こちら木連テレビ

ただいま放送中!!

時の流れにアナザー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

北斗は舞歌によって呼び出されたので部屋へと向かっていた。

 

「まったく、舞歌の奴は一体何のようだ?」

 

もしかしてこの間の力の加減がわからなくて壊してしまった舞歌の装飾品の事か?

いや、あれはちゃんと零夜が話をつけておいてくれた筈だ。

そういえばお返しを期待しているからね、と言っていたな。

 

そんなことを考えていると舞歌の部屋の前まで来ていた。

 

    ドン

         ドン

               ドゴ!!

 

勢い余ってドアがひしゃげてしまったが北斗はそんなこと気にしないで問い掛けた。

 

「舞歌、入るぞ」

 

部屋の中から舞歌の声が聞こえる。

 

「どうぞ、入ってちょうだい」

 

    カチャ

 

部屋の中を見ると舞歌が一生懸命何かの台本らしき物を読んでいる。

舞歌の表情を見て北斗は自分の中で警告を発しているのが分かった。

 

ま、まずいこれは何か企んでいるぞ!

早くこの場から立ち去らねば!!

 

しかし、それに気付くのが1歩遅かった部屋から出る前に舞歌が動いたのだ。

 

「北斗……私のお願いを聞いて欲しいのだけれど?」

 

「な、なんだ?

 俺にできる事だったら協力してやる」

 

「そう!!

 大丈夫やってもらう事はあなたにとってもいい事だから」

 

そう言うと舞歌は今まで読んでいた台本らしき物を北斗に渡してきた。

その台本の表紙に黒い墨で書いてある題名を読んで驚いた。

 

「なになに?

 木蓮戦隊 モクレンジャー!?」

 

「凄いでしょ!!

 私が映像、シナリオ、監督やるのよ」

 

おいおい、それだとほとんど舞歌がやる事になるんだろうが……。

 

そんなあきれている北斗を無視して舞歌はいそいそと契約書らしき物を前に出した。

 

「あ、これにサインと判子を押してね(はぁと)

 

すぐに部屋を出たかったから何も考えずにサインと判子を押す。

ちなみに印鑑がなかったので血判を押しておいた。

 

「ふっふっふ……北斗、契約書にサインをしてしまったわね!!」

 

俺が出ていこうと部屋の出口に近づいた時に、

舞歌が右手に契約書を持って左手を腰に当てて仁王立ちして叫んだ。

 

「今日からあなたはモクレンレッドよ!!」

 

「なに!?」

 

「契約書は良く読んでから契約するものよ。わかったわね?」

 

そこで俺は舞歌が持っている契約書の内容を読んでみる。

………確かに契約書は良く読んで契約する必要があるという事が身にしみた。

 

書いてあった契約書の内容は俺がモクなんたらの一人となるというものだった。

つまり撮影に協力してもらうという契約書なんだが……。

ちゃんと内容を言ってから契約させろよ……。

 

この手口こそ詐欺の常套手段なんだが(笑)

 

「そんなに睨みつけなくたってダメよ

 この契約書には、契約破棄はできませんと書いてあるんだから」

 

気付かない内に舞歌を睨み付けていたようだったが、

負けじと向こうも言い返して来た。

 

「撮影場所はあなたにとっても都合のいいナデシコだから反対はしないわよね」

 

「撮影場所がナデシコだと!!」

 

ナデシコはあのテンカワ・アキトが乗っている戦艦の名前じゃないか!?

今は戦争中なのにどうやって撮影の許可を許してもらったんだ。

 

「そうそう、あそこにはとびっきりの悪役が待っているからね(笑)」

 

そういって笑っている舞歌を見てが悪役が誰か確信した。

 

「悪役はテンカワ・アキトか……、

 どういう事だ俺とテンカワ・アキトの死闘を汚すつもりなのか!!」

 

「別に良いじゃないのどんな形にせよ

 戦うのはあなたとあのテンカワ・アキトなんだから」

 

「だが、しかし!!」

 

「白兵戦だなんて今の時代ほとんどチャンスがないからいい機会だと思うけどな」

 

舞歌の話にしぶしぶ納得した北斗を見て撮影までの準備の話を始める。

 

「千沙が服を縫っている筈だから貰って置いてね」

 

「ああ、分かった千沙だな」

 

部屋から出ていく北斗を見届けた後に舞歌はすぐにどこかに連絡をした。

 

「もしもし!!例の件についてだけどね。

 本人はちゃんと承諾したから機材を

 撮影予定日までに私の所まで持ってこさせておいて」

 

どうやら北斗が承知するかで撮影をするかしないか決めていたようだ(笑)

 

 

 

 

 

千沙の居場所がわからないので偶然通りかかった零夜に聞いた。

 

「零夜すまんが、千沙の居場所を知らないか?」

 

「千沙さんはね……部屋に篭って仕事をしているんだったかな?」

 

「わかった部屋に行ってみる」

 

「あ、待ってよ北ちゃん

 私もついて行くからさ」

 

しばらく無言で歩いていたが零夜が沈黙に耐えられずに喋り始めた。

 

「そういえばさ、千沙さんに一体何の用事があるの?」

 

「服を受け取りにだ」

 

「え!!北ちゃん…

 もしかして女の子という自覚が沸いてきたの!!」

 

   ドゴン!!

 

それを聞いた俺は廊下の壁に頭をぶつけてしまった。

周りの乗組員もこっちを面白そうに見ている。

 

「一体どうやってそういう結論に達したんだ?」

 

頭を壁から引き離しながら聞く。

確か特殊合金で出来ていると言っていたが簡単にへこんでしまったぞ。

 

「だって千沙の服を着て女を磨こうと思っているんでしょ?」

 

「違う!!

 俺は仕事で必要な物を取りに行くだけだ!!」

 

「な〜んだ、北ちゃんが目覚めたのかと思ったのに」

 

一体何に目覚めるんだ?

そう心の中で突っ込みつつ千沙の部屋へと向かった。

 

 

 

 

 

「一体この服は何だ?」

 

千沙から手渡された服を見てあきれた。

受け取ったのは全身赤タイツの服だったからだ。

 

「私は舞歌様の命令に

 従って縫い上げただけですから何も申し上げる事はありません」

 

「ふ〜ん、今までしていた仕事ってそれを縫い上げる事だったんだ」

 

零夜が疑いの目を千沙へと向けている。

 

「これだけを仕事としてやっていたわけじゃないわよ(汗)」

 

千沙が舞歌よりこの仕事をなによりも優先するように言われていたのは秘密だ(笑)

 

「ところでさ、

 そっちに置いてあるいろんな色のタイツは何?」

 

零夜の言ったとおりいろんな色のタイツがハンガーに掛けられていた。

 

「そっちもこっちの赤タイツと一緒に頼まれて作ったのよ」

 

「こっちは誰が着るの?

 北ちゃん、知らない?」

 

「いや、俺は他の誰が着るのかは知らない」

 

そう返事を俺がすると零夜は何か思いついたのか一つタイツを取って千沙に聞く。

 

「ねえねえ、これ貰っちゃダメかな?」

 

「一つぐらい良いと思うけど……何をするつもり」

 

「北ちゃんと一緒の赤に染め様かなと思って(はぁと)」

 

いや、ちょっと待て零夜

俺としてはそんなペアルックはお断りだぞ。

 

「いいよね……。

 ……北ちゃんと同じ赤タイツのペアルック作っても?」

 

「それはお断りだ」

 

   ガ〜ン!!

 

という音が聞こえてきそうなぐらい

零夜が落ち込んでいる様子が回りの目にも明らかだった。

 

「慰めて上げなくていいの?」

 

「その内立ち直るさ」

 

そして改めて赤タイツへと目を向ける。

 

「しかし、これを着て戦うのか?

 動きやすそうなのはいいんだがな…………」

 

「良く気付いてくれました!!」

 

飛厘が急に零夜の背中の後ろから飛び出してきた。

 

俺に気配を気づかれないように零夜の後ろに潜んでいたとは……。

まだまだ修行が足りないという事かこれではテンカワ・アキトに負けてしまうな。

 

同じ頃アキトはいろんな女性の気配に気付かず背後から抱きつかれていた。(笑)

 

「ちょっと!!

 いきなり背後から出てこないでくださいよ」

 

零夜が怒っている、どうやらもう立ち直ったらしい。(笑)

だが北斗が気になったのは今さっきの言葉だった。

 

「何に気が付いたというんだ?」

 

そういうと飛厘の目が光ったような気がしたが気にせず聞いた。(笑)

 

「その赤タイツには23個の秘密があります!!」

 

「いや、その説明はいらない」

 

俺がそういうと飛厘は残念そうにしていたが俺にとって興味がなかった。

 

「じゃあ、何故動きやすいのかを説明しましょう」

 

この時某戦艦の中にいた某説明おばさんが反応していた。(笑)

 

 

 

 

2時間後

 

「つまり、このタイツは伸びやすいという事か」

 

「え、ええ……確かにそうですけど…」

 

まるまる2時間飛厘のタイツについての

説明を受けて北斗がわかったのは今さっき北斗がつぶやいた言葉だけだった。

 

ちなみに千沙と零夜は説明の途中で逃げた。(笑)

 

「あ、それから私がモクレンブルーです」

 

「という事は……他のメンバーは……」

 

何だか嫌な予感がしながら問いただす。

 

「もちろん、百華と京子ですよ

 あ、それから舞歌様も出られるんでした」

 

こうして俺はナデシコへ撮影しに向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

             次回予告

 

ついに始まりました!!

毎朝8時半より放送開始のこの番組

北斗は赤タイツを眺めながらアキトとの死闘に胸を焦がし

千沙は苦悩するナデシコに行けばミナトを亡き者にする事もできると

そして飛厘はどんな照明効果を使おうか悩み

零夜はペアルックを断られて絶望の淵へと立たされた。(笑)

 

タイツは体のラインがくっきり浮かび上がるよ(ニヤリ)

 

なお一部地域では放送されません。

というか続きもあるかどうか不明です。

 

 

 

 

 

謎のあとがき

 

 優華部隊の人達で撮影班を組んでしまいました。

 一体どんな映像ができるのやら…

 それでは、また会えたら会いましょう!!

 

 

 

 

 

管理人の感想

 

 

Sakanaさんからの短編投稿です!!

ふむ、とうとう北斗も・・・

いや、何も言うまい(苦笑)

でも、既に戦艦じゃね〜よナデシコ(爆)

最前線の敵が、気軽に訪れてくるんだもんな〜

・・・やはり交渉をしたのは三郎太か?

役に立ってるんだか、無いんだか(苦笑)

でも、この話って続き物・・・ですよね?

 

ではSakanaさん、投稿有り難う御座いました!!

次の投稿を楽しみに待ってますね!!

 

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