ひかナデ物語
作:SUKE
<帝と少女の物語>
むかーしむかしのどの帝の事であったか、女御や更衣たちが大勢お仕えいていた中に、たいした身分の者では無く、金色の瞳と青い髪を持つ者が、際だって愛されていたのだった。
 最初から、自分こそはと思っていたユリカ、エリナ、イネスなどの方々は、面白くなく、見下し嫉妬していた。同じ身分のメグミやリョ―コ、より身分の低いラピスなどは一層面白くない。
 「ルリちゃん!!アキトは私が好き。 アキトは私の物手を出したら承知しないからね」
 「アキト君は私の物なんだから期待しないしないで頂戴!!」
 「御兄ちゃんを一人占めしないで!!」
 「アキトさんは、私が好きなんです!!邪魔しないで下さい!!」
 「俺は、俺は、アキトが…す、好きだし、あいつだって…」
 「アキトノメハ、ワタシノメ。…(都合により以下省略)
  アキトハ、アキトハ、………」
そんなこんなで事態は、思わぬ方向に進んでいった。 

帝ことアキトに、この日ルリは、初めて合う事になる。 
「はじめまして。ルリと申します。以後よろしくお願いします」
部屋では、一人白い肌を桃色に染めながら何度も呟いている。
(こんなの私らしくないのですが、アキトさまにお会いするのですから…)
ルリは、ミナトによって育てられ年相応の恋する乙女である。この時代の帝は、人柄もよく、民に好かれていた…。特に、女性から…などとは、言うまでも無い。

「失礼するよ。今日また新しい子が来たんだってね」
そう言うと、アキトとルリは、見つめ合っていた…。どれだけの時が経ったのだろう。二人にとって永遠とも思える時間が流れた。大して時は進んではいない。そんな時、「アキトさま、次の御仕事が」この言葉をかわきりにアキトは去っていった。
 去り際に、「君、あとで部屋に来てね」という台詞と笑顔を残して…

約束の時間
「失礼します」 
「はじめまして。ルリと申します。以後よろしくお願いします」
頭を上げた瞬間、ルリは驚いた。
目の前には,何故か、何故か布団と枕が二つ。そして、ティッシュ箱(この時代にあるのか??)と水差し(なににつかうの??)がおいてあったのだ。
「ルリちゃん、こちにおいでよ」
少し俯きながらアキトのもとに歩より、布団のうえに座り向かい合う。
「アキトさ、さま」ボソッ
「様なんかつけなくて良いよ。アキトで」
「め、滅相もございません。」
「ダメか…。なら僕のほうが年上だし、さんつけて呼んでくれれば良いよね」
「それならなんとか…。」「アキトさん」ボソッ
「ルリって言うんだよね。ルリちゃんって呼ぶけど良いよね。」(にこっ)
「そ、そんな…」と言うと真っ赤になり下を向いてしまう。
アキトは身を乗り出しルリの耳もとで
「可愛いよ」と囁きクスリと笑う。
その言葉を聞き、ルリは慌ててこう言う。
「あ、あの、今日はど、どのような用事でお、お呼びに…」
するとアキトは、ルリを隣に座らせる。
「男と女が布団の上に二人きり。この意味、わかるよね…」(にこっ)
「え、え〜と……」と、耳まで桜色に染めながら目を合わせないようにする。
しかし、アキトは、ルリのあごを捕らえ、笑顔でルリの唇を奪う。
「んっ、ん〜〜〜〜」驚きで目を見開く。が、いつしか慣れてきたのかアキトの要求にルリも応えようとする。

朝まで何かあま~い声が聞こえたとか、汗まみれで、何かやっていたそうな…。

しかし人生そんなに、甘くはない。
その日、アキトを起こしに来た。ユリカに目撃され、
「ア、アキトの、浮気者――――!!!」
と、ユリカの超音波ヴォイスで意識が朦朧とさせられて、良い訳をする時間も与えず、部屋から飛び出していった。
このあと、話をしようとユリカの部屋に行くと、扉を開けたとたん、ユリカのビーストタックルをくらいアキトは、気絶した。目を開けると、自分部屋に戻っていたのだが、目の前には、この世の物とは思えない料理が…。
(どうやら、ユリカの話を聞いたリョウコ、メグミそしてユリカの3人が、自分への愛を取り戻すために手料理を創ってきたようだ。)
「アキト、食べて!!」
「「アキト(さん)」」(笑顔)
この笑顔に反比例するように、料理は、すざまじいものになっている。
『なんかいるのか?この真っ黒いのは?う、うごいテル…(汗)で、でも食べなきゃ…。』
一口たべるとあまりのすざまじさに、意識が遠野のいていった。
このあと、イネスの熱心な看病(実験)をうけ、ラピスには、
「アキトニハ,モウワタシハイラナイノ?」
と、泣かれ、説得するのに大変苦労したとか。

このようにして、初日は過ぎて行った。

しかし、こんな目に遭ってもルリとの秘め事を止めることがなく、家来のプロスにも、
「アキト様にも、少しばかり、我慢していただきたいですな。ただでさえ、仕事がたまっていますので、はい。」
あまりのラブラブぶりに、プロスも頭を抱えていた。とてもじゃないほどの困難も数多くあるが、流れやすいアキトはルリの愛情を唯一の安息所代りに過ごしていた。

しかし、ルリを愛せば愛すほど、ユリカ達からの[アキトは私が好き攻撃](?)に遭い、どんどん病弱になっていった。大事な式の時にも、体力が付いて行かないのか、とても頼りない様子であった。
そうして、眠れる人になってしまったとさ。
どんとはれ♪




ルリとアキトの初めての出会いから3ヶ月後
アキトの御墓の前

「アキトさんきました。アキトさんは、私達の大切な人でした。」
と、達をイヤに強調して言う。
「これからは、私達2人で生きていきます」
と、言いながら、下腹部に手を当てていた……。

 

 

代理人の個人的な感想

いや、どんとはれってアンタ(爆)。

・・・まさかとは思うけど続く?