機動戦艦ナデシコ<灰>

エピソード12−4/エンカウント・4!

 町が一つ、消えた。
 対外的には『指定伝染病が蔓延しているため隔離』……となっているが、命からがら逃げ延びた少年が『人間は精神的ストレスで死ねる』ことを証明するような状態で発見された。
 その発見された少年…彼に合うために、訪れた人影があった。
「此処にその少年がいるのだな」
「はい、確かに此方であると」
「そうか」
 言いつつ北辰とその従者、足を止める事なく警察病院の隔離された区画を歩いていく。理由は分からないが、北辰の素性を知っているはずの関係者達が、人目も憚らずに床に膝をつけ服従姿勢をとっている。
 ……本当に大丈夫か、西欧のとある国の警察関係者!?
 そして辿り着いた先は、精神科と銘打たれた隔離区画だった。
「ここよりは、我のみが行く」
「北辰様!」
「不服か」
「いえ」
 威厳。
 例え付け焼刃の聖者であろうとも、その本質は武人であろうとも、人間の本質を追求した人間の持つ独特の『何か』…それを手にした北辰に逆らおうとするものはいない。ただ一言、それだけで誰をも安心させるものを持っている。
 ……時たま木星から訪れる客がひきつけを起こして病院に搬入されるが、それは今は関係ないので割愛する。
 従者を残し、牢獄を思わせる堅牢な病室、其処に押し入った。
 そして室内を見、とても簡潔な感想を零す。
「ふむ。……ある意味、見事だな」
 毛布を頭から被った15歳ほどの少年。眠れないのだろう、目の下には深い隈があり、散らばった食器と、食事を吐いた跡が床にある。何かの強迫観念に襲われたのか、何処かのコテージの下にある井戸の底を思わせるような光景……壁に爪が刺さっている。
 壁際に置かれているAVシステムが何か嫌な気配を放っている。それ以前に、脈絡無くノイズを映し出しているテレビと、回りっぱなしのビデオデッキの意味は……。

「……良く生き延びたな」
 そう言いながら、子供の頭を撫でようとして……逃げられた。
 子供はふぅーっ、ふぅーっと威嚇するように息を荒げ、髪を逆立てている。
 この症状は間違いない『地獄の大神官ゴート』に接触した人間特有の、アイデンティティ崩壊から身を守るための防衛反応だ!!
「憐れな…」
 その言葉が、極めて自然に憐憫の情と共に吐き出された。

 青年は恭しく膝をつき、北辰を迎えた。
「ゴート・ホーリ、数日前よりピースランド南部国境にて村を占拠。村人の精神汚染甚だしく…」
「そうか」
 北辰は、何故か久しぶりになってしまうが……真面目に思考を始めた。
 敵の名はゴート・ホーリ。シディと名乗る少女から与えられた情報からすれば……
「『終焉』……奴の手下か…」
「北辰様?」
 怪訝な部下に対し、彼は表情を変えることなく、
「ロストコロニー、と言う場所を貴様は知っているか?」
「いえ…初めて聞きました。火星や木星のコロニーでしょうか…」
「…罪だ」
「罪?」
「かつて、月の独立運動家が火星を経て木星へと逃亡した」
「木連が地球と協定を結んだとき。そのような話は聞きました」
 北辰は目を閉じ、表情を消す。
「逃げ損ねた。いや、見捨てられた人間たちが……どうなったか。それを知る者のみが知る……存在しない場所だ」
「そのような土地が…」
 目を開き、見据える。
「故に、そのような事が二度とあってはならない。力を追い求める者、自分達の正義を信じる者が何を望むか……それを知るが故に、戦わねばならない」
 空気が変わった。
 青年は、その空気に囚われる。
 目の前にいるのは、いつもの聖者然とした武人ではない。罪を悔い、裁きを待つ、悲しい空気。
「封じれた暗く重く、血塗られた真実を知るが故に、ただ一身に罪科を背負い、それゆえに自らを”外道”と呼ぶ。……それが、我だ。」

 ちゃらっちゃら、ちゃら、ちゃらら〜りら〜ちゃらりら。
 コントでスパイを題材にした時によく流れる音楽。それが欲しい光景だった。
「…ジェイ。本当に、ここで良いのか?
「……ムネタケの情報網が残した記録によれば……そうらしい」
 カエンとジェイが呆れたような、何かを諦めているような…そんな顔をして敵対組織の一つ『ラピ工房』の本拠地の前にいた。日もとっぷりと暮れた夜の9時、その建物は昼の顔とは違った、一種不思議なオーラを放っている。
 ……だが。
 それを見て、何か判断できたとき、ジェイは死ぬ一歩手前のような顔と心境で……言った。万感を込めての言葉……
「なんで、よりによって小学校なんだ?」
 その一言に尽きた。
「……昔のアニメなんかだと『学校の地下室に秘密基地がある』…なんてパターンなんだよな」
「じゃ、なにか? あそこのプールが割れて、中から巨大ロボットでも出てくるってか?
 そう言って呆れたような顔をして、二人同時に……
「「HAHAHAHAHA……」」
 頭の上に椰子の木でも生やしてそうな白々しい笑い声を上げるしかない、こんなものを見れば。
 …だが。
「正解でぇ〜す」
「賞品は三泊四日、地球一周〜」
 …旅行を全く楽しめなさそうな賞品だ。それはさておき、Jとカエンは弾かれたように向き直った。
「何者だッ?!」
「『何者だッ?!』と聞かれたら」
「答えてあげるが、世の情け」
 バッと見上げたとき、屋上に人影が現れた。
 ……だが!! 
 其処には、果てしなく馬鹿らしい二人組がいた。何かの制服のような、そうでないような…何か微妙な格好をしていて、胸には『R』のマークが入っている。
「世界の平和を守るため」
「世界の破滅を防ぐため」
「愛と……愛と…なんだっけ?」
 …台詞を噛んだ。
 その瞬間、ムサシはコジロウの顔にフラッシュ・ピストン・マッハ・パンチを打ち込んだ。無論、ムサシはラピスで、コジロウは何故かツヨシ、猫耳をつけたキョウカはおそらくニャースなのだろう。
 水色の着ぐるみが転がっているが、中身はまだ戻って来ていない。ゴキブリの生命力と、飛蝗(小型)の機動力、格ゲーのCPUキャラのような単純な戦闘アルゴリズムを誇るハーリーは、未だに気絶したままだった。しかしアメイジングマイティの戦闘能力で『ン・ダグバ・ゼバと化したジュン』と相打ちに持っていけるとは、ハーリーの身体能力…将来が、不安ながらも楽しみだ。

 ……その頃インは、本当に覗きをしていた事が発覚、メグミ直々の『お仕置き』をされていたらしいが、実際は新作の創作料理の味見だった。
 真実を知らない一部の新人戦闘員などは『うらやましい』と言っていたらしいが、真実を知っている古参の者達は『思い出し腹痛』によるストレスにより、ばたばたと倒れていったようである。
 ……合掌。

 アパートの前の広場に突如現れた無人兵器。それは木連との講和が結ばれた今となっては、珍しいものであっても脅威ではなかった。しかし今そこに有るのは武器を満載し、人に危害を加えるための存在だった。
 悲鳴をあげて人が逃げ出す。
 アパートの反対側でいらん苦悩をするセガワ君は、アパートが影になって見えないからまだしも、人の目線で現れたバッタは酷く恐ろしい物だったから。それが見る間見る間に増え、既に20近い数がひしめいている。
 だが、新たに現れた物は違った。
 それはまさに、首の無い騎士―デュラハン―と呼ぶに相応しい姿だった。
 夜の空にある数限りない星々。それを全身で弾きながら、其処に現れた。蒼い鎧で全身を覆い、胸の高さに上げられた手には兜が載せられている。無論、首は……無い。
 何処となく、本当に何処となくだが、そのデュラハンにはエステバリス系の機体に通じる面影がある。もっとも、装甲の形状が中世の西洋の騎士そのものであることが、大きな違和感を漂わせている。なのに、その雰囲気を破壊するかのように左肩に『EX03』とマーキングされている。
 途端、無人兵器の目に光が灯りだす。
 この辺りは演出過多の木連系の人間が好みそうな設定だ。
<警告。大質量物質ジャンプアウト>
<左ショルダーガードに文字発見。……識別・EX03!>
<最優先破壊対象発見!!>
 無人兵器たちは混乱した。
 人間とは異なる思考…プログラムにより優先順位だけで構成される機械のそれが、攻撃さえ出来ないほどに混乱している。
 それは、大きな隙となった。
 胸鎧が左右に広がり、腹部を覆っていた鎧が上に上がり、コクピットが露呈。シアは相変わらずクーシャをおんぶしたまま、軽く膝を曲げただけのデュラハンの体の上を跳ねるように上がっていく。
 次いで、何故かコクピット内に増設されたチャイルドシート(5歳なので)に乗せる。
 そしてシア自身がシートに座ると、頭を挟み込むように後部から二本、ブレードのようなものがせり出してくる。
「デュラハン、……残り時間は!」
『通常設定170秒、限界設定360秒』
 深く静かな男性の声。凛々しいそれは、この騎士の姿をしたデュラハンの声とするに相応しい。
 だが何故、時間に限界を設定するのか。そして、これほどの力を持つこれを今まで使おうとしなかったのだろうか。
「あああああ、余裕が無いッ!」
「…シア、やはりテンカワ・アキトを何とかするのが先では?
 その言葉を発したときクーシャの顔に有ったのは、年不相応の複雑な表情。だが、シアの悲しそうな顔を見たとき、むしろクーシャの方が迷った。
「ネルガルがナデシコを作ったこと。あれが無ければ、もっと違った世界が来ていた筈……でも」
 顔を上げる。その言葉が引鉄になったか、コクピットが装甲によって再び閉ざされた。
「でも、もう遅いんだ。……歪みを直せなかった。だからもう、終わらせる…!!」
 デュラハンは、兜を首の上に乗せる。僅かに浮き上がったそれは頭部の役目を果たしているようには見えないが、何か意味があるのだろう。周囲に居た虫型兵器たちが…逃げ出そうとする。
「遅いっ!」
 駆け出す。
 姿勢を低くしての、滑るような足捌き。エステバリスのようなキャタピラは存在しないが、それに勝るとも劣らない滑らかな動きだった。二本の足で動いているとは思えないだろう。
 そして、クーシャも珍しく語気を荒くする。
「デュラハン、武装召喚!」
『承知!』
 奇妙な光景だった。
 この機体EX03<デュラハン>には明確な意思が有り、その意思はクーシャにのみ従う。だが、機体操作そのものはシアが行っていた。だが、マニュアルでもIFSでもないそれは、非接触式の脳波計測システム。
 デュラハンは手を頭の前にかざした。すると突然兜が開き、何も無い空洞が現れた。
 いや違う。
 知識として知っているのなら、この光景が”あるもの”と同一ないし同質の光景である…と気づいただろう。
 そう。デュラハンの兜はチューリップと同じもの、ただ違うのは、自らの武器を納めている…という一点。まかりまちがっても『四次元ポケット』などと呼んではいけない。
 そして、現れてきたそれを…一気に引き抜いた!!
 出現点の空間が歪んでいるのか、兜よりも遥かに大きなものだった。それは剣。デュラハンとの対比からすれば、片手剣に分類されるだろうもの。
 それを片手に、虫型に斬りつけた。
<武装確認>
<分類・片手剣>
<斥力場による受け流しが有効>
<…フィールド展開>
 斥力場は光を曲げる。故に姿が歪んで見える…筈なのだが、それどころか、虫型の姿が全く見えないほどの大出力。それは木連で運用されている虫型の比ではない。ではこれは、一体何なのか。
「ファーストアタック!」
 一撃!
 ずむ…ズァ!
 一瞬、押し返されるような異様な手応え。その後、僅かに衝撃で傾いだ虫型を追うようにフィールドの位置も変化、ビリヤードを思い出させる動きで虫型は跳ね飛んでいった。
「切れ味悪っ! プロスペクターさん、手抜き寄越した〜!」
 そう言いながら、まるでゴム鞠のようにボンボン跳んで行くバッタを見やる。
 デュラハンはといえば、ろくに斬れなかった剣を持つ手を、人間じみた仕草でプラプラと振っている。
「あちゃー…このフィールドの固さ…新型かな?」
「デュラハン、分かりますか」
『照合開始……機体に該当なし』
「わかる範囲では?」
『スケール出力は初代ナデシコに相当』
「んー…、プロスペクターさんから連絡は? どっかいっちゃったブレードの捜索頼んでたけど」
『返答はありません。未だ捜索中かと』
「なら仕方ない、このまま行くとしますか!」
 しかしシア自身、苦々しい顔をしていても…目の光は消えるどころかむしろ強くなる!
「じゃ作戦変更。斬って斬って、斬れるまで斬りまくる!」
「シア!」
「これはもう決めた事! …言ったはずだよクーシャ。ボクは『テンカワ・アキトにはなりたくない』って」
 なりたくない。
 ただそれだけ。全ての心を、正に万感の意を込めて…言った。
「デュラハン、セカンドアタック!!」
『…承知!』
 再びデュラハンの蒼い姿が走る!

「もっふーーー(ユリカせんぱぁぁぁぁーーーい)!!」
 その声を聞いたとき、ユリカは悪寒で全身があわ立つのを自覚し、銃を抜いて声の元を見た。
 …ボン太くんだった。
 しかし何故か、黄色地に茶色の水玉であるはずのボン太くんに、赤黒い斑が入っているのだろう。
「ふもっふもーー(二人で愛の世界に行きましょうーー)」
 ゾクリ!!
 駆け抜けた悪寒は、今までの比ではない!
 死ぬ、捕まったら必ず死ぬ、殺される、人間としての尊厳が破壊される、日常に帰れなくなる!! …帰るべき日常があるのか、それはそれで謎だが。
「妖怪、退散!!」
 バン、バン、バン!!
 貫通力・殺傷能力を高めた違法改造弾がユリカの持つ拳銃から放たれる。
 ユリカの細腕でも威力が出せるように改造されたそれは何故かモーゼルだったが、ボン太くんに当たらずに逸れた弾が、向こう側で駐車中の車を空高く跳ね上げた。
 きっと、HOS暴走を防ぐために箱舟に向かおうとする「正義の警察官」が持っていたものに違いない。もっともあちらはライフルだったが。
 ダン、ダン、ダン!
 重い音を上げながら、カメラアイが入っているであろう目の部分に、綺麗に着弾する。
「もっふーもー(照れちゃ駄目ですよー)」
 危機。
 命の危機ではなく、ユリカにとってもっと重要な、危険。すなわち貞操の危機。
 だからもう、迷わなかった。
 懐に手を入れ、ピンを抜き、1.2.…とタイミングを測り…いや謀り、投げつける。気にしないでいい事かもしれないが、その手榴弾には桃色の髪の女の子のマークが入っていた。何故気にしなくていいかというと、投げつけた後にユリカが気づいたからだ。時はもう戻らないのだ。だから、もうどうしようもなかった。
 ユリカはこのとき初めて、心の底から神に祈った。どうかこれが不発でありますように――と。
「ふもーーーっ!!」
「きゃーーーーっ!!」
 スタン・グレネード。
 目を閉じていても突き刺さりそうなほどの凶悪な光の奔流、そして鼓膜を突き破りそうな、既に音ではないもの。それが世界を、少なくともボン太くん(イツキ)とユリカの周囲を完全に染め上げた。

 およそ1秒。
 閃光も衝撃も、ラピ工房製ボン太くんスーツという悪夢の具現により防ぎきったイツキは、恐る恐る目を開けた。
 するとそこには無防備な格好で気絶しているユリカがポツリと。
「ふもっ、ふもっ、ふもっ、ふもっ、ふもっ」
 バルタン星人的な笑いのボン太くん、中身のイツキは例の惚れ薬を手にすると、迷う事無くユリカに近づいた。
 ずどむ。
 タイミング的には、コントでよくある『上から一斗缶が落ちてくる』アレだ。だがそれはアルミではなく人間、より正確に言えば今のスタングレネードで落ちてしまった枝織だった。
「ふもーーー?!(いたいーーー?!)」
「あだだだだ…」
 流石に縦の衝撃には弱かったのか、互いに頭を抑えてうずくまる。
 そこにかかるユリカの声。
「た、助けて……犯される……
 朦朧としたその声には続きが有ったが、それは誰にも聞こえなかった。枝織は迷う事なく、ボン太くんの頭のてっぺんを押す。ボン太くんはバランスが悪い。てこの原理で簡単に転んでしまう。
 じたばたじたばた。
 ……シーン……。
 じたばたジタバタ……!!
「亀みたーい。おっかしぃー」
 そう言うと、ユリカをおぶり、逃げ出した。
「ふーもーふーーー(ゆーかいまーーー)」
 人間の限界に迫る枝織のその走りは、逃げ足と呼ばれるものであることは間違いないが、方向音痴であることを忘れ30分後にこの建物に『似た建物だがまあ良いや……』といいながら入る事になるとは、おぶさったユリカにも想像できなかったろう。
 人聞きの悪い罵詈雑言は、ボイスチェンジャーに遮られて誰にも届かなかった事は、きっと僥倖だった。

 同時刻。
 正史において、晴れ着姿のユリカが通信を行った相手……彼らの居た連合軍本部が、謎の艦隊によって一切の痕跡を残さずに破壊された。
 ボソンジャンプを用いての奇襲、その状態からグラビティ・ブラストの連続射撃、果ては無人兵器…に非常に似た虫型の兵器を用いての掃討戦。
 それは凄惨極まりなく、誰もが目を覆うほどに…いや、目を覆うような人間が残らないほど、苛烈を極めた。
<第一段階…終了>
<第二段階に移行>
<艦隊を率い、サツキミドリ二号を完全に消去せよ>
<…否定>
<優先すべき事案あり>
<歴史の修正>
<デルフィニウムを配備せし軌道ステーション・サクラの破壊>
<否定>
<ヤマダ・ジロウの殺傷>
<優先順位照会……照会……照会……照会終了。作戦修正、ジャンプシステム稼動>

 人間には聞こえない”声”でそれだけの会話をナノセコンド以下で行うと、それらは消えた。一瞬だけの、青い光を残して。


あとがき
 と言うわけで、北辰が再びゴートと戦うための『きっかけ』のような物です。
 ユリカが何気に危険な状況に陥ってますが、いつもの事なので問題にはなりませんね。

 ナデシコが出港しなかった……スキャパレリプロジェクトが立ち消えした事で『起きなかった出来事を起こそうとしている奴ら』がいます。
 でも気にしないで下さい
 どうせ近いうちに正体あらわしますから。

 

 

代理人の感想

EX-03!?

ひょっとして<黒>と<灰>ってリンクしてるんでしょうか!?