「勝利」





〜アーウ゛による人類帝國,<帝都>〜

「司令!、第1防衛ラインが突破されました!」

「な、戦闘開始の連絡から5分もたってないぞ!」

「映像が入りました」

その声と同時にスクリーンにはほんの数分前の様子が映った。



「ハーハハハハハハハ,何人たりとも我が前進を阻むことは許さん!」

文字どうりにアーウ゛達を吹き飛ばしながら突撃する1人の男。
その名をマキビ=ハリという。そう長年の修行によりついに彼はなしとげたのだ。
ハーリースタンビートを使いこなすことを・・・・・

さらに同志ドラえもんによりチーターローションを分けてもらったのだ。
並以下の人間さえ目にも止まらぬ速さにしてくれる薬を,だ。
いくら遺伝子的に強化されているアーウ゛達といえどもその衝撃波に
耐えられる筈がない。まさに瞬殺と言うべき出来事であった。

「・・・・・」

その性、傲慢にして無謀と言われ,その言葉をむしろ誇りとしてきた彼らアーウ゛達もこれほど
非常識な出来事に遭遇することは初めての事だった。この瞬間,マキビ=ハリは2000年を超える
アーウ゛の歴史上,初めてアーウ゛達の度肝をぬいた偉大な人物となったのだ。

「司令!第二防衛ラインが古代生物の青狸に突破されたとのことです」

その通信士の言葉により司令はすぐさま現実に戻った。

「寝ぼけているのか?冗談としては優雅ではないぞ」

だが,現実は非常だった。(笑)




〜同時刻,第2防衛ライン〜

ハーリーが嬉々として第1防衛ラインの残敵を掃討しているころ(ストレス溜まってたんだな〜),
ここ第2防衛ラインもまた壊滅の危機にあった。そう,アーウ゛達の報告の中にもあった青狸こと
ドラえもん1人の手によって・・・・・

「ふふふふふ,さあ,もう残っているのは君達だけだよ。すなおに降参したらどうだい?」

「ふざけるな!」

「いまなら虎屋のドラヤキを1つ付けてあげるよ,ホラ」

「くどい!!」

そう言いつつ彼はドラヤキを叩き落とした。だが,すぐにきずくだろう。
眠れる獅子を叩き起こしたことに。
そして・・・自分の死刑執行書にサインをしたことに。

「ドラヤキを・・・・・落としたな?」

その言葉と共に凄まじい殺気がドラえもんより放たれた。

「う,撃て!」

その命令により幾つも光線が放たれた。だが次の光景に彼等は
自分の目を疑った。なんと光線が曲がったのだ。

「ムダだよ。僕の体の中には君達の時空泡に似たものを発生させる装置がついているんだ。」

「う,うおおおおおおお」

だが一人のアーウ゛が無謀にも彼に向かい光線銃で殴りかかった。
当然,そのまま無視してもフィールドによりミンチにされるだけだ。
しかし,ドラえもんはあえてフィールドを張らず避けもしなかった。

カンッ

「それで?」

「あ、あああ」

その音がドラえもんに与えた全てだった。恐ろしい事にドラえもんの
丸頭にはキズ1つ付かず後光すら放っていた。(笑)

「だから降参したらって言ったのになあ。でも,君達は僕のオヤツのドラヤキを叩き落とした。」

その声には隠しようもない殺気があった。

「許さない,お前達がこの世に存在すること自体許さない!」

「ヒィッ!」

「独裁者スイッチ〜」

「消えろ」 ポチッ

その言葉と共に彼等は消えた。跡形もなく,他のアーウ゛達の記憶の中からさえ。

「あ〜あ,やっぱり四次元空間に閉じ込めた方がよかったかな?」

なにやらとんでもないことを言いつつドラえもんはその場を後にした。
『7分32秒』その数字が全てを物語っている。そう,第2防衛ラインが守った時間を。





〜同時刻,防衛司令部〜

「第1, 第2防衛ライン完全に壊滅しました。」「第2,

「残存戦力は1割をわりこんでいます。」

続々と届けられる報告に司令部には沈痛な空気が漂いつつあった。
防衛ラインが破られる事ではない。その過程と結果にだ。
元々アーウ゛達は陸戦に重きを置くどころかまったくのないがしろにしていた。
宇宙での艦隊戦で戦争の帰趨が決していたから当然と言えば当然だ。
敵が<帝宮>に白兵戦を挑んでくるなど考えたことさえなかったのだ。

「敵の一部が第3防衛ラインを突破!」

「脆すぎる,なぜもっと時間を稼げん?」

「認めたくはありませんが敵の強さは桁が違います」

「まあ,最終防衛ラインでなんとか予定の時間はかせげそうか」

「ええ,要塞化は既にすんでいます」

「しかし,何代前の皇帝かはしらんがよくもまあ,あんな物を作っていたもんだ」

その言葉には呆れている響きが混じっているのを副官は感じとった。
その意見には同意するがそのおかげで助かっているのも事実である。
だが,彼等は気ずいていなかった。彼等の言う敵が実力の1割もだしていない事に・・・・・





〜同時刻,最終防衛ライン〜

「ここが最後か?要塞化してるな。危機管理に少しは気をつけていたのか」

危機感を抱くどころかむしろ嬉々としながら彼は印を結んだ。

『こちらカズマ,最後とおぼしき防衛ラインに到着。
 また,その防衛ラインは要塞化している模様。そちらの
 より楽しめそうだ,以上』





〜同時刻,第3防衛ライン〜

「遊びは終わりだ」

「僕にまかせてよ,アキト君」

「ドラえもんか,どんな手をつかうんだ?」

「ふふふ,まあ見てて」

「原子転換砲〜」

「発射!」

カッ

「・・・あれは?」

「すごいでしょ。構成原子を転換することによって違う哺乳類
 にすることができるんだよ」

そう。アーウ゛達は完全なる猫に変えられたのだ。

「あんな道具,見た事ないけど?」

「うん,そうだよシンジ君。あれはね,ある異世界に行った時に
 マ〇ネラっていう国の王様から譲ってもらったんだ」(オイッ)

「そうなんだ」

「2人とも話しは後にしろ,先に進むぞ」

「ああ,そうでした」

「ごめん,ごめん」

実にのどかな奴らであった。




〜同時刻,防衛司令部〜

「「「「「「「「「「「・・・・・」」」」」」」」」」」

「なんなんだ,この連中は?」

沈黙を最初に破ったのは司令自身だった。だが,そう言われても
他の者達にわかるはずもなかった。

「データによりますと何人かの衣装は古代日本の特殊技能者達のものです」

自信なさげにその返事を返したのはオペレータの一人だった。

「具体的には?」

この時の司令の心境はまさに神に祈りを捧げてもよいとでもいう状況であり
打開策がみつかると言うなら裸踊りでも喜んでしただろう。
そう,彼はなんでもよいからすがる事ができるものが欲しかったのだ。

「今わかっているものの3種類。サムライ,ニンジャ,オンミョウジです」

「どのような能力を持っているのだ?」

「サムライは刃の扱いに長けた者でただの鉄の刃でなんでも切り裂く
 ことができるそうです。ニンジャは歴史上最強の暗殺者であり狙わ
 た者には確実な死がまっているようです。最後のオンミョウジは
 異世界とのチャンネルを開きそこから破壊の力を引き出すものとありますが」

「まさしく奴らそのものではないか」

「おほめにあずかり光栄のいたりと言っておこうか,一応ね」

その第3者の声に彼等は驚愕した。いつにまにか部屋の中に奇妙な服装
をし仮面をつけた男がいたのだ。

「どうやって要塞線を越えてきた?」

司令の質問に司令部の者達はいまさらながらきずいた。
まだ要塞を越えた連絡どころか戦闘開始の連絡すら受け
ておらず自分達の監視にすらかかっていない事に。

「ああ,要塞なら他の奴等がもう始末したよ」

「バカな!どこにもお前「<帝都>のシステムは全てのっとった」

「そ,そんなことできるはずがない」

「では証拠をみせよう,『真実は時に重く』」

その言葉と共にスクリーンの映像が一変した。

「・・・悪夢だ」

司令の言うとうり悪夢とも言うべき光景だった。要塞はすでに
その形そのものを失っており正常に戻った監視システムは守備隊
そのものが壊滅した事を教えていた。敵の姿もいくつかは映って
おり中には昼寝をしているものまでいるしまつであった。

「わかっていただけたかな」

「そんな,そんな・・・こんなことがおこるわけない!あそこは要塞化
 されていた上に兵力は第1,第2防衛ラインを併せた数より多いんだ!」

「もしかしてあれを本気だと思ったのか?」

そのカズマの声には憐れみさえはいっていた。

「あれで本気でないと?」

そのように彼に聞いてきたのは司令ではなく副官のほうだった。

「まあ,そう言う事だ。それで降伏か死かどちらを選ぶ?
 ついでに言うなら皇帝はもう降伏したぞ」

最後の言葉は完全に彼等を屈服させるのに充分だった。
本来なら彼等とてこのようなことを信じるはずがない。
しかし,歩く非常識とも言うべき力をこれでもかと見せ
つけられた彼等にとってはトドメとなる一言だった。



―こうして<帝都>は陥落した。その所要時間『48分36秒』―

余談ではあるが皇帝を降伏させたのは『歩く媚薬』の異名をとる
アキト,シンジ,速水の3名であった。彼等が去った後の皇帝は
なぜか顔を赤くそめていたそうだ。





 あとがき

「やっと3話を書けました」

「言い残す事はそれだけか」

「ゲッ北斗!なぜここに?ダミーをばらまいといたのに」

「気配がなんとなく違ったのでな」

「くっ」

「死ね」

ザンッ!

ハラリ

「これは,式紙人形だと!自分の血で名前を書いたのか。
 いつもながら頭にくるヤツだ」

シャッ



『いったみたいだな。まさか真下の地下にいるとは思うまい。
 それでは読んでくださったみなさん,縁があればまた会い
 ましょう』