アキトのパラレルワールドストーリー



EPISODE 2












−MITメインコンピュータルーム

 ドクン ドクン

 『奴』の鼓動が現実世界にまで聞こえてくる。

 そして・・・・

サーティ『繭にヒビが・・・・』

フォーティ『な、なんか・・・いきなり寒気が・・・・』

弥生「どういう事・・・電脳世界の出来事なのに寒気を感じるなんて」

ひとし「『奴』の影響さ・・・・」

まーくん「どういう事だ?」

ひとし「『奴』が『孵化』しようとしているのを見て身体が自然に拒絶反応を起こしているのさ」

 これで表現は合っているよな?

父「そうだとしたら・・・『中』にいるのはとてつもない化け物と言う事か?」

まーくん「―――!!サーティ、テゥエニー、フォーティ!!奴を『繭』のうちに破壊するんだ!!」

サーティ・テゥエニー・フォーティ『『『了解!!』』』

 『繭』に突っ込む3人。
 だが、バリアに止められる!!

フォーティ『―――っ!!頼むよ『男』

 フォーティちゃんが変化して男になる。

フォーティ『テゥエニー姉さん!!』

 フォーティ君の意思が分かったテゥエニーさんがフォーティ君と一ヶ所に集まる。

弥生「そうか!!2人のパワーならピンポイントでバリヤをこじ開ける事ができる!!」

まーくん「しかし・・・そんな事すると2人とも身体のデータ等がオーバーヒートして消滅するぞ!!」

テゥエニー『大丈夫よ。そんな事よりこの化け物を復活を阻止する方が先決よ!!』

フォーティ『サーティ姉さん、僕とテゥエニー姉さんで穴をこじ開けるから姉さんは奴に―――っ!!』

サーティ『・・・分かったわ・・・死なないでね・・・・』

 2人が突っ込みその後ろにサーティさんがスタンバイする。

テゥエニー『いくよ!!2人ともっ!!』

サーティ・フォーティ『『おーーー!!』』





 バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチ





 見ている画面が激しい閃光につつまれ、スピーカーからでなく画面から喧しい電撃音が部屋に響く。
 皆は手で目を塞ぐが俺はずっと画面に釘付けになっていた。

ひとし「勝敗は・・・どっちだ?」

 しばらくすると閃光と同時に電撃音も止み画面一杯に広がった土煙が序々に薄れていく。

弥生「どうなったの?」

ひとし「俺にも分からん」

まーくん「土煙で何も見えんな」

父「―――!!見ろ、人影だ!!」





 土煙が晴れたその後に残ってたのは倒れているテゥエニーさんとフォーティ君の2人だった。
 状態は意識があるのでかろうじて最悪の事態は無くなったみたいだ。

 次に見えてきたのは・・・『繭』にエネルギーで満ちた右手を突き刺しているサーティさんだった。

ひとし「サーティ!!無事か!?」

サーティ『・・・・・・・・―――っ!!』

弥生「何か様子が変だよ」

 弥生ちゃんの言うとおり様子が変だった。
 何と言うのだろうか・・・そう、『突き刺している』のではなく『繭に喰われている』ような感じである。

 次の瞬間、『繭』に変化が訪れた・・・・





 ―――『繭』が破裂したのだ。











−対カオスクリスタル対策本部前線基地(仮名)

ディア「何なの?このドア(?)の横に貼ってあるのは?」

 格納庫でブローディアの再チェックを終えてディアが目にしたのは『対カオスクリスタル対策本部(仮名)』と墨字で書かれたドアの横に貼っていた紙であった。

 すぐさま部屋(?)に入り、ココの管理者に問い質したが・・・・

ジン「刑事ドラマとかであるだろ。部屋のドアの横に貼ってあるじゃん♪」

ブロス「そうだよディア。こんなの基本じゃん基本」

ディア「・・・・・・・・(汗)」

 こんな事を言われてしまった。

 最近、ジンとブロスがカオスクリスタルの検索中になにやらTVを観ていたのは彼女も知っていた。
 検索中は殆どが備え付けられているコンピュータに任せきりなので暇と言ったら暇なのだが・・・・
 ディアは2人が観ていた番組がサスペンスドラマだったのを知らなかっただけである。

ディア「基本って言われても・・・(汗)聞くけど『応用』はどうするつもりなの?」

ジン「ふむ、良い質問だ。まず手始めに全員に制服を着てもらう」

ディア「全員って私達3人しかいないのに?」

 厳しい突っ込みのディア。

ジン「次にディア君には私服、ブロス君には私服の上に暗い緑色のジャンバー(?)、よして私がスーツをビシッと着る」

ディア「制服は・・・・?」

 またもや厳しい突っ込み。

ジン「そして被疑者のマンション前でブロス君が言うんだ!!」

ディア「被疑者って誰?しかもマンション前でブロスが!?何言うの?」

 だんだん馬鹿馬鹿しくなってきたディア。

ジン「『事件は会議室で起きてるんじゃない!!現場で起きてるんだ!!』ってね!!」

ディア「・・・・・・それって(汗)」

 有名ですよね。

ジン「そして被疑者の母親に刺されたブロス君を僕が車で病院まで運ぶ!!」

ディア「・・・・・・・・」

ジン「車の中で僕が言うんだ『死ぬなぁ青○!!』ってね。
   ディア君もブロス君に膝枕して泣きながら『○島君・・・・』って呟くのだ・・・・」

ディア「なんで私が・・・・」

ジン「そして、車の外では全警官が敬礼してくていくのだ!!」

ディア「全警官って・・・どこにいんのよ」

 完全にトリップしているし・・・・

ジン「最後はブロス君のいびきが車の中に響いて終了!! 感動じゃないか!!」

ディア「いびきの何処に感動があんのよ?」





 ジンがディアに語っている中、ブロスは1人、黙々と検索をしていた。

ブロス「まったくジンさんもヤマダさんが混じってきたのかなぁ? まぁ、あの浪漫は分からなくもないけど」

 君も十分に同類化してきているよ。

ブロス「あの刺された時に『なんじゃこりゃ〜!!』って言ってから倒れるのが素晴らしい」

 それ、間違いだぞ。

ブロス「そして・・・―――ん? レーダーに反応!!」

 ブロスの一声により言い争っていた2人が一瞬にして仕事人の顔付きになる。

ブロス「アキト兄がターゲットと接触・・・と言うか捕捉した模様です」

ジン「接触ではなく捕捉だと? 何かの間違いではないのか?」

 ブロスの側に集まったジンが質問をする。

ブロス「ターゲットの位置は・・・MITメインコンピュータ内部―――電脳世界です」

ディア「と言う事はアキト兄は手も足も出せない状態ってわけ?」

ジン「ブロス君はターゲットを解析、ディア君はターゲットが活動した際の被害予測、私は対処法を練ってみよう」

ディア・ブロス「「了解!!」」

 それぞれが自分の席に戻りそれぞれ役割をし始める。

ジン「初っ端から厄介な相手にぶつかったもんだ・・・どうする?アキト君」





ブロス「ターゲット"C−1[シーワン]"の解析の大半を終了」

ディア「なんなの?その"C−1"って・・・・」

 ディアがブロスの方を振り向く。

ブロス「コードネーム。 カオスクリスタル第1号は英語で『The number of 1st of the chaos crystal』だからもじって"C−1"」

ディア「センス悪っ!!」

 今回は厳しい突っ込みばっかりだねぇ〜

ブロス「別にいいだろ!!」

ジン「ふむ・・・よしっ!!ブロス君の"C−1"をとりあえず採用だ。解析結果は?」

 すると、明るい顔にったブロスが報告書を読み出す。

ブロス「解析によりますと"C−1"の身体の98.05%が吸収した電気と判明」

ディア「残りの1.95%は?」

ブロス「不明です」

ディア「あ〜ん〜た〜は〜真面目にやったの!?」

 グリグリグリグリグリグリグリグリ

ブロス「痛い、痛いよっ!!」

 ブロスにグリグリ攻撃を仕掛けながら恐ろしい顔付きで迫るディア。
 そんなディアから涙目で逃れようといているブロス。

 グリグリグリグリグリグリグリグリ

ブロス「いたたたたたたたたたたたた」

 明らかに拳に力の入って痛がっているブロスをよそにジンが語りだす。

ジン「それはおそらく『カオスクリスタル』だろう」

 ジンの発言にディアは拳の動きを止める。

ディア「『カオスクリスタル』ってあの『化け物』の事じゃないの?」

ジン「いや、さっきブロス君が言ったように『カオスクリスタル』は『chaos crystal』・・・つまり『混沌の結晶』な訳だが。
   実際の本体は結晶体なのだ」

ブロス「あ〜痛かった。ったく手加減を知らないんだよディアは」

ディア「何か言った(怒)!?」

 この時この場にいた男2人は心の中で『般若・・・』と呟いていた。
 どういう状況だったのかは描写しないが読者諸君なら分かると信じているので話を進めます。

ブロス「と、とにかく・・・だったら何故、結晶体が化け物になるんですか?」

 この当たり前の質問にジンは・・・・

ジン「んなもん知らん

 ・・・・・・・・・

 ・・・・・・・

 ・・・・・

 ・・・

 ・

ディア・ブロス「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?」」

 まるでヤクザの顔付きでジンを攻める2人組。

ジン「ヤクザの顔で攻めるのはやめてね・・・実際のとこその辺は真相解明されていないんだ」

ディア「と、言うと?」

ジン「我々は『カオスクリスタル』の存在は知っていても性質まったく分かっていないんだ」

ブロス「でも今まで『カオスクリスタル』が出没したことがあるならサンプルとかあるんじゃないの?」

ジン「確かに今まで『カオスクリスタル』の出現した事件は多く大半は解決してきた。
   無論、サンプルだって採取したさ・・・しかし、研究していた学者によると1つ1つが成分が違う・・・とね」

 ジンの話を無言で聞く2人。
 しかし、学者って誰・・・?

ジン「基本構造は似ているんだけれどそれぞれやっぱり違うみたいだな」

ブロス「人間で言うDNAみたいなもの?」

ディア「なるほど、なんとなく分かりやすい。ブロスにしては考えたわね」

ブロス「ディア・・・僕はアキト兄とは違うんだよ」

ジン「アキト君の苦労も分かりそうな会話だね」

 おそらくこの場のアキトがいたならば涙を流して握手して上下に振るだろう・・・多分。

ジン「とりあえず、カオスクリスタルの正体は解明中だがその1.95%内にある結晶体が奴らの弱点だということぐらいは判明しておる」

ブロス「じゃあ、退治するのは簡単ですね」

ジン「まぁ、簡単に聞こえるがこれがまた難しいのなんのって・・・・」

ディア「難しいんだ」

ジン「その時の状況次第だな。時間の経っているカオスクリスタルは恐ろしく強いし弱点が分かってもあちらさんだって馬鹿じゃない。
   結晶体の場所さえわからなければ退治することや回収はもちろん再生し放題の無敵状態だしね」

ディア「どうすればいいの?」

ジン「・・・・・・・・祈るか?」

 と言いつつ胸の前で十字を切るジン。

ブロス「こんな時って何て言うんだっけ?」

ディア「神頼みじゃないの?」

ブロス「ふーん」





 またを無責任とも言う。











−MITメインコンピュータルーム

 ディア達のとこでそんな事があった時、こっちは静まり返った室内に画面には繭が破裂する瞬間が映し出されていた。

まーくん「やったか!?」

 部屋内が騒ぐ中、俺は4つの気配を画面内から感じた。

ひとし「残念ながら、まだのようだぜ」

 俺の言葉に反応した人たちが画面を見ると手前からフォーティ君、トゥエニーさん。
 少し離れてサーティさんが倒れてその横には6つの足で立っている化け物がいた。

父「なんという事だ・・・・」

まーくん「恐れていた事態ですな」

研究員「monster・・・・」

 研究員が呟いたようにソレはまさしくモンスターといって過言ではない。
 となれば今、取れる方法は一つしかない!!

ひとし「―――っ。全員、研究所から退避するんだ!!」

母「どうして!?」

ひとし「奴のパワーは未知数だ。ここで交戦してもこっちがやられる。
    トゥエニー、フォーティ聞こえるか!?サーティをつれて現実世界に戻ってこい!!」

トゥエニー『それが得策かも・・・っと言いたいんだけど。サーティの回収は今の私達じゃ無理よ』

弥生「どうして!?見捨てるの!?」

まーくん「サーティを回収しようとしても奴とは嫌でも交戦することになるな・・・・」

 くっ・・・俺にはどうする事もできないのか!!
 俺は床に拳を打ちつける。まぁ、お約束ってとこかな。(不謹慎)

 部屋内の全員が得策を考え出す。
 しかし、時間がない奴がサーティさんに手を出すまでに考えつくなんて・・・今の俺でも不可能に近い!!
 こんな事ならハーリー君の1人でも連れてくるんだった!!

 あくまでも『妖精』の2人を指定しないとこが俺らしい・・・・



 そんなくだらない後悔をしていた時、画面内に気配が1つ増えた!?

???『伏せて目を閉じなさい!!』

 トゥエニーさんとフォーティ君は条件反射で行動を移した、次の瞬間、画面から強烈な閃光が部屋内を眩しくする。

弥生「何、何が起こったの?」

父「目がちかちかする・・・・」

 閃光が終わって覚醒した俺達が画面を見るとサーティの姿は無かった。

まーくん「トゥエニー!!状況を報告しろ」

トゥエニー『分からないわ。ただ、奴にやられたって訳ではなさそうだけどね・・・・』

 その時、部屋に侵入者が入ってくる。
 俺はとっさに構えるがその相手の顔には記憶に残っていた。

ひとし「あんたは確か・・・・」

???「いいから、ココから脱出するぞ!!後300秒後にこの研究所は孤立させる」

 こいつ・・・俺と同じ事を考えてしたのか・・・・

弥生「え?えっ?話が見えないんだけど・・・・」

ひとし「とにかく・・・2人とも、現実世界に戻って」

フォーティ『サーティ姉さんはどうすんの?』

???「彼女は大丈夫だ。さぁ行くぞ!!もう、他の研究員は非難している」

父「ここは彼の言うとおりに非難しよう」

 そしてひとし君のお父さんを先頭に研究員とお母さんその後を弥生ちゃんと首に掛けられたまーくん。
 最後は俺と侵入者の男。それぞれ俺はフォーティ君を男はトゥエニーさんを抱えている。





−MIT研究所 外

父「この研究所をどうやって孤立させるのかね?」

???「簡単な事ですよ。この研究所からの通信回線及び電話線、電線などを全て切断。そして・・・・」

 男がリモコンのスイッチを押すとMITの入り口、進入口の全てにシャッターが下りた。

母「これは・・・対テロリスト用の防犯プログラム」

???「これでこの研究所は外部からの接触及び外部への進入は不可能になった。
    と言ってもメインコンピュータが乗っ取られたんだったら内部への侵入は無理な話だけどね」

ひとし「しかし、これは時間稼ぎにしかなっていない」

???「ああ、これで問題は何も解決していないし奴はメインコンピュータ内で健在している」

父「倒す方法は無いのかね?」

???「少なくともサーティ、トゥエニー、フォーティの3人が有効な攻撃手段だが・・・今のままじゃ蟻とライオンの力の差があるからな・・・・」

ひとし「じゃあ、3人をパワーアップさせるしかないですね」

???「しかし、今から3人ともとなると設備と人材が足りないからかなりのタイムロスになってしまう」

まーくん「うむ、私が算定した結果・・・対抗できるまでパワーアップとなると2ヶ月はかかるかな」

トゥエニー「それじゃ遅い!!もっと有効な手は無い訳!?」

 とトゥエニーさんが男を掴み上げる。

弥生「ち、ちょっとトゥエニーさん。見知らぬ命の恩人に暴力は・・・・」

 その言葉に反応したトゥエニーさんが反論する。

トゥエニー「見知らぬ・・・はっ、こいつは私達の敵だったのよ」

一同(俺、トゥエニーを除く)「「「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」」」」」

弥生「本当なの!?お兄ちゃん」

 弥生ちゃんが俺に問い詰める。

フォーティ「僕は知らないなぁ・・・・」

ひとし「確かフォーティは産まれてなかったからね。紹介するよ彼は・・・名前なんでしたっけ?

 ズルッ

 一同がすべってしまった。
 かなり失礼だとは知っているが、記憶が薄すぎて分からないんだもん(泣)

???「・・・・君って薄情なんだね・・・まぁいいや、僕の名はビリー・G。元ハッカーってとこかな?」

ひとし「忘れてたのは俺じゃないもん・・・・」

ビリー「何か言った?ひとし君」

ひとし「べつに〜♪」

 俺が悪いんじゃなてんだも〜んって言っても誰も信じてくれないよね。

トゥエニー「で?一度は私達の敵だったあんたが何故に私達に加担すんの?」

 ビリーは眼鏡をクイッと上げて言った。

ビリー「な〜に、興味本位ですよ。1年前、日本で起こった『ゼロ事件』。
    あれに深く関わっていた君達を少しの間、監視してましてね。そしたらタレコミがあったんですよ」

ひとし「タレコミ?」

ビリー「『ゼロは神戸博士の製作したAIだ』ってね。僕はこのネタが本当かMITの神戸博士について調べたんですよ。
    その時、神戸博士・・・そしてひとし君達のデータが何者かに奪われたんですよ」

父「ああ。その事なら知っている。サーティ達を狙った何処かの組織の仕業だと思い警戒はしていたが・・・・」

ビリー「僕は独自で犯人を追った。そのデータを奪うハッキングの能力が並大抵の人物じゃないと思って興味が沸いた。
    しかし、犯人は『人』ではなかった。能力が高くて当たり前だったんだ、犯人は1年前に君達が消滅させた『ゼロ』だったんだから」

一同「「「「「「「!!」」」」」」」

ひとし「だから『ゼロ』はMITの研究所を狙ったわけか」

弥生「でも・・・あの『変化』は?」

ビリー「僕もあの『進化』は説明できない。ただ言えるのは・・・対抗手段を早く決めないと被害が増えるということだけだ」

まーくん「あの電力は異常だったからな」

母「しかし、AI達をパワーアップさせるのが今できる最高の手段として・・・さっきも言った通り施設が無いわ」

 うーん、と考える一同。しかし・・・皆忘れていないか?

ひとし「それよりも、サーティは?」

一同「「「「「「あ!?」」」」」」

ビリー「心配ない。フィフス!!」

 すると彼の持っていたモバイルの画面から2人の人影が出てきた。
 1人はサーティさん。もう1人は見知らぬ人だった。

トゥエニー「あんた・・・誰?」

 初対面になんて事を言うんだこの人は。
 しかし、画面から出てこれると言うことは・・・・

ビリー「察しの通り、彼女は僕が造ったAI『フィフス』だ」

フィフス「よろしく」

 少し無愛想に挨拶をする彼女。

サーティ「彼女のお陰で助かりました」

ひとし「そうか・・・ありがとうフィフスさん」

フィフス「フィフスでいい。それに命令を実行したまでだ」

弥生「もう少し感情が足りないんじゃ・・・・」

 するとビリーが申し訳なさそうに言う。

ビリー「僕もそう思ったんだけど・・・いやー実現化モジュールは難しくていかんね、はっはっはっ」

こいつ・・・パクったな、絶対。

フォーティ「そういえば外見はパッと見でサーティ姉さんと一緒だね。

ひとし「そりゃそうだ。フィフスはサーティのコピーみたいなものなんだろ?」

 ビリーは自分が言いたかったという顔をしながら反論する。

ビリー「まー確かに否定はできないが、性格まで一緒にすると僕としても面白くないから作ってみたのはいいんだけど・・・・」

トゥエニー「いいけど?」

弥生「どうしたんです?」

ビリー「僕って思ってみたらウイルスばっか作ってたからちょっと失敗してしちゃった♪

 その光景はまるで悪ノリのおじさんだった。

フィフス「そういうわけです」

弥生「そういうわけですって・・・納得してるのあなた?」

フィフス「肯定」

サーティ「それはともかく・・・仲良くしましょうね」

フィフス「・・・・・・・・」

 ビリーの方を見ている。どうすればいいのか分からないんだろう。

ビリー「(うーん、僕としてもあの性格にはちょっとねぇ〜。ここで彼女達に感情を教えてもらわないと・・・)
    いいんじゃないか?フィフス。同じAI仲間同士で親睦を深めるのもいいぞ」

フィフス「了解」

 こうしてサーティ達AI同士で仲良く(?)なった。

父「話はまとまったかね?」

 そういえばすっかり忘れてた。

ひとし「んで、父さんには良い解決策があるの?」

父「うん。ひとし・・・日本に行け」

 何、いきなり言い出すんだおっさん。

弥生「逃げろって事?」

母「そうじゃないわ。AIの3人の能力を上げるには元―――プログラム・コアを書き換えればいいんだけど・・・・」

父「最低で3人のプログラマーが必要となる。ひとし、弥生、そしてビリー君。
  君達3人は一足早く日本に行って作業をしてくれないか?お前達なら移動中に構造は組み立てられるだろ」

弥生「お父さん達はどうするの?」

父「私達はMITの研究所封鎖についてと『ゼロ・スパイダー』の復活でアメリカ政府と緊急会議に出席したいと思う」

まーくん「そんな権力が博士達にあったのか?」

母「大統領にはちょっとしたコネがあるの♪」

 ますます訳の分からない家族だな・・・・

ビリー「移動手段は?奴は何時動き出して航空コンピュータをハッキングするか・・・・」

父「心配はいらん。こんな事があろうかと
  家の地下に最新鋭のステルス爆撃機を用意してある。

 ・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・

 ・・・・・・

 ・・・・

 ・・

 ・





 その時、時が止まった・・・・

ひとし「ちょっと待てぃ!!何でそんな物が家の地下に」

 お母さんと研究員を除いた一同が賛同する。
 しかし、この馬鹿親父が言った台詞に一同が気力を失った。それは・・・・

「地下に愛機を隠す動作など某NTの若造でもすることだよゴリラ君。
  はーっはっはっはっはっはっはっはっはっ」





 この人は世界征服でも企んでるんじゃないのか?





−ひとし家 秘密地下室

 こうして、俺達3人は日本に向かう事になったが・・・・

弥生「まさか、こんなとこに地下室が・・・・」

ビリー「今回だけは同情するぞ。お前らに」

 ここでふと疑問に思った。

ひとし「確かにこの機体なら、とばせば2時間足らずで日本に到着するが・・・いろいろ問題があるな」

弥生「何、何?」

ひとし「誰が操縦すんの?」

ビリー・弥生「「え・・・・・・・・」」

ひとし「それにこれって2人乗りだぞ。サーティ達はモバイルに入って待機中だから良いものの1人は膝の上に乗らないといけないな」

ビリー・弥生「「あ・・・・・・・・」」

ひとし「そして最大の問題は2時間・・・その間に操縦席にかかるGに君達が耐えられるかだ」

 ちなみに俺は元の身体能力も継続しているので平気。

ビリー「僕は操縦もGも無理だね」

弥生「やっぱり、やめない?コレで行くの・・・・」

ビリー「僕もそれに賛成だね。まぁ、いまからだと到着するのは20時間後だけど」

 こいつら・・・・

ひとし「分かった」

ビリー・弥生「「え」」

ひとし「俺が先にサーティ達を連れて行ってるからお前らは後から来い」

 と言いつつヘルメットを被ってモバイルを奪い、コックピットに乗ってハッチを閉めた。

ビリー「おいおい、ひとし君。無茶だぞ」

ひとし『この機体の前に立つな!!死にたいのか!!』

弥生「お兄ちゃん!!やめて!!」

 俺は弥生ちゃんの言葉を無視して突き進んだ。
 滑走路が開くとそこは・・・家先の公道だった。
 もちろん車は止まらず走っている。

ひとし「悪いのはあのマニア親父だから。俺は何にも悪くありません」

 と言って発進した。





 これは後談だが、あの街ではしょっちゅうの出来事らしい。



 ここはナデシコか?





 こうして俺は日本に飛び発った。






to be continued







この作品はフィクションです。実在の原作・人物・団体・事件なとには、一切関係ありません。







−後書きコーナー−

 拝啓

 やっちゃた♪

 どもども、更新に2ヶ月掛かりました。
 皆さん覚えています?この作品の存在を。

 え!?忘れていた?
 いけないなぁ〜この『パラレル』の最後は凄い事になるのに・・・・

 まぁ、それは置いといて。
 前回の宿題は『ビリー・G』でした。

 私も作品では2・3回しか出てこなかった彼を使った訳というのは・・・

 ぶっちゃけて言うと、オリキャラを作成できなかった。
 というのが本音。俺ってオリジナリティ無い〜。

 そしてアキト扮するひとしが日本に発ったわけですが。
 今回、アキトの戦闘は?というとほとんどありません。つーか無理だろ。
 だから、彼には2時間で日本に行くという大役が回されたのです。
 まぁ、敵が実現化モジュールを使用しなければの話ですけどね


 さてさて、今回は募集をしたいと思います。私の頭じゃオリジナルな機体名が思い浮かびません。
 そこで、『逮捕』の方で数機、エステとまったく違う機体を出すつもりです。
 その機体名を申し訳ないですが考えてくれませんか?

 機体のスペック(仮)

 アキト用 属性:メイン→闇(憎しみ・恨み)/銀(信頼)
 夏美用  属性:メイン→雷(友情)/水(明鏡止水)
 東海林用 属性:メイン→地(勇気)/風(自然博愛)
 北斗用  属性:メイン→光(希望)/炎(愛)

 上4機の量産型(いろいろなタイプがある。通常の警察署に配布されるヤツ)

 後は総称とか・・・それぞれの技の名前とか・・・・

 採用されたら・・・・恨まないで下さい。名前は載せます(当たり前)

 第1回募集期間は2003年7月19日の午後10時まで
 感想の掲示板に書いてて下さいませ。



 ごめんなさい、俺が博識でないばかりに・・・・
 管理人さんごめんなさい。言われたとおり書き逃げしました。



 敬具