ボディーガード

6話『新しき組織』



木連の事務所では朝帰りをした舞歌がニコニコ顔で自分の部下の千沙に話していた。
「アキトってやっぱり若いわね。昨日は壊れそうだったわ」
「・・・・・・(舞歌様、惚気られるの困るんですけど)」
千沙は思う。この上司で良くやっていけるものだなと・・・。
千沙が考えている時外から音がきこえる。

ドタドタドタドタドタ・・・

バタン

「ま〜い〜か〜!」
ぜいぜい言いながら真っ赤な髪の女性北斗が言った。
「何?北斗」
いきなり真面目な顔になる舞歌。
「(なんでこんなに変り身が早いのだろう?)」
千沙は又もや思う。
「(アキトさん。少し恨みますよ)」
千沙が考えている間にも北斗の怒声が聞こえる。

「昨日、あいつの所にいったな」
「あら、誰の事?」
「アキトだ」
「そのこと、そうよ。し・か・も朝帰り」(にっこり)
「ふっふっふっ、そこまで言うか」
「くやしい!アキトくんに抱かれたい」
「なっ!」
アキトに抱かれたいと聞いて赤くなる北斗とおまけの千沙。
こんな所は純情な二人だった。
「さてと、北ちゃんをからかうのはこれくらいにしてと・・・北斗」
舞歌は北斗の目を見ていった。ちなみに舞歌は北斗の事を『北斗』か『北ちゃん』と読んでいる。ただし前者は真面目の時後者はからかう時に使用するのだが。
「なんだ」
「昨日あったことは知っているわね。その時に宣戦布告してきたわ」
「そうか」
「ええ、千沙!皆を呼んで」
「はい。解りました」


千沙が舞歌の部隊つまり優華部隊を呼ぼうとした時ドアの外から声が聞こえた。

「少し待ってもらいますか」
ドアが開いた。
「瑞穂様、影花様」
千沙は言った。彼女達の目の前に立っていたのは舞歌の妹『瑞穂』と北斗の妹『影花』であった。
北斗は影花に聞いてみた。
「待つとはどう言う事だ」
「そのままの意味です。姉さん」
「今回の仕事私達は別行動させていただきます」
「それは敵対するってこと」
舞歌は瑞穂に言う。
「ええ、彼からの言葉です」
「「「なに((なんですって))」」」
3人は驚いたまさか彼と呼ばれる人が言うとは思わなかったからである。
「じゃあ今あいつは何処にいる」
北斗は聞いてみる。そこに驚くべき事が聞かされる。
「テンカワ・アキトの所」
北斗は聞いたとたん物凄い速さで出ていった。


「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「彼方達も彼と行動するの?」
「はい」
「そうです」
「・・・・・・・・・解ったわ」
「よろしいのですか舞歌様!」
「かまわないわ。多分彼は一人でやろうとしていたはずよ」
「その通りですよ姉さん」


「いい人で良かったわね」
「ええ、だからこそ力になりたいの」
瑞穂はそう言い部屋を出ていった。

「千沙」
「はい」
「厄介な事に成りそうよ」
これは予感ではなく確信だった。







一方アキトの所では・・・
「昨日は疲れた」
アキトが何に疲れたのかは言わないでおこう。
「ラピスは絶対怒ってるんだろうな」
アキトはがっくりするが突然頭の中にラピスの声が聞こえる。
「アキトすぐ帰って来て!彼が来た」
「彼・・・・おい!」
アキトには心あたりが有るらしく急いで自分の事務所に戻った。


事務所の前に帰って見ると一人の男と女が立っていた。
「・・・ルナ」
アキトは男の方を見て言った。
ルナと呼ばれた方も答える。
「兄さん。自分が来た意味がわかりますか」
落ち着いた声で話す。
アキトも真面目な顔になって言う。
「解っている。お前も舞歌さんと同じ事をしに来たということか」
ルナは頷いた。そしてルナの隣にいた女がルナにいう。
「主(あるじ)様、羅刹が来ます」
「静(しずか)解った。もう一人の方もそろそろ来るはずだ」
ルナが言うと同時に北斗とルリが現れた。
「ルリちゃん、北斗!どうして」
「えっ、アキトさんが呼んだんですよ」
北斗はルナに指をさして言った。
「こいつの部下が来た」
アキトを呼び捨てにする北斗にムッときたルリ、北斗が舞歌と同じ部隊にいることも知らずに・・・。
「アナタ誰ですか。アキトさんと知り合いみたいですが」
「うるさい奴だな。まあいい俺の名は北斗木連のものだ」
「えっ!」
ルリは驚いた。まさかまた木連が現れるとは思ってみなかったからだ。
「知っているようだな。まあ今日の用はあいつだ」
北斗はルナを睨んだ。殺気を思いっきりだしながら。
「あああ・・・」
ルリは恐ろしくて声がでなかった。

ルナはその殺気をまともに受けていた。
「静・・・先に帰って皆を呼んでいてくれ」
「はい」
静と呼ばれた女性はその場から帰っていった。

北斗はルナに話しかける。
「おまえケンカを売っているのか」
「はい。でも木連だけではなくナデシコ、ネルガルにも売っています」
「アカツキとユリカの所にもか!」
「そうですよ兄さん。私の部下が行っているはずです」
「なぜ、そこまでするんだ!」
「・・・・・・・・」
「アキトもういい。もうこいつは敵だ」
「くっ」
「それで良いんですよ兄さん。だが邪魔をすれば貴方がたを殺す!」
ルナは殺気を二人に向ける。そしてすぐに殺気を向けるのを止めた。
「私は戻ります。・・・・それと俺が彼女を狙う時期は彼女しだいで決まる」
ルナはそう言いかえって行った。
「俺も帰る。今度会う時は楽しみにしている」
北斗もそう言い物凄い速さで帰っていった。
ルリは殺気が無くなったとたん力が抜けたのかペタンとその場に座り込んでしまった。
「・・・・あの人と兄弟なんですね」
「ルナのことかい。そうだよ兄弟だよただ・・・」
「ただ・・・」
「義理だけどね」
ルリはそれ以上聞けなかった。


同時刻、ネルガルの所に一人の女性が現れる。
「会長、お客様ですがどうしますか」
「お客〜めんどくさいな。追い返しといて。こう言う事はエリナくんが適任なんだけど今日はお休みだからなぁ」
アカツキはそう言い違う秘書に言う。
「解りました。綺麗な女性ですがそうします」
エリナに鍛えられたのかそれともアカツキの性格を知っている為か切り返しが上手な秘書だった。
「ちょーーーと待った。呼んでくれ」
「はい。わかりました。どうぞ・・・」
すでに用意されていたようだ。
「はいはいってアクアくん」
「おひさしぶりです。アカツキさん、今日は彼の指示できました」
「ルナくんのかい。ここに来ると言う事は宣戦布告かい」
「さっしが良いですね。さすがはアカツキ会長ですね」
「それほどでも」
「それじゃあ私は帰ります」
「早いね、もうかい。これから食事でも・・・」
「すいません。多分すぐ戻らないといけないと思いますので」
アクアはドアの所にいって扉を開けた。
そこからは男の社員達が崩れるように倒れていた。
「気持ちはわかるがここまでとはさすが」
アカツキは呆れはするがこうなる事は納得が出来ていた。
「皆さん。それでは」
アクアはお辞儀をして帰っていった。


「会長はあの方とお知りあいですか」
エリナの変わりの秘書は言った。
「彼女はある意味伝説だからね」
「伝説?」
「テンカワ・アキトを振り向かせた唯一の女性だからね」
確かに伝説になるわねと思う会長秘書だった。


また別の場所では
ナデシコ事務所ではカノンとマナが現れる。
「ミスマルユリカさんルナからの言伝です」
「は〜い。おっけいでーす」
「その性格変わらない奴だな」
「カノンちゃんそんな事言わないで」
「ちゃんをつけるなミスマルユリカ」
「帰りますよカノン」
しぶしぶながらマナの命令を聞く。
その時タイミングよくスバルリョウコが現れる。
「カノンーーー!」
いきなりリョウコが襲いかかってきた。
カノンはリョウコの腕を取り間接を極めた。
「いたたたた」
カノンは無駄の無い動きと速さでそれを行った。
「暗殺術を覚えていないお前には私を倒すのは無理だ」
カノンは言い放ち間接を極めていた腕を解く。
「ちくしょう!」
「カノンやめなさい!ルナに言うわよ」
「うっ、わかった」
マナの命令には逆らえなかった。いやルナの命だから逆らえなかった。
「すみませんね。ユリカさん」
「気にしてないよ。ぜんぜん、でも本番は負けないからね」
「伝えておきます。でわ」
「じゃあな。次あう時はもっと強くなってなスバルリョウコ」
「おぼてろ」
「じゃーね」
二人は言うだけ言って帰った。


またまた戻ってアキトの事務所、ルナの事を話す為ルリを招待していた。
「どっから話をすれば良いのかな。あっそう言えばさっき僕から呼ばれたって言ってたね」
「はい。いきなり電話が掛かってきて用があるからって」
「朝はエリナさんを送っていっていたから・・・・あっ!」
「「アキト(さん)」」(怒)
「あとでじっくり聞くとして、続き話してもらいますか」
「ああ(ルリちゃん怖いよ)」

「その続きからは私が話します」
扉の向こうから声が聞こえた。その相手はついさっきまでネルガルに居たはずのアクアだった。
「アクアさん」
「おひさしぶりです。テンカワさん。ラピスさん」
アクアは言いルリの方を向く。
「彼方がホシノ・ルリさんですね。私はアクア、アクア・ファンルと言います。よろしく」
アクアは握手を求めた。
「はあ、どうもホシノ・ルリです」
ルリの方も手を出し握手をした。

「ルナなら来ましたよ」
「ええ、解っています。私もさっきまでネルガルに居ましたから」
「そ、そうなんですか」
「アキト意識しすぎ」(怒)
「ラピス・・・」
アキトを振り向かせた伝説は今も持続しているらしい。

「さてと彼のことについて話しましょう」
「・・・・・・」
「あの人はテンカワさんの義理の弟です。小さい頃テンカワ夫婦に連れてこられたそうです。二人は本当の兄弟のように過ごしたそうです。そしてテンカワ夫婦は科学者であった為か二人に物凄い教育をしようとしたそうですが、それを彼が全部引き受けたそうです。自分の兄を自由にする為に・・・」
「そのお陰で俺はいろいろの事ができた」
「解ります。・・・そしてそれからテンカワ夫婦が死んでしまわれた後二人はネルガルに行きました」
「ネルガルの事からは俺から言うよ。それから俺とルナは表と裏に分かれた。自分は傭兵、ルナは暗殺者として働いていた。いったいあいつがどんな事をして何人殺したのかもわからない。自分とは違い恨みをかってたらしい」
「テンカワさんは、そのルナさんとは違います。わたしあの人には恐怖しか感じられませんでした」
ルリは先ほど会った時の感想を言う。
「そうだね。久しぶりに会ってあそこまで変わっていたとは思わなかったよ」
アキトの言葉にただ黙っているアクアだった。

「あっ!ごめんアクアさんにとっては隊長だったね。無神経だった」
「気にしていませんよ」
実はアクアは気にしていた。ただアキトがルナの事を変わったと言った言葉ではなく、ルナがアキトに変わったと言わしたことだった。
「話を元に戻しましょう。テンカワさんとルナはネルガルを辞めたあとテンカワさんは今の事務所、ルナは木連に行きました。木連はルナのネルガルに居た頃の功績をしって居ましたから二つ返事で採用されました。人を殺す事には変わりなかったですけど」
「「「・・・・・・」」」
アキト、ルリ、ラピスは何も言えなかった。


「私はそろそろ戻りますね」
沈黙を破ったのはアクアだった。
「アクアさん。貴方達とは戦いたくない!こっちに来ませんか」
「彼の部下を連れてですか」
「はい」
アクアはいきなりアキトの頬を叩いた。
これには三人、驚いた。
「貴方を見損ないました。貴方は傭兵の義と言う言葉を忘れましたか」
「傭兵の義・・・・」
「一度依頼を受けたらそれを絶対に裏切ってはならない。例えそれが知っている者であっても・・・・・ルナはその義だけは守ってきました」
「・・・・・・・」
「それでは・・・・・」
アクアは一度も振り返らず帰っていった。

「・・・・・・・」
「・・・あっ、あの人はいったいなんですか!いきなり叩くなんて」
「うん、そう。アキト痛くなかった?」
ラピスはアキトの頬をさすってあげた。
「ありがとうラピス。大丈夫だよ。けど彼女の言った通りなんだよ」
「解ったアキト。でも、ルナの依頼者は誰?」
アキトにもそれが引っかかった。






事務所神威

「ただいま戻りましたルナ」
「お帰り。兄の所に言ったんだね」
「はい。怒っていますか」
「いいや。怒ってないよ。そうだもう少ししたら皆集まるよ」
「解りました。それと謝っておきたい事が・・・」
「謝っておきたい事?」
「はい。実はテンカワさんを叩いてしまいました」
ルナは少し驚いたがすぐ優しい顔に戻った。
「いいよ。気にしてない」
アクアは思うルナは優しすぎる。だから暗殺者という仕事を受けている。他の人達にそれをさせない為に。

「お茶をお持ちしましたよ」
瑞穂の声が聞こえた。アクアが振り向くとそこには、影花、瑞穂、カノン、マナ、静が居た。
「ありがとう。皆が集まるのは何時頃だ」
その問いには静が答えた。
「一週間くらいだそうです。でも全員揃うのは久しぶりです」
「そうか・・・皆すまない。自分が言い出した事に巻き込んでしまって」
ルナは皆に謝るがアクア達はただ笑顔でこう言った。
「私たちは何処までもついて行きます」



あとがき

 やけに間があいてしまった隆です。さて今回私のオリジナルキャラを出しました。話を長くしようかなと思ったらこうなりました。
さてさて自分で作ったオリジナルキャラを改めて考えてみると、自分の趣味というかこれが無いといけないと無意識にでてしまいます。
オリジナルのキャラを考えている人の意見が聞きたいものです。ちなみに自分は、髪の色が青系のキャラと純和風キャラは外せません。これがまた不思議とある意味ナデシコキャラより木連キャラが好きな理由かもしれません。さて次回予告はテンカワ・ルナ率いるオリキャラ軍団と予定しています。
オリキャラ人気あるといいな・・・。妄想して見てください。


設定集

テンカワ・ルナ

アキトの義理の弟で本当の名はアヤ、アキトと違い表舞台では活躍はしていない。アキトを引き立てるため暗殺業に身を投じた。昔ネルガルに居たが今は木連の舞歌の部下になっている。アキトと同じ女性には人気があるが自分から部下をつくろうとしない。けど何故か喉から手が出るほどの優秀な部下が揃う。(全て女性である)余り笑顔を見せないが自分の部下には笑顔を見せる。
暗殺家業をしていた為心の傷はアキトより大きい。過去に一度過ちを犯す。
全ての戦闘術や知識はネルガル、木連で習得。戦闘方法は多くオールマイティーなキャラ。
アキト、北斗も知らないが昂氣が仕える。



アクア・ファンル

長く青い髪の女性。男達が必ず憧れる女性で女達にとっても憧れるほど綺麗な人。顔良し・スタイル良し・性格良し・運動神経、知識良しの完璧な女性。あのテンカワ・アキトを振り向かせた人として伝説になっているほど。現在ルナの秘書として動いている。
昔ルナに命を助けてもらいルナの心を知る人になる。自分の幸せより彼の幸せ第一と考えている。そして一途に彼を想う。
キャラ参考例=イースの女神フィーナがモチーフ。



マナ・エーラル

少し長めのブロンドの髪をアップにしている女性。天才と言われたが、それにより回りから恨まれるようになり前にいた仕事場を辞めて今にいたる。ルナの部隊は彼女を必要とし区別なくし接している為この職場を気にいっている。カノンと一緒に行動する事が多い。男嫌いではないがルナ以外関心はない。
キャラ参考例=FF[のキスティスがモチーフ



カノン・レイセン

赤い長い髪をポニーテルにしていて左の瞳が赤くなっている女性。暗殺術に長けており依頼を任せられる事もある程の腕前。ナデシコのリョウコとは仲が悪く見ればすぐ喧嘩になってしまう。余り人の言う事は聞かないが『ルナの命令』は絶対に聞いてしまう。それをする為にマナが良く付き添う事になる。
性格はリョウコに似て以外に恥ずかしがりや。
キャラ参考例=なし



命納 静(みことのう しずか)

長い黒髪の盲目の女性。陰陽師であったが目が見えないせいでその資格を失う。そうだったせいか服は陰陽師の服装になっている。ちなみに色は黒。行き場を無くした彼女を救いなおかつ感覚の訓練を積んだ為今でははっきりと人が居る事を認識できる。才能のせいか人の感情も解るようになっている。
キャラ参考例=なし



東 瑞穂(あずま みずほ)

名の通り舞歌の妹、舞歌より髪は短いが舞歌に良く似ていると言われる。彼女もかなり頭が良いのだが舞歌との頭脳勝負で勝ったことは一度もない。舞歌に言わせれば『姉妹だからこそ読みやすい』らしい。一時期は何も仕様としなかったがルナが木連に入って彼女を説得したらしい。その時から彼と共に居ようと思うようになった。最初ルナは拒みまくったが根負けしたらしい。



影花(えいか)

北斗の双子の妹、北斗とうりふたつな為間違えられる事もしばしば。北斗との力の差にコンプレックスを感じている。(とくに昂氣が仕えない事に)一時期暴れていたがルナによって倒されてしまい。以後弟子にしてくれと頼んだ。いまだに昂氣は仕えないがコンプレックスは治まってきた感じになっている。実は北斗と同じ純情である。ルナには一度も勝った事はない。




 

代理人の感想

キャラ多すぎる〜。覚え切れない〜。(笑)