やあ、みんな!!

遂に熱血馬鹿が復活さ!!

そして俺の旅行も終わりかな?

周りも慌ただしくなってるし、

よし、そろそろ働いてやるかな!!……。(ニヤリ)

 

 

 

機動戦艦ナデシコ

『影(シャドウ)』

 

 

 

ナデシコ艦内では、予備の相転移エンジンがあると思われる

研究所の周りに敵がいるので緊急会議が行なわれていた。

 

「さて……どうします?艦長

 予備の相転移エンジンを確保しないとさすがに敵の包囲網を突破できませんよ」

 

「う〜〜〜ん……」

 

と言っても悩んでいるのはユリカとプロスの二人だけだった。

しかもプロスが悩んでいるのは、ナデシコの修理費についてだった。

 

「あ!ルリちゃん、

 とりあえずナデシコをレーダーに写っている

 チューリップを視認できるところまで動かして」

 

「分かりました……オモイカネ、よろしく」

 

『了解!!』

 

ナデシコがガタガタと不気味な音を立てながら動き始める。

ここで怯えるようなクルーはナデシコには乗ってない。

そんな中、ゴートがどうして視認できるところまで動かすのかをユリカに聞いた。

 

「艦長、どうして見に行くんだ?」

 

「確かにそうですな〜」

 

プロスが何かを計算しながら同意する。

 

「え〜っと、ですね。

 ほら!チューリップが研究所の周りを回っているじゃないですか」

 

ブリッジのメンバーがモニターを見ると確かにチューリップは、

ゆっくりとだがグルグルと研究所の周りを回っているのが分かった。

 

「だからそれが何かを「オラ!!ヒーローの凱旋だ!!」

 

パン!! パン!! パン!!

バリン!! バリン!! バリン!!

 

「ウギャ〜〜〜〜!!」

 

ブリッジに鳴り響いた銃声と共に電灯が割れる。

ついでにジュンの目にガラス片が入って苦しんでいる。

 

「ユ、ユリカ〜〜!!

 め、目をやられた〜〜〜〜!!」

 

「キャーーー!!

 ジュン君、暗くなったからって本性(?)を現さないでよ!!」

 

暗くなっても何やらにぎやかだが……。

ブリッジのドアへとスポットライト(プロスの使いまわし)が当てられる。

 

「カッカッカッカ!!

 この俺が帰ってきたからにはもう安心だぜ!!」

 

そして、そのスポットライトが当てられている中央には一人の男がいた。

 

「……誰?」

 

「見たことがあるような気が……?」

 

「くぅおらぁ!!お前等!!

 どうしてたった1ヶ月入院していただけで忘れてんだ!!」

 

と男はご立腹だ。

しかし、そんな中今まで黙っていた老人が席から立ちあがった!!

 

「お、お前は……!?」

 

「おお!!さすが提督!!

 覚えていた……のか?」

 

何故かブルブルと小刻みに震えながら涙を流している提督に怯える。

そして、提督は泣き止まないうちに男に近づいて言った。

 

「生きていたか!!息子よ!!」

 

「なんでだーーーーーー!!

 あ、こら!!そこ勘違いして泣いてるんじゃない!!」

 

まさに感動の再会とブリッジのメンバーのほとんどは勘違いして泣いている。

しかし、その勘違いは直ぐに訂正された。

 

「あのー、その人はエステバリスの

 パイロットのヤマダ ジロウさんです」

 

「俺の名前はダイゴウジ ガイだ!!

 ……って、どうした、みんな?」

 

ガイが急に静かになったクルーを見ると

ルリ以外の全員がガイを冷ややかな視線で見ている。

 

「酷いです!!

 提督の気持ちをあなたは踏みにじったんですよ!?」

 

「偽名まで使ってナデシコに乗りこんでいるとは……

 これは問題だぞ」

 

メグミとゴートが言うと黙っていた他のメンバーも口々に文句を言ってくる。

 

「だから唯のパイロットですってば……」

 

「だから勝手に勘違いしたんだろうが!!」

 

ポン!!

 

ガイが振り向くとフクベがガイの肩に手を置いている。

そして、フクベは言ってきた。

 

「……無理も無い……

 恐らく…記憶が混乱しているんだろう」

 

「オイ!!思わせぶりなことを言うな!!

 ……そうだ!!アキト!!お前だったら分かるだろ!?」

 

ブリッジにいるクルーの視線が全てアキトへと集まる。

 

「え、え〜っと……ご、ごめん!!(ダッシュ!!)」

 

「あ、アキトさん!!待ってください!!」

 

(やった〜〜!!

 ふふふ、艦長はブリッジで待ってなさい(ニヤリ)

 

(し、しまった〜〜〜!!

 お願いプロスさん!!行かせて〜〜〜!!)

 

「駄目ですよ、艦長」

 

アキトはメグミを連れてブリッジを脱出した。

恐らくみんなの期待が重荷になったのだろう……。

 

「なんの?」

 

「この裏切り者が〜〜〜〜!!

 逃げるなら誤解といてからにしろーー!!」

 

「よし!!みんなでこの再会を祝してやろうぜ!!」

 

ウリバタケがガイの叫びを無視してそう提案した。

全員、縦に首を振ったかどうかは愚問というものだ。

 

「だからパイロットだってば……あれ?」

 

『到着しました』

 

ナデシコで真面目に働いているのはルリとオモイカネだけだった。

研究所に到着したということをルリが知らせようとしたが全員聞いていなかった。

 

「あの〜……着きましたけど……?」

 

「アキト〜!!

 アキトがいなくなっちゃった〜〜〜!!」

 

「艦長お願いします!!

 これ以上問題を長引かせないで下さい!!」

 

そうプロスが言うとゴートもプロスを援護し始めた。

 

「艦長、今ナデシコは艦長の指示通り目標に接近中だ

 到着したときに艦長がいないとどうにもならない」

 

しかし、そんな真面目に話すゴートを無視してユリカはプロスに突っかかっていた。

ゴートが心の中でベソをかいたのは誰にも分からない。(外見上)

 

「そんなこと言わないで追わせてください!!」

 

「駄目なモノは駄目です!!」

 

そうプロスが断言するとユリカは考え始めた。

 

ポク……ポク……ポク……

          ……ポク……ポクチ〜ン!!

 

そして何か思いついたのか艦内に放送した。

 

「アキトがメグちゃんと逃亡してます!!

 艦長命令です!!

 メグちゃんは良いからアキトを今すぐブリッジに連れてきなさ〜い!!」

 

そう艦内に放送されたがみんな初めは捕まえようとはしなかった。

しかし、その後の言葉によって艦内のクルー(男中心)が追跡者へと変わらせた。

 

「え〜、尚……捕まえられた人には、

 賞品としてメグちゃんの部屋への複製カードキーをプレゼントします」

 

「艦長!!

 その話しはマジか!!」

 

「マジです」

 

「フッフッフッフッフ……、

 ヨッシャア!!

 このウリバタケ率いる整備班が今すぐテンカワを捕まえてきてやらあ!!」

 

ウリバタケはユリカをどけて

自分がナデシコ艦内にいる整備班へと放送を始めた。

 

「全員、テンカワ アキトを至急、逮捕せよ!!」

 

ナデシコのあちこちで奇声が聞こえてくるが、

恐らくウリバタケの放送に同調した整備班のモノだろう。

 

「尚……生死は問わん」(キラン♪)

 

その時……ウリバタケのメガネは確かに輝いた。

 

「凄い特技ですね」

 

「だろ!!

 苦労したんだぜ!!

 なのに女房はくだらないとか抜かしやがって……クソーーー!!」

 

もはや、提督とガイのことは全員の頭の中になかった。

 

「どうにかしろーー!!」

 

「良かった……本当に良かった」

 

「放っておいて良いのかな?」

 

ルリの質問に返事を返す人はいなかった。

 

 

 

 

 

その頃、地球では……。

 

 

「私はどうしてここにいるんだろう……(ハア〜)」

 

イツキが会社の屋上で一人黄昏ていた。

すると、そこにコミュニケによる通信があった。

 

「もしもし?

 クラウン社長のラピス ラズリだよ……ってどうしたの?」

 

「ちょっと、人生について考えていたのよ」

 

「ふ〜ん、

 ……自殺はしないでね☆」

 

「し・ま・せ・ん!!

 ……それより何か私に用でもあるの?」

 

イツキがそういうとラピスが真剣な表情をした。

それにその雰囲気に飲まれて真剣な表情になる。

 

「……用事……か」

 

「一体なんなの?

 私が相談に乗れることだったら乗るわよ」

 

「うん、用事と言えば用事だよ」

 

「……それで……なんなの?」

 

「暇つぶし」

 

「くぅおらぁ!!」

 

イツキの怒声は地球の晴れた青空に良く響いた。

 

 

 

 

 

中編に続く……。

 

 

 

 

 

あとがき

 

 一気に前編、中編、後編を送ろうと目論む。

 しかし、その目論みは自分の“ちひつ”を計算に入れなかったので撃沈。(^^;)

 だから後編をこの時点では、少しも書いてない……。

 完結することが出来るのだろうか?このお話……。(滝汗)

 

 

 

管理人の感想

 

 

Sakanaさんからの投稿第十五弾です!!

そうか、息子だったのか・・・

まあ、ガイに関してはどうでもいいです(笑)

問題はジュンが本性を現した事でしょう(爆笑)

ジュン、お前の本性は既にユリカにはばれているんだよ、もう諦めたまえ(苦笑)

それにしても、イツキ・・・哀愁が漂ってるな〜

 

ではSakanaさん、投稿有り難う御座いました!!

次の投稿を楽しみに待ってますね!!

 

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