停止したバッタ(彼女の駄洒落が停止させた)を見つけたようだ・・・
ラトゥーニはあと1つ駄洒落食らったらヤバイっぽい・・・



まあとりあえず、それぞれ無事帰還した。





「では、結果発表」
エルザムが言う。

「テンカワ、スバル、アマノは多少損傷している0Gフレーム、
ガルド、イサムは0Gっぽいけどかなりいじってあるフレーム(損傷中)、
ギリアムは何にも・・・
マキ、ラトゥーニは新型と思われるバッタ10機、ほとんど損傷はないな・・・
優秀賞はマキ、ラトゥーニ組だな・・・
2人には商品として私のうまい料理だ
・・・で、最下位のギリアムには・・・」

急にその場が異様な雰囲気に包まれる・・・早くもギリアムの顔は青ざめている・・・

「どこからか出てきた特製レシピを下に作った・・・
え〜っと・・・名前は・・・ああ・・・
乾汁、ペナル茶、青酢、あと謎ジャム・・・
この中から好きなのを選んでくれ・・・
あと・・・1回選んだのは選ぶなよ・・・
他にもまだ作っていないが神城凛と朝倉音夢というヤツが作ったという料理も複製中だ。
激辛1000倍カレーをさらに辛くした激辛1億倍カレー、甘さ1000倍調味料を改良した甘さ1億倍調味料を使用した料理も・・・
・・・全部食べたら次からはミックスバージョンになるから・・・」
・・・残りの7つもレシピが偶然パラダイムシステムの実験中に出てきたらしい・・・

ギリアムは逃げた。

しかし、まわりこまれてしまった。

エルザムはギリアムに強制的に乾汁を飲ませた。

ギリアムは最大HPの2倍のダメージを受けた。

ギリアムは倒れた。

「ギリアム!!
エルザム!!貴様!!」

「なんだ?ゼンガー君も飲みたいのかい?」

「・・・すまん!!急用を思い出した!!」

急いでその場を去るゼンガー・・・
他のヤツも蜘蛛の子を散らすように逃げている・・・

「やれやれ・・・」









―マオインダストリーどっかの部屋―

「やあ・・・また、会ったな・・・友よ・・・」

「・・・あんまり再会したくない状況だがな・・・」

敷島博士の実験台にされたSS2人は再びマオインダストリーのマッドルームに連行されていた・・・

「フォフォフォ・・・」

部屋の主が入ってきた・・・
ドクターJだ・・・

「フォフォフォ・・・」

笑いながら2人に近づくドクター・・・

「お、俺らなんかした?」

「いや・・・何もしてないはずだが・・・」

「フォフォフォ・・・こいつらがあの敷島の実験を耐え抜いた猛者か・・・
こいつ等ならわしの開発した死人が出たほどの兵士養成マシーンにも耐えられるもしれんのう・・・
まあ、無事でも大して強くならなかったからのう・・・
拷問器具としての威力を試すだけじゃが・・・」

「「ノオオオオォォォォォォォ!!!」」

・・・・・・・・・





とある時間、ジュドーたちは自販機の前で休憩していた・・・

「全く、今回も人使いが荒いよな、みんな・・・」

「ホントだよ・・・全く・・・」

「愚痴ってても仕方ないでしょ・・・
ところで、プルは?」

「たぶん風呂だろ・・・」

この部隊ではもはや日常といえる会話をしているジュドーたち・・・

「ところでさぁ・・・
なんか、博士たちが相転移エンジンとかいうものを研究してるらしいけど相転移って何?」

そのとき・・・ルーに異変が起こった・・・急に倒れたのである・・・
みんなの視線が一斉にルーのほうに向く・・・

一同「ルー!?」

あわてるジュドーたち・・・
だが、ルーは体を少し痙攣させた後すぐ起き上がった・・・

「おい!ルー!大丈夫なのかよ!?」

安否を問うビーチャ・・・
そしてルーは口を開いた・・・

「説明しましょう!!」

「なっ!?」

「まず・・・」




3時間経過

「というわけで・・・」
ルーはまだ説明していた・・・

「なあ、一体ルーに何が起こったんだろうな・・・」

「さあ・・・とりあえず、このままでは死ぬ〜」

「あ、頭が・・・」

「も、もう・・・」

「・・・(気絶)」

「くううぅぅ・・・」

彼らがぼちぼち限界だったそのとき・・・

「そこまでだ!!悪霊!!」

一同「ライさん!!」

「あら?あなたも私の説明を聞きたいの?」

「うるさい、黙れ!!
みんな!!彼女は悪霊に取り付かれている!!」

「さっきからそうは感じてたけど・・・」

「まさか本当だったとは・・・」
さすがはシャンゲリラチルドレン。全員NTなだけある・・・

「ここは俺に任せろ!!
・・・南無大慈大悲救苦救難広大霊感白衣観世音…」
呪文を唱え始めるライ・・・

「あら?何をする気?」

「我が、左手に封じられし鬼よ!!
今こそその力を・・・示せえぇぇぇぇ!!!」


ライはそういいつつ左手の手袋を取る・・・
するといつもの義手ではなく獣のような手が現れた・・・
瞳も赤くなっている・・・

一同「イイイイイイィィィィィィ!!!!????」

あまりの出来事に全員声を出して驚く・・・
しかしライはそんなこと、かまわず・・・

「悪霊退散!!」

そう言いつつルーをその手で・・・

「ガァァァ!!ジャ、ジャンプ・・・」

ルーはそう叫んで倒れた・・・

「これで大丈夫だ・・・次に起きたときには元に戻ってるはずだ・・・じゃあな・・・」
そう言うとライは去っていった・・・

ジュドーは
「いったい・・・」
と呟いた・・・



その頃アキトがもといた世界では・・・

―ネルガル会長室―

「はあはあ・・・」
息の荒いイネス・・・

「ドクター・・・どうしたんだい?
精神だけのボソンジャンプ・・・失敗したのかい?」

「座標がずれて怖い目にあったわ・・・成功率が低すぎる・・・
やはり、無理かしらね・・・」

「そもそも、過去へというものだからねぇ・・・
まあ、テンカワ君たちの無事を祈ろうじゃないか・・・
彼らがとんだ過去はある程度はわかっているんだろ?」

「3年以上前ってことはね・・・
下手したら原始時代かも・・・」

「・・・」

どうやら未来イネスの精神がルーにボソンジャンプしたらしい・・・
それにしてもあんな方法で未来に戻されるとは・・・





                    「地獄パイロットライ」完





あとがき

問題ない・・・シナリオどおりだ・・・

前書きとスパロボプロローグ少し変えました・・・ほとんどわからないと思いますが・・・
修正の仕方がわからなかったので知り合いにたのみましたが・・・