『漆黒の戦神』テンカワ アキトは未来からの逆行者である。

 彼は共に逆行してきた4人とナデシコの仲間達と共に戦争を『和平』という方向で終わらせた。

 しかし、彼は遺跡に融合してしまい『跳んで』しまったのだ。





 アキトが『跳んだ』先は、西暦2178年の火星。

 そこで『ドクターJ』と出会い、現在は日本の初音島という平和な島で住んでいる『天枷親子』に出会った。

 アキトは博士の助言により、天枷家の養子『天枷明人』として初音島に住んでいる。

 そんな『初音島』には『願いを叶えてくれる桜の木』という噂がある・・・・・・

 アキトの身の回りの友人達は正に願いを叶えてもらったのである。

 『朝倉音夢』の好きな相手を全て知りたいという能力

 『芳乃さくら』(現在、米国にて研究中)の純一が知っている幼い姿で居たいという願い祖母から受け継いだ『魔法』の力

 『白河ことり』の人の心を読める能力(ほぼ無差別で、人の『妄想』や『欲望』と言った余計なのまで読んでしまい頭痛とか酷い目に会った)

 『水越眞子』の姉『水越萌』の夢で昔死んだ人と会えるという能力(会いたいがために睡眠薬を大量に摂取してしまった)

 そして、『鷺澤美咲』の飼い猫『頼子』の人間の姿になって美咲の想いを届けたいという願い。
 その願いにて『頼子』は人間になり『美咲』の魂(?)を『頼子』に移して『鷺澤頼子』としてしまいアキト達の目の前に現れたのだった。

 これらの能力の裏にはすべて純一の祖母が関わっていたのだ。
 彼女は『魔法使い』であり『枯れない桜の木』を植えた張本人でもある。
 アキトや純一的に『黒幕』な人だったが、実際にアキトも可愛がってもらったから何とも言えない。
 だからと言ってアキトには『能力』など備わらなかったけど・・・・・・

 他にもアキトの周りにはいろんな人がいる。

 ことりの義姉『白河暦』、風見学園の講師でアキト達の担任。

 アキトと純一の悪友『杉並』、『ミスリル』の情報網でもコイツだけは何故か分からんらしい。

 そしてに『朝倉純一』、祖母に教わったという手から和菓子を『造る』能力誰かの夢を見せられる能力(一方的に)

 そうそう、和菓子を造る能力は、あくまでも『作る』ではない。『造る』たびに純一自身の『カロリー』が減っていくという諸刃の剣なのだ。
 しかし、純一が食べてもカロリーが戻るだけで±0カロリーなので口直しにはなるが腹の足しにはならない。

 まぁ、こんなドタバタメンバーと毎日を過ごしている訳だ・・・・・・





 前回、とうとう『ナデシコ』に乗艦する事を皆にカミングアウトできたアキト。

 それを聞いてぞれぞれの気持ちが揺らぐ中、とうとう『風見祭』の日が訪れた。

 さてさて、今回はどうなる事やら・・・・・・





 と、その前にただ今の状況を年表にまとめてみました。(設定の行き違い等があったので)





 西暦2196〜2197年頃  テンカワアキト他4名が逆行して木連との和平に成功。
   戦争終了間際になりブローディアが『遺跡』と融合(?)してランダムジャンプが起こる。


 西暦2183年(13年前)  テンカワアキトがジャンプアウト。当時5歳と推定。
   ドクターJの計らいで地球に脱出を成功。天枷家に養子となって引き取られる。


 西暦2184年 小学校に進学したアキト(当時6歳)は純一(当6歳)とその祖母に出会う。

 西暦2186年  アキト(当時8歳)とカリーニン(当時は中尉)が接触。同時にテッサ(当時8歳)とも出会う。
   芳乃さくら(当時8歳)がアメリカに引越し。同時に音夢(当時8歳)が純一の義妹になった。


 西暦2191年 アキトと純一と音夢(当時13歳)は風見学園付属に進学。眞子と杉並に出会う。

 西暦2193年 アキト(当時14歳)が『ウルズ5』に任命。『ウルズ2』マオに出会う。

 西暦2194年  アキト達(当時15歳)、付属3年に進学。クリスマス純一と杉並が『聖夜のアルテミットバトル』を企画、決行。
   ことり、萌と出会う。同時に例の不思議な体験をする。
   アキトは『ウルズ』に任命された『ウルズ7』宗介(当時15歳)と『ウルズ6』クルツと出会う。


 西暦2194年  アキト達(当時16歳)が本校に進学。美咲が転入してくる。
   アキト達により手芸部主催の『ミス風見学園コンテスト』を撲滅。
   宗介が『ウィスパード』候補の千鳥かなめの護衛にあたる。
   この年から初音島が木星蜥蜴の襲撃を初めて受け、『ミスリル』の事が純一達にバレる。


 西暦2196年 アキト(現在18歳)の3回目のナデシコの物語が始まる予定。





 以上が大体の年表である。多少の変更があると思いますが、なるべくはこの設定で進めます。






 これは3会目の逆行をした『漆黒の戦神 テンカワアキト』とその仲間達のマイソロジーである。















FULLMETAL SOLDIER



第5話 風見祭 前編












−天枷家 アキトの部屋

 ――ピピピピピピピピピ

アキト「ん〜朝か〜」

 背伸びをして煩い目覚まし時計を止める。

アキト「あれから5日か・・・・・・」

 カレンダーを見ると今日は赤い字で『風見祭』と書いてある。

 土・日に『風見祭』と書いてあり月曜日には『ナデシコ出発予定日』と書いてある。

 カミングアウトしてから6日経った。

 俺達の生活は思ったほど変わりは無く普通に過ごしている。

 そう思えるのは表面だけだった。

 裏返してみれば、何処と無く皆の俺に対する行動がよそよそしい。

 そう―――自然に避けられているのだ。

 この5日間、いつもは仲良く昼食を食べていたのだが4時間目の終わりのチャイムと共にそそくさと皆はいなくなっていた。

 そういう俺も何となく気まずくなり昼食時間は学園を抜け出し桜公園で昼食を食べていた。

 普通に会話している時でさえ俺に気を使っているようだった。

 だからと言って全面的に避けられているのでない、自然に避けられているのだ。

 話しかければ返事してくるし、話しかけてもくる。

 だけど、日にちが無くなるたびに会話の数がなくなって来たのは事実だった。

 ・・・・・・・・・・

 今日の朝食は何にしよう?










−風見学園 3年1組教室

 朝のSHRにて暦先生が発した第一声がこれだった。

暦「さぁ、今日から2日間まちにまった風見祭だが、杉並よくれぐれも余計な事をするなよ

 さっそく釘打ちですか暦先生・・・・・・無理だと思うぞ俺は。

杉並「余計な事とは愚問ですよ。ちなみに今回は20個企画している」

 何時の間に・・・・・・(   J J J

音夢「す、杉並君!!(

杉並「ははははははは。さらばだ・・・・・・」

 そのまま消えていった。

 やはり奴は未知だ。

音夢「くっ、ウチの劇とミスコンだけだと思ってたのに・・・・・・ことり!!」

ことり「分かってるわ。お姉ちゃん―――じゃなかった、先生!!私達は杉並君の討伐してきますので、でわっ!!」

 そう言って教室を飛び出していく2人。

 しかし、討伐ですか・・・・・・まぁ合っているんですけど。

暦「がんばれよ〜」

純一「先生がそれでいいのか?」

アキト「平和だなぁ〜」

 そんな一日の始まりだった。










−風見学園 グラウンド

杉並「―――という訳で次は我々の騎馬戦だな。同志達よ」

 とか何とかやっていて、何時の間に現れたんだこいつは?

純一「とりあえず、上は頼んだぞ音夢」

 何時の間にか俺達は騎馬を組んでいるし!!

 作者の手抜きにも困った物むである。

音夢「まかせて!兄さん!!」

 思いっきり片方だけヤル気満々の兄妹に得体の知れない人物がチームメイトか・・・・・・

アキト「はぁ〜まぁ頑張るか・・・・・・」

 唯一の良心である俺が頑張らないと・・・・・・

 ちなみに俺が前で後ろに純一と杉並、上に音夢ちゃんの体系である。

ことり「みんな、頑張れ〜」

眞子「朝倉ーセクハラするなよー」

純一「うるせーぞ、外野!!」

音夢「兄さん、変な所を触らないで下さいね」

 何となく上から無言の圧力が来てるんですけど、気のせいですか?










実況『ただいまより男女混合騎馬戦を始めます。 総員、位置についてー』

 その放送に合わせてスタート地点に構える。

実況『よ〜い。首領パッチ!!

 その号令(?)と共に各チームが動き出した―――そのときだった





 ちゅどどどどどどどどど





アキト「何だ!!今の爆発音は?」

実況『え〜今の爆発音はプログラムが『男女混合騎馬戦』から『男女混合障害物騎馬戦』になったからです』

 からです・・・・・・って、なんじゃそりゃ?

実況『ルールを説明すると、某協力者が仕掛けた罠を掻い潜って騎馬戦をするというシンプルなゲームです』

 某協力者・・・・・・?

 チラっと後ろにいる自称天才の大馬鹿野郎を横目で見る。

純一「シンプルなゲームって、そんな問題なのか?」

実況『ちなみに今のは科学部によるちょっとした爆竹だそうです』

アキト「今のが爆竹か!? つーか、死傷者でるだろ」

音夢「杉並く〜ん?」

 何となくだが背負っている背中から寒気がする。

杉並「いかにもハラハラ感がたまらないだろ?」

 ハラハラ感を感じる以前の問題だろ?

実況『ちなみに上位1位意外の脱落したチームには罰ゲームの鼻から超激辛煮込みうどんを食べて貰いますのであしからず。
   気になります超激辛煮込みうどんの中身の具は赤唐辛子粉入り(種入り)(唐辛子粉98:2うどん粉)のうどんに鷹の爪
   固めた豆板醤赤唐辛子青唐辛子だけの肉団子本場韓国キムチ納豆ドリアン(車の)レバー
   フグの肝インディアンマドンゴラトリカブトマールボロライトect・・・・・・
   スープは豆板醤スープをベースに赤と青の唐辛子エキスタバスコ鷹の爪ジンウオッカ黒酢青汁男汁ect・・・
   そして・・・・・・これらの食材で調理してくれたのは・・・・・・現在人気声優の・・・・・・』





 え? 声優・・・・・・?

 何かとてつもなく嫌な予感がビンビン感じる・・・・・・(lllll  










実況『メグミ レイナードさんでぇぇぇぇぇぇぇぇす!!』

何も知らない哀れなメグミファン達『うぉぉぉぉぉぉっ!! メグミちゃぁぁぁぁぁぁぁん!!』

 なにぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?

 ヤバイ!!非常にヤバイ!! つーか、ヤバ過ぎる!!

 折角、この時代で平穏に暮らしてアレの犠牲から逃げていたのに!!

 俺の心の中では絶対に勝つ!!必然的に決めていた。

 それにしても・・・・・・何故に周りの連中はこの危機的状況喜びまわっているんだ!?

 注:この頃のメグミは結構な人気であり有名人の手料理と言う事で食材の事を忘れています。

 注2:メグミが料理がアレだという事は誰も知らない。

実況『さらに私達も鬼ではありません。 用意した中心の白い円の中は安全地帯なので絶対に安全です。しかし・・・・・・』

生徒達『うおおおおおおおおお』

アキト「馬鹿!!よせ!!」

 安全地帯と聞いて一部の頭が正常なチームが中心に向かう・・・・・・が、





 ドドドドドドドドドドドドドォン!!





アキト「やっぱり・・・・・・(   J J J)」

 確実にさっきより大きな爆発音が辺りに響く。

 注:この時のアキトが判断していた人の頭の正常の境界線は現状を理解しているかどうか?であった。
   正常→超激辛煮込みうどんを食べたくないから、勝ちに行く。 そして、アンチメグミファンの人。
   異常→メグミファン。 更に有名人(メグミ)の手料理を食べたいという馬鹿ども。

 絶対に食べたくないだろ、あんな・・・・・・うどんじゃない生物(?)を!!

実況『中心に行けば行くほど危なくなるので頑張ってください

 どう頑張れと?

実況『もし、動かない場合は5分後に発射される科学部特製『ホーミングダイナマイト』鼻から超激辛煮込みうどんの餌食になりますよ〜』

 実況席には煮えたぎっている超激辛煮込みうどんという名の生物(?)が置いてある。

生物(?)『キシャァァァァァァァァァァァッ!!』

 もうすでに食べ物じゃねーぞ、あれは・・・・・・(lllllll  )





 鬼!!

 つーか、その生物(?)をなんとかしろよ・・・・・・

杉並「はははははははは。素晴らしい演目ではないか?」

 素晴らしい以前に罰ゲームが恐ろしすぎる!!

音夢「後で覚えときなさいよ〜 こういう時こそアキト君の出番よ」

アキト「合点承知でいっ!!」

純一「何時にも増してテンション高いな・・・・・・(   J J J
   まぁ、アキトなら地雷原とか平気でフルマラソンするぐらいだもんな」

 そんな事をする馬鹿は宗介だけだ。

 それにあんな生物(?)本能が嫌っているんだ。

アキト「絶対に俺に合わせろよ? 遅れるんじゃねーぞ?」

 細心の注意を告げて地面の構造とか見破り、地雷を避ける。

アキト「コッチだ!!」

実況『おぉ〜っと、高等部3年1組チームが無傷に次々と相手チームを破っていく!!』





 どかっ! ばきっ!! ぼこっ!!!





 次々と相手チームを血祭りにする音夢ちゃんと俺。

眞子「ある意味、連中を相手にした方が被害が大きいと思うんだけど・・・・・・」

美咲「今回ばかりはフォローできませーん」

ことり「うーむ」

 何やら腕を組んで考えていることり。

美咲「どうしたの?ことり」

ことり「うん。この競技が終わった後の地雷処理ってどうなるんだろうって思って・・・・・・

 ことりは中央委員会の所属で、こういうイベントの撤収作業にときどき手伝いに行っているって言ってたけ・・・・・

 でも、生物(?)の処理はどうでもいいんですか?

眞子「それもそーね。この後の競技でもグラウンドを使う訳だし・・・・・・」

 しかし、今のグラウンドは地雷原である。そんな学園が普通あるか?





 こうして俺達が優勝独占したのはいうまでも無い。





 追伸:グラウンドはそのままの状態で次の競技が行われていた。





 追伸その2:当然のように救急車と霊柩車のお世話になった生徒がいた事は言うまでもない。





 追伸その3:そんな惨事があった後でも風見祭は通常営業していた。





 追伸その4:運ばれた連中の症状は食中毒とSARSと胃癌であった。





 追伸その5:島唯一の大病院の水越病院大繁盛したという・・・・・・





 今更ながら、この学園は何処かズレてる。 間違いない!!










−グラウンド 応援席

ことり「アキト君、ご苦労様です♪」

美咲「はい♪ タオル」

アキト「ありがとう2人とも(テンカワスマイル)」

ことり・美咲「「(////ポッ////)」」

 なんだか顔が赤いけど大丈夫かな・・・・・・?

眞子「罪作り・・・・・・」

音夢「彼には悪気は無いのよ」

 後ろで何やら言っているが訳が解らなかった。

杉並「騒がしいのいいのだが、次の競技が始まるぞ?」

純一「えっと・・・・・・おっ音夢の得意ぶん『――バキッ』―――げふっ!!

 毎回毎回こいつも懲りないな・・・・・・

 しかし、音夢ちゃんも回が増すにつれて威力が上がっているのは俺の気のせいか?





 しかも純一の復活時間も早くなってるし・・・・・・





 でも・・・・・・ガイとハーリー君の敵ではないな。

 とりあえず純一の足を持って引きずりながら綱引き選手の集合場所に向かったのだった。










−グラウンド

審判『レディ・・・・・・ゴー!!』

 審判の掛け声で握っている緩んだ綱が張られる。

 しかし、引っ張られたってビクともしない。

純一「ある意味、俺達って卑怯だよな」

音夢「アキト君がいる時点でね・・・・・・」

杉並「ならば趣向を変えてアキト意外は綱を放すというのはどうだ?」

 単にサボりたいだけだろ?

 しかも開始10秒も経たない内にそんな会話をしないでくれ。

眞子「それ乗った♪ 綱を握るのも女の子として疲れるのよね〜」

 とか言いつつ一同が綱を手放つ。

 真面目にやれよお前ら・・・・・・

音夢「今の内に体力を消耗しては杉並君を止める事はできませんから♪」

ことり「万全の状態じゃないと対等に戦えませんから」

 さいですか。

杉並「ふっ、よくぞ言った。風見学園少女探偵団の諸君!!」

 いつ結成したんだよ、そのユニット。

純一「かったり・・・・・・」

美咲「と言いつつ私も放していますしね。 頑張ってアキト君♪」

 全然ヤル気が別方向に行ってる奴ら3人、明らかにヤル気まったく無しの2人、唯一応援してくれる女子1名。

 真面目に綱を握っている外見は普通の男子1人。 そんな状態を見て相手チームは・・・・・・

相手チーム『なんめんじゃねぇぞぉぉぉぉぉぉぉ!!』

 まぁ、怒るよな・・・・・・

 力ある限り一生懸命に引っ張る怒り狂った相手チームだがビクともしない。

眞子「ああ、もう五月蝿いからアキト!!殺っちゃって!!

アキト「そんなんでいいのか? まぁ殺っちまうげど・・・・・・ほいっ

 ――くいっ





 ――ぴゅぅぅぅぅぅん     ずしん・・・・・・





 軽く引っ張っただけなのに俺の頭上を飛び越えて後ろの応援席に跳んじゃった。

 てへっ♪ やりすぎちゃった♪

眞子「はい、一丁上がり♪」

 殺ったのは俺ですよ、姐さん。

実況『おおっと3年1組チームの圧勝だぁぁぁぁぁぁ!!』

 わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ

純一「アキトを相手にするなら戦車を持ってこないといけないもんな」

杉並「つーか、戦車でも役不足ではないか?」

美咲「2人とも・・・・・・アキト君を非人間みたいに扱わないの!!(   J J J)」

 俺って一応人間なんだけど・・・・・・










音夢「それにしても美春来ないわね・・・・・・」

純一「クラスの出し物で忙しいんじゃねーのか?」

眞子「そういえば喫茶店をするって言ってわね」

アキト「喫茶・・・・・・嫌な思い出が・・・・・・」

 アレだけはもう勘弁だ!!

美咲「ちょうどお昼時ですし行ってみますか?」

ことり「綱引きの続きはどうするの?」

杉並「安心しろ、ことり嬢よ」

 クイっと親指で指す先には他のチームが白旗を振っている。

音夢「確信犯ですね」

杉並・眞子「「なんのことか、さっぱり」」

 やはり確信犯か、こいつら・・・・・・










−風見学園 2階

 お昼時のせいか校舎内はやはり賑わっていた。

 あっちこっちからお好み焼きやたこ焼きに焼きそばといったお祭りならではの食べ物の匂いがする。

杉並「ふむ、やはりお祭りといったら『やけに水っぽく具を誤魔化しているお好み焼き』に
   『タコが入って無く形の崩れたたこ焼き』に『ソースだらけの焼きそば』に限るな、同志朝倉よ」

純一「まったくだ」

純一・杉並「「・・・・・・・・・・」」

 ――がしっ

純一・杉並「「同志よ!!」」

 見詰め合っていた馬鹿2人が手厚く握手している。

 つーか、かなり失礼な事を言うなよお前ら。 事実なんだけど・・・・・・(作者体験談)










 それから3分後・・・・・・

眞子「――――とか言いながら、あんたらの持っている物は何なの!?」

 眞子が攻め立てる馬鹿2人の両手一杯にはお好み焼き・たこ焼き・焼きそばがあった。

杉並「そんな未完全な物体を喰す!!これぞお祭りの礼儀というものだろ!!」

純一「そうだそうだ!!」

 礼儀もへったくれもねぇよ。

音夢「恥ずかしい・・・・・・(//// ////

ことり「音夢、同情するよ・・・・・・」

美咲「あの2人、あんなに食べるのかな〜?」

杉並「何を言っている、諸君もコレを喰すのだぞ?」

一同『はぁぁぁぁぁぁ!?』

純一「当たり前だろ?俺達だけじゃ食い切れねーよ」

 と言いつつ食べ物の山を差し出す。

音夢「無理ですよ、兄さん。私達はこれから美春の喫茶で昼食を食べるんですから、
   ソレは杉並君と2人で始末してください。 さっ、この人達はほっといて行きましょうか」

 そのまま2人を置いて美春の喫茶に向かう一同だった。

 冷たいなぁ音夢ちゃん・・・・・・2人とも、ちゃんと始末しろよ・・・・・・










−風見学園 2階 2年教室

 教室に入るとそこは辛気臭い教室の感じはしなくて立派な街角にありそうなお洒落なカフェである。

ことり「いい感じですねー」

美咲「教室なんて嘘みたーい」

 こっちに気付いたのかウェイトレスが1人やって来た。

美春「いらっしゃいませー―――って音夢先輩達でしたか」

音夢「やっぱりココにいたのね」

美春「えへへへへへ。どうです?似合っているでしょ?」

 俺達の目の前でクルリと一回転する美春。

ことり「かわいい〜」

眞子「これ、手作り?」

美春「はい。コレ全部、美春が作ったんですよ」

 えっへんと言わんばかりに威張る美春。しかし、美春それって・・・・・・

音夢「嘘おっしゃい。アキト君が8割作ったんでしょ?」

美春「げげっ!! (lllll  )」

 何だよ露骨に『バレた』って顔して・・・・・・

???「やっぱりか・・・・・・美春!!」

 美春の後ろから声がして見てみると美春と服は違うけどウェイトレスをしている美春の友達が数名が仁王立ちで立っていた。

 名前なんだっけ・・・・・・忘れちまった。

美春「あわわわわわわわ。み、みんな・・・・・・」

 突然の友達の登場に慌てている美春。

さっちん「美春〜『これ私が自分で作ったんだよ。上手いでしょ〜』なんて見せびらかせて〜」

 凄いオーラで美春に近づいてくる。

 こいつめ・・・・・・人が夜なべして手伝ってやったのに・・・・・・

洋子「可笑しいと思ったのよ。美春の出来にしては上手すぎるんだもん」

祐理「アキトさんが手伝ったのなら納得がいくわ」

優「これで美春に与えた『手作りナンバーワン』の座は剥奪決定ね」

 なんだよ『手作りナンバーワン』って。

浩子「さっ詳しい話はこっちで・・・・・・」

 とか何とか言いつつ美春を奥の見えないスタッフルームに連れ込もうとしている女子軍団。

美春「ふわわわわわわ。ごめんなさ〜い。お兄ちゃんも何か言って〜」

アキト「情状酌量の余地無し」

 我ながら上手い回避方法だ。

美春「そんなぁぁぁぁぁぁ(ToT)

美咲「案外アキト君って鬼なのね」

アキト「『戦神の谷から子を落とす』って言うでしょ?」

眞子「それを書くなら『千尋』じゃない?」

 いいんだよ、この字で。

アキト「気にしな〜い、気にしな〜い」

美春「気にして下さいよぉぉぉぉぉぉぉ()」

一同『自業自得です』

 見事な同調でした。





 精神的にボロボロになった美春が俺達の前に現れたのは5分後の事だった。

 一体、奥で何があったんだ!?










 美春が奥に引き込まれ呆然と立っていた俺達は近くのウェイトレス(女学生)の案内で空いてるテーブルに座った。

 軽く店のサービスの説明をしてくれたウェイトレスに俺が「ありがとう」って言ったら顔を真っ赤にしてそそくさと仕事に戻っていってしまった。

アキト「風邪かなぁ?」

 無理しないといいんだが・・・・・・

 そんな心配をしている俺を4人はジーっと見ていた。

アキト「な、何?」

音夢「はぁ〜相変わらず鈍感ですね」

美咲「しょうがないよ天然なんだし」

眞子「そうそう。 諦めるしかないのよ」

ことり「でも、少しぐらい自覚してほしいですね」

一同(アキト除く)『はぁ〜〜〜』

 席に着くなり何やら深刻そうに話し合っている4人。

 ここは唯一この場で男の俺がシッカリしなければ!!

アキト「何か思いつめている事でもあったの?」

眞子「はぁ?」

 いや・・・・・・そう「何言ってんの?コイツ」みたいな顔をしないでよ・・・・・・

アキト「だって、さっきから何やら深刻そうに何か話していたじゃん」

音夢「駄目ですね。これは・・・・・・」

 何が駄目なの?

美咲「そこもアキト君のいい所でしょ?」

眞子「世間ではコレを『ニブちん』って言うんじゃないの?」

一同(アキト除く)『はぁ〜〜〜』

 何か分からないが馬鹿にされているのか俺?










アキト「とりあえずメニューを見ようよ」

 机に置いてあったメニュー表を広げる。

ことり「結構、料理の幅がありますね」

アキト「ああ。まるで喫茶と言うよりレストランだな」

眞子「私、この卵雑炊!!」

 相変わらず鍋物好きだな・・・・・・

美咲「私はミックスサンドで」

ことり「私も♪」

 小食の2人には丁度いい選択である。

アキト「音夢ちゃんはどうするの?」

音夢「う〜ん。私もミックスサンドにしようかな。アキト君は?」

アキト「俺はイタリアンとミックスピザ」

眞子「かなりの量になるわよ?」

アキト「このぐらいが丁度いいよ」

 そう言葉を切ってウェイトレスを呼んで注文をする。

ウェイトレス「えー繰り返します。ミックスサンド3つ、卵雑炊1つ、イタリアン1つにミックスピザ1つ。
        ピザはアメリカンクラストとイタリアンクラストの2つがありますが?」

アキト「アメリカンクラストで」

ウェイトレス「分かりました。お飲み物はセルフサービスの飲み放題となっておりますのでご利用下さい」

 そう言ってテーブルを離れていく。

ことり「今のアメリカンクラストって何なの?」

音夢「ピザの種類と生地よ。アメリカンはボリュームがあってふわっとした歯ごたえがあってイタリアンはカリッとした歯ごたえなんだ」

美咲「知らなかった〜音夢よく知ってるね」

音夢「よくピザの出前を利用しているから・・・・・・」

ことり「なるほど」

 見事に納得されてるし。

アキト「日頃の食事内容で知識が違うのが実感できたな・・・・・・」

音夢「言わないで・・・・・・お願い」

 音夢ちゃん、たまには自炊させようよ。純一に・・・・・・

 あくまで音夢ちゃんに自炊を強要させないとこが俺らしい。

 さらにそれを口にしないのも俺らしい所である。

アキト「飲み物、取ってくるよ」

 絶いかねない空気に俺はそそくさと逃げる事を選択した。

アキト「眞子意外はコーヒーでいいよね」

眞子「なんで私意外なの?」

アキト「雑炊にコーヒーは合わない」

眞子「あっ、そっか。流石アキト!!」

 常識だ。

音夢「私達はそれでいいわよ」

アキト「んじゃ取ってくるね」

???「ああ、私もな」

 「えっ」って振り返るといつの間にか暦先生がタバコを吹かしながら空いている席に座っていた。

アキト「先生・・・・・・何時の間に」

暦「ぶつくさ言ってないで取ってくる!!」

アキト「はいはい・・・・・・」










 トレーにコーヒーカップ5杯と湯のみ1杯に砂糖の入った容器とミルクの入った容器を乗せてテーブルの上に置く。

暦「ご苦労さん」

 と言いつつカップを自分の前に移動させてマイペースで口に運ぶ。

暦「朝倉と杉並は一緒じゃないのか?」

音夢「知りません! あんな人たち」

 酷い言われようだぞ純一・・・・・・

暦「何があったかは聞かんよ。 それより・・・・・・アキト、本当に行くのかい?」

アキト「何処にです?」

暦「しらばくれるんじゃないよ。 例の新造戦艦だよ」

一同『!!』

 この人は決して触れてはいけない話題を・・・・・・

アキト「ナデシコですよね」

暦「ああ。 まあ、お前が教授に言っていた事とはいえ・・・・・・出来すぎではないか?と私は思うのだがね」

音夢「出来すぎ?」

暦「アキトが新造戦艦の話をしたのが13年前。 まだ当時には『ナデシコ』の『ナ』の字も出てこなかった」

 やっぱり、この人には敵わないな・・・・・・

 昔っから先生には頭が上がらなかったっけ。

ことり「あっ! でも、アキト君は何故か知ってた」

暦「そうだ。 出来るも分からない戦艦を13年前から知っているアキト。 正直言ってお前は何者だ?」

 何時に無く真剣な目で俺を見通す暦先生。

音夢「・・・・・・・・・・」

ことり「・・・・・・・・・・・」

美咲「・・・・・・・・・・」

眞子「・・・・・・・・・・」

 皆の目も俺に注目している。 やっぱり言うべきか?

 いや、そんな事をしたらこの後どうなるか分からなくなるぞ!!

 考えろ〜考えろ〜俺よ〜考えろ〜〜〜

暦「・・・・・・まっそんな事はどうでもいいんだがな」

一同『へっ?』

 おいおい先生・・・・・・

暦「アキトが何者であってもアキトである事は代わりが無い。 でもなアキトよ」

アキト「はい?」

「ことりを泣かせたらどうなるか分かるよな〜〜〜」

 笑っていない笑顔で俺に忠告する先生。

 先生・・・・・・マジで怖いからヤメテ・・・・・・

アキト「分かってますよ、そんな事ぐらい」

暦「ならいいんだ。 おっ、料理が来たみたいだな♪」

 その言葉でその場の空気だ段々と元通りになっていった。











 分かってるよ先生・・・・・・ここにいる人達も俺が守るべき大切な人達なんだから・・・・・・










to be continued







この作品はフィクションです。実在の原作・人物・団体・事件なとには、一切関係ありません。







−後書きコーナー

 拝啓

 第5話をお届けしました。

 えー今回は準備期間をすっとばして(手抜きとも言う)本番の風見祭が舞台でした。

 前回、管理人さんに『ギャグに向いてない』みたいなことを忠告されたので今回は控えめにシリアス一直線で頑張ってみました。

 どうだったでしょうか?

 前半は体育祭でアキトの超人ぶり(人外とも言う)を発揮しまして後半はアキトハーレムを形成しました。





 まずは『騎馬戦』ですね。

 実はこの地雷ネタには元ネタがあったんです。(分かるかな?)

 これが分かったら貴方は結構凄いです。答えは公表しませんので考えて悩んでください♪(酷い)

 ヒントは悪徳金貸しと警察官と執事。

 あとは『地雷原をフルマラソン』というネタもそのままフルメタでマオとクルツが言っていました。





 次は『綱引き』ですが、これも元ネタがあります。

 探してみるのも面白いかもしれません。これは難しいのでヒントは突撃○。○○隊。突撃パッパラ隊

 両方ともヒントになりませんね・・・・・・





 後は純一と杉並の『お祭りの礼儀』ネタですが。

 これはノンフィクションの話で今年の文化祭でクラスが出していた品々の話でした。

 話の中であった3品の他にも『具のないはし巻き』とか、『やけに具が多く味塩こしょうが利き過ぎいている中華スープ』等など・・・・・・

 でも、結局は喰ってしまった・・・・・・(

 だって安いんだもん・・・・・・

 中華スープなんて売れ残り無料配布って言ってたし・・・・・・

 その時点でだと気付いていればよかった・・・・・・

 唯一まともだったのが『暖めるだけの中華まん』と『揚げるだけのフランクフルト』(両方とも市販のチルド商品)だった。





 こんな経験ありませんでしたか?





 『アメリカンクラスト』と『イタリアンクラスト』の違いぐらいは分かりますよね?

 ピザハウスご利用者の常識です。

 ちなみに作者は『アメリカン派』です。





 それではまた次回どれかの作品でお会いしましょうね〜

2003年12月22日



 敬具






管理人の感想

TAKUMAさんからの投稿です。

別れの日までを精一杯楽しんでるみたいですね、アキトとその仲間達は。

D.C.は知りませんが、杉並君に凄く興味がわきますですはいw

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あの、料理を作ったメグミ自身は台詞一つないんですか?(苦笑)