(「どんなことがあってもハーリー君を信じると、

彼はあなた達のためにこんな事をやっているんですから。」)

私はあの言葉が今でも心のどこかで引っかかっていた。

(ハーリーの奴何のつもりでこんな事やってるのよ。

あったらただじゃあ置かないんだから。)

『ラピス』

(そうよキョウカと一緒にとっちめてやるんだから。)

『ラピスドウシタノ?』

「へ?」

私はオモイカネに呼ばれていたことに気づいていなかった。

『キュウニダマルカラビックリシタヨ。』

「ごめんごめん、少し考え事してたから。」

『ソレッテハーリーノコト?』

オモイカネの言葉は今ちょうど考えていたことだった。

「う!・・・・そんなこと無いよ。

さあ早く仕事終わらせよ。

そうしないと結婚式に遅れちゃうよオモイカネ。」

『・・・・わかった。』

そういったオモイカネはすぐに仕事に戻った。

(危ない危ない、ハーリーのこと考えてたなんて。)

今私はナデシコCのブリッジで残っていた仕事をオモイカネとやっていた。

今日このナデシコCでアキトとルリの結婚式が行われる。

でも私はそれよりもアリスの言葉が気になっていた。

(もし何かあるなら今日のような気がする。)

私はそれが合っていることを知ったのはそれから少し経ってからだった。

        新たなる道筋への序章
             第7話
            結婚式
   


       


同時刻

私は今ミナトさんとユリカさんにドレスを着るのの手伝いをして貰っている。

「おめでとうルリルリ。」

「え・・あ・ありがとうございますミナトさん。」

急に言われた言葉に少し戸惑いながら私は答えた。

「でも早いよね〜艦長」

「そうだね、もうルリちゃん18だもんね。」

そういってユリカさんとミナトさんは微笑んでいる。

「でも〜残念ね〜ハーリー君まだ見つかってないんだもんね。

何やってるんだろう?」

そのミナトさんの言葉は私を悩ませる原因である。

あの時アリスさんに会ってから私にはどうにも納得いかないことだらけだった。

たとえばなぜハーリー君は直接来ないのだろうとか。

アリスさんの言葉にあった調整とは何なのか。

そしてアリスさんがジャンプしたということ。

最後のジャンプは一番悩まされている。

しかし。

「さあ、私にもわかりません。

でも来るんじゃないですか?」

「う〜ん、そうかもね。」

今は結婚式だけに集中しよう。




「どうだ、会場の様子は?」

俺に近づいて来たナオさんが聞いてきた。

「ええ、結構います。

まあでも大体いつもの人達ですよ。」

そう言って俺は微笑んだ。

「そうだなアキト関連だといつものメンツしか来ないもんな。」

「そうですね、それに戦艦に来れる人はある程度信用できる人達ですから。」

「そうか、ところでジュン。」
 
そう言ったナオさんの嬉しそうな顔に俺は嫌な予感を憶えた。

「な・何ですか?」

「おまえとユキナ何時結婚するんだ?」
 
「へ!」

その言葉に驚いた俺は変な声を出してしまった。

「おいおいそんな声出すなよ。

一応聞いてみただけだ。

・・・・まだ気にしてるのか?」

それは俺にとってまだ少ししか解決していないことだった。

チハヤ・・俺が守れなかった人たしかにまだ全ては解決していない。

でも

「はい・・・・でももう少しで答えが見つかりそうな気がするんです。

それが出来たら俺はユキナと・・・・」

「そうか、がんばれよ。」

そう言ってナオさんは他のところへ歩いて行った。

「答えか・・・・」

そう俺は一人呟いた。

結婚式まで後もう少しである。






暗いコックピットの中俺は一人笑っていた。

これから始まるショーを思うとこの頃はそうなってしまう。

「シャフトもうそろそろ時間だ。」

「ああ、わかった。

ところでみんな調子はどうだい?」

「OKだ。」

「こちらも。」

「こちらも了解です。」

「リョウカイ。」 

「そうか、じゃあショーの始まりだ。」

俺の言葉に合わせるようにコックピットの中が光り始めた。

そう、ショーは始まるのだ。

悲しみのショーがな。




『新郎新婦の入場です。』

『ワアアアア』

スピ−カーから聞こえてくる声が僕のコックピットの中に響いた。

「本当にお祭り好きだよね、みんな。」

ウインドウに写っている千沙に僕は話しかけた。

「そうねみんな好きよねこういう事。

ところで良いのアカツキ?機体に乗っているけど。」

今僕と千沙は自分たちの機体に乗って宇宙空間にでている。

「大丈夫、オモイカネには僕から行っておいたし今はだれも僕らを気にはしないよ。」

「まあ今ルリとアキトさんの結婚式だからそうだけど。

一体どういう意味でここにいるの?」

ここにいる意味は普通なら無い。

火星の後継者の乱からテンカワ君を敵に回そうとする連中はほとんどいなくなった。

彼の力と彼の奥さんの力は絶大であるからね。

でも。

「ハーリーがつい最近僕との連絡を絶った。」

「え!ということは。」

「そう、もうそろそろ何か起こると思う。」

「そうなると一番怪しいのは。」

「この結婚式になるということ。」

「わかったわ。私も真面目にならなきゃだめね。」

「すまない。君を巻き込んでしまって。」

これは僕の本当の気持ちだ。

「いいわよ。秘書やる前からわかってたことだし。」

そう言って千沙は僕に微笑んでくれた。

「ありがとう。」

その瞬間。

ビーーーー

急にセンサーが鳴り出した。

「何!」

突然僕の前方の宙域に3機センサーに反応したのだ。

ボソン反応も無い。

突然でてきた。

しかも

「いない?」

センサーには反応しているのだが肉眼では見えないかった。

しかしそれ以上に驚いたのはセンサーの反応した機体が。

「フローディアとブラックセレナと夜天光!」

であったからだ。

「でも何でこの3機が?」

千沙も気になっていることは僕も同じく気になっていた。

しかし、今の僕らでは何もわからない。

僕らはただ警戒するしかなかった。

すると相手から通信が入ってきた。

「ほお、2機配備してあったか。」

「たしかにいなければ面白くない。」

「そうだな。」

3つの声の内2つ僕たちが知っている声であった。

しかしあるはずがない声である。

「なぜだ。」

「なぜなの?」

千沙もあいつらの通信を聞いていたらしく僕と同じ反応をした。

「やはり、アキトの声と北辰の声は驚くらしいな。

ではもう1つ驚いて貰おう。」

一番最初にしゃべり出した奴がそう言うと2つのウインドウが開かれた。

「「!」」

僕と千沙は目の前にでてきた顔が信じられなかった。

その2つの顔は。

「なぜだ、なぜテンカワ君と北辰がそこに?」

テンカワアキトと北辰であったのだ。

「なぜかって、それは君たちは知らなくて良いんだよ。

だって君たちはここで死ぬんだから。」

その瞬間3機のマーカーが僕たちのすぐ近くまで来ていた。

「何?」

そう言って僕が周りを見たが何も見えない。

ドゴーン

「う。」

「キャアー」

次の瞬間には僕たちの機体はかなりの損傷を受けていた。

「早いな〜もうちょっと抵抗してこないの?」

あいつは楽しそうに話しかけてきた。

しかし周りには機体の姿はない。

「くそだめだ。

千沙そっちはどうだ」

僕の機体はほとんど動かせない状態だった。

「こちらもだめ。」

千沙の声には悔しさがこみ上げている。

「じゃあお終いにしょうか。

このあとあのナデシコをじわじわと壊さないといけないから。」

あいつはそう言うと3つマーカーが僕たちのところにゆっくり近づいてる。

その時

僕たちの目の前を光が通った。

「何?」

あいつの声に初めて焦りの色がでている。

するとすぐに僕たちの肉眼で、

あいつらの3機の機体が見えるようになっていたのであった。

すぐに僕たちのところに音声回線が接続された。

「大丈夫ですかアカツキさん?」

その声に僕は聞き覚えがある。

そしてすぐ後に僕らの前に3機の機体がボソンジャンプしてきた。

それも僕はしっている。

「ああ、なんとかね。」

「よかった〜。」

「私がナデシコCの近くまで持っていきます。」

この声はたしかユリエ君だったな。

「ありがとう。」

「すいません。」

僕と千沙は謝ることしかできない。

「いいんです。」

「ユリエ、早めに帰ってこい。

それまであいつら押さえとく。」

「わかったわ南斗」

「それじゃあ始めるか南斗、ユリエ。」

「「了解」」

それを合図に1機ユリエ君が僕たちをナデシコCの方に持っていき、

後の2機南斗君とハーリーはあの3機に向かっていった。

「アカツキ。」

千沙がウインドウを出してきた。

彼女の顔は悔しさがこみ上げている。

「しかたないよ。

これじゃあ足手まといだからね。」

そう今の僕たちは足手まといでしかない。

だから観戦するしかないのだ。

ハーリーが何をしようとし、何が起きていくのかを。

『それでは誓いのキスを』

そんな中僕たちのコックピットにはまだ結婚式の声が響いていた。

結婚式はまだ終わっていない。

それが悲しみになるか、喜びになるか彼らの手にかかっている。

最終話へ 


作者の部屋の座談会 
聖:どうも第7話完成しました。
アリス:でも2週間かかりましたね。
聖:ギク!(汗)
ハーリー:それも代理人さん迷惑かけたし。
聖:ギク!ギク!(汗)
アリス:それに執筆放り出してゲームやってるし。
聖:ギク!ギク!ギク!(汗)
ハーリー:仕方ないですよ。作者ですから
     そんなことだから感想メールが少なくなるんですよ。
聖:グサーーー(バタン)
聖竜は倒れていしまった。
ハーリー:は〜作者やられちゃったよ。
アリス:当然の報いです。
ハーリー:しかしこの話次回で終わるみたいだね。
アリス:そうみたいね。
    たしかこれが序章なのよね。
ハーリー:ああ、題名からわかるように序章になっているんだ。
アリス:じゃあこれからどうなるのかな
ハーリー:まあ作者がこの調子じゃあ期待できないかもね。
アリス:それを言わない方が。
ハーリー:まあね。
アリス・ハーリー:それでは

 

 

代理人の感想

会話に抑揚がないかな・・・?

例えていうならセリフを棒読みしてるような感じ。

ちょっと注意して見てください。