前回までのあらすじ・・・・

 またもやAction投稿者による異世界へ飛ばされたアキト。
 今度、たどり着きアキトを待っていたのは『差別』が産んだ戦争だった。

 そんな中、アキトは2人の少年少女と出会う。
 少年の名はキラ・ヤマト。平凡な民間人である。

 そして戦いの中で昔の親友だったアスランと再開を果たすキラ。

 親友と戦わなければならない事実に戸惑う中、ヘリオポリスは崩壊していくのであった・・・・・・

 そして、戦いは加速していく。『漆黒の戦神』テンカワ アキトの出現によって。












機動戦士ガンダムSEED PLUS



第10話 ガンダムvsスーパーロボット・・・・・・ってスパロボとちゃうよ













−AA 格納庫

 キラ達の前にアキトが現れる前の格納庫である。

アキト「・・・・・・これは」

 コンテナから現れた3機の機体にはアキトは見覚えがあった。

 間違いない。 ゲキガンガーのマシンである事をアキトは知っていた。

マードック「こいつは、見たことのない形のMAだな。 新型か?」

 そう言いながらアキトの方を振り返るマードック。

アキト「何で俺に聞くんですか?」

マードック「お前の同類だろ? アレ」

アキト「あんなのと一緒にしないで下さい!!」

 完全否定のアキト。

 たしかにあんなのと一緒にされては誰だって困る。

 その時、一同の前にモニターが開いた。

 ―――そう、それはディアだった。

ディア『ねぇ〜アキト兄ってさ〜 今の状況を解っているの?』

アキト「・・・・・・あ」

 またもや、『忘れ癖』発動。










 アキトは特殊能力「忘れ癖 Lv.3」を取得した。










クリス「そんな能力なんて役立たないような気がするけど・・・・・・」

 大きな冷や汗を掻きつつアキトに突っ込みを入れる。

アキト「俺だって欲しくないよ・・・・・・(T_T)

ディア「アキト兄の事なんてどうでもいいから!! 早く乗って!!」

 ウィーンと赤い戦闘機のコックピットが開く。

アキト「待て、納得してない事がまだ多いぞ」

 そうだ、流れて聞きもしなかったが問題は残っている。

アキト「まず、あの未確認物体は誰なんだ!?

ディア『ああ、私達がこの空間に来て出会っただよ』

一同『人なのか、アレ!!』

 少なくても人ではないだろう・・・・・・多分・・・・・・

 とにかく、その事は置いといて次の質問に移る。

アキト「次に、あの機体はどこから持ってきた!?」

ディア『私達が造った!! (キッパリ)』

 おいおい・・・・・・

アキト「つ、造ったって・・・・・・どうやって? 材料や設計図は?」

ディア『え? ・・・・・・それを説明すると長くなるけど・・・・・・』

アキト「構わん、全て話せ」

 それからディアの簡単な説明が始まった。

 ディアの話では今、ディア達は遺跡に取り込まれているらしい。

 そして、ディア達がいる空間(何処かは分からない)とアキト達のいる世界(『SEED』の世界)とルリ達のいる世界(『時の流れに』の世界)の3つの世界に分かれているという。

 ディア達の空間からはアキト達の世界に通信とボソンジャンプで物質の送受信が可能。

 そして、ディア達の世界からルリ達の世界には通信とボソンジャンプの送信は不可能――遺跡がキャンセルするらしい――だが、不思議な事にルリ達の世界からボソンジャンプの受信とモニタリングのみ可能らしい。

アキト「どういう事だ?」

 アキトは当然の事のように疑問に思った。

ディア『分からない・・・・・・でも、そのお陰でアキト兄に『コレ』が送れたんだよ』

 ディアの言葉を聞いてアキトはやっと理解した。

 ゲキガンガーの材料と設計図はルリ達の世界から取り寄せたという事は・・・・・・

アキト「お前、まさか・・・・・・コレの設計図ってセイヤさんの?」

 設計図には見覚えがあったアキト。 (SEED PLUS 第2話参照)

アキト「やっぱりセイヤさんには何処に行っても世話になるなぁ・・・・・・」

 つくづく『ウリバタケ・セイヤ』という存在に頭の上がらないアキトであった。

ディア『セイヤさんの設計だがら機体には問題ないよ。 早く早く!!』

 急いでアキトの搭乗を急かすディア。

アキト「機体の謎と安全さは解ったけど・・・・・・残り2機は誰が操縦するんだ?」

 チラッと格納庫にいる人達を見ると、一同そろって首を横に振った。

ブロス『そこはアキト兄の出番だよ』

 突然にもう1つの画面が出てくる。

アキト「ブロス、いたのか?」

ブロス『アキト兄、酷い・・・・・・』

 今の今まで出てこなかったお前が悪いと心の中でアキトは呟いた。

ブロス『と、とにかく・・・・・・アキト兄が他の2機を遠隔操作するんだよ』

アキト「え、遠隔操作!?」

マードック「お、おいおい。 お前さん達・・・・・・」

 今の今まで話について行けなかったマードック達だがどうやら理解し始めたようである。

マードック「遠隔操作って簡単に言うが、フラガ大尉でさえメビウスのガンパレルを操作するのでさう難しいんだぜ」

クリス「そ、そうよ。 ましてや、こんなMA2機を操作するなんて、危険よ!!」

 親子の同時口攻撃に圧倒されるAIのブロス。

マードック「それに・・・・・・『この世界』ってどういう事だ」

 その言葉に一同が静寂になった。

 その静寂を打ち破ったのはアキトだった。

アキト「・・・・・・その事については、その時になってから、まとめて説明します。 ただ、今は俺達の事を信じて下さい」

 そうして、マードック達に頭を下げる。

クリス「お父さん・・・・・・」

 義理の父の後姿を見つめるクリス。 他の整備員もマードックに全てをまかせるように見ている。

 そして・・・・・・

マードック「頭を上げてくれ、アキト。 今、言えないならそれでいい・・・・・・」

クリス「お父さん・・・・・・」

マードック「いつか、お前達が話してくれる時を楽しみにしているさ」

アキト「ありがとうごさいます」

 頭を上げるアキト。

ディア『遠隔操作って言っても私達がサポートするから大丈夫だよ』

ブロス『ストライクがイージスに捕まったみたいだよ!!』

 外の様子を報告するブロスの言葉に格納庫内に緊張が走った。

アキト「マードックさん!!」

マードック「分かってる!! 野郎ども!! 発進準備だ!! 気合入れていくぞ!!

整備員一同『おぉぉぉぉぉぉぉ!!』

 それぞれ整備員が持ち場に走り出す。

 マードックもメガホンを持って指示を飛ばす。

アキト「ディア、ブロス!!」

ブロス『OK!! アキト兄』

 キュィィィィィンとゲキガンタンクからエンジン音が鳴り出す。

ディア『いつでもいけるよ!!』

 同じくゲキガンマリンからエンジン音が鳴り響く。

アキト「よし!! それじゃあ、行ってきます!!」

 唯一アキトの側に残っていたクリスにアキトが言う。

クリス「うん、頑張ってね!! ちゃんと帰ってきてね。 さもないと・・・・・・・『あの事』バラすから♪」

 『あの事』の単語に敏感に反応するアキト。

 ちなみに、『あの事』とは・・・・・・SEED PLUSの第5話参照という事で・・・・・・

ディア『アキト兄、『あの事』って何?』

 アキトの反応に何かを感じたのかディアが聞いてくる。

アキト「なんでもない、なんでもないんだ!!」

 焦りながら否定するアキト。

 ・・・・・・それが不審を呼ぶって知らないのかな、この男は。

クリス「うふふふふふ。 ディアちゃん、実はね・・・・・・」

ディア『え〜何々ー?』

アキト「やーめーてーくーれー!!」










 それから当分の間、アキトはディアに頭が上がらなかったのだ。










−ゲキガンジェット コックピット

 注:ゲキガンガーの資料が無かったので、ゲキガンガーの設定等は適当ですのでツッコミとかは無しで。

 あの後、散々言われたアキトは落ち込んでいた。

ブロス『アキト兄・・・・・・相変わらず女難がキツイねぇ・・・・・・

アキト「やかましいわ」

 不可抗力だったんだと呟きながら発進準備をしているアキト。

ディア『終わった〜アキト兄?』

 自分の方の設定が終わったのかディアが通信をしてきた。

アキト「もう少しだ。 中々、遠隔操作が難しそうなんでな」

ディア『早くしてよね〜 の・ぞ・き・ま・さん♪』

 アキトがビクゥゥゥと強張る。

ブロス『アキト兄・・・・・・ (T_T)

 ディアにいいように玩具にされた経験があるブロスはアキトに同情していた。

 その時、ブリッジからも通信が入ってきた。

ミリィ『アキトさん、発進準備が出来ましたけど』

アキト「了解。 直ぐに発進する」

 強張った顔を元に戻して何事も無かったように返事するアキト。

 そのまま通信は切れるが、入れ替わりに格納庫から通信が入った。

マードック『こっちもスタンバイが終わった。 いつでも行けるぜ』

アキト「分かりました。 キラ君が帰られるように受け止め準備しといて下さい」

マードック『ああ。 そのつもりだ』

 ウィィィィンと機体がカタパルトに移動する音が響く。

 その時、何か思い出したようにアキトが聞いてきた。

アキト「あ、そうだ。 マードックさん、ちょっと聞きたい事が―――」

マードック『・・・・・・・・・・?』










−AA付近 宇宙空間

 こうしてゲキガンガーが登場したのだ。

ニコル『ゲ・・・』

ディアッカ『キ・・・』

イザーク『ガ・・・』

アスラン『ン・・・』

キラ『ガー・・・?』

 いかにも不自然なロボットの登場に呆気を取られる5人・・・・・・

 またを『引いている』とも言う。

アキト『ほら、皆引いたじゃんか』

ディア『何よ〜私の演出にケチつけないでよ。 覗き魔さん♪』

アキト『だから〜 不可抗力だったんだってば〜 (ToT)

ブロス『アキト兄・・・・・・ (T_T)

 未だに『覗き魔』のレッテルを貼られているアキトに、同情するブロスであった。

キラ『覗き魔・・・・・・?』

 何やら聞いてはならない単語を聞いたキラがアキトに聞いてくる。

アキト『気にしないでくれ・・・・・・』

 ゲッソリしながら反論する気力の無いアキトであった。

アキト『―――って、隙を見せて・・・・・・ゲギガンソード 熱血斬り!!

 ゲキガンソードを取り出し、何時の間にか接近していたイージスに一撃を加える。

 ――がしぃぃぃぃぃん

 フェイズシフトのせいでダメージは少なかったが衝撃は大きく、ストライクが離れてしまった。

キラ『やったぁ』

アスラン『あっ、キラ!!』

 再度、確保しようとストライクに突進するイージスだが、ゲキガンガーが間に入り込んで邪魔をする。

アスラン『邪魔をするな!! そこをどけ!!』

アキト『いや〜 本人は嫌がっているじゃないか』

アスラン『そんな事あるはずない!! キラも望んでいる事だ!!』

一同『『『『『そんな事、ないない』』』』』

 と一同の機体が同時に手を横に振り否定する。

アスラン『い〜や、天もそれを望んでいるんだ!!』

一同『『『『『『『寝言は寝て言え。 この馬鹿』』』』』』』

アスラン『うぐぅ』

 更にAI2人が追加された集中砲火に撃沈するアスラン。

アスラン『・・・・・・・・・』

 そして、だんまりと落ち込むアスラン。

キラ『だ、大丈夫? アスラン』

 流石に気の毒になったのかキラが言葉をかけてくる。

 もちろん、機体は離しているが(笑)

ディア『キラさん。 こんな変態はほおっておいていいよ』

 最低な奴にはとことんと冷たいディアであった。

キラ『君は?』

 聞きなれない声にキラが聞いている。

ディア『ディアで〜す』

ブロス『ブロスで〜す』

ディア・ブロス『『2人合わせて、アフロブラザーズで〜す』』

アキト『何なんだよ・・・・・・アフロブラザーズって』

ディア『アフレンジャーに対抗した組織』

 組織なのか? あれって・・・・・・

キラ『へ〜そうなんだ〜』

 と、和やかな不陰気の中、不穏な影が・・・・・・

アスラン『そうだ・・・・・・』

一同『『『『『『『・・・・・・?』』』』』』』

 不意にアスランが漏らした呟きが一同に聞こえる。

アスラン『そうだ、そうなんだ・・・・・・』

ニコル『ど、とうしたんです? アスラン』

 勇気を出してニコルが聞きに入る。

 すると・・・・・・










アスラン『キラを監禁して、調教すればボクの物じゃないか!!』










一同(((((((こいつ、最低!!)))))))

 つーか、外道・・・・・・いや、鬼畜の世界に入っているのでは?

アスラン『―――と言う訳で再度、キラGETだぜぇぇぇぇぇ!!』

アキト『させるかっての!!』

 再度、突進するイージスだがゲキガンガーが必死に止める。

アキト『今の内にAAに戻れ!!』

 ストライクに向けて叫ぶゲキガンガー。

イザーク『そうだ、早く戻るんだキラ・ヤマト!!』

ニコル『気張って下さい!!』

ディアッカ『捕まるんじゃねーぜ!!』

 他の3人も敵なのに関わらずキラに逃げるように進める。

キラ『わ、分かりました』

 何とか了解したストライクがノロノロとAAに戻っていく。

 エネルギーが切れかけているので速度はそれほど速くない。

アスラン『何を応援しているんだ、お前らは。 さっさと協力しろ』

 ギロッと他の3機を睨みつけるイージス。

 が・・・・・・

イザーク『俺は動けん。 それに貴様に命令されたくない』

ディアッカ『俺は犯罪だけはゴメンだからな』

ニコル『主犯で犯罪を犯すのは好きですけど共犯で犯罪を犯すのは嫌いなんですよ』

 ・・・・・・約1名、怪しい発言をしているが気にしないでおこう。

アスラン『くっ、どいつもこいつも―――!!』

 MAからMSに変形したイージスがゲキガンガーと切り合う。

 しかし、戦歴の違いかアキトが何発かダメージを与えているがフェイズシフトのせいで致命的なダメージは与えられない。

アキト『ちっ。 思ったより厄介なシステムだ』

アスラン『何だ、こいつは? 戦い慣れしている・・・・・・』

 ゲキガンソードに対しビームサーベルで奮闘するアスランの腕も凄いが、

 運動性でイージスに完全に負けているのに引けを取らないアキトも流石だ。











ディアッカ『どうするよ、おい』

 そんな2機の戦いを見ていたディアッカがニコルに相談する。

ニコル『そうですね〜 帰艦命令が出ていますし・・・・・・隊長の愚痴を聞くのも面倒ですしね。 しょうがないですけどアスランを助けましょう』

イザーク『まったく。 迷惑をかける奴だ』

ニコル・ディアッカ『『あんたも同類だ』』 (SEED PLUS 第9話参照)

イザーク『うぐっ』

 確かにイザークが戦闘を無理に続行しなければ、こんな事にはならなかったのだ。










ディアッカ『アスラン。 しょうがないから手助けするぜ!!』

 ――バシュュュュウ

 ゲキガンガーとイージスを離すように2機の間にバスターの『超高インパルス長距離狙撃ライフル』の攻撃が通っていく。

 その反動でゲキガンガーがイージスから離れる形になる所を今度は時間差で発射されていたブリッツの『サンダーダート』がゲキガンガーを襲う。

アキト『見事な狙い―――だが!!』

 ――バシュ バシュ バシュ

 着弾寸前にゲキガンガーが分離して『サンダーダート』を回避する。

アキト『危ない、危ない。 分離できなかったら串刺しだったぜ・・・・・・』

 改めて敵の恐ろしさを実感したアキト。

 それは相手も同じだった。










ディアッカ『くそっ、あれを回避できるか〜普通』

ニコル『普通なら無理ですね。 やはり、彼は普通じゃないと考えた方がいいようです』

アスラン『気をつけろ。 あいつ、中々の腕だ。 数で舐めてたらコッチがやられる』

 バスター、ブリッツに合流したイージスからアスランが真面目に話す。

ニコル『おや? アスラン、何時戻ったんですか?』

アスラン『切りあっている間にな』

 どうやらシリアスモードになった模様のアスランであった。

ディアッカ『真面目になったんだったさ〜 俺達、退避しね〜か? 無駄に戦う必要なんて無いしさ〜』

 それに帰艦命令も出ているしと言葉を付け加える。

アスラン『・・・・・・それはできない』

ニコル・ディアッカ『『なんで(ですか)?』』

アスラン『あいつは、俺の『俺のキラを調教してお嫁さんに〜♪ 計画』を邪魔した』

 前言撤回!!

 真顔で話すアスランは半分暴走したままであった。

ニコル『・・・・・・『さっき』よりはマシだと思いましょう』

ディアッカ『そうだな。 『さっき』の状態からはマシだな』

 と思い込ませる事で納得した2人だった。

アスラン『―――と、言う訳で・・・・・・行くぞ!!』

ニコル・ディアッカ『『おお〜 (lllll  )』』

 半分、ヤル気が無くなった2人であった。










 一方、アキトの方も作戦を練り直していた。

ディア『まさか、良心の2機が襲ってくるなんて』

 どうやら、イージスのみ『敵』と認識していたようだ。

 ・・・・・・まぁ、間違ってはないな。 別の意味で。

ブロス『しょうがないよ。 同じ軍なら手伝うって・・・・・・』

ディア『しょうがなくない!! アレはもうただの変態よ!!

 鬼畜の領域に入っているけどな・・・・・・

ブロス『そこらへんは否定しないけど・・・・・・・』

 等とギャーギャー騒いでいる横でアキトだけは真面目に作戦を考えていた。

アキト(なるべく、戦闘は回避したかったんだか・・・・・・しかたないか)

 あんな状態でもアスランはキラの親友だったのだ。

 そんな奴と戦うのはアキトは気が気でなかった。

 このままAAに撤退してもいいのだがイージスのMAでのスピードの速さをアキトは教えられていた。

 更に切り合ってアスランの腕も大体に分かっていた。

 そんな奴が見す見す見逃しくれると思わない。

 そう考えたアキトはなるべくダメージを与えないように相手に撤退させる方法を考えていた。

 頭の中に出撃前のマードックに聞いた言葉を思い出す。

アキト『・・・・・・よし』

 イメージ完了。

ディア『アキト兄。 こっちに敵が来たよ!!』

アキト『ディア、ブロス・・・・・・行くぞ!!』

 一気にペダルを踏み込みスラスターを全開にする。

 ちなみに今は合体してゲキガンガーに戻っていた。

 アスラン達のフォーメーションはバスターを後ろにしたタイプでアキトの予想した通りだった。

マードック<まずは『バスター』。 こいつは知っての通り重装砲撃用MSだ>

アキト(―――となるとバスターは自然的に後陣になる訳だ。 だから―――)

 イージスのビームサーベルがゲキガンガーを捕らえた瞬間、ゲキガンガーは直ぐに分離して2機を抜き去る。

アスラン『何!?』

ニコル『・・・・・・まさか!?』

 ほとんど、秒速の世界に呆気を取られる2人だがディアッカは近づけさせまいとミサイルで弾幕を張る。

 が、しかし頑丈なゲキガンマシンにアキトの腕とスピードと精神コマンド『集中』があれば難無く回避できる。

ディアッカ『くっ、近すぎる!!』

 弾幕を抜けきったゲキガンマシンにバスターは対抗する術はなかった。

マードック<バスターは装備上の問題でビームサーベルを装備していない。 だから超近距離には弱い>

 ゲキガンマシンはバスターの後ろに回りこみゲキガンガーに合体する。

アキト『今だ!! ゲキガンフレアー!!

 ――ガギィィィィィン

 ゲキガンガー必殺の『ゲキガンフレアー』――エネルギーを放出しながら体当たり――がバスターに直撃する。

 やはり、格闘攻撃なのかフェイズシフト装甲のお陰でバスターは大きな破損もなく、ディアッカは無事だった。

 しかし、バスターのダメージが大きすぎたのかバスターの装甲がグレーに変化していく。

ディアッカ『まじかよ!? たった一撃で!!』

 これで残る敵は2機。

 アキトは次のターゲットを定めていた。

ニコル『今度は僕が相手です』

 まだ、未だに無傷のブリッツが挑戦を叩き込む。

アキト『来い!!』

ニコル『行きます!!』

 と同時にブリッツの姿が消えていく。

 ブリッツの特殊能力の『ミラージュコロイド』である。

マードック<ブリッツの厄介なのは『ミラージュコロイド』だ。 こいつはレーダーにも反応しないが、作動中はフェイズシフトが使えないんだ>

アキト(つまり、そこが弱点か・・・・・・)

 アキトはゲキガンガーのブースターを止めて停止する。

 宙に浮いているだけのゲキガンガー。 その中でアキトは目を瞑り、全神経を集中させる。

 そして・・・・・・

アキト『・・・・・・・・・・・・そこだ!! ゲキガンビーム

 ――ビーーーーーーー

 何も無い所目掛けてゲカガンガーの目からビームが発射される。 すると・・・・・・

 どぉぉぉぉん

 ビームは何も無い所に被弾した。 そして、爆発と共に灰色のブリッツが表れる。

ニコル『そんな・・・・・・ミラージュコロイドが見破られるなんて』

アキト『相手が悪かったね。 俺は気配を読むのが得意なんだ』

 と、自慢げのアキトにニコルは完敗だと思った。

 皮肉にも五感を失った時の感覚が役に立つなんてアキトは思わなかった。

アスラン『くらえっ!!』

 ゲキガンガーの死角からビームライフルを発射する。

アキト『なめるな!! ゲキガンアウト!!』

 またもや、分離するゲキガンガー。

アスラン『―――くっ!! チョロチョロと!!』

 無駄にエネルギーを使いたくないので分離している時は発射しない。

アスラン(奴は必ず仕掛けてくる。 その時しかない!!)

 覚悟を決めたアスランはライフルを構え、アキトの襲撃に備える。

 その様子を見たアキトは、

アキト(俺が仕掛ける時に攻撃する気だな・・・・・・)

 そう思いながら、マードックの最後の言葉を思い出した。

マードック<1番厄介なのはイージスとデュエルだ。 この2機は長所がなければ短所も無いんだ>

アキト(つまり、後は俺とアスラン君の腕比べって事か・・・・・・)

 腹をくくったアキトは周囲を飛び回っているゲキガンマシンを一箇所に集める。

 そして、そのままイージスへと突っこむ。

アスラン『くるか!?』

 アスランも3機集まった事から合体すると思い、合体する瞬間を待つ。

 そして・・・・・・

アキト『レーッツ、ゲキガイン!!』

 アスランの予想通り、ゲキガンマシンはイージスに突っこみながら合体した。

 だが、イージスは撃たなかった。 いや、正確に言えば撃てなかったのだ。

 なぜなら、合体して現れたのはゲキガンガーではなくウミガンガーだったのだ。

 現れたのが別の機体だったため、戸惑って撃つ機会を逃したのだった。

アスラン『くっ―――!!』

 ――バシュゥゥ バシュゥゥ

 数秒のタイムラグがあった物の、アスランは直ぐに冷静さを取り戻し突っこんでくるウミガンガーに向かってライフルを発射した。

アキト『ゲキガンビジョン!!』

 分離すると思っていたアスランだったがアキトはウミガンガーの特殊能力の『ゲキガンビジョン』を発動させ、素早く回避したのだ。

アスラン『何なんだ? あの速さは!!』

 たとえ、姿が変わっても同じ機体が合体したのに変わりないのにゲキガンガーとウミガンガーの運動性違いにアスランは驚いていた。

アスラン『メチャクチャだぞ!!』

 それがスーパーロボットなのだ。

アキト『今だ!! ゲキガンネット!!

 ウミガンガーから発射されたネットがイージスを捕獲した。

アスラン『しまった!!』

アキト『とどめだ!! ゲキガンアウト!! そして、再びゲキガイン!!

 ウミガンガーは素早く分離してゲキガンガーに合体した。

アスラン『見す見すやられるものか!!』

 ネットの隙間からライフルの先端を通してゲキガンガーに狙いを定める。

 しかし、定め終える前に、

アキト『ゲキガンカッター!!』

 ――スパッ スパッ

 ゲキガンガーの双肩から発射された刃状のエネルギーカッターがライフルを上手く3等分にした。

アスラン『くっ―――!!』

 もう、打つ手の無くなったアスラン。

アキト『降参して下さい。 これ以上、やっても無駄ですよ』

アスラン『煩い!! とどめを刺すなら、刺せ!!』

 流石にエリートの赤を着ているだけあって潔い。

アキト『そうか・・・・・なら、仕方ない。 ゲキガンフレアー!!

 アキトの叫び声と共にゲキガンガーの全体にエネルギーが満ちる―――予定だった。

 実際の所、アキトの予想に反し何も起こらない。

アキト『あ、あれ?』

ディア『ア、アキト兄・・・・・これ・・・・・』

 画面のディアが指差す先はゲキガンガーのエネルギーゲージだった。

 ゲージの針はこれでもか!って位にE以下を刺している。

 つまり・・・・・・

アキト『ガス欠?』

ディア・ブロス『『ピンポーン』』

 調子良く明るく言う2人だが冗談じゃない。

 ガス欠になったゲキガンガーは油圧も抜けてしまったのか、ただ宇宙にダラーンと浮かぶだけであった。

 その様子を見ていた、ネットをやっとの事で外せたイージスのアスランは・・・・・・

アスラン『もしかして、俺は助かったのか?』

 いろんな意味で情けない決着であった。

 一方、ガス欠のゲキガンガーでは・・・・・・

ディア『アキト兄がいけないんだよ!! ボカスカと大技を連発するから!!』

アキト『すまん・・・・・・相転移エンジンの頃の癖で・・・・・・』

ブロス『アキト兄、それは言い訳にもならないよ』

ディア『大体アキト兄わね、スペックに頼りすぎなんだよ!! エネルギーがほぼ無限と言って無茶とかしすぎなんだよ!!』

アキト『ごめんなさい。 これから気をつけます』

 ただ、頭を下げるしかないアキトだった。

 内心ではスーパーロボット乗りって苦労していたんだなーって実感していた。

アスラン『なんだか、騒がしい所いいか?』

 MA状態に変形したイージスがゲキガンガーに接近してきた。

アキト『なんですか?』

アスラン『隊長の命令で不本意なんだが貴方を我々の艦に連行します。 覚悟してください』

 何を覚悟しろと言うのだろうか?

 だが、アキトは抵抗もできないので了解した。

 そして、イージスの爪がゲキガンガーを捕獲してヴェザリウスに運んでいくのだった。










 さて、これからアキトを出向かうのは一体何だろうか・・・・・・次回に続く!!










to be continued







この作品はフィクションです。実在の原作・人物・団体・事件なとには、一切関係ありません。







−後書きコーナー

 拝啓

 やっとの事で10話を書き終わりました。

 前回が3月の下旬頃だったので・・・・・・約2ヶ月ぶりですね。

 私も早く書き上げようと思ったんですが、中々戦闘の描写が上手くいかなくて遅れてしまったんです。

 いやいや、読み返しても文才の無い事www

 と、言うので後は読んでくださる皆様の想像次第で御座います。

 話は変わりますが、今の私は学生でもなくプータローなんですが、暇なのでHPでも作ろうかなーって思って作成しています。

 色んなサイトの見よう見まねですけど・・・・・・

 一応、サイト用に2次小説を幾つか書いて何時でもアップロードはできるんですが、掲示板の作り方やリンクの作り方、

 カウンターや肝心のアップロードの仕方がまったく分からないので悪戦苦闘しています。

 そのためにSEEDが遅れたのです。 何か良い方法は無いでしょうか?

 とにかく、そこらへんを勉強して6月らへんを目標に頑張りたいと思います。

 それでは後書き反省会スタートです。





−ゲキガンガー製作の裏側−

 物語中でもディアが説明していましたが、

 『ルリ達の居る世界――ナデシコ』から『ディア達の居る世界――遺跡(?)』を経由して『アキトの居る世界――SEED』に転送されたのです。

 つまり、簡単に言えば・・・・・・





 『遺跡』

 ・言うならばディア達の秘密工場兼秘密基地。

 『ナデシコ』→『遺跡』

 ・経由して物質の転送が可能。 だが、人物までは不明。

 『SEED』←→『遺跡』

 ・物質の転送が可能。

 ・『遺跡』を通してボソンジャンプが可能。 だが、キャンセルされる確立が大きい。

 ・通信可能

 『遺跡』→『ナデシコ』

 ・通信は不可たがモニタリングが可能。

 ・物質の転送、ボソンジャンプは不可。 (キャンセルされる)





 そして、これらを裏で操る謎の存在がいるらしい・・・・・・





 ―――と、言うのが今調査して分かった事である。





−おまけ 〜その頃のナデシコの世界〜ー

 ここはアキトの『英雄の石碑』。

 そして、その前ではナデシコクルーの面々+αが深刻な顔をして集まっていた。

 時はアキトが居なくなって2年・・・・・・そして、その日は『アキトへの報告会』という集まりの日だった。

 一人一人がポツリポツリとアキトに自分の周りの出来事等を報告していた。

 そして、大トリのルリが・・・・・・

ルリ「大丈夫、まだ待てます。 だって、私は3年待てたのだから・・・・・・」

 その言葉に一同の空気がさらに重くなる。 そんな中、1人動いた人物がいた。

 それは意外にもウリバタケ セイヤであった。

セイヤ「そうだ、アキトよ〜 ついに完成したんだぜ〜設計図だけだけどよ〜」

 と言いながら鞄を漁る。 しかし、目的の物は何処にも無かった。

ガイ「何、探しているんだ?」

 隣に居たガイが一同を代表して聞く。

セイヤ「アキトに前、見せたゲキガンガーとかの設計図だ。 折角、完成した設計図をアイツにも見せてやろうと思ったんだがな」

ガイ「何ぃ、それは一大事だ!!」

 と叫びながら石碑の前という事を忘れて目標の物を探す2人。

セイヤ「無いな・・・・・・」

ガイ「家に忘れてきたんじゃないのか?」

セイヤ「馬鹿を言うな。 折角アキトに見せるんだ。 4回は確認したぜ。 それに石段を登る前にも確認したんだ」

 回数が微妙だが、とにかくセイヤは自信があった。

 そのやり取りに一同は呆れていた。 そして、ついに痺れを切らしたルリが・・・・・・

ルリ「オモイカネに問い合わせてみましょう・・・・・・」

 そう、ナデシコのメインクルーは皮肉にも衛星等である程度監視されているのだ。

 その事は一同が承知でプライベートまでに首は突っ込んでこないので無視している。

ラピス「私がやろうか?」

ルリ「いえ、久しぶりにオモイカネと話したいですし・・・・・・」

 と言いながら持ってきたコミュニケでオモイカネとダッシュに連絡して石段を登る前から今のセイヤの状態までを調べる。

 すると・・・・・・

ルリ「落とした形跡はありませんね」

セイヤ「なら、何処に行ったんだ?」

 このミステリーに一同が首を傾げる。 1人「壷が・・・・・」とか言っているが無視する。

ルリ「・・・・・・ん?」

ユリカ「どうしたの、ルリちゃん」

 何かに気付いたルリの反応を逸早く気付いたユリカが聞いてくる。

ルリ「いえ・・・・・・ただ、セイヤさんの鞄から微弱のポーズ粒子の反応があったので・・・・・・」

一同『はぁ?』





 結局の所、真実は分からず一同はそのまま解散した。

 だが、翌日に軍事基地から大量の部品や素材が消えた事が判明したのだった。

 この事が後日、大きな事件を起こすなど、今はまだ誰も気付かないのだった。





−次回予告−

 ―――という訳であっさり捕まったアキト。

 そんなアキトをヴェザリウスで待っていたのは赤き彗星の男と噂のホモ隊であった。

 一体アキトは、そしてゲキガンガーはどうなってしまうのか!?

 次回『残されたポーズ粒子は・・・・・・』にレェェェェェッゲキガイン!!










 追伸というか質問:もしサイトが開設できたら私が書いた作品も載せていいんですよね?

 さらに開設できたら「Action」へのリンクを張ってもいいですか?





2004年05月15日



 敬具













管理人の感想

TAKUMAさんからの投稿です。

ゲキガンガー強ぇえ!!(笑)

アスランが話が進むごとに壊れていきますが、まあそれも愛嬌と言う事で・・・最早、犯罪者となっていますが。

最後の良心といわれたニコルまで、黒い一面を覗かせていますしねぇw

さて、ザフト軍に捕まったアキトですが、この後はどうなるのでしょうか?

・・・素手で戦艦を沈めた実績もあるし、なるようになりますかね(苦笑)