『漆黒の戦神』テンカワ アキトが『跳んだ』先は、西暦2178年の火星。

 そこで『天枷親子』に出会った。

 アキトは博士の助言により、天枷家の養子『天枷明人』として初音島に住んでいる。

 そして『朝倉純一』を始めとするいろいろな人物と出会った。

 まぁ、こんなドタバタメンバーと毎日を過ごしている訳だ・・・・・・





 史実通りにジャックされたナデシコ。

 そこに現れたのは西欧のヒューズ中佐とアームストロング少佐だった。

 2人に拉致されたアキトは一体どうなるのだろうか?

 そして、医務室で眠ったままのガイに活躍はあるのだろうか?

 誰として先の見えない出航となったのだった。

 ―――って前回と同じ幕開けやん。

 さてさて、今回はどうなる事やら・・・・・・





 これは3回目の逆行をした『漆黒の戦神 テンカワアキト』とその仲間達のマイソロジーである。
















FULLMETAL SOLDIER



第15話 大脱出 中編












−ナデシコ 一室

 薄暗いナデシコの一室・・・・・・

 部屋の隅っこに少し大きめの人影が縮こまっていた。

 薄暗いが体格はまあまあ大きい方の男性。 服は少なくともナデシコの制服ではなかった。

 そして、見るからに怯えるように少し震えていた。

 彼の名前は『福山 博昭』25歳。 地球連合軍の中尉であった。










 何故、彼が薄暗い部屋の隅っこで怯えるように震えているのか?

 話は数分前に厨房付近の兵から連絡が途絶えた時から始まった。

 彼は元々はブリッジ制圧メンバーの1人で現在ナデシコの指揮をしていた人物だった。

 連絡が途絶えた後、数人の武装兵が何事かと思い調べに行ったが帰ってこず・・・・・・

 連絡が途絶える兵が多くなる一方なのでナデシコクルーが反乱を起こしたと思った福山達はトビウメに連絡しようと試みるが連絡取れず。

 仕方ないので艦内の兵達に発砲許可を出してクルーの再制圧へと乗り出したのがついさっきの話。

 だが、彼らの身にとんでもない事が起こったのだ!!





 ――プミプミプミプミプミプミ・・・・・・





 ドアの向こうから何か可愛らしい足音(?)みたいなのが聞こえてくる。

福山「ひぃぃぃぃぃ」

 それが聞こえたのか福山の震えはさらに酷くなっていく。

福山「奴らが来る・・・・・・奴らが―――!!」

 ――プミプミプミプミプミプミ・・・・・・

 足音(?)が大きくなっていく度に震えが治まらなくなっていく。

 ――プミプミプミプミ

 突然に足音が止まった。 同時に福山の心拍数も跳ね上がった。

福山「あっち行け、あっち行け・・・・・・」

 何度も祈る様に呟く。 そしてドアに向けて所持していたマシンガンを構える。

福山「来るな来るな繰るな来るな来るな・・・・・・」

 マシンガンを持つ手が震える。 そして・・・・・・

 ――プシュー

福山「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 ――ズダダダダダダダダダダダ

 ドアが開くと同時にマシンガンの引き金を引いた。

 発射された弾丸は入ってきた大きな影に見事に直撃している。

 ――ズダダダダダ・・・・・・カチッカチッカチッ

 射撃の音が止んだ。 マシンガンの弾を全弾撃ちつくしたのだ。

福山「や、やった!!」

 マシンガン片手にガッツポーズの福山だが、撃たれた大きな影が倒れる様子は無かった。

福山「・・・・・・?」

 様子がおかしいのか恐る恐る影の方を眺めると・・・・・・

 ――プミ

 一歩・・・・・・

 ――プミ

 一歩と歩く影。

福山「くっ!!」

 腰のホルスターに手を伸ばした、その瞬間―――!!

『あふもっふ!!』

 ――ダーーーン

福山「ぐはっ!!」

 影が頭のモジャモジャから取り出したショッガンから発射されたゴム弾が福山の鳩尾に命中した!!

 そのまま気絶する福山。

影『あふもっふ(クリアー)』

 後から来た影の集団にガッツポーズする影。

 諸君もお解かりだろう、影の正体はもちろんアフロを被ったボン太くんであった!!










 後にこの出来事は連合軍で『アフロの逆襲』という伝説として語り継がれた。





















−トビウメ 独房

 ナデシコでそんな事が起きているとも知らずにアキトは未だプリキュアを歌っていた。

アキト「プリキュア、プリキュア〜♪ ―――っと、そろそろ時間だな」

 「よっ」と起き上がる。

 まだ、歌いたかったのだが・・・・・・等と呟くアキト。 いい加減に大人になれ!!

アキト「まったく、少しは軽くしてくれてもいいのに・・・・・・」

 未だに戒めてるナデシコのドア(練成済み)を軽く力を入れて吹き飛ばす。

アキト「さてと・・・・・・どうしようかな?」

 ペタペタと独房の壁を調べるアキト。

 壁の硬度から腕のガトリングガンでは歯が立たないだろう。 (そうでなければ独房と言わない)

 練成しようにも練成防止の練成陣が描かれている。

 これは以前にアキトが国家錬金術師として開発した練成陣で中で練成すると強制的に錬金術が解除されるとう厄介物だ。

 そのお陰でアキトは特許を取って莫大な資金を得ている。

アキト「―――って自分の作った物に縛られる俺って・・・・・・」

 悲しい事にこの練成陣を破る方法はまず無かった。 完璧に近い代物だ。

アキト「自分の才能が怖い」

 言っている場合かよ!!

 ガトリングガンが駄目。 錬金術が駄目。 残るは・・・・・・

アキト「これもあまり使いたくないんだけどなぁ・・・・・・」

 とブツブツ呟きながら左足の裾を太腿までに上げて片膝を立てる様に座る。

 すると膝の関節部分がパカッと開いて・・・・・・

アキト「レッグバズーカ!!」

 ――ドンッ ひゅぅぅぅぅぅ

 ちゅどぉぉぉぉぉん!!

 左膝から発射されたミサイルが見事にドアを吹っ飛ばした!!

 ―――ってあんた、ジャ○パーソンかよ!! 知っている人いるかな・・・・・・(ドキドキ)





















−トビウメ 格納庫

 アキトが爆破する少し前、格納庫にはヒューズとアームストロング、そしてナデシコを制圧していた大尉が居た。

大尉「もう、お断ちになるのですか?」

ヒューズ「ああ。 まだ片付けないといけない仕事があるんだ。 それに巻き込まれたく無いしな(ボソッ)

大尉「? 何か言いましたか?」

ヒューズ「何でも無い」

 良い根性をしている中佐だ。

アーム「中佐。 そろそろ・・・・・・」

 時計を見ながら『そろそろアキトが暴れます』と視線で語っていた。

ヒューズ「おおっ、もうそんな時間か!! じゃ!! 大尉、後は宜しくな!!」

 とバシバシと大尉の肩を叩きながら笑顔でヘリに乗り込むアームストロングにヒューズ。

 だが、ヒューズは乗り込む足を止めた。

ヒューズ「あ〜そうそう、大尉」

大尉「はい? 何でありますか?」

 ヘリの発進に巻き込まれない様に離れる大尉を呼び止めるヒューズ。

ヒューズ「生命保険には入っているよな?」

大尉「は? ええ、一応は軍の保険に・・・・・・」

ヒューズ「ああ〜今からでも遅くないから別な保険に変えておけ。 あの保険は入院保険が安いからな」

大尉「? 何を言っているのですか? そんな大怪我するわけじゃないですし」

ヒューズ「いや・・・・・・するんだなぁ、これが・・・・・・」

大尉「何か言いましたか?」

ヒューズ「いや、何でもない。 行っていいぞ。 お大事にな・・・・・・(ニヤリ)

 何の事かサッパリ分からん大尉は訳の分からないまま離れていく。

 ヘリに乗り込んだヒューズにアームストロングが、

アーム「あの若者は1年はベットの上ですかねぇ

ヒューズ「いや〜俺も家族に手を出されたらその程度では済ませねぇぜ(ニヤリ)

 怪しい笑みに眼鏡が怪しく光る。

 側に居たアームストロングは後に語る「あの時の中佐はホークアイ中尉の拳銃並に危険を感じた」と。

 ちゅどぉぉぉぉぉぉん!!

 ヘリがトビウメから離陸した直後、トビウメから爆発音が鳴った。

ヒューズ「始まったな・・・・・・」

アーム「後は天枷アキトが彼を殺さない事を祈るばかりですね」

 多分、無理な話だろう。





















−ナデシコ ブリッジ

 ――プシュー

 誰も居ないブリッジに次々と入ってくるアフロボン太君達。

 それぞれが所定の位置に着くと次々とボン太君スーツを脱ぎ始める。

ミナト「ぷはっ、あ〜暑かった・・・・・・」

メグミ「でも楽しかったですね♪ 次々と倒れていく兵達・・・・・・快感でした♪」

ミナト「・・・・・・メグちゃん、変な趣味を持たないでね」

 冷や汗をかきながら軽く注意するミナト。

ミナト「喋れる言語が『あふもっふ』ってのも問題よね」

 それは某大佐の仕業です。

ムネタケ「まったく・・・・・ん? ゴート・ホーリ何時まで着ているの」

 ムネタケの視線の先にはを背負ったアフボン太くんの姿があった。

ゴート(ボン太)『・・・・・・あふもっふ』

ムネタケ「まさか・・・・・・気に入ったの?」

ゴート(ボン太)『・・・・・・コクッ(//// ////)』

 恥じらいながら頷くアフロボン太。

ルリ「そんな事よりマスターキーを・・・・・・」

宗介「了解した」

 懐から取り出したマスターキーを艦長席のスロットに差し込む。

音声『マスターキーノ所持者ヲ登録シテ下サイ』

ゴート『あふもあふあふもっふ』

宗介「何を言っているのだ?」

ゴート『あふも・・・・・・ (   J J J)」

 頭をポリポリとかくアフボン太君。 その時、1人の救世主が現れた!!

かなめ「何々? 『キーの所有者を登録しないとナデシコは起動しない』」

ゴート『あふもっふ』

かなめ「『早く決めなければコンピュータが不審がってキーを使えなくしてしまう』だってさ」

ミナト「あの一言でそんなに喋っているの?」

宗介「千鳥、あの言語をマスターしているのか?」

かなめ「マスターって言うか、慣れよね。 慣れ!!」

 「あははは」と大笑いするかなめ。 凄い慣れである。

ルリ「しかし、早く登録しないと・・・・・・」

メグミ「ルリちゃんは駄目なの?」

ミナト「美少女艦長ルリルリ♪ うん、悪くないわね」

ルリ「駄目です」

 面白がる2人に対して否定するルリ。

ルリ「今の私はオペレーターです。 その上に艦長なんて・・・・・・労働基準法で訴えて勝ちますよ

 どこかの不思議島の金髪小僧のような事を言い出すルリの内心は・・・・・・

ルリ(そんな事やっていたらアキトさんとの時間が無いじゃないですか!!)

 やっぱり、ルリはルリであった・・・・・・ (   J J J

宗介「それでは誰を推薦するか・・・・・・」

かなめ「宗介がすれば?」

宗介「それは否定――ネガティブ――だ。 俺は指揮官には向いてない。 それに俺も前線に出る可能性がある」

 その時、宗介の視線が一点に止まった。

かなめ「な、なによ・・・・・・ ―――まさか!!」

音声『登録ヲドウゾ』

宗介「登録名『千鳥 かなめ』、10代後半の日本人女性。 身長は約165cm、体重は約50k。
   軍に所属した経験は無い。 戦闘訓練もなし。 内臓に疾患も抱えてない。 出産経験も・・・・・・おそらく無い」

かなめ「あるかぁ!! ――ってか、勝手に登録するな!!」

宗介「声紋は今のだ」

音声『了解。 指紋ノ登録デ最後デス』

 それを聞いた宗介がかなめの手を取りパネルに押し付ける。

音声『登録完了。 コレデ貴女ハ艦長デス。 ヤッタネ父チャン、今夜ハハンバーグ♪』

かなめ「・・・・・・今の何?」

ゴート『あふあふもっふ』

かなめ「『おめでとう、これで艦長だ。 さっそくナデシコを動かせ』ですって!? ―――ってか、何で私なのよ!!」

宗介「君は以前にダナンを動かした経験がある」

かなめ「あれは!! テッサが手伝って・・・・・・」

宗介「大佐殿の助けだけで無い。 君自身に才能があるのだ!!」

かなめ「そ、そうかなぁ・・・・・・」

宗介「単純だ・・・・・・」

かなめ「何? 何か言った?」

宗介「―――という事で頑張ってくれ!! 君しか居ないのだ。 いざとなったら大佐殿と『代われ』ばいい」

かなめ「あっ、そーか。 それもそうだね」

 本当に単純だ・・・・・・ (   J J J

宗介「意義のある者は居るか!!」

 ブリッジ内に確認を取るが誰も文句は言わず『賛成』を指していた。

 ルリに居たっては・・・・・・

ルリ(ふふふ。 これでユリカさんを置いてけばアキトさんに一歩近づきます!!)

 それでいいのか!? ホシノ・ルリ、精神年齢17歳よ!!

 ・・・・・・同盟の力も減るからアキトにとっては結果オーライか?

かなめ「んじゃ、早速・・・・・・ナデシコ起動!!」

ミナト「相転移エンジン出力30% 尚も上昇中」

かなめ「エンジンがかかり次第にアキト君を回収後、離脱するわ!!」

 ビシッと明後日の方向を指して宣言するかなめ。

 やっと、戦艦らしくなって来たな・・・・・・

ルリ「―――!! 艦長、海中のチューリップが動き始めました!!」

かなめ「え!? え〜っと・・・・・・」

 いきなり『艦長』と呼ばれたせいかうろたえるかなめに宗介が、

宗介「純一と杉並にM9で出てもらう。 俺が奴らに指示するから千鳥はナデシコを頼む」

かなめ「わ、分かったわ」

 かなめが答えるとそのまま宗介が格納庫に連絡を取ると既に2人は乗り込んでいた。

純一『準備は出来てるぜ!!』

宗介「敵に気付いてたのか?」

杉並『ふっ、我輩はヒーローだからな』

 等と訳の分からない事を言っている杉並を無視して宗介が説明する。

宗介「ナデシコは完全に起動しきれていない。 よって発進はマニュアル発進になる」

純一『マニュアル発進?』

杉並『重力カタパルトが使用できんのだ。 走って外に飛び出すのだ』

純一『何で、そんな事を知ってんだよ』

杉並『常識だぞ』

 んな常識は無い。

宗介「とにかく2人には敵を引き付けるだけでいい。 アキトが戻ればこの空域を離脱する」

かなめ「はぁ!? 逃げろっての!!」

 横から口出すのは聞いてなかったかなめだった。

宗介「現状況ではチューリップを撃破するまでの力が無い」

かなめ「ね〜主砲って無いの? ヤ○トの波○砲みたいなの」

 身を乗り出して下にいるルリ達に聞くかなめ。 ―――ってか何故にヤマ○を知ってる?

ルリ「主砲ならグラビティブラストがあります。 現段階では1発だけ発射できます」

ミナト「その代わりに時間がかかるけどね♪」

かなめ「どれぐらい?」

ミナト「ほんの3分ばっかり」

 それを聞いたかなめの頭に豆電球が光った。

かなめ「んじゃ、それでバァーッと「無理です」―――って、え?」

 かなめの言葉を遮ったのはルリだった。

ルリ「撃てると言っても威力は低いです」

かなめ「あ・・・・・・そ・・・・・・」

 ガッカリするかなめの横で宗介が「離脱決定だな」と純一達に指示したのだった。





















−ナデシコ 格納庫

 ブリッジの指示を受け取った整備班はすぐさまマニュアル発進のためにハッチを開けた。

セイヤ「いいか、お前ら? 助走である程度の速度と出口が見えたら翼を開いて飛び立つんだ!!」

 セイヤの前には純一と杉並の写ったウインドウが開いていた。

杉並『我輩は了解している。 しかし、問題なのは・・・・・・』

 と杉並の視線の先は純一だった。

純一『ちょ、ちょっと待てタイミングって何時なんだ!?』

 杉並は兎も角、純一は訓練も受けていない民間人である。

 そんな純一がIFS搭載型ではないASでタイミング良く走りながら飛び立てるだろうか?

 そんな不安が純一の中で渦巻いていた。

セイヤ「タイミングを間違えたら海に落ちちまうぞ!!」

 そんな台詞が余計に純一を緊張させる。

杉並『仕方ない。 我輩の直ぐ後を走って同じタイミングで翼を開け』

純一『わ、分かった・・・・・・』

 キチンと歩く杉並機の後ろをオドオドと歩く純一機。 それを見たセイヤは・・・・・・

セイヤ「ありゃ、海に落ちたな」

 とM9のマニュアルで『海の落ちたら?』という項目で検索を始めた。










−ナデシコ カタパルト

杉並『行くぞ!! 朝倉!!』

純一『お、おぉ・・・・・・』

 ――ガチャン ガチャン ガチャン・・・・・・

 整備員の合図と共に走り出す杉並機。 その直ぐ後ろを純一機が追っかける形で走り出す。

 ――ガチャン ガチャン ガチャン・・・・・・

セイヤ「おっ、いい感じ」

 セイヤの言うとおり、純一機の走る姿は様になっていた。

 その時、先頭の杉並機が翼を開いて飛び出した。

 と同時に純一機は翼を開いた!!

セイヤ「おし!! いいぞ!!」

 ――どっぼぉぉぉぉぉぉん

 ―――が、翼を開いただけで海に落ちていった。

セイヤ「あ・・・・・・」

純一『しまった!! 翼を開く事だけ考えていたから飛ぶの忘れてた!!』

 ――ずるっ

 それを聞いていた整備員一同がコケたのは言うまでも無かった。

杉並『うむ。 それでこそ朝倉だ』

 チューリップの触手攻撃を軽々とかわしながら納得している杉並であった。





















−トビウメ 交渉室

 ――ズダダダダ パラララララ

 部屋の外から何やら銃撃音が聞こえてくる。

プロス(やれやれ、天枷さんが暴れ始めましたか・・・・・・)

交渉兵「一体、何が起こっているんだ!? 何か『――ドカッ』・・・・した・・・・の・・・・か・・・・・・?」

プロス「さて、私も退散しますか・・・・・・」

 血が滴るソロバンを片手に交渉室から出て来たプロスは・・・・・・

プロス「天枷さんは何処にいらっしゃるんでしょうか・・・・・・?」

 兵士を捕まえて問いただそうとした時、通路の奥から、

 ――ドドドドドドドドド・・・・・・

 物凄い足音が響いてきた。

プロス「な、何なんですか!?」

 ――ドドドドドドドドド・・・・・・

 さらに足音は・・・・・・

 ――ドドドドドドドドドド・・・・・・

 ドンドン・・・・・・

 ――ドドドドドドドドド・・・・・・

 大きくなって・・・・・・

 ――ドドドドドドドドド・・・・・・

 その響きはプロスの目の前まで来ていた。










 ――ドドドドド キキーーッ!!

アキト「あれ? プロスさんじゃないですか!?」

 急ブレーキで止まったのは片腕がガトリングガンのアキトであった。

プロス「やはり、天枷さんでしたか・・・・・・」

 少し腰の抜けたプロスであった。

アキト「よかった、迎えに行く手間が省けましたよ」

 と言ってるとアキトはプロスの持っている物に気付いた。

アキト「プロスさん、ソレは何ですか?」

 と言いながら血まみれのソロバンを指差す。

プロス「コレは計算の他に縁で殴れる靴裏に装着すれば速く移動できる上に玉の上に正座させれば拷問器具になる優れものです」

 等と怪しい笑みでソロバンに頬擦りしながら自慢するプロス。

 注:絶対に真似しないでください。 非常に痛いです。

アキト「そ、そうなんですか・・・・・・ (   J J J)」

 聞いて引いたアキトは少し冷静になっていた。

プロス「それではナデシコに戻りましょうか?」

 と言いながら靴裏にソロバンを装着する。

アキト「あ、その前にやる事があるんですけど・・・・・・」

プロス「やる事? ・・・・・・あ〜艦長を迎えに行かないといけないですねぇ〜」

アキト「誰がそんな事するか」

 即答でユリカを切り捨てるアキト。 何気に酷いです。

プロス「で、では・・・・・・何を? (   J J J)」

アキト「美春を盾にした馬鹿に制裁を下すために決まっているじゃないですか!!」

 「フフフフフ」とプロス以上に怪しい笑みで指を鳴らして燃え上がるアキト。

プロス「そ、そうですか・・・・・・しかし、艦長が居ないとナデシコは・・・・・・」

アキト「艦長なら代わりがナデシコを起動させました」

 と指さす窓の向こうでは見事にM9が海にダイブしていた

プロス「さ、行きましょうか」

 アキト同様にユリカを切り捨てたプロスだった。










 その程度の価値なのか!? ナデシコの艦長って・・・・・・・










to be continued







この作品はフィクションです。実在の原作・人物・団体・事件なとには、一切関係ありません。







−後書きコーナー

 第15話でした〜

 前回の話から約・・・・・2ヶ月ですね。

 もう既に話を忘れている方は読み直して下さいね♪

 さてさて、今回は大脱出の『後編』を書く予定でしたが、あまりにも長いので『中編』にしました。

 ―――ってか、何時になったら火星に行くの!?って話ですよね。

 あまりにも話が進んでない上に話す事が無いので逃げます!!

 それでは後書き反省会スタートです。





−アフロ装着型ボン太君。 通称『アフボン太』−

 遂に現れました!!

 その力は壷を(投げて)砕き、その速さはエステよりも速いが(ソロバン装着型の)プロスよりも遅く、その跳躍力はゴミ箱を超えるのがやっと。

 ・・・・・・凄いんだか、凄くないんだか。

 ただし中の設備は凄いです。 by開発者 相良軍曹





−どこかの不思議島の金髪小僧−

 ―――え? 知らない?

 アレですよ。 喋るオカマのデンデン虫網タイツのオカマのタイがいる島。

 それで2頭身の上半身裸の少年『あの』ネズミ好きのツッパリが家政婦している。

 ―――って言えば分かりますよね?





−ヤ○トの波○砲−





 言わなくても分かりますよね?





 ・・・・・・黒猫じゃないですよ





−ソロバン使用五段活用(プロス式)−

 1.普通に計算する。

 2.シャカシャカ鳴らしてマラカス代わり

 3.縁で殴る。(縁が尖った物を使用)

 4.靴裏に装着、ローラースケートの様に高速移動。 速度は・・・・・・めっちゃ速い。

 5.拷問器具。 ソロバンの上に正座させて揺らす。(←めっちゃ痛い)





 注:何度も言うようですが痛いのでマネしないで下さい。





 作者は全部経験済み。 (『4』は美味く滑れずこけて後頭部殴打)





−次回予告−

 やっとの事で次回、脱出するナデシコ。

 やっとの事で宇宙に行く事はできるのか!?

 アキトに置いて行かれるユリカの運命は!?

 そして、殺される運命のガイをアキトは守れるのか!?

 ―――ムネタケが味方なのに危険はあるのか?

 次回、FULLMETAL SOLDIER 『大脱出 後編』

 お楽しみに!!

2004年09月17日



 敬具






管理人の感想

TAKUMAさんからの投稿です。

とうとう、アキト君は脚がバズーカになってしまいした。

一体、彼の身体で生身の部分は残されているのでしょうか?(汗)

それより、この世界に来てからの彼の経歴を一度、何か表にまとめて欲しいですね。

もう、何ていうか・・・謎の人すぎるでしょ、ここのアキト君(大汗)

 

あ、ついでに交友関係の表も欲しいものですなぁ〜