_今回はお忙しい中、取材に応じて頂いて有り難う御座います。



 いえ、そんなたいした事では…

 それに、いつもは私が質問するほうですし。



_では、自己紹介を一応お願いします。



 私はシルビア・トルロニア、

 職業はニュースキャスターをやっています。





 漆黒の戦神アナザー 
 シルビア・トルロニアの場合




_早速ですが、「彼」とは何時出会ったのでしょうか?



 あれは、私がTVの仕事ももらえないでいる頃でした。

 一人前と認められず、もう諦めてしまおうかと思っていた時に。



_それで、どのよう?



 う〜〜ん、さっきも言った通り、私その頃仕事もろくになくて半分腐ってたのよ
ね。

 それで、街中を行く当てもなく彷徨っている時にね街角で出会い頭にぶつかってしまって、

 足首を捻ってしまったんですけど、それに私が切れて「ふざけんな、目ん玉いてんのか!!コノヤロー!!」ってね。


_………そ、そうですか。

 人は見かけによらないもんだな。このアンカーウーマンが…………



 うん?何か言いました?



_い、いえ、何も。

 …こほん、それでは、続けさせて頂きますけれども、「彼」にそのような言葉を浴びせかけて、

 よくご無事でしたね。



 まるで一般人と変わらなかったですよ、慌てて「済みませんでした、急いでたもので。」って。

 変わっていたのは「そんな言葉遣いは止めた方がいいよ。」と続けて言ったぐらいかしら。



_ほう、「彼」がそのような事を言ったのですか。

 珍しいですね、そんなナンパするかのような事を「彼」が言うなんて。



 ええ、私もナンパかと思ったんで、彼から遠ざかりながら

 「そんな見え透いた手に引っかかる様な馬鹿はここにはいねぇーよっ!!」と言ったら、

 彼ったら目に見えて赤くなっちゃたんですよ、それも面白いくらいに。



_はあ…



 で、そんな彼の顔を見ていたら、何かムシャクシャしていた気分も吹っ飛んじゃって。

 それに、もう少しこの人の顔を見ていたいなって感じまして。

 私の方から、少し付き合ってくれって頼んだんです。



_それに「彼」が素直に頷きましたか?



 いいえ、突然周りを見回したりして、泣きそうな顔して「それだけは勘弁してくれ」って。



_ははあ、「彼」の傍にいるという女性のことを恐れたんでしょうね。

 しかし、貴女は諦めなかった。



 はい、ここで諦めてしまったら、もう二度と会えない…

 何故かそんな予感めいたものを感じまして。 



_どのようにして、「彼」にウンと言わせたのですか?



 それが、本当に怪我の功名でして…

 私は先程も述べたとおり、ぶつかった時に足首を捻っていまして、

 私が彼の腕を掴まえて逃がすまいとした時に、痛みが走って「イタッ!」と声を上げてしまったんですよね。
 そうしたら、彼の顔に心配そうな様子が現れたので、これはチャンスだと思いまして。



_チャンスだと思って?



 「怪我させたんだから、少し位付き合え!」って言いましたら、

 彼も悪いと思ってたらしく、頷いてくれました。



_「彼」は女性に弱いそうですからね〜。

 それで「彼」とデートを?



 はい、ただ、怪我していたので遠くには行けませんし、急なことだったのでたいし
た所には…

 殆ど、彼は自分の事を話さないので私が一方的に話しかけていました。

 でも、彼は私の足のことを気にかけてくれて・・・

 私が「足が痛いから、腕を組ませて」って言ったら、最初は嫌がっていましたけ
ど、

 最後にはやっぱり頷いてくれて。

 フフッ、真っ赤な顔して……それでも腕を外そうとはしませんでした。



_「彼」と腕を組んでのデートですか、凄い事ですね。

 しかし、それでは何時、「彼」があの漆黒の戦神だと気づいたのですか?



 実は全然気付かなかったんですよね。

 名前も「アキト」としか教えてくれませんでしたし。

 まさか自分の隣にいる人が、同じ名前だからといっても伝説の人だとは普通思いませんよね。

 でも、別れ際になって、サングラスをしたおじさんが……え〜と、名前を思い出せないんですが



_ああ、ヤガミ・ナオさんですね。……しかし、おじさんって…

 あの方も行動範囲が広いですからね、「彼」の行く所には大体ヤガミさんもいますね。



 そうそう、ヤガミさん。

 そのヤガミさんが「済まん、アキト!俺には耐え切れん!!」とかなんか言って美人を三人も連れてきたんですよ。 
 それも「白銀の戦乙女」アリサ・ファー・ハーテッドさんと、それに勝るとも劣らない美人を。

 私だって、TV関係でやっていこうとしていた人間ですから、彼女の顔位は知っていました。

 特に地元の英雄ですからね。

 その英雄に好きな人ができた、というのも聞いていました。

 でも最初は低俗なゴシップかと思っていたんです、何て言っても相手はあの漆黒の戦神ですからね。
 しかし、アリサさんが目の前で「アキト」に向ける眼差しを見て、全てが解ったんです。



_今迄話していた相手が、あの「テンカワ・アキト」であったと…



 はい、その通りです。



_最後に、「彼」に伝えたいこととかありますか?



 「アキト」、私はニュースキャスターになれました。

 これもアキトが普段からの言葉遣いが大事だと注意してくれた事と、「あきらめるな」と言ってくれたお陰です。
 あの時はアリサさん達に連れて行かれてしまい、お別れの言葉も言えませんでした。

 でも、いまならあの時言えなかったお礼の言葉と、もう一方の言葉も言えそうです。

 逢いに来てください、待っています。



_本日は本当に有り難う御座いました。




 蛇足を付け加えるならば、シルビア氏は皆さんも知っての通り、

 EUBC(欧州連合放送協会)の史上最年少アンカーウーマンとして、毎日TVでお会いしていることと思います。



 民明書房刊 「漆黒の戦神、その軌跡」 6巻より抜粋

 

 

 

「ア〜キ〜ト〜さ〜ん。

 心の準備はできていますか?」



「嫌だ〜〜!

 心の準備なんてできてない〜、だから許してくれ〜ルリちゃ〜〜ん」


「アキトさん、往生際が悪すぎますよ。

 大丈夫ですよ、別に痛くありません。」


「そうよ、アキト君。

 今回は注射でなくて、飲めばいいのよ。

 それに生体実験も既に済まして、変な副作用もないわよ。」


「イネスさんの薬だけでも嫌だ〜〜」


「失礼ね、そんな事言うのはこの口かしら。」


「ムウゥ〜〜〜、ゴックン。」


「イ、イネスさん!!

 あ、貴方は、貴方は、い、今何をしたのか『はい、ストップ』」


「そろそろ皆がやって来る時間よ。」


「おっ仕置き、おっ仕置き♪」


「まったく、テンカワの奴もコリネー奴だな。」


「今回はどんなお仕置きにするの〜?」


「はい、説明しましょう。

 今回はアキト君が、EUBCの契約者数を倍増させ、ニュースに関心がなかった若者をTVに釘付けにしているという 
 あの、EUBCのアンカーウーマン、シルビア・トルロニア嬢を落としたことについてのお仕置きです。
 さて、今回の趣向は既に下拵えをしてあります。」


「下拵え?」


「そう、今回アキト君には私の作った薬を飲んでもらっています。

 その薬の効力は・・・」


 ゴクッ!! 


「効力は?」×14


「アキト君を十歳にまで、若返らせること。

 これの良い点は72時間続くことと、十歳と六歳、十一歳でお風呂に入っても規制には当たらないこと。」 


 オオオォォォォーー


 ヒュゥゥゥゥーーー 


「お、俺の身体が〜〜」


「カワイイー」


「キャーー」


「ズズズ・・・ハッ、涎が…」



「今回は72時間もあるから、一人一人公平に時間を分けて、

 その間はその人の自由にする、ということを提案するわ。」


「異議なし!!」×14


「そ、そんな、俺の意思は?」


 ギロッ!!


「いえ、何でもありません。」


「あの〜〜、ちょっといいかしら、ルリルリ?」


「何ですか?ミナトさん?」


「今回は、私も参加させて貰ってもいいかしら?

 アキト君、可愛すぎ。」


「う〜〜ん、いつもミナトさんにはお世話になってますしね…

 今回だけということでなら…」


「ありがとう、ルリルリ!!」


「ミ、ミナトさ〜〜ん(涙)」


「ということで、今回は16人だから、一人当たり270分。

 お風呂に入って洗いっこしても、添い寝しても充分時間は足りるわね。」


「じゃあ、最初の人を誰にするかは・・・」














後書き
 初めて短編を書いてみました。

 漆黒シリーズになれたか不安でいっぱいです。




 漆黒の戦神シリーズを書くことを御許可して下さいました黒貴宝様には感謝の仕様がないです。

 コレは漆黒シリーズではない、と思われましたら私か直接代理人様宛てにメールをお願いします

 

 

 

代理人の感想

 

大丈夫、黒貴宝さんは寛容な方ですから(笑)。

そうでなかったらあんなに沢山の「戦神」シリーズは存在しませんよ。

しかしニュースキャスターか・・・本気で全職業制覇するつもりか(笑)?