それは、アキトさんとハルナさんが西欧へ旅立って、何週間か経ったある日のことでした。

 

「「会計監査、ですか?」」

 

「ええ、そうです」

 

 艦長と私を前にして、プロスさんがいつになく難しい顔をして言いました。横にはエリナさんが、これまた渋い顔をして立っています。

 

「でも急にどうして? そんなこと、今まで1度も無かったですよね?」

 

 艦長が顔中に疑問符を浮かべて問いかけました。口にこそ出しませんが、私も全く同感です。

 

 ……ナデシコの経理は、プロスペクターさんが一手に引き受けています。実は今までにも、整備班のある人物 ――プライバシー保護のため、名前は一応秘匿します―― などによる使途不明金が無くはなかったのですが、それらは全てナデシコ内部で処理され、外部には一切明らかにされていません。

 

 それは、会計データベースの最終チェックを行っている思兼は無論、私や艦長やエリナさんにとっても周知のことでした。だから、突っつかれるような見落としがあったとは、到底思えないんですけど。

 

「どうも、先日送った収支決算報告書に疑問点があったようなのですが……。どこが問題になっているかは、教えてくれないのですよ。どうやら、事前に欺瞞工作などされては困るということらしくて」

 

 ますます分かりません。ここのところ、ウリバ……いえ某人物たちによる予算の目的外使用もなかったので、前回の報告書には何の操作も施してないんです。このナデシコには、他には変なことにお金を使い込んだりするような人はいませんから、問題なんか、発生しようも無い筈なんですが。

 

「とにかく。明日の午後、会計監査員の方が本艦にいらっしゃいます。粗相のないようにお迎え下さい……。大丈夫ですよ。我々には、何ら後ろ暗い所は無いんですから。……少なくとも今回は」

 

 プロスさんがそう話を締め括って、私たちは解散しました。その時には、これがあの騒動の発端になるなんて、誰1人予想もしていなかったのです。

 

 

 

 


 

 『再び・時の流れに』 〜勝手に作者公認(笑)外伝〜

 

 大食美神伝説 フードファイターハルナ

 

    〜始動編〜

 

By 李章正

 


 

 

 

 

「初めまして。ネルガル会計監査部所属、カブラギ・カホルです」

 

 次の日の昼過ぎ、私たちの前に現れたのは、紺のスーツを一分の隙もなくぴしりと着こなした、若い女性でした。背筋をまっすぐに伸ばし、凛としたその表情は会社員というよりも、良い意味で軍人を連想させます。

 

 ……ヒュウッと口笛を吹いたアカツキさんをきっと睨みつけたあたり、見た目通り性格も強そうですね。

 

「ようこそ機動戦艦ナデシコへ。私は、経理担当のプロスペクターです。さ、どうぞこちらへ。艦長室へ御案内いたします」

 

 出迎えたプロスさんの先導で、カブラギさんは艦長室へ向かいます。最初、アカツキさんもそれにくっついて行こうとしたのですが、エリナさんにめ、とした顔をされ、すごすごと引き下がっていきました。

 

 会長として、社内の会計に関心があるのは分かりますが……。自分が今のところまだ、建前上はただのパイロットなのを忘れているのでしょうか? ……案外、バレバレなのがわかっているから、もうどうでも良くなってるのかもしれません。

 

 私もまた、艦長室には呼ばれませんでした。会計監査にマシン・チャイルドが同席すれば、あらぬ誤解を招くかもしれないからだそうです。まあどっちみち、いくら叩かれようと埃が出る筈もないのは分かり切っているんですから、ここは本職のプロスさんや、艦長にお任せすることにしましょう。

 

 とはいえ、やはりちょっとは気になりますね。前回の収支決算報告書、一体、何が問題になったのでしょうか? ……こっそり立ち聞きするくらいなら構わないでしょう。

 

「思兼、お願い」

 

『OK、ルリ』

 

 私の指示に従って、思兼は艦長室の音声を拾い始めました。無論、他の人に気づかれないよう、ウィンドウは閉じたままです。私は素知らぬ顔をしたまま、インカムに神経を集中し始めました。

 

「……へえー、カブラギさんも連合軍にいたんですか? 私と一緒ですね♪」

 

「ええ。以前は実験中隊所属でしたが、現在はネルガルに出向中の身分です。……ところでミスマル艦長。そろそろ、本題に入らせていただきたいんですが」

 

「あ、そうですねごめんなさい。じゃ、伺います」

 

 なかなか良いタイミングだったようですね。では一体ナデシコの経理の何が問題なのか、はっきり聞かせてもらいましょう。今後のためにも。

 

「それでは率直に申し上げます。このようなことを言うのは、大変心苦しいのですが。……私どもネルガル会計監査部は、機動戦艦ナデシコの厨房責任者リュウ・ホウメイ氏を、横領の疑いで告発せざるを得ないのではないかと考えております」

 

「「……は?」」

 

 ……は? いきなりこの人は、一体何を言い出すんでしょうか?

 

「確かに金額的には、莫大と言える程のものではありません。しかし、これまでの報告書も合わせて吟味した結果、彼女がこれまでナデシコの食料費を水増し請求していた可能性が、極めて高いと言わざるを得ないのです」

 

「ちょ、ちょっと待ってください! ……厨房なんですか? 医務室とか、整備班じゃなくて?」

 

「ええそうです。……なんですか? ひょっとして、そちらの方にも何か問題が?」

 

「いえいえ違いますよ! ……艦長、ここは私にお任せを。 ただ、あまりに思いもかけなかったものですから。……なにしろ、食堂で扱うお金は本艦全体からみれば、そう大した割合ではないですし」

 

「そうですね。確かに金額的には精々一般乗組員の給与数ヶ月分程度。大したことはないでしょう。……しかし、横領となれば金額の多寡は問題ではありません! 公私の別をきちんと正し、どんな小さな問題にもきっちりと筋を通すのが私ども、会計監査員の役目です」

 

「いや、全くおっしゃるとおりです……。しかし正直なところ、ホウメイさんがそのようなことをなさったとは、私たちにはとても信じられないのですよ。……よろしければ、もう少し詳しく説、いえお話していただけないでしょうか?」

 

 そうです! 説、いえお話してください! ウリバタケさんならともかく、ホウメイさんが横領なんかするわけないじゃないですか! ……いい加減なことを言ったら、こっちの方が名誉毀損で訴えますよ!

 

「分かりました。説」「「お話ですね!(汗)」」

 

「……お話しましょう。別に複雑なことではありません。この艦が使ったとされる食料費が、乗務員数の実態と明らかに合わないんです。」

 

「「え?」」

 

 艦長が首を傾げたみたいです。見えたわけじゃないけどきっとそうです。……私も、思わず首を傾げそうになりましたから。

 

「具体的に言えば、ナデシコが前回ヨコスカに補給に寄った辺りから、食料費が急激に減少しているんですよ。それこそ何十人分も」

 

 ……減ったのならいいんじゃないんですか? なんで、それがホウメイさんの横領につながるんでしょう?

 

 艦長も同じことを思ったらしく、口に出して質問しました。それに対してカブラギさんは、

 

「ええ。実際に乗務員数が減ったとか、物価が低落したとか、納得のいく理由があれば全く問題ありません。けれど、最近ナデシコを退艦したのは、西欧へ出向した2人だけですね。なのに、今回の報告書を見ると前回のそれに比べて、凡そ30人分も食料費が減っているんです。……長引く戦争のせいで、世間は寧ろインフレ気味だというのに。

 で調べてみると、今回の数字の方こそ人数相応で、以前の食料費が明らかに過大だったことがわかりました。ということは、それまで連日数十人分の食材を余分に買っては無駄にしていたのか、或いは……。

 これはやはり、厨房責任者にきちんと申し開きしてもらわざるを得ないでしょう。場合によっては、刑事告訴も考えられます」

 

 ……問題の原因が分かりました。ハルナさんです。彼女がナデシコにいた頃、日々平らげていたおよそ30人前の食事。つまりは、そのギャップが積もり積もって、今回の事態を惹起してしまったのでしょう。間違いありません。

 

 迂闊でした。いつの間にか日常風景になっていたためつい見過ごしていましたが、考えてみれば彼女1人のために、かつてナデシコは毎日30人分、余分の食料を消費していたわけです。

 

 私たちには当たり前のことでも、外部の人には決してそうではありません。何しろ、全く疚しい所がないものですから、ついそのままにしておいたのですが。……正にその部分が監査に引っかかってしまったのです。

 

 ……でも、それなら尚更、誤解を解かなくてはなりません。少なくともこの件に関しては、誰1人として不実な人は存在していないのですから。

 

 プロスさんも、会計監査のチェックを受けた理由がはっきりしたため、かつてのハルナさんの食欲旺盛ぶりを具体的に説明して、ホウメイさんの無実を説き始めました。議論のテクニック、というより誤魔化しの必要が全く無いと分かり、ほっとした気持ちになっているのがその口調から感じられます。

 

 ――ですが。

 

「……どうせ理由を付けるんなら、もう少し説得力のあるものにしてください。何ですか、『1人で、30人分食べる女性クルーがいた』って。外様社員だと思って、馬鹿にしてらっしゃるんですか!(怒)」

 

「いえ、滅相もない(汗)。……でも、本当のことなんですよ。現在西欧に出向中のテンカワ・ハルナさんが、毎日それだけの食事をなさっていたことは。

 このことについては、本艦のどのクルーでも喜んで証言してくれる筈ですし、或いは監視カメラのデータ中にでも、記録映像が残っているかもしれません。……それで納得していただくわけには、いかないのでしょうか?」

 

「他のことならば、それだけ証人がいれば上を納得させることもできるかもしれません。しかし、これはあまりに数字が異常すぎます。もっと確たる証拠が必要です。

 ……言っておきますが、記録映像は証拠になりませんよ。デジタル処理でいくらでも変造可能な代物など、法廷でも証拠能力を有しないのが常識なのですからね」

 

 ……困りました。天地神明にかけて疚しい所などないというのに、その証しを立てるのがこんなに難しいなんて。

 

「……リ?」

 

 プロスさんも艦長も黙り込んでいます。カブラギさんを説得する材料が無くて、苦慮している様子がひしひしと伝わってきます。でも、ホウメイさんが濡れ衣を着せられるのを見過ごすなんて論外なのは言うまでもありません! ……何か、いい方法はないんでしょうか?

 

「……ルリルリ?」

 

 誰ですか、私に話し掛けているのは? いまちょっと忙しいんです。話なら後にしてください。

 

「ルリルリってば!」

 

「? きゃあっ!」

 

 び、びっくりしました。いきなり前方10pに顔を突き出さないでくださいミナトさん。心臓が止まるかと思ったじゃないですか! ……なんですかそのニヤニヤした顔は。怒ってるんですよ、私。

 

「うふふ、駄目じゃないルリルリ。こぉんな大事なこと、独り占めにしてちゃあ」

 

 言われて気がつきました。ミナトさん、私と同じようにインカムをつけています。よく見れば、メグミさんもエリナさんもです。

 

 ……でも、なんで分かっちゃったんですか? 気づかれないよう声を出さないのは無論、表情さえ殆ど動かさないよう注意していた筈なのに。

 

「……何考えてるか大体予想はつくけど(笑)。それだけじゃあ駄目よ。顔は無表情のまま身じろぎもせず、ちょっと話しかけてもまるで反応しないんじゃ、何か他のことに気を取られてるんだなってバレバレじゃない。

 おまけに、思兼に内容の秘匿を命じてなかったでしょ。……まだまだ少女ね、ルリルリ(笑)」

 

 ……完全に1本取られました。私はまだまだ、この人には頭が上がりそうにありません。

 

「じゃ、もう良いでしょ。ルリルリ、艦長室の映像出しちゃって(笑)」

 

「……はい」

 

 ――艦橋でそんなやりとりをしている間も、艦長室では重苦しい沈黙が続いていました。

 

 証人も映像も、非常識な事実を認めさせる証拠足り得ないと宣告された以上、カブラギさんを納得させるには、ハルナさんに目の前で食事してもらうしかないわけですが……。彼女がナデシコにいた時なら簡単だったそれが、しかし、今では容易なことではありません。

 

 ハルナさんは、今西欧にいるのです。それも、恐らくは最激戦地に。1日どころか、1時間だって余分な時間なんかないでしょう。……そんな彼女に、そして彼女の部隊の人たちに、「ナデシコに戻って食事をしてもらうために、一時戦線を離れてくれ」などと、どうして言えるでしょうか。

 

 では逆に、カブラギさんに西欧へ行ってもらえばいいではないかと普通なら思うところなんですが……。それも、口で言うほど簡単ではありません。

 

 ハルナさんはきっと、部隊と一緒に西欧中を飛び回っている筈ですから、軍機の網をかいくぐって確実な居場所を突き止めるだけでも結構大変です。……第一、ただの会計監査のために最前線に飛び込むような危険を冒してくれと頼んでも、彼女に承知してもらえるかどうか。

 

 その時です。ユリカさんがゆっくりと口を開きました。

 

「……おっしゃることはわかりました。しかし、この件に関して本艦のクルーの誰にも全く責任が無いことは、このミスマル・ユリカが艦長として保証します。ですから、一時このことは、私に預けていただけないでしょうか? 

 テンカワ・ハルナは、やがて本艦に戻ってきます。そうすれば、カブラギさんが納得のいく形で、この数字を証明することもできるでしょう。

 万が一、それができなかった時には……、この艦の長として、私が責任を取ります。私を、横領罪で刑事告訴してください」

 

 ウィンドウの中で、プロスさんとカブラギさんがはっと息を飲みました。私も同様です。ミナトさんもメグミさんも、一様に表情を固くしました。

 

 その時です。インカムの中からカブラギさんの、絞り出すような声が流れてきました。

 

「……本気ですかミスマル艦長? この艦の運用にあたって、金銭面に関しては貴女がノータッチなのは、はっきりしていますのに。

 第一、いくら証明に自信があっても、もしその前にテンカワさんが戦死でもされたら? ……それこそ、取り返しのつかないことになるのですよ?」

 

「……本気です。いくら内容を預かり知らなかったと言っても、艦長として、幾ばくかの責任はありますから。

 それに、ハルナちゃんが戦死したりする筈がありません! ……だってあの子は、アキトと一緒にいるんですから」

 

「……漆黒の戦鬼、ですか」

 

「え? なんですって?」

 

「いえ、なんでもありません。

 ……わかりました。そこまで言われるならこの場は引きましょう。但し、期限は決めさせてもらいます。いくらなんでも、横領罪の時効が過ぎるまで待つわけにはいきませんから。

 ……3ヶ月。今日からきっかり3ヶ月だけ待ちます。その間に、この報告書についてきちんと筋道の立った証明をして下さい。そうしていただければ、この件は問題なしとして、私が責任を持って処理しましょう。

 しかし、もしできなかった場合は……。遺憾ながら、私どもネルガル会計監査部は、リュウ・ホウメイ氏と、機動戦艦ナデシコ経理責任者、プロスペクター氏の両名を、横領の罪で告発いたします」

 

「そんな!」

 

 ユリカさんが反論しようとしましたが、プロスさんがその右手をそっと押さえます。そしてゆっくりと頷きました。

 

「それで結構です。……では、日時についてはまた後日、連絡させていただくということで」

 

 

 

◆  ◆

 

 

 

 ――カブラギ監査員が退艦した後、ずうんと重苦しい雰囲気がナデシコを包むことになりました。この船がこんな風になるのはアキトさん達の出向以来ですが……、しかしどうしようもありません。

 

 まさか、真実を真実と認めさせるのがこんなに難しいことだなんて、思いも寄らなかったのです。

 

 あれから艦長は、クルー全員に事情を説明し、良い知恵を出してくれるよう頼みました。みんな最初は、会計監査部のあまりにも杓子定規な対応に揃って腹を立てたのですが、さりとて、1日に30人前食べる女性がいたなどということの方が、世間一般の常識から外れているという事実は、渋々ながらも認めざるを得なかったのです。

 

 ――で、ホウメイさんとプロスさんを無実の罪から救うため、あれからみんなで、色々意見を出し合っているわけなんですが。

 

「……有志を30人募って、全員に『2人前ずつ食べてた』と証言してもらうってのはどうだ? それなら無理がないだろ?」

 

「それじゃ駄目よリョーコ。なんでそんなことをしてたか、全然説明できないじゃない。……第一、医務室にあるクルーの体重データを見られたら、一発で嘘ってばれるわよ」

 

「それもそうだな。……ハルナに戻って来てもらえれば、即解決なんだがなぁ」

 

「その辺はどうなんですか、提督?」

 

「難しいわね……、期限が3ヶ月でしょ? せめて半年あれば、テンカワ・アキトなら西欧中のチューリップを掃滅して悠々と戻ってくるでしょうけど。3ヶ月じゃ、良くてぎりぎりね」

 

「ヨーロッパの掃除が終わるまで待つ必要はないんじゃない? あの娘の食事なんて、1時間もあれば済んじゃうことなんだから。来月にでも、その間だけ戻ってきてもらうよう頼んだら?」

 

「その1時間が捻り出せないのよ。……食事には1時間しか要らなくても、西欧とここを往復しようと思えば優に1日仕事になるわ。あちらの戦況はそんなに甘くないの。

 それに、うっかりそんなことを頼んで、それでなくとも忙しい筈のテンカワ達に焦りを与えたりしたら……、不測の事態を招きかねない。寧ろ、そちらの方が恐ろしいわね」

 

 現実を噛み締めるような提督の言葉に、艦橋のみんなは揃って黙り込んでしまいました。

 

 私はと言えば……。一言も口を挟まず、沈黙したままです。

 

 私は、他の人の知らないことを知っています。アキトさんが、ボソンジャンプを使えること、……そして、多分ハルナさんも。

 

 それを使えば、西欧とナデシコとを往復する時間は必要ありません。ハルナさんに1時間だけナデシコに戻ってもらい、監査員の前であの食欲を披露してもらうこと。それは、決して不可能事ではないでしょう。

 

 ですが、その能力は現在、周囲には秘密になっています。……なのに、こういう状況でそれをばらしてしまえば、後々ハルナさんや、何よりもアキトさんにとって不利益をもたらすことになるやもしれません。それだけは、なんとしても避けなくては!

 

 ……私、酷いことを考えています。確実に掛かるであろうホウメイさんたちへの濡れ衣を晴らすことより、起こるかどうか分からないアキトさんへの害を防ぐことの方を重視しているのですから。

 

 もしアキトさんにこのことを伝えれば、1も2もなくナデシコに飛んで帰ってくるに決まっています。余裕があれば機動兵器に乗って。なければ、秘密がばれるのもおかまいなしに、ハルナさんと一緒にジャンプしてくるでしょう。……アキトさんはそういう人です。

 

 だから、私は覚悟を決めました。アキトさんが私の楯になってくれるように、私もアキトさんの楯になります。自分の力の及ぶ限り、アキトさんにとって不利になりそうなことを、徹底的に排除します!

 

「そのために……。アキトさん、貴方の代わりに私が泥を被ります。……必要なら、悪魔にだってなってみせます!」

 

「え? 何か言った? ルリルリ」

 

「いえ、何でもありません」

 

 

 

 

(降臨編に続く)

 

 

 

 


 

(中書き……、と言うより蛇足かな?)

 

 好! 李章正です。

 

 この話は言うまでもなく、ゴールドアームさん作『再び・時の流れに』の番外編です。1日に30人前の食事を平らげる驚異の少女、ハルナちゃん。その食べっぷりは、一種爽快なほどですが、しかし一方で、こういう問題を引き起こすことも有り得るんじゃないかなと思いまして(笑)。いかがだったでしょうか?

 

 ……題名の割に、ハルナちゃんが登場していないと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、彼女は、続く降臨編で大暴れ? する予定ですので(笑)。どうぞお楽しみに。

 

 最後になりますがゴールドアームさん、快く設定とキャラの使用許可を頂き、どうも有り難う御座いました。

 

 それではまた。 

 

 

 

代理人の感想

 

こう来ましたか〜。

タイトルがアレでこれだけ真面目な話になるとは思いませんでした(爆)。

 

大暴れするハルナはいかなる騒動を巻き起こすか!

ハルナに妙な対抗意識を燃やす?ルリちゃんが放つのは果たしていかなる起死回生の奇策か?

待て次号(笑)!