「間違いないのか?」

「はい、識別信号確認しました。間違いありません」

「そうか…」

「でも提督おかしいです。アレ…クロッカスがチューリップに吸い込まれたのは地球じゃないですか。それがどうして火星に?観光?」

「そんな訳ないだろうユリカ…」

ジュンは呆れつつも軽いツッコミをいれる。

「前にも言わなかったかしら?アレは木星蜥蜴の母船ではなく一種のワームホール、ゲートだと考えられると。
だからクロッカスが地球でチューリップに吸い込まれたとしても何ら不思議はないわ」

すかさずイネスが説明を入れる。

珍しく短めだが。

「じゃあ地球に飛来している木星蜥蜴は火星から来ているということか」

「そうとも限らないんじゃない?クロッカスと一緒に吸い込まれた艦…え〜と?」

「パンジー」

「そうソレ。ソレの姿が無いじゃない。出口が色々有るんじゃ使えないでしょ?」

「おー…ミナトさん珍しく的を得た発言ですね」

「…艦〜長?そ〜れはど〜ういう意味かな〜?」

「あははははははは…」

ユリカの乾いた笑いがブリッジに木霊した。

 

 

 

 

 

 

 

伝説の3号機

その14

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「偵察に出ましょう」

「いえ、その必要は無いでしょう。我々には別の目的があります」

「でも生き残りの人達が居るかもしれませんし…」

一見真面目な光景だがユリカの頭のタンコブがそれを台無しにしていた。

 

 

「ではクロッカスは現時点では見送る形で。それでは北極間、そこに有るネルガルの研究所へ向かいます」

「…提督どうしますか?」

「うむ。エステバリスで先行偵察を」

「はい!ではリョーコさん、ヒカルさん、イズミさん、アキト…?あれ?アキトは?」

「ああアキト君?彼なら今は医務室よ」

「え!?医務室!?アキトどうかしたんですか!?まさか何か怪我?それとも病気?ま、まさかおめでた!?

「「「「「「「「「「「「んな訳あるか」」」」」」」」」」」」

すかさずユリカのボケに総ツッコミだ。

今更だがナデシコクルーの大半がツッコミのアビリティを所有しているのは言うまでもない。

アキトの存在の賜物だろう。

 

「で、テンカワはどうして?」

「まあ貧血ね」

「貧血?あいつそんなに体弱くないでしょ?」

「…まあ丈夫でも貧血の1つや2つ起こるものよ」

「はぁ…」

ジュンの質問にイネスがキッチリ答える。

まあその貧血の原因が本人というのもあれだが。

 

 

 

 

 

「はぁ…どうもこの砲戦フレームってのはトロくて好かねーな」

「まあまあリョーコたまにはいいんじゃない〜?」

ポロロン♪

「…ふふふ、そうそう。たまにはトロトロリョーコ…くくく…」

「お前らああああぁぁっ!!」

結局3人娘のみで偵察に出たようだ。

しかし緊張感は皆無だった。

「でも研究所なんて何処に有るんだー?」

「ん〜地図にも載ってないしねー…う〜ん…さっきから受信しようとしてるんだけど中々これも……」

ヒカルよ、一体何を受信しようとしてる?

「待って!」

「ど、どうしたイズミ?」

「いきなりシリアスイズミ〜?ちゃんと事前連絡とか選挙とかアンケートとかはしてよね〜ちょっと心臓に悪いから」

…確かにギャップは激しいがソレもどうだろう?

「何か居る」

「何!?何処に?」

「レーダーにも受信にも特には何も…うきゃあああぁぁっ!?

「ヒカル!?」

「見えない…!足元!?」

イズミが足元を見た瞬間ソレは現れた!

 

どがあああぁぁぁっ!!

 

「くっ…!」

 

キュキュキュン!

 

すかさずイズミエステがライフルを正射するが当たらない!

そして敵はすぐに地面に潜った!

「ごめんリョーコ!そっちに行った!」

「何!?くっ…うわああああぁぁっ!!

だがリョーコエステは反応しきれずに敵に押し倒される!

「くそぅ…!だから砲戦ってヤツは…!!」

そしてリョーコエステには敵が取り付いていた!

敵の口元にあるドリルがリョーコエステに迫る!

「…あ…あ…やだ……イズミ……ヒカル………テンカワーっ!!!

 

 

 

「へいお客さん!出前の特製うな丼お待ちぃ!!」

 

 

 

ズドガァッ!

 

 

 

突然現れたアキトがリョーコエステに取り付いていた敵を蹴り飛ばした!

しかし誰が出前した?

「よし今!一斉正射!」

「「了解!」」

イズミの号令と共に敵にライフルの雨が降り注ぐ!

そして集中砲火を喰らった敵は爆発し消え去った。

「ふぃー間に合ったなー」

『す、すまねぇテンカワ…』

「あ?何が?」

『何がって助けてくれたろ?』

「は?何を言っている?オレは出前を届けに来ただけだぞ?まあ途中邪魔なヤツが居たから蹴り飛ばしたけど」

『……………じゃあ何か?つまりお前は戦闘中の所へ態々エステに乗って出前に来て障害物だった敵を偶々蹴り飛ばしただけだと?』

「その通り!」

『…………………………何か異様に疲れた』

「どうした?スタミナ不足か?ならば後で特製定食を作ってやろう!楽しみにしておれ!はっはっはっ!」

貧血で倒れていたクセに異様に元気だ。

 

「あ、そうそう。はい出前」

パロロン♪

『どうも〜』

やっぱりお前かい。

 

『でもリョーコー?聞こえたよー?』

ペロン♪

『ふっふっふっ…私も〜…もぐもぐ…』

『な、何だよお前ら…あ!…さ、さっきのアレはその…そう!ついだよ、つい!』

『ほ〜『つい』でね〜…ほ〜』

ポロロン♪

『ほ〜…ほ〜…ほ〜…むぐむぐ…』

ここにウクレレを弾きながらうな丼を食うフクロウが存在している。

「…?何の話だ?定置網漁の仕方か?」

何でそんなの知ってる?

『う〜………わかったよ!奢るからカンベンしてくれえええええぇぇっ!!!』

『やったー♪じゃあ『ホウメイガールズ特製チョコパフェDX』〜♪』

ポポロン♪

『テンカワ特製いざ秘境へ!たこ焼きの旅!』宜しく〜』

何だ?たこ焼きの旅って。

「おお!あのミッションに挑むのか!?無事で帰れる保障は無いぞ!?」

食いもんじゃないんかい。

 

ちなみにちょっと先に研究所が有ったりするだが面々が気づいたのは30分後だった。

 

 

 

 

 

「周辺をチューリップが5つか」

「厳しいですね…というか無謀ですね」

ゴートとジュンが難しい顔で喋っている。

というかこんな時じゃなきゃ出番がない。

そして只今研究所に行く為の作戦会議中である。

「しかしあそこを取り戻すのが言わば社員の義務でして、皆さんも社員待遇であることをお忘れなく」

「…オレ達にあそこを攻めろってぇ?」

リョーコがをちらつかせながらプロスを睨みつける。

ちなみにヒカルとイズミに奢る羽目になったので少々不機嫌リョーコだ。

だがプロスは自慢の武器整理をいきなり始めていて気づかなかった!

「ふっふっふっ、ウリバタケさんもたまには良い物を造りますね〜」

少々目が危険なプロスだった。

「私はこれ以上クルーの命を危険にさらすのは反対です!特にアキトの命は!そうよ!アキトが死ぬ時はユリカも一緒!
そうして何時までも2人は手に手を取り合い末永く永遠に…」

ユリカはマイ妄想に突入した!

「ふふふ…説明…説明は必要かしら?」

イネスは獲物を狙う目で周囲を見渡している。

これは警戒が必要だ。

「…あ〜…コホン…アレを使おう」

「「「「「「アレ?」」」」」」

フクベの一言で全員正気に戻ったようだ。

大丈夫なのか本当に。

 

 

 

 

「おらー!後3分で仕上げるぞー!!」

「「「「「「「「「「うぃーす」」」」」」」」」」

格納庫は何時も道理活気に満ちているようだ。

…暑苦しいとも言うが。

 

「考え直して頂けませんか提督、危険です。私が行きます!」

珍しくゴートが自己主張している。

「まあ大丈夫でしょ、何せオレが居るわけだし。まあ気楽に行こうや。ね、ゴホ?さん」

「お前が同伴するのが1番危険なんだ!」

危険ってそっちかい。

「何ぃ!危険だと!?ならばオレの何処がどんな風にか上げてみよ!ほら原稿用紙!但し400字以内!
誤字、脱字、文の流れがダメなら最初からやり直しだからな!」

作文?

「まあまあアキト君。それに提督にも色々とお考えが有るのでしょう?」

「うむ、イネス君の言うとおりじゃ。それに手動での操艦はゴート君には出来まい」

「………分かりました、お気をつけて。それとテンカワ!

「何だ!」

「原稿用紙、予備用にもう1枚くれないか?」

書くんかい。

 

結局、アキト、イネス、フクベのメンバーでクロッカス調査だ。

 

 

 

 

 

 

「このクロッカスが消えたのは地球時間で約2ヶ月前、でもこれじゃどう見ても2ヶ月以上…いえもっと長く氷に埋まっていたみたい…」

「そうだな。まるっきり冷凍マグロもいいとこだ。大トロはどの辺りかな?しかしオレの好みとしては…」

クロッカス内でイネスの説明とアキトのボケが歩きながら続く。

勿論、緊張感などといったものは無い。

「ナデシコの相転移エンジンでも火星に来るのに1ヶ月半掛かったのに…」

「だがオレが前に務めていたとこの店主ゾっさんなら7日半で来れるとほざいていたぞ?
まあ多少制約があるようで来る度に搾りたてのオレンジペーストを飲まなければならないらしいが…」

何者だ?ユキタニ・サイゾウ。

「…」

そんな2人の暴走話をフクベは話半分で聞いていた。

と言うよりまともに聞くヤツがいたら凄い。

「私が調べた範囲では、チューリップから敵戦艦が出現する時、必ずその周辺で光子、重力子等のボース粒子、
すなわちボソンの増大が計測されています。もし、チューリップがフィルミオンとボソンの…」

「はい!そこストーップ!」

ドガァッ!

いきなりアキトがフクベとイネスを蹴り飛ばした!

まさかイネスの説明を無理矢理止めたのか?

「ちょ…何をするのアキト君!今時蚊が止まっていたなんて通じないわよ!」

「いや意外と家庭の台所に住まう黒いヤツかもしれんぞ?」

「いや違う!」

「じゃあ何?」

「足元を見ろ!」

「は?……………何これ?かかし?」

「そうだ!かかしだ!田畑の救世主だ!何故こんなトコにあるかは置いといて、事もあろうに2人共
ソレを踏み潰す所だったんだぞ!どうだ分かったか!?分かったら反省せい!」

アキトは物凄く偉そうにふんぞり返った!

でもかかしが何故ここに有るかを考えなくていいのか?

「…アキト君」

「…むぅ」

2人がアキトに何か言おうとしたその時!

 

ドサッ!

グシャッ

 

「「「あ」」」

天井から小型のバッタが落ちてきた!

当然かかしは潰れていたりする。

「………な、なんて事をおおおぉぉっ!!折角マイルームのオブジェにしようと
思ったのにいいいいぃぃっ!!!」

そんなもん飾るなよ。

だが叫びながらもアキトがマシンガンを構える!

 

パン!パン!

 

シューーー……

 

「ほっほっほっ…まだまだ腕は落ちておらんようじゃの」

「流石ですわねフクベさん」

だがフクベが先にバッタを倒した!

「…」

「さて行こうかイネス君」

「はい」

そう言い残し2人はさっさと先に行ってしまった。

 

「…オレの立場は?」

アキトは固まったままだった。

 

 

 

 

「…何とか動かせそうですね」

「そうだな…むぅ?アキト、すまんが噴射口に氷が詰まっているようだ。エステで取り除いてきてくれないか?イネス君も一緒に頼む」

「了解っす…時にベン師匠」

「ん?何だ?」

「お礼は有るんでしょうね?というか必ず貰いますけど。これは重要事項ですのでランクは最上級ですよ!」

「………全く相変わらずじゃのぅ。分かった、後で何かやろう」

「よし!じゃあ行くかインフレ姉さん!」

「はいはい。それではフクベさん、また後で」

「うむ、頼んだぞ」

 

 

 

 

「こんなもんかな?」

「ええ、十分の筈よ?」

「…む〜…物足りんな…外見が少し寂しいようだし…よし!ここはいっちょしめ縄でも…」

「噴射口にしめ縄なんぞするな!」

 

ドゴッ!

 

「………インフレ姉さん…その体重計、一体何処から…?」

「乙女の秘密よ」

「乙女って年ですか?」

 

ベコッ!

 

「……………そ、その医療用ベットは…?」

「勿論」

「乙女の秘密ですね。はい、よく分かりました…ぐはっ」

アキト、体重計と医療用ベットの下で力尽きる。

『何やっとるんじゃお前ら?浮上するぞ。さっさとナデシコに戻らんか』

「分かりましたわフクベさん…ほらアキト君、帰るわよ」

「………少しは気遣ってくれても…」

「何か言った?」

「……………………いえ」

「宜しい。じゃあ帰りましょ」

イネスよ、お前もつくづく謎が多いな。

 

 

 

 

 

「クロッカス浮上します」

「おお、使えそうじゃないですか。流石は提督」

宇宙対応正義のそろばん(ウリバタケ特製)を弾きながらプロスが満面の笑みを浮かべている。

もしかしてコレが例のウリバタケから貰ったブツか?

『今のナデシコならば十分クロッカスでも落とす事は可能だな』

「はえ?」

「て、提督?何を…」

フクベの通信にブリッジ面々は呆然だ。

ピピッ

「前方のチューリップに入るよう支持が出されています」

「チューリップにだと?どういうつもりだ?」

「まさかナデシコをスクラップにして裏市場で売るつもりですか!?」

 

ドドオン!

 

『そんな訳あるか』

「砲撃でツッコミを入れないでくださーい…」

「艦長…真面目にお願いしますよ…」

「は〜い…」

 

ビーッ!!ビーッ!!

 

突然警報が鳴り響く。

「今度はなんですか!?」

プロスはキレ気味だ!

「左145度、プラス80度。敵艦隊捕捉」

「こんな時に…」

「2つに1つ、クロッカスと戦うか、それともチューリップに突入するか…」

ゴートとジュンがそう言いながらプロスをなだめている。

ご苦労様だ。

「………ミナトさん!チューリップへの進入角度を大急ぎで!」

なあ!?ちょっと待ってください艦長!それは認められません!それでは…」

「何を言うんですかプロスさん!ご自分で選んだ提督を信頼出来ないのですか!?」

「突然真面目になりましたね…」

プロスは呆気に取られている。

 

「「…」」

ちなみにゴートとジュンはプロスに弾き飛ばされて壁にめり込んでいた。

宇宙対応正義のそろばん(ウリバタケ特製)、破壊力満点である。

 

 

 

 

ナデシコがチューリップに向かっていく。

「それでいい」

それを見ているフクベは満足そうだ。

「さて、茶でも飲むか」

待てや。

 

 

 

 

「チューリップに入ります」

「ホントに良いのかなぁ…」

「大丈夫よ。ナデシコにはディストーション・フィールドがある。おそらくコレがあればクロッカスのように…」

「はいはい後でじっくり聞きますから」

イネスの説明暴走をメグミが抑える。

何時の間にか手馴れたものだ。

「クロッカス、チューリプの手前で反転、停止しました」

「このまま前進、フィールドの安定を最優先で…提督、提督は私達を逃がそうと…?」

ブリッジの面々は沈痛の表情だ。

 

ドォン!

 

「敵艦隊の砲撃始まりました。クロッカスが直撃を受けています」

「提督もうお止めください!まだ私達には…いえ私には提督が必要なんです!」

『ふふ…ワシが君に教えることなんぞ何もないよ…ずず…』

「ですが!…提督こんな時位お茶飲むの止めてくれません?」

全くだ。

『ワシはただ守りたいものが有ったからこうするだけなのだよ…ずずず…』

「聞いてます?…もしかして耳が遠くて聞こえないとか?」

『失礼な!ワシはこう見えても聴力255のMAXパワーじゃぞ!』

「提督…よく分かりません…」

流石はアキトの師匠といった所か?

 

ドドドォン!!

 

「敵艦隊の砲撃、更に増大」

「とにかく提督!私は…!」

ユリカが何かを言おうとする。

そこへ!

 

 

 

『ベン師匠おおおおおおおぉぉぉっ!!!!!』

『な!?アキト!?』

 

 

 

「テンカワ機、ナデシコより離脱。クロッカスに向かっています」

ルリの報告がブリッジに響く。

「「「「「「「「「「ええーーーーーっ!!!!!?」」」」」」」」」」

ブリッジクルー驚愕である。

 

『アキト!戻れ!一体何をしに来た!』

「何言ってるんですかベン師匠!言うまでもないじゃないですか!!」

『お前…そんなにワシの事を…』

フクベは目がウルウルしている!

「ナデシコを降りるんだったらさっきのお礼を渡してから降りてください!実は結構楽しみにしていたんですから!!」

『『『『『『『『『『『『…は?』』』』』』』』』』』』

今何て言った?

「いや、何だ『は?』って?」

『……テ、テンカワさん?まさかテンカワさんはお礼をもらう為にわざわざエステで飛び出したのですか?』

「当たり前だろうプさん!それ以外に何が有る!」

『…』

プロスは絶句している。

『こらああああぁぁっ!!テンカワーっ!!!』

「おおタイヤ班長何用だ?」

『やかましい!てめぇ、さっきの出前といい、今回のといい、勝手にエステを使うな!!』

「緊急事態だ。大目にみろ」

『全部お前の私用だろうが!』

「…実は特務だったんだ」

『そんな訳あるかあああぁぁっ!!』

ウリバタケの血管は今にも切れそうだ!

「とにかくベン師匠、お礼くださいよ」

『…ワシの事は?……まあいい、ちょっと待てい………おお、有った有った。ほれ豆大福じゃ』

フクベよ、お前は何時もそんなもん持ち歩いているのか?

「おお、ベン師匠の好物じゃないですか。全くすっかり忘れてるんだから。年ですか?」

『ほっほっほっ、そうかもしれんなぁ』

「全く仕方ないですねぇ。はっはっはっ」

『ほっほっほっ』

笑っていられるような状況だったか?

「さて、じゃあ今から取りにいきますよ。すぐに戻らないといけないようですしね」

『そうか』

アキトがクロッカスに近づいたその時!

 

 

 

 

パクッ@

 

 

 

チューリップの口が閉じた。

「……んなああああぁぁぁっ!!?しまったあああああぁぁぁっ!!!」

『『『『『『『『『『『『アホーーーっ!!!!!』』』』』』』』』』』』

ナデシコクルー全員で強烈なツッコミが炸裂した!

「どどどどどどどうすれば?」

『『『『『『『『『『『『……』』』』』』』』』』』』

「こりゃあああああぁぁっ!!!何で黙ってるううううぅぅ!!?」

『そんな事言われてもねぇ…』D イネス

『どうしようもないですね』D プロス

『無理よねぇ…』D ミナト

『ばか』D ルリ

『ご愁傷さま』D ジュン

『まあ頑張って生き延びろ…しかしこの作文はどうするか…』D ゴート

書いたんか!?

『惜しい奴を亡くしたなぁ』D リョーコ

『あはは、まだ死んでないよリョーコ』D ヒカル

ポロロン♪

『…ううう…無念なり〜』D イズミ

『アホが…』D ウリバタケ

『アキトさーん!私の事を忘れないで下さいねーっ!!』D メグミ

『アキトーっ!!私を捨てるのーっ!!!?』D ユリカ

「…お前ら…もう少し言い様ってものがあるだろうが…それにユリカ!オレはお前を拾った覚えはないぞ!?」

『えー!酷いよアキト!あの2人で語り合った愛の日々は嘘だったの!?』

「いや無い無い。と言うよりソレ全部お前の妄想だろうが」

『……ユリカは難しいことはわかりませーん』

「いっぺん脳ミソ洗って来いやお前は」

『あう〜…』

『ま、まあテンカワさん。一応アナタもナデシコの一員な訳ですから希望を捨てずに前向きにですよ。私達は多分待ってますから』

すかさずプロスがフォローらしきものを入れる。

「…ふっふっふっ……もうヤケじゃあああぁぁっ!!!こんなもん努力と根性と勇気と
知性と体力と運と夢と愛と気力と人望と信頼と経済力と決断力と勝気と
構想力と交換力と結合力と団結力と持久力と瞬発力と行動力と超能力と
生活力と精神力と政治力と生産力と生命力と戦闘力と想像力と耐久力と
集中力と注意力と破壊力と発言力と復元力と神通力と千里眼と衣食住と
未来の記憶と万人の祝福と大自然の力と不老不死の体と奇跡が有れば
乗り切れる!いや乗り切ってみせるわい!!

アキトは言い切った!

『…確かにそれだけあればどんな困難…というか世界征服もできそうですなぁ』

『…で、アキト君?その中でどれだけ揃えられそう?』

半分呆れながらイネスが突っ込む。

「………運かな?」

1個かい。

『あなたの場合悪運じゃない?』

「……………きっと大丈夫だ!」

『一瞬硬直しなかった?それに思いっきり間があったわよ?』

「気のせいだ!」

『…ワシも何か言いたいのぅ』

フクベはすっかり蚊帳の外だった。

 

「じゃあそういう訳だ!とにかく何とかする!!」

『…何がそういう訳かは分からないけどまあいいわ、頑張ってね』

「おうよ!」

『アキト〜…』

「何だ?ユリカ」

『お土産宜しくね!』

「……………郷里に帰れお前は」

天然ユリカにアキトは容赦なかった!

『う〜…半分は冗談なのに』

「…じゃあ半分は本気なんかい…やっぱお前はに帰れ」

ユリカは一体何処に住んでいるのだろう。

『アキト…でも…い………』

 

プツッ

 

どうやら通信が途切れたようだ。

『行ってしまったな』

「ですね」

『で、どうするかの?』

「今更ソレを聞きますか?」

『ほっほっほっ、聞くまでもなかったな』

 

 


「ええ、それじゃ…」

 

 


『ああ、では…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『逃げるか』」

逃げるんか!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アキトそしてフクベの運命はどっちだ!?続くような続かないような思わなくも無きにしも非ず。

 

あとがきです。

こんにちは、彼の狽ナす。

え〜と…緊急事態です!

次回から完全にオリジナルストーリーへ移行と相成りました!

さてさてどうなるかアキト&フクベ!こうなったら…いや逃げませんよ?(汗)

ちゃんと続き書きます…じっくり吟味しながら。ちょっと時間かかるかもしれませんが(滝汗)

でもなんとかやってみせます!

 

 

それではここまで読んでくれた方々に感謝しつつ、また何時かお会いしましょう!

 

 

みなさん、感想ありがとうございます!ネタ一杯作って執筆がんばります!

 

 

 

 

 

 

…まあ次回から空白の8ヶ月間編ってところですか?(爆)

 

 

 

管理人の感想

彼の狽ウんからの投稿です。

ぬお、ここでオリジナル突入ですか?

なにより、アキト&フクベのコンビとは珍しいですねぇ

 

・・・というより、使い道がないような気がするな・・・フクベの爺さん(汗)