「オラァ!急げー!そこさっさと退けー!!踏まれるぞー!!」

コロニー探査の為格納庫は異様に慌しい。

『さぁていくかぁ!』

『おー!』

『…』

3人娘の出撃である。

「では0Gフレームの回収お願いしまーす!」

ユリカは元気一杯だ。

「…あれ?アキトは?」

「はて?何処に行かれたんでしょうね?」

「ミスター、そのヌンチャクをどうするつもりだ?」

「はっはっはっ!これは失敬!」

「…最近のプロスさん変わったわねぇ」

大体の理由は想像がつく。

「ばかばっか」

中々賑やかなブリッジだった。

 

 

「はむはむ」

ちなみにメグミはカニ鍋を突いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

伝説の3号機

その8

 

 

 

 

 

 

 

 

「行ってみるかぁ!!」

アキトはどうやらのっけからアクセル全快のようだ。

「おーい!テンカワー!お前宇宙用乗れるのかー!?」

「おう!こう見えてもオレは昔『踊る左遷魔人』と呼ばれた男だ!何とかなる!!」

お前は幾つ2つ名を持っている?

「訳わからんぞお前ー!?それに宇宙用乗るのと何の関係があるーー!!?」

知らん!いくぞぉ!!」

「テンカワああぁぁぁっ!!もしオレのエステちゃんにキズをつけたらどうなるかわかってるよなあああぁぁっ!!?」

「…前向きに検討する」

「政治家みたいなこと言うなあああぁぁっ!!余計信用できんわああああぁぁぁっ!!!」

「とにかく出るからどけぃ!」

「あーもう!知らんぞオレは!オイお前ら!バカが出るぞぉ!退避ーー!!!」

「バカって言うなああぁぁぁっ!!!」

本当に大丈夫なのか?

 

 

 

 

 

 

こちらは3人娘。

「さてと…生物反応は…無しか」

「目的ポイント確認したよー」

ポロロン♪

「…くっくっくっ」

コクピットの中でもウクレレの音が聞こえる。

謎だ。

「突っ込むぞー!!」

「素潜り開始ー」

ペロロン♪

「…へっへっへっ」

本当に謎だ。

こっちも大丈夫なのだろうか?

 

 

 

 

「お、あったあった。意外と早く見つかったな」

「お宝はっけーん!」

早くも目的物発見である。

ポロン♪

派遣された私達がお宝発見…ぷっ…くくく」

「「…」」

何だか寒い気がする。

 

「はぁ…さっさと…」

「おーい!!」

「ん?なんだぁ?」

「オレにも見せ場ああああぁぁぁっ!!!!!」

「あ、変人」

「変人言うなあああああああぁぁぁぁっ!!!!!」

今日のアキトはメチャクチャ言われっぱなしだ。

 

ガコッ!

 

「…何がしたいんだお前は?」

「家庭菜園の方をちょっと…」

「で?本当は何がしたいの?」

「…何かやらせては頂けぬかのう?」

爺さんかお前は。

ペン♪

「イエス…イエスの反対は?ノー…頂けぬかノー…ぷっ…くくく…」

「「…」」

寒い。何故か寒い。

 

 

「あの〜…その前に助けてくれるとありがたいような気がする今日この頃」

アキトエステは壁にめり込みながらジタバタしていた。

 

 

「あ〜!もう!さっさと回収して帰るぞ!」

「は〜い」

ポロロン♪

「…りょーかい」

「それだけかい」

何を期待しているお前?

「全く…ん?」

「どうしたのリョーコ?」

「いや、何か光ったような……っておおおおおお!?」

何と倒れていたエステが起き上がった!

しかもあちこちにバッタが取り付いている。

「ひゃーバッタがエステ操ってるよー!」

「そんなん有りかー!?」

「…」

3人娘は戸惑っている!

 

「えーと?3つ揃うとアンコで、それが更に3つで3アンコーで、更に…」

アキトは何故かマージャンの役を覚え始めた!

アキトは混乱している!

 

 

カチョッ

シュパパパパパパパ……

バッタ達がミサイルを放つ!

「どわわわわわわ!!」

「うひゃあああああああぁぁ!!」

「ひょえーーーーー…」

3人娘は防御体制をとった!

 

「はい!この『髭ダンスセット』まずは500円から!…1000円!…2500円!」

アキトは何故かオークションを始めた!

アキトは大分混乱している!

 

そしてミサイルがアキト達を包み込む!

 

ちゅどどどどどどおおおおおおぉぉん!!

 

「…ちぃ!エネルギーの無駄遣いさせやがって!」

しかし3人娘フィールドを張り難を逃れたようだ。

「だが、総重量はそっちが上だ!一気にいくぜ!」

「そうそう!やっちゃうよー!」

「行かせていただきます」

さすがにイズミも真面目モードだ。

 

「…」

…アキトも一応無事のようだ。

エステがイイ感じにプスプスいってるが。

 

「だありゃあああぁぁっ!!」

リョーコが接近戦に持ち込もうと突撃する!

 

シュパッ

 

「なにいいいぃぃっ!?」

「うそーー!?」

「やるわね」

なんとバッタの腕が伸び、柱づたいに動き始めた!

「早すぎるよー!」

「うむ、確かに早いな。花瓶と比較すると摂氏342℃くらい?」

アキト復活!

「なんで花瓶と比較する!?しかもそれは温度だ!」

「そうなのか!?」

「素で言ってんのかお前!?」

「わざとに決まってるだろうが」

「…後でぶちのめす」

アキトお仕置き決定。

「それにしても結構早いな」

「そんなに早いかなぁ?」

「いや、早いって。大体通行標識くらい?」

「なんで通行標識ー?」

ヒカルは不思議一杯といった感じだ。

「…飽きないわね」

「平日半額ですから」

「そう」

ペン♪

納得するなよ。

 

「だぁー!憂さ晴らしだぁー!!いくぞ!ヒカル!イズミ!」

「よーし!」

「くわばらくわばら」

「オレは…?」

「オメーはあっち行ってろ!」

げしぃ!

「ぬああああぁぁぁっ!!」

アキト強制退場。

「決めるぞ!」

「「たりゃああああぁぁ!!」」

ヒカル、イズミが一気に間合いを詰める!

「「ひゃー♪」」

だが直前で軌道をずらし敵を混乱させる!

そこにリョーコが突っ込んだ!

「終わりだあああぁぁっ!!」

 

ドグシャァ!!

 

「おりゃあああああぁぁぁっ!!!」

リョーコは敵を掴みながら柱に激突させていく!

「うおりゃぁっ!!」

 

ゲシャァッ!!

 

勢いに任せそのまま敵をコロニー外へ吹き飛ばた!

「あ!?しまった!そっちはナデシコの方向だ!!」

リョーコは気づくと同時にスラスターを噴かそうとする。

「任せろやああぁぁぁっ!!」

だが突然、何処からともなく帰ってきたアキトが割り込み全速力で敵に向かった!

「な!?おい!無茶するな!」

「安心しろ!これでも『銀河破天荒氷砂糖』と呼ばれたオレだ!全部任せては如何?」

「何言ってんだお前ー!?」

「とにかくギリギリだな!確かにギリギリだ!そう!大丈夫じゃねぇ方にギリギリだがな!

「それじゃダメだろうがー!!」

「何を言うか!これはお勧めだぞ!?よし!更に今なら同じ値段でもう1つ、いやもう2つ、いやいやもう5つ付いてくるぞ!これでどうだ!?」

「何で怪しいテレビショッピングやってんだお前はー!?」

「さてな!まあそこで茶でも飲みながらヨガでもしとけ!!」

「ここは居間じゃねーしヨガをする意味が何処にあるー!!?」

「それは勿論明日晴れるようにだ!」

「ここは宇宙だー!!!」

遊ばれてるなリョーコ。

しかし、なんだかんだ言いながらアキトは敵に追いついた!

 

 

 

 

「亡きヤジンよ…今こそお前の力を貸してくれ…!」

だから死んでないって。

 

 

 

 

「くらええぇ!ひっさあああぁぁ……あ?」

 

 

 

 

 

 

 

カチョッ

シュパパパパパパパ……

 

 

 

 

 

 

 

チュドドドドドドドオオオオォォン!!!

 

 

 

 

 

 

 

「……ぐぺ」

バッタのミサイルを喰らいまくってアキトエステ退場!

「結局やられてんじゃねーか!!!」

リョーコのツッコミが木霊する。

「…けどアキト君、何がしたかったのかなぁ?」

ヒカルはちょっと呆れ気味だ。

ポロロン♪

「…おいしいわね」

イズミは何故か対抗意識を燃やしていた。

 

まあ結局その後、リョーコが0Gエステ バッタ付き(デビルエステバリス ヒカル命名)を倒しましたとさ。

 

 

 

 

 

 

「あーー!!オレのエステちゃんがあああぁぁ…」

ウリバタケはイイ具合にボロボロなアキトエステを見て頭を抱えている。

「まあ名誉の負傷というやつだ。そう気を落とすなタイヤ班長」

アキトは何故か晴々とした表情をしていた。

「テェェンカァァワァァァァ……」

「おぉう…ど、どうした?タイヤ班長。目が据わってるぞ?」

「覚悟は出来てるな…?」

「な、何のかな?」

「ふっふっふっ…確かオレは出る前に何か言ったよなぁ?え?」

「え、えーと?…お、覚えが無い、かな?」

「そぉうかい。じゃあ思い出させてやろうかぁ?」

「い、いや結構でござりまする。タイヤ班長殿」

「遠慮するなよぉ。なあ、お前らもそう思うだろ?」

「「「「「「「「「「「うぃす」」」」」」」」」」」

何時の間にか整備班が勢ぞろいしていた!

「んな!」

「じゃあ始めますかねぇ」

「は、は、は……」

 

ダッ!

 

アキトは逃げ出した!

 

ガシィッ!

 

だが捕まったようだ。

「へっへっへっ、テンカワぁ?オレがコロニー内で言ったこと覚えているよなぁ?」

「な、なんの事でございましょうか?スリ殿?」

「お前が覚えていなくてもオレは覚えているから問題無し!」

「それもそうだな」

「「「「「「「「「「「うむ!」」」」」」」」」」」

全員同意のようだ。

「さぁて覚悟はいいな?ああ、それと冥土の土産に何か言い残すことは有るか?」

殺る気満々?

何気に持ってるし。

「……神よ。なぜ私を見捨てたのですか?」

信仰心なんてもの有ったのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あんぎゃあああああああぁぁぁっ!!!!」

その日、格納庫に絶叫が響きわたったそうな。

合掌。

 

 

パロロン♪

「・・・つくづくおいしいわね」

ただ約1名はちょっと羨ましそうだったとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え〜と?あ、いたいた。アキトさん?どうしたんですか?こんな所で寝てたら風邪ひきますよ?」

「………」

メグミが呼びかけるが返事が無い、屍のようだ。

「もしもーし…もう、仕方ないなぁ、よっと」

ズルズルズルズル……

アキト、2回目の引きずられながら格納庫退場である。

 

 

 

 

シュッ

「ふ〜ようやく着いた」

ここはアキトの自室である。

「アキトさん着きましたよ?」

「……」

返事は相変わらず無い。

「えーと、お布団はっと…流石はアキトさん。個性的な部屋…」

どんな部屋なんだ?

ごそごそ…

「あ、あったあった…よいしょ…アキトさん?大丈夫ですか?」

「…」

「アキトさん一体何があったんですか?」

それは知らない方がいいだろう。

「とにかく寝かせておきますか」

ごそごそ…

とそこへヤツが現れた!

シュッ

「アキトー!大丈夫だったー!?」

「キャッ!?…って艦長!突然入ってこないでください!」

「あれ?メグちゃん何でアキトの部屋にいるの?」

「それはこっちの台詞です!何で艦長がココにいるんですか!?」

「それはもちろんアキトが心配だったから!」

「私もです!それにアキトさんはもうお休みになりますから出てってください!」

「え?そうなの?でもメグちゃんは何してるの?」

「それは私がアキトさんを寝かせてあげようとしてたら突然、艦長が飛び込んできたんじゃないですか!」

「そうなんだ!じゃあ、私が変わりにアキトを寝かせてあげるからもういいよ!」

「そうはいきません!私がアキトさんを寝かせてあげるんです!」

「む!ダメ!私がアキトの世話をするの!だからメグちゃんはブリッジへ戻って!」

「嫌です!それにこれは最初から私がやっていたことですよ!邪魔しないでください!」

「むむ!じゃあ艦長命令です!アキトの世話は私が行います!」

「公私混同しないでください!そんな命令は聞けません!」

「命令違反の罰則は重いよメグちゃん!いいからききなさーい!

こんなやりとりが暫く続いたとか。

 

「……もう寝かせて」

哀れである。

 

 

 

 

 

 

 

この後、アキトは目覚めたとたんプロスに捕まり先の戦闘の件で散々説教をくらい再びマットに沈んだとか。

不幸なヤツである。

 

 

 

 

 

 

 

 

アキトの運命はどっちだ!?続くような続かないような思わなくも無きにしも非ず。

 

あとがきです。

こんにちは、彼の狽ナす。

アキトまるっきり役立たずだな〜。

…ちょっとは強くしてやらないとTV版アキト以下になってしまうなこりゃ(汗)

まあいいか!

とにかく!出来ました『その8』!お楽しみいただけたでしょうか?

次回は…まあノンビリ行きますか。ギャグ中心で(笑)

それではまた何時かお会いしましょう!

 

みなさん、感想ありがとうございます!苦悩してても執筆がんばります!

 

 

 

 

 

 

…ミサイル喰らいまくっても死なないのは…まあお約束ってことで(爆)

 

 

管理人の感想

彼の狽ウんからの投稿です。

いやぁ、戦果より受けを優先するアキト!!

いいなぁ、美味しいな・・・(決してイズミと同類ではありませんよ、私は)

何気にメグミとも良い仲になり、リョーコで遊んで(笑)

今後のアキトの行方が楽しみです。