機動戦艦ナデシコ

『GO、GO、プロス!!』

 

 

 

 

 

人外魔境の巣窟、人有らざる者の住みか、恐怖と絶望の塊…。

等と評されることもしばしばのナデシコだが、金銭関係の問題はもちろんある。

 

そう、それら総てを計算、支配しているのがイカス ダンディ!!

この御話の主人公!!(アキトじゃないよ)プロスペクター氏その人である。

 

この話は、日夜、戦い続ける普通のサラリーマンの御話である。サ●リーマン金●郎みたいに…。

 

 

 

 

 

ナデシコにある。ある一室。そこからカタカタとリズミカルな音が漏れ出している。

その音を出しているのは、プロスペクターであった。

彼の仕事は、とにかく多い。そのことが机の上に置かれている書類の束の山で分かる。

もちろん、仕事の量の多さと内容に段々プロスの表情が険しくなっていくのは気のせいではない。

 

「皆さん、どうしたらこんな風にお金をドブに捨てるみたいに使えるのでしょうかね?

 なにしろイネスさんとウリバタケさんだけで使途不明金だらけで困ってますしねぇ……」

 

ピクピクと片方の眉毛だけを器用に動かしながら怒りを何とか押さえている。

自分の部屋なので暴れても良いのだが、さすがにそれは自制心が働いたらしくやめたらしい。

だが、ふと目を通した書類の内容にプロスは止まった。

 

そこの書類には、TA同盟お仕置き経費と書かれていたりする。

 

もちろん、何に使ったのか一切不明の莫大な料金の使途不明金が書かれている。

お仕置きだというのに一体何にこのお金を使ったのかが分からないというのもプロスをイラつかせた。

 

・・・否、ブチ切れた。

 

…あ、プロスの頭から血が勢い良く飛び出している。

そして、遂にプロスはお仕事をすることにした…。

 

 

 

 

 

いつものようにTA同盟がアキトをお仕置きするという口実を見つけてお仕置き部屋に引きこもった。

お仕置きの最中の扉は、溶接でもされているのか全く開かないという不可思議現象が起こる。

やはり、裏行きになるから表では見れないのだ。

だから、ほとんどのクルーが中で何が行なわれているのか知らない。

ただ、分かっているのはアキトファンの女性クルーが激怒するということだけだ。

…その証拠だけで充分プロスには、理解することができていたりするのだが…。

 

プロスが扉の前に立つ。すると、今まで開かずの扉と化していた扉がスゥっと開いた。

……開いたというより溶けたように見えたのは気のせいだろうか?

とりあえず中で何が行なわれていたのかと言うと――。

 

 

 

≪検閲削除(笑)≫

 

 

 

ということで、中にいた全員プロスの前に並べられていたりする。

TA同盟に加入している17人の女性陣は、プロスの静かな闘志に怯えているようだ。

それとは、対照的に危ないところを助けてもらったアキトは何やら尊敬の眼差し(?)でプロスを見ている。否、見つめている。

 

にこにこしながらも内から漏れ出る闘志と怒りを押さえるプロス。

さらに何故か髪の毛が金色に逆立っていたりする。

しかも体の周りから金色に輝く昂氣のようなものが見えたりするのは目の錯覚だろうか?

 

「ところで皆さん、契約書はもちろん覚えてらっしゃいますよね?」

 

「け、契約書ですか!?も、もちろん覚えてますよ!?

 だ、だって私たちは一応、ネルガルの社員ということなのですし…」

 

…覚えてないこと丸バレである。

 

「そうです!!貴方たちは社員なのです!!そうですよね!?」

 

「「「「「「「「「「「「「「「「「は、はい!!(>_<)」」」」」」」」」」」」」」」」」

 

「でしたらこの契約書の最後の列に書いてあるこの文書を忘れたとは言わせませんよ!?

 何しろ、一度は反乱を企てたことがある方々ですから思い出深いことでしょうな?」

 

プロスの差し出した書類を不思議そうな顔(ヲイ)で眺める女性陣…。

だが、最初からナデシコに乗っていたユリカ、ルリ、メグミ、リョーコはある一文のことに気付いた。

そう、それこそ『なお、男女交際は手を繋ぐまでとさせていただきます』のところである。

 

作者:『時の流れに』を読みましたけどこの文書を撤回したとか消したとか無かったから有効ですよね?

 

「そ、それは!?」

 

「貴方たちが先ほどやっていたのは、何ですか?

 手を繋ぐのは、良いです…が!最近ある報告書を読ませていただきました!!

 そこには、克明にその時の描写が書かれていましたよ!!特に状況などもです!!」

 

ちなみにプロスがドスンと大きい音を立てて並べた文書にR指定と書いてあったりする。

…Actionのお仕置きを遂行した投稿作家陣の名前が書かれているのは、何故だろうか?(ヲイ)

 

「今日でこの部屋も終了です!!

 これから撤去です!!撤去!!撤去!!!撤去!!!!!」

 

……妙に張り切っている。

ちなみに妙な構えをしながらTA同盟メンバーに近づきながら叫んでいる。

 

「嫌です!!ここには、私アキトさんの愛の思い出が!!!!!」

 

「「「「「「「「「「「「「「「「私とのでしょうが!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」

 

そのルリの方の思い出は、超一方的なものしかなかったりする。

しかもアキトが青ざめているのを見ればどちらが正しいのかは、一目瞭然である。

 

だが!!穏やかな日々を暮らして遂に真の怒りに目覚めたプロスにそんなことは関係無い。

醜い争いを見ながら嘲笑しつつ、そっと驚愕の事実を告げる。

 

「大丈夫です、既に業者さんに連絡済みですよ?(にっこり)」

 

「えぇ!?そ、そんな!!!!!って後ろから何故業者の方々が!?」

 

     ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!

 

凄まじい爆音を轟かせつつやってくる業者の方々。(ヲイ)

中には、スパイが扱う特製の物のようにクレーン車でドリフトをかましてしてくれる強者もいる。

ザザッ!!と次々にプロスの後ろに整列し始める。

そのどう見ても軍人っぽい筋肉むきむきの連中を見てさすがに危機感を感じたTA同盟。

……一体、プロスの過去に何が?

 

「か、勝手にナデシコを改装して良いと思っているの!?」

 

エリナが今更最もらしいことを言い始める。

 

「改装?改装ですか…」

 

「そ、そうですよ!!私たちだってここを作るのに許可貰ったのですよ!!」

 

ちなみにその許可を出しているのが、エリナだったりする。

極楽トンボ アカツキ会長は、その許可を出された日に謎の失踪をしていたからであるが…。

 

「私も会長から許可をいただきました。(ちなみにあっさりと許可(笑))

 もう貴方達が謝っても許してあげません。

 そう、私は怒っているのです!!怒っているのですよ!皆さん!!!!!」

 

しかし、そんな言葉は、真 プロスの前では、全くの無意味であった。

さらに金色の光りを輝かせつつ、腹の底からシャウトしまくる。

 

「さらにこれが改装ですって!?

 何が改装ですか!?私利私欲のためだけに何を作っているのです!!

 ナデシコを維持するためのお金だって馬鹿にならないのですよ!?

 しかもこの中で行なわれている行為に必要な予算を使途不明金で会社に払わせようとはどういう用件ですか!?

 ええ!!会長が例えボンクラで許そうともこの私が許さない!!この私がです!!」

 

「プロスさん、カッコイイよ!!」

 

アキトが男泣きしつつ、そう叫ぶ。

しかも涙でナデシコの廊下を濡らしている。

 

「さあ、行け!!この金食い虫を叩き壊すのです!!」

 

まるで悪役のようなセリフであるが、

その言葉と同時に無数のクレーン車とブルドーザー等が一斉に轟音を轟かせながら突っ込む。

 

こうして、TA同盟の巣窟、TAお仕置き部屋崩壊していく。

その壊される光景を呆然と見つめるTA同盟のメンバー…しかし、一人だけニタリと笑っている人物がいた。

 

 

 

 

 

その後・・・。

 

 

 

 

 

心配事が片付いてご機嫌のプロスであった。

さっさと軽快に会社の仕事を終わらせていく、ふと一つの書類のところで動きが止まった。

 

そこの書類には、『お仕置き部屋再建』の文字が書かれていたりする。

しかも会長の許可のサインがある。

 

金額をチラッと見て驚愕してからプロスは、見なかったことにしてポイッ!とゴミ箱にその書類を投げ捨てた。

ところが、タイミング良くコミュニケから通信が入ったので嫌な予感はしたが……繋げて見ることにした。

 

 

 

          ピッ!

 

 

 

「あ、プロスさん?私もあれから考えたのですけど、あ、一応反省はしましたよ?

 まあ、真面目な会社員のプロスさんのお考えは、確かに分かります。

 でも、良く考えて見てください?

 私とラピスってネルガルの筆頭株主でしたよね?

 あ、何青ざめた顔されているのですか。

 私には分かりませんし、

 別に首を切られたりしませんよ?

 え、信用ならないですか?大丈夫ですよ。

 誰も優秀な社員であるプロスさんの首を絶対に切ったりしませんよ。

 それに貴方の能力はまだ必要ですからね。

 信用できる人でお金を管理できる人って少ないんですよね。

 だから半永久的に働いてもらいますよ。

 え?辞表を書くから通信を切ってくれ?

 あぁ、なるほど。ネルガルを退社しようとするのですか。

 ダメですよ。その話は受理できません。

 これからも働きアリのようにせっせと金銭の管理をお願いするのですから。

 別にまたお仕置き部屋は、破壊されても構いませんよ。

 そのかわり前より豪華でもっと良い部屋へと生まれ変わるだけですから…。

 まあ、プロスさんのストレス解消には、ちょうど良いかもしれませんね。

 それとあの部屋の再建の件は、しっかりやっておいて(プチッ)―――――」

 

 

 

話がまだ続きそうだったのでプロスは、通信を切った。

切った後にプロスは、そっとため息をついた。

 

『夜逃げする?手伝うよ』

 

そう同情されたオモイカネに言われた瞬間、プロスの目から滝のような涙がドバーッと出てきたのだった。

本当にここの配属になったことを今更ながらプロスは後悔していたりする。

 

 

ちなみにストレス解消の為のイタチごっこは、その後何度もしたらしい。

 

 

 

 

 

あとがき

 

 プロスペクターファンの方々、申し訳御座いません。そして、ルリファンの方々、申し訳御座いません。

 まあ、テーマは、「サラリーマンは辛い」という言葉なのでこれで良かったのではと思います。

 それと「何故プロスさんは、素知らぬ素振りをするのか?」などもこういうことだと考えました。

 一応疑問に思った人がいると思いますので説明します、

 お金持ちのルリが何故ネルガルの経費で済まそうとするのかは、節約だと思ってください。

 お金がいる時に、直ぐに利用できるお金が無いでは困りますからね。

 

 最後の部分は、ルリがネルガルの支配者だという考えがこのように作品に影響しております。

 あ、サクラ戦神は、今悩んでますのでご容赦ください。(汗)

 

 

 

実は経理やってる代理人の感想

 

ム、ムゴイ。ムゴ過ぎるっ(号泣)!

おのれ電子の妖精、一矢報いずにはおく物か!

 

 

・・・・・・他人事じゃないんだよねぇ(とほほのほ)。