前略読者様:本作はネタがかなり偏っています。ご注意下さい。(予防策は雑記帳作を閲覧の事)




















嫌動戦艦ナデシコ駄目なストーリー

 if もしものエピソード その1




















火星宙域


「アキトさん、お願いですから帰って来て下さい!」

毎度毎度、もうこれで何度聞いたか解らない程聞いたお約束の台詞。
田舎温泉ホテルか国民宿舎にでも置いてありそうなゼビ○スやイー○ルカンフー並みに使い古された言葉。
白亜の戦艦を追い掛けるナデシコBが発信した通信映像から流れる妖精の声音。

「ルリちゃん…俺は帰らない」

この台詞もまた手垢が付く位使われた台詞。
いい加減ここであっさりと「解った、帰るよ!」と言うSSが一本ぐらい有っても良いと思うのだが。



「どうしてですか!ユリカさんは…もう長くないんですよ!せめて、せめて一目だけでも…!」
「それでも駄目なんだ。君の元へは行けない」
「そんな!」

あくまで頑なな二人。
追う側は大切な人を取り戻す為、追われる側は己自身の行為の罪深さを知っているが為。
しかもお互いが酷く頑固な為、譲歩する気配は全く感じられない。
この事態が収拾する時は、ユーチャリスが逃げ切るかナデシコBがアキトを捕らえるかどちらかだろう。


「ラピス……ジャンプの用意を。火星に跳ぶ」
「ウン」
「待って下さい!何故帰って来ないんですか!?」
ルリに背を向けようとしたアキトに対し、涙混じりの声が呼び止める。「……それを聞いて……どうする?」
「貴方が帰って来れる様にします。どんな手を使ってでも……」

真剣な瞳。目的の為なら手段を選ばぬ一途な瞳。
アキト一人の為に連合政府や統合軍すら滅ぼしかねない一途さ。

ルリの真摯な目にアキトは心打たれた。
かつての義理の娘が、連合軍命令を無視してまで追いかけて来ているその事実に心打たれた。

「ルリちゃん……」
「アキトさん……」

見詰め合う二人。
アキトはバイザーで隠された目を優しく細め、ルリは人ならざる金色の目で直向にアキトを見る。

「ルリちゃん……もう……良いんだよ」
「えっ……?」

アキトの表情がこの間出会った墓場で見せた微笑になる。

「もう……戻る必要が無いんだ」
「ど、どうしてですか!どうして戻る必要が無いのですか!」
「だってもう俺は……大切なモノを手にしているんだ。だからもう戻る必要は無いんだ」
「大切なモノ……?」

それを聞いたルリの脳裏に閃くモノがあった。















(そ、それって私の事ですかぁ〜!)










妖精跳ぶ。
ただし、跳んだ先は電波空間。

(ふふふ……ま、まさかこの時がこんなに早く来るとは思いませんでした!)

「ど、どうしました艦長?」
「か、かんちょ〜どうしたんですか?目が危ないですよ〜」

両側に居る木星ロンゲとハリ坊の言葉も届かない。
それどころか妖精さンの金目が、オモイカネとリンクもしていないのにやたらめったら光り出す。



(そうですよね!妻との死の決別を乗り越え、義理の娘と結ばれて新しい人生を歩む……そういう展開もありですね!)
空間跳躍率25%。
(そして二人は邪魔なかつての妻兼義理姉を偲びつつゴールイン)
空間跳躍率50%。
(披露宴はもちろんニューオー○ニ。チャペルはできれば海の見える丘の上が良いですね。もちろん費用は極楽トンボ持ちです。それで公衆の面前でアキトさんとチ、チューを……)
空間跳躍率75%。
(初夜は最上階のスィート・ルームで、お酒を飲んで気分を盛り上げてから……ぐ、ぐふふふふ)
空間跳躍率100%。
(ああ……アキトさぁん。今宵貴方のルリが穢れの無い身体を貴方だけに開きます。あの頭のネジやアソコの締まりの悪いあーぱー艦長とは違って、私はどっちも締まりはオッケーです!ですからオールナイトで励みましょう!!)
跳躍率120%オーバー。
ホシノ・ルリ所有スキル、妄想愚幻化全開。

「ルリちゃん?」
「えっ?」

ホシノ・ルリ通常空間に復帰。
ただし、口から唾液を絶賛放出中だったが。

「あっいえ……その、何というか……そ、そうです!」

ルリがポンと手を打ち、瞬時に悲劇の妖精の表情に代わる。

「大切なモノってなんですか!教えてくださいアキトさん!!」

感極まったのか大きな瞳から涙を流すルリ。目元に寄せた手に目薬を隠している辺り、芸が細かい。
しかしアキトは気付かなかったのか、神妙な面持ちで彼女を見詰めながら口を開いた。

「俺の大切なモノは……」
「大切なモノは!(じゅるり)」




息を呑む一同。そして唾を飲むルリ。
そしてアキトは言い放った。














「イネスさん、説明してくださいっ!」













「承認!」












突然ユーチャリスのブリッジを映していたウィンドウが強制終了させられた。
代わりとばかりに一つのウィンドウがナデシコBのブリッジに大写しされ、ルリは思わず立ち上がる。

「あ、あれは!」

ルリが何かを言いかけたその時、突如カウントダウンが始まりー

『5』

『4』

『3』

『2』

『1』




『どっか〜ん』













『なぜなにナデシコ〜』












「さて、劇場版では妖精さンと極楽トンボのおかげで説明ができなかったから、ここで存分にやらせて貰うわよ〜!」

いいえ、結構ですおなか一杯ですからとナデシコBの面子は心の中で叫んだが、当然イネスはそんな事に頓着せず説明を始める。

「イネスさん、説明の前に一つだけ聞きたいんですけど」
「何かしらルリちゃん?」
「何故イネスさんがお姐さんの格好をしているんです?」
「決まっているじゃない。なぜなにナデシコで説明する時はこの格好が定番よ」
「三十路超えたいい歳チャックつけるわよ?……ごめんなさい」
「よろしい、では説明します。準備は良いかしらウサギ君?」
「は〜い!準備はバッチシです。ブィ!」

イネスおばお姐さんの問いかけに、ホワイトボードをガラガラと押しながら陽気に返事するウサギ君。

「「「?」」」

何かがおかしい。ルリを始めとするナデシコBクルーは底知れない違和感を感じたのだが、それが何であるかを思い付く前になぜなにナデシコが始まってしまった。

「さて、今回のお題はアキト君の大事なモノです」
「お姐さん質問〜」
「なにかしらウサギさん?」
「お姐さんって一体何歳まで事を」


(暫くお待ちください。 bytaka)



再び画面が映った時にはウサギさんは居なかった。
代わりにナチュラル・ライチの等身大プラカードが置いてある。

「いちいちどうでも良い事をぬかしやがる馬鹿ウサギはほっといて……本題の大切なモノですが」

とホワイトボードの前にいつの間にか立っているアキトを指差しながら続ける。

「それでは説明しましょう。アキト君の大切なモノは……」
「大切なモノは!!」
「艦長怖いです……(半泣)」
「泣くなよハーリー……俺だって今直ぐ逃げ出したい位なんだ」

黙れ。大切なモノは!?」

「それはボクだよ〜!お呼びとあらば即参上!!」

掛け声と共にウサギ君即時復活。
そのままボードの前に立っているアキトに擦り寄り、『なでれ』とばかりに尻尾を振りまくる。

「……ちょっと待ってくださいイネスさん。そのウサギ君は一体誰ですか?」

白くてぽわぽわした着グルミの端っこから、青みの掛かった黒髪をぴょこぴょこ出しているウサギさん。ちなみにアキトと同じ黒いバイザーを付けている為、顔の上半分は見えない。
しかし、何故かそれを見た妖精さンの金目が再びやったらめったら激しく光りだす。

「おかしな事を言うわねルリちゃん。ウサギ君はウサギ君よ。それ以外に何が有るというの?」

悪魔的な微笑を絶やさずに言い放つお姐さん。
だが、それを聞いた妖精さンの金目は更に激しく発光する。

「……何故、何故貴女が此処に居るんですかユリカさん?」

10秒経過。

「「「は?」」」
「だからなんで此処にユリカさんが居るんですかと聞いているんですっ!!」

ルリ激昂。しかし、ユーチャリスの面々は顔を合わせて苦笑いするだけ。

「な、何がおかしいんですか!」
「解ってないわねルリちゃん。見なさいこのウサギ君を。これの何処が艦長だと言うのかしら?」
「そ〜だよ。ボクウサギ君だもん。勘違いしないでよねルリちゃん!」
「疲れているのかいルリちゃん?本当ならラーメンでも作ってあげたいけどなぁ……俺味覚が死んでいるしなぁ……」
中の人!直ぐに出てきなさい!」
「ウサギ君だから中身は無いもん〜」

ルリの叫びを一笑する一同。表情はやはり悪魔的だ。
しかし、ルリは決死の思いで会話を続行させる。この会話において(1)勝算が無いことを充分に理解しながらも。

「だ、だったらそれで構いません!肝心なのはアキトさんの大切なモノが”私”じゃなくて、なんでウサギ君なんですか!!」
「HAHAHA!決まっているじゃないか。それはウサギ君だからさ、愚問だけど中身は居ないよ」

5秒経過。

「どっどっどっどっ……」

ウサギ君の頭を撫でながらアキトはあっけらかんとした答をルリに返す。

「どうしちゃったんですかアキトさん!この若鮎の様な瑞々しい体よりも、モコモコした着ぐるみの方が良いと?」
「若鮎って言うよりは単に凹凸がないだけじゃ」

(暫くお待ちください。bytaka)


既にブリッジにはサブロウタの姿は無い。
代わりにテツジンのヌイグルミが席に置いてあり、何故かハーリーがあうあうと呻いているだけ。

「とにかく……もう説明もウサギ君の存在もどうでもいいです!アキトさん、私と一緒に帰りましょう!」
「やっでゅー」

ぷちっ。
アキトの投げやりな返事にルリの脳内回線が落ちる。

「ふ、ふふふふ………」
「か、艦長落ち着いて……」
ゲシッ
「おふうぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」

必死の制止を試みたハーリーの顔面にケンカキック。

「キスしてハーリーく〜ん!」

ハーリー上部ブリッジより落下。もちろん落下方法はイングランドの英雄方式で。

「くくく、こうなったら……オモイカネアンカー発射用意!ユーチャリス拿捕、つーか殺れ」
『承認』

コカトリスな表情の妖精さン。
だが、すっかりマジ気な電波の妖精様を前にしても、なぜなにナデシコ一行は怯まない。

「と言ってもね〜私ら今からエンジョイライフをしようと思っているんだけど」
「そうだよ〜僕達火星でのんびりまたーり過ごすんだからさっ」
「うん、火星で新生活って感じ?いーね〜!」
「ぢゃ、火星行っとく?」
『ウサギ君。それイーね!!』

そして合唱。

『ららら、ウサギ君。らららウサギ君。ららら……』
「煩い、煩い!煩いです!!!」

合唱を絶叫する事で遮り、ルリは憤怒の表情でユーチャリスを見詰める。
流石に状況が悪化しているのを悟ったのか、アキトが幾分表情を和らげて前に出た。

「解ったよ……それじゃあこうしよう。今からイネスさんが出す問題にルリちゃんが答える事が出来たら言う事を聞く。それでどうかな?」「本当ですか……?」

これまでトンチの効いた会話が続いたせいか、極自然に疑い深くなっているルリが訝しげに応じる。

「本当だよ、約束する」
「……解りました。それではイネスさん、ちゃっちゃっと問題を出して下さい」

これ以上ユーチャリスのメンバーに引っ掻き回されたくない。
ルリの想いはただそれだけだった。しかしそれゆえにイネスのいじりに引っ掛かる事になるのだが。

「解ったわ。ではその前に……ルリちゃん艦長席の引き出しを開けなさい」
「えっ?」

実に怪しげな指示に、ついついルリは反応して引き出しを開けてしまう。
そしてルリは硬直する。何故なら其処にあったのは、
















アメリカをクイズで横断する時に使う早押し帽と赤いボタン。



















「い、いつの間にこんなモノが……」
「この間改装した時にせっかくだから付けて置いたのよ」
せっかくだからだなんて理由でこんなモノ付けないで下さい!」
「そこはルリちゃん、せっかくだからよ。人生は遊び心が必要なの」

イネスの極々平然とした答えにすちゃらかSIS諜報員を前にした、硬派の独逸人少佐の様に怒り心頭になりかけるルリ。
しかしここで挑発に乗ったらもっと駄目な展開になるのは火を見るより明らかなので、ぐっと堪えながら帽子を被りボタンを手に取る。


「では問題です」
「はい!」

イネスがジャストミート福沢調に人差し指を掲げて叫ぶ。

「ウサギ君の正体を知っているか〜!?」

三秒経過。

「は?」

馬鹿な、答えは既に自分が言った筈だ。
困惑するルリ。
その隙にウサギ君がブリッジの前に置いてあったボタンを押し、いつの間にか被っていた早押し帽子を立てて脊髄反射の姿勢で叫ぶ。
もちろん表情は〔浮力の原理〕を発見した時のアルキメデス調で。

eureka!ユリカ!

「正解!なぜなにナデシコ御一行様ニューヨーク火星行き決定〜!
「な、なんで……?」

凍死寸前ナリよキテレツな表情のルリ。
だが、フリーズ状態のルリに追い討ちをかける様に、悪魔的微笑を加速的に高めたイネスのウィンドウがメ一杯広がる。

「では、答えられなかったルリちゃんに罰ゲームで〜す」
「なんでですか〜!!!」
『そーれ、お仕置きだべ〜!』

天井から聞こえて来たドクロベエ様(声:滝口順平)の声と共に、


ルリの被っていた早押し帽子と赤いボタンが爆発。




無論、髪型はアフロだ。






そしてそれを見届けたイネスは朗らかに言い放つ。

『さようなら電子の妖精ホシノ・ルリ。まさかの敗戦はさぞ無念だったでしょうね! しかしそれすらも人生芸人! 女は引き際と諦めも大切なのよ、初恋の痛みは甘酸っぱいって言うじゃない。あ、でも地球に帰るのだけは諦めないでね〜! 3ヶ月もあればちゃんと月面までに着くから……多分!じゃあまぁそんな所で私等は火星までジャンプジャンプジャンプジャンプジャンプジャンプジャンプジャンプ、ランダム・ジャ〜ンプ、逆行・ジャ〜ンプ、先行・ジャ〜ンプ、みんなでジャ〜ンプ。

最後は全員で歌いながら虹色の光と共に消えるユーチャリス。

「……はぅあ」

ぱたりと倒れるアフロ・ルリ。
それを合図にしたかの様に、開いたままのウィンドウから軽快な音声と共にスタッフロールが流れ出す。







(BGM:LibertyBellMarch)

空飛ぶまっするナデシコ

キャスト

原案・元ネタ拝借

パイソンズ・WRENCHさん(雑記帳の主)

脚本・著作
taka
taka(葱1房)
taka(葱2房)
taka(葱3房)
taka(葱4房)



脚本協力
鷹枢機卿


リサーチ
taka(葱5房)

登場人物・メイクアップ
taka(葱6房)

衣装
taka(葱7房)taka(葱8房)taka(葱9房)taka(葱10房)
taka(韮1房)


アニメーション
taka(葱11房)taka(葱12房)

カメラ
taka(葱13房)taka(葱+合鴨)
(日曜日は鍋の日)

編集
千沙大本営営長


音響・演奏
ヤガミ・ナオ
(英国紳士・楽器はオルガン)

照明
アルク萌え(青本は売り切れ)

デザイン
ロバート・ロバート・ロバート・ロバート・クリムゾン・○方○敗

プロデュース
聖人・プリエ萌え

監修
日和見さン(液体もとい固体)

英國BBC内・Actionコーナー(管理人○漫経営)

プロバイダー料金は含まれません。

(BGM停止)


takaと愉快な仲間達は現在、東京某区のモ○ンボンにて大宴会会食中。『愛姉妹枝織と北ちゃん・はぢめてのお留守番』は民名書房刊行物出版局にて販売しております。価格:第六話はまだか?












The End














 後書き

 最近よく見かけるのが、時ナデをコピペして効果音・語尾をチョンチョンとエリック・アイドル風に弄ったナデシコ連載のプロローグです。まぁ確かにありがちな導入ですからしゃーないかもしれません。しかし見る方としては見る気がモリモリと下がりまくりになりますね。それに見た読者さん方が、この後もよくありがちな展開だと言う風に先入観を持ってしまう。ゲームのシリーズモノが最初でこけると、後のシリーズがどんなに出来が良くても売れにくいのと同じです。本人にとっても、読者にとっても、代理人にとっても利はありません。

 ………ちなみに本作も『時ナデ・プロローグ』をコピペし、それに若干の台詞追加と僅かな展開の変更を行っただけのモノです。

 本作はBenさん作を一部ぱくっています。
 本作はWRENCHさんの作風を一部ぱくっています。
 本作は日和見さんのプライベート・タイムを一部ぱくっています。





















(1)ナデシコ内での常識その1。喋っている時の姐さんと天然に勝てるものはいない。






 

 

 

代理人の感想(注意:激しく意見が偏っていますので御注意下さい)

モンティパイソンはいいねぇ。

モンティパイソンは心を潤してくれる。

リリンが生み出した文化の極みだよ。

 

 

 

 

なお、モンティパイソンを見たことのない非国民はDVD買ってでも見れ(爆死)。