アキトのパラレルワールドストーリー



EPISODE 5












−大野宅 書斎

 前回、ジンの情報により『大野 太』なる人物の家に踏み込んだ。

 家の中は生活感は無くなっており不信感を感じたアキト。

 書斎でアキトが見た物とは・・・・・・

ひとし(アキト)「・・・・・・遅かったか」

 視界には散らかった本等と黒こげになった立派な椅子に座って机にもたれている黒い人形(?)であった。

 人形に近付くとそれが黒こげの死体である事が良く分かった。

ひとし「俺達がココに来る事を予測したのか」

ジン『手際のいい犯行だな』

 突然にアキトの目の前にモニターが開いた。

ひとし「と言う事は証拠消滅の可能性もあるんじゃないのか?」

 すでに少しばかり諦めモードのアキト。

ジン『そうも行かんよ。 とり合えず調べてくれ、俺は作業にまた戻るから』

 と言いモニターは消えた。

ひとし「なら連絡なんかすんなよ・・・・・・」

 呆れつつも現場検証を始めるアキト。

 無論、邪魔なので警察には連絡はまだしていない。

 アキトは死体を触った。

ひとし「死体からの状況じゃ死亡推定時刻は分からないか・・・・・・」

 完全に炭と化している死体では難しいものである。

 犯行と言っても犯人は既に分かっていた。

 C−1である。

 MITでのC−1の攻撃と同じのをまともに喰らったんだろう。

ひとし「黒こげになるぐらいだから10万・・・・いや100万V以上はあるか?」

 次に椅子を移動させてパソコンを立ち上げた。

 高圧電流が流れたというのにパソコンには何も異常が見られなかった。

ひとし「情報が消されていなければいいんだが・・・・・・」

 デスクトップ画面から目ぼしいファイルと怪しいソフトを次々と機動させていくアキト。

 そして、アキトの目が止まった。

ひとし「これは・・・・・・」

 それは何か文章ファイルみたいなのだがパスワードで厳重になっていた。

ひとし「パスワードか・・・・・・こんなの、ちょちょいのちょいっと・・・・・・」

 普段のアキトならこの作業はルリやラピス達まかせなのだが、このアキトは違った。

 彼は現在『神戸 ひとし』の『コンピュータ(プログラム等)に関する知識』という能力を身に着けたのだ。

 よって今のアキトなら、このぐらいのパスワード解析など朝飯前なのだ。

ひとし「おぉ・・・・・・開いたか」

 約30秒後、ファイルは見事に開かれた。

 実はアキト自信も内心ビックリなのである。

 その文章ファイルは大野の日記だった。

ひとし「人の―――しかも、死んだ人の日記を読むのって気が引けるなぁ・・・・・・」

 つべこべ言わず読んでください。

ひとし「はいはい・・・・・・・っと、日記は約1年前からか・・・・・・」

 アキトがポケットから携帯を取り出し日記の最初の日と照合して約1年前と判断したのだ。

 文節はこのような内容だった。

 『今日、会社をクビになった。 馬鹿な上司が今頃になって俺の素晴らしい犯行に気付いたのだ。

  まぁいい。 会社には
『置き土産』もして来たし問題ない。

  それよりか今、私は
『新たなオモチャ』を手に入れた。

  なんと私の作った芸術品のセキュリティーを難無く突破したのだ。

  私はなんとか捕獲に成功した。 今日からはこいつの製作記録と私の素晴らしき実験を記録していきたいと思う』


ひとし「置き土産?」

 アキトはその単語が引っかかった。

 すぐに『ひとしの記憶』から意味が分かったのだった。

ひとし「ウイルスか・・・・・・」

 『ひとしの記憶』によると、この会社のデータ全てがクラッシュし爆破したらしい。

 すぐさまにネット界では『新たなウイルス』という疑惑が持ち上がったらしく、ひとしはその経緯で知ったのだ。

ひとし「と言う事は『新しいオモチャ』というのはゼロの事だな」

 アキトは続きを読んでいく。

ひとし「・・・・・・・この後は実験は失敗した見たいだな」

 数ヶ月に渡り実験して失敗した事がズラーっと続いていた。

 途中、途中では挫折しかかっている文面もあった。

ひとし「挫折するんだったら挫折しろよ・・・・・・」

 まったくである。

ひとし「そろそろ1ヶ月前になるのか・・・・・・ん?」

 『成功だ!! 成功したのだ!!

  やはり僕は天才だ!! 僕の理論は間違っていなかったのだ!!』


 どうやら何らかの方法で成功させたみたいである。

ひとし「どうやった!? どうやって成功させたんだ!!」

 アキトは興奮しながら画面をスクロールしていく。

 しかし、肝心の成功した実験内容は書かれていなかった。

 だがアキトの興味を引いた文面が出てきた。

 『未完全だが僕のゼロが完成した。 さて、どうしてくれよう・・・・・・

  そうだ、随分前に『ビリー・G』とか言うふざけた奴にまんまとはめられたっけ。

  奴こそ僕の復讐第1号に決定だ。 さぁ、ゲームの時間だ・・・・・・』


 その後、ゼロにハッカー術を覚えさせた大野はビリーのパソコンにハッキングしている。

 その要所した時間が2週間だった。

 大野がハッカー術をゼロに覚えさせたのは他でもないハッキングに早く慣れさせるためだった。

 いくら引退したといってもビリーは天才といわれる程のプログラマー。

 まだ不完全なゼロが太刀打ちできるはずがない。 だから経験のために時間を費やしたのだ。

 回数を重ねれば話は別だが、それではビリーにゼロの存在がバレてしまうのだ。

ひとし「未完全・・・・・・やはりディア達の言った通りか・・・・・・」

 その後はビリーのデータを物色していた時の事が書かれていた。

 『ビリーのデータから面白い物を見つけた。

  『実現化モジュール』・・・・・・懐かしい言葉だ。

  この僕が唯一、尊敬していた神戸教授の学論のテーマ内容だった。

  まさかビリーがこの言葉を知っているとは・・・・・・』


ひとし「あの大馬鹿マニアオヤジと知り合いだったのか!?」

 ふと、その時アキトはパソコンの横に倒れている写真立てを立てた。

 写っているのは若い頃の神戸夫妻とデータで見た大野とその他に白衣の人達が神戸夫妻を中心に撮った集合写真だった。

ひとし「同じ大学の研究グループだったのか!!」

 アキトはすぐに風呂場で見せられた大野のプロフィールを呼び出す。

 そこにはMITに所属している事を明細されていた。

 そして日記の続きを読んでいく。

 『新たな事実が分かった。 僕のゼロは神戸教授の作品だったのだ!!

  流石、教授だ・・・・・・このようなAIをお作りになるなんて。

  そして教授以上に興味の沸いた人物達も出てきた。

  その名は『神戸 ひとし』・・・・・・教授の息子であり唯一、『実現化モジュール』を成功させた人物。

  そして教授のゼロを起動させて破壊した。 まさか、こんなガキに教授のゼロがやられるとは思わなかった』


ひとし「言われているなぁ・・・・・・(   J J J)」

 でも、自分の事ではないので他人事だと無視するアキト。

 何気に冷たいのである。

ひとし「何とでも言え。 時間がもったいないのだ」

 さっさと続きを読むアキト。

 『・・・・・・そして『難波 サーティ』『難波 トゥエニー』『難波 フォーティ』。

  この3人が『実現化モジュール』にて実現化したAIだったとは・・・・・・

  この僕でさえ驚愕した事実だった。

  『ゼロ事件』前にAIが何とか?というニュースやMITのHPより相互リンクでHPがあったが・・・・・・

  あの時は「ふざけた内容」としか受け止めていなかったが確かに『実現化モジュール』は成功していたのだ』


ひとし「・・・・・・・・・・?」

 『ひとしの記憶』によると『ゼロ事件』の前日に弥生がサーティ達の正体がAIだと知って、この事でひとしの世間からの高感度をアップさせるという一方的なおせっかいの結果、一部だがマスコミや専門家にバレかけたのである。

 すぐにHPは閉鎖したらしいが・・・・・・

ひとし「兄思いというのだろうか・・・・・・・ブラコンなんだろうか・・・・・・」

 100%後者です。

 『次のターゲットが決まった。

  このAI3人を拉致して解剖し、『実現化モジュール』の実態を探ろうと決めた。

  どうせ3人も成功例――モルモット――はいるのだ。 すぐに解明できるだろう』


 「なんというやつだ・・・・・・」アキトは心の中で呟いていた。

 それ以降の日記が書かれていない。

 最終日の日付は1週間前で終わっていた。

ひとし「結局、書いて無かったか・・・・・・」

 少ない情報だが収獲はあったとアキトは感じていた。

 ハードディスクを隅々まで捜索したが他に目ぼしいファイルは無かった。

 次に付近に散らばっているCD−ROM等を捜索しようと拾い上げようとしたその時だった。

 アキトは何かに気付いた。 視線の先には本棚があった。

 中身の本は下に散らばっていたり倒れていたがある段のみ普通に何事も無かったように5、6冊の本が立ててある。

 アキトはその本を取ってみようとしたがビクとも動かなかった。

ひとし「あまり力を入れるとマズいな・・・・・・こりゃ、何かの装置のスイッチか?」

 普通の人と同じぐらいの力で動かすと右にズレていった。

 しばらくすると小さな機械音と共に本棚も同じように動いた。

 そして現れたのは指紋認識の金庫だった。

ひとし「うわっ、厳重だなぁ〜」

 そう思いつつ大野の死体を見るが、どうやっても指紋をとれそうな状況ではない。

 と、言う事で・・・・・・










ひとし「実力行使あるのみ〜♪」  (SEED PLUS第2話より)

 バキッ バキバキッ

 手刀で金庫の隙間に手を突っ込み扉を強引に引き出すアキト。

 やっぱり、尋常じゃないよあんた・・・・

ひとし「いや〜それほどでも―――って言ってる場合じゃないか・・・・」

 ぽっかり空いた金庫を目の前にギャグ(?)を飛ばすアキト。

 中を除くと中にはDVD−ROMがあった。

 アキトはためらいも無くDVDをパソコンで開いた。

ひとし「何々・・・・・・・・・・これは・・・・・・」

 内容を見ていたアキトの顔色が変わっていた。

 そして大野の記録をもう一度見た。

ひとし「そうか・・・・・・だから奴は・・・・・・」

 1人何故か納得したアキトであった・・・・・・










−高速道路

 ――ブロロロロ・・・・・・・

 アキトはDVD−ROMを持って大野宅を出た頃には深夜12時をとっくに過ぎており2時だった。

ひとし「タイムリミットは10時間か・・・・・・」

 そう呟くとアクセルを更に吹かして速度を上げる。

 流石に深夜の高速では通る車は少なくスムーズに進んでいた。

 その時だった・・・・・・

 ――プルルルルル

 突然、携帯に連絡が入った。

 空いている左手で携帯のコードをヘルメットに付いているプラグに刺しこみ通話ボタンを押した。

ひとし「もしもし?」

弥生『あっ、おにーちゃん? どこまで行ってるの!?』

 相手は弥生だった。 そうとう怒っているようである。

 無理も無い、家を出て既に約10時間経っている。

弥生『まぁこっちも何故かスムーズに書き換えが進んでいるからお兄ちゃんが居なくても大丈夫だけど・・・・・・』

ひとし「は、はははははは・・・・・・」

 ディアとブロスは結構上手くやっているようである。

弥生『時々、余計なオプションもついたり、やってもいないのに暴走するし・・・・・・

 前言撤回。 やりたい放題のようである。

ひとし「あいつら・・・・・・」

 少し顔がひくつくアキト。

弥生『あいつらって何の事?』

ひとし「あ〜〜父さんと母さん何か言ってなかった?」

 誤魔化し方が見事に下手な男である。

 だから浮気(?)が直ぐにバレるのである(爆)

弥生『あっそうそう。 まーくんに聞いたんだけど戦闘機に襲われたんだって?』

ひとし「まあな」

弥生『実はね私達がアメリカを発つ時にお父さんが「すまん」って言ってたよ』

ひとし「は?」

 何がすまないのだろうか、心当たりがありすぎるアキトだった。

 ――ブロロロロロ・・・・・・

 その時、アキトのバイクとは別のエンジン音が後ろから聞こえてきた。

 アキトは夜中のツーリングをしている若者ライダーだと思い話を続けた。

ひとし「んで、何がすまないんだ? 心当たりがありすぎるよ

弥生『お、お兄ちゃん・・・・・・結構、苦労したみたいだね・・・・・・(   J J J)』

 どうやら飛行機襲撃事件を思い出してもらえたみたいである。

ひとし「父さんがあんな物作るからだからだ!! 信じられないよ」

弥生『あ、はははははは・・・・・・』

 かなり苦笑いの弥生。 何か様子が変である。

ひとし「どした?」

弥生『いや・・・・・・実は言い難いんだけど・・・・・・』

ひとし「うん?」

 ――ガチャン ガチャン

 何か後ろで不気味な音が聞こえてくるが無視するアキト。

弥生『実はお父さんが・・・・・・』

 ――バシュ バシュ バシュ バシュ

弥生『無人試作機のガーランドも数台なくなったって』

 ぢゅどどどどどぉん

ひとし「それは早く言ってくれぇぇぇぇぇ!!」

 バイクを直ぐに傾けて回避するアキト。

 正に間一髪であった。 つーか、不気味な音がした時点で気付けよ。

 おそらく『ガチャン ガチャン』はガーランドがバイクから変形した音だろう。

弥生『どうしたの? お兄ちゃん』

 何故かまだ、アキトの状況を把握していない弥生。

ひとし「今、そいつらに襲われているんだ」

弥生『ひぇー頑張って、お兄ちゃん!!』

 驚いているのだろうか信じていないのだろうか、疑わしい励みの言葉ではあった。

弥生『んじゃ、私は作業に戻るから早く帰って来てねお兄ちゃん』

 ――ガチャ ツーツーツー

 完全に信じていないな・・・・・・

 ――バシュ バシュ

 そんな間にも後ろからビームガンで攻撃されている。

 アキトはミラーで敵数を数える。

ひとし「5機か・・・・・・微妙な数だな」

 呟きつつもフェザーブラスターを取り出し反撃を開始する。

 ――ドシュ ドシュ

 だが、バイクに直ぐ変形し簡単に回避する敵ガーランド。

ひとし「くっ このまま家まで行くって事はまず駄目だよな。 なら・・・・・・」

 アキトはジャンプするとバイクはスライダーフォームに変形してアキトが乗った。

 そしてバイクは敵を振り切るように加速し、丁度良いぐらい距離を稼いだら上空で旋回し敵の真正面に飛び込んでいく。

 ――バシュ バシュ ドシュ ドシュ

 お互いがすれ違いざまに打ち合う。 そしてすれ違いと同時に・・・・・・

 ちゅどぉぉぉぉぉぉん

 2体のガーランドを撃破したアキト。

 また少し距離を取って旋回する。

ひとし「一気に決めるか」

 スライダーフォームからアタックフォームに変形する。

 外見から見れば一発で警察行き決定の姿になったバイク。

 ――カチャ カチャ カチャ

 後ろの12連マイクロミサイルが収納されているミサイル箱が開く。

ひとし「マイクロミサイル発射!!」

 ――シュパパパパパパパ

 たくさんのマイクロミサイルが敵ガーランド目掛けて飛んでいく。

 ちゅどどどどどどどどぉぉぉぉぉん

 見事に道路ごと木っ端微塵になっていく。

 もちろん跡形も無く吹っ飛んだ。

ひとし「・・・・・・・・・・(   J J J)」

 確かにマイクロミサイルを使ったのはアキトだ。

 それは納得している。 しかし・・・・・・

ひとし「やりすぎた・・・・・・」

 何も無くなった道路を見詰めながらアキトが呟くのであった・・・・・・











 うわっ、オチがガタガタじゃん!!










to be continued







この作品はフィクションです。実在の原作・人物・団体・事件なとには、一切関係ありません。







−後書きコーナー

 拝啓

 えーオチがガタガタな第5話をお送りしました。

 特に後半部分ではインフルエンザでやられた熱が酷い状態で書いたので自分も何時書いたのか記憶にありません。

 ・・・・・・ってかなりの言い訳ですね。

 とにかく見逃してください。 早く『AI止ま編』を終わらせたいんですよ。

 『了承』して下さい。





 さて、今回は大野宅の捜索の後半と高速道路での戦闘が少しありました。

 今回初めて『パラレル』ならではのアキトの『コピー能力(?)』が発揮されました。

 まぁ今回の作品が『AI止ま』だから『プログラミング能力』でしたが、

 これから先アキトがいろいろな作品に乱入したらどんどん能力も増えていき凄い事になるだろうと思います。

 話が進めたらの問題なんですけどね。





 高速道路の戦闘について・・・・・・

 やってしまいました。 バルキリーに続くパクリネタ、ガーランド。

 もう、書く事が無かったので穴埋め同然の覚悟で書きました。

 まぁ「だから、どうした?」と言われたらお終いですけどね。

 でも、公共施設でのマイクロミサイル攻撃は流石に反則だと思いました。

 後々の収拾が付かないと思いますので、

 良い子も悪い子も公共施設での爆破はやめましょう。(特にイラ○の人達らへん)

 以上。





 前回、管理人さん等に『描写が足りない』と言われたので今回は三人称視点で書きました。

 どうでしたでしょうか? やはり駄目でしょうか?

 そこらへんの意見が聞けなくて不便です。

 けど、そろそろバイトの給料が入り始めるので念願のインターネットを自宅に接続という夢が適いそうです。

 でも料金とか気になるので、どうすればいのか分からない状態です。

 何かアドバイスがあればお聞かせ下さいませ。

 それでは、次回お会いしましょう。

2004年01月23日



 敬具








管理人の感想

TAKUMAさんからの投稿です。

大分、周囲の状況が分かりやすくなっていると思いますよ。

この調子で頑張っていきましょうw

 

それにしても、素手で金庫を壊すのは仕方が無いとして・・・警報装置とか、トラップとかがあるとは思わなかったのかアキトよ(苦笑)