前回までのあらすじ・・・・

 またもやAction投稿者による異世界へ飛ばされたアキト。
 今度、たどり着きアキトを待っていたのは『差別』が産んだ戦争だった。

 そんな中、アキトは2人の少年少女と出会う。
 少年の名はキラ・ヤマト。平凡な民間人である。

 そして戦いの中で昔の親友だったアスランと再開を果たすキラ。

 親友と戦わなければならない事実に戸惑う中、アキトが連れさらわれるのであった・・・・・・

 そして、戦いは加速していく。『漆黒の戦神』テンカワ アキトの出現によって。












機動戦士ガンダムSEED PLUS



第13話 ラクス・クライン













−AA 艦長室

 とりあえず救命ポットから出てきた女の子に事情を聞くためマリューとナタルとフラガだけ集まっていた。

 女の子は『ラクス・クライン』と名乗り、丸い球体ロボは『ハロ』という名前だと言う。

 ラクスが自己紹介を終えた時、艦長室の外でガタッと物音がした。

 ナタルが額に青筋を浮かばせながらドアを開けると、そこにはブリッジクルーを含めカレッジの学生達が聞き耳状態で立っていた。

ナタル「さっさと仕事に戻らんか〜!!」

 ナタルの叱責に驚いた彼らはその場を走り去る。

 ただ、後ろ側で様子を伺っていたキラは少し逃げ遅れてその場に立っていた。

 その時、中に居るラクスと目が合った時、ラクスは怪しい笑みでハロをキラの方に向けた。

キラ「?」

 キラは「あのロボットを見せたかったのかな?」と疑問に思いながらナタルに急かされるままにその場を去って行った。










ラクス(ああ〜行ってしまわれましたわ〜)

 キラが行ってしまった事を悔やみながらハロを操作する。 なんと、このハロは彼女のカメラ代わりなのだ!!

 その液晶画面は軍服を着たキラの姿が映っており、その画面を見たラクスは更にニヤリと微笑む。

 そんな彼女の動作に気付かない他の3人は質問を続ける。

フラガ「クラインって・・・・・・かのプラント現最高評議会議長も『シーゲル・クライン』と聞いたが・・・・・・」

 フラガの言葉にマリューとナタルが「はっ」と気付く。

ラクス「あら、シーゲル・クラインは父ですわ。 ご存知なのですか?」

 マリュー達には目も触れずハロの操作に夢中のまま答える。

マリュー「あの・・・・・・何をしているんですか?」

 流石にラクスの態度が気に触ったのかマリューが聞く。

ラクス「今、キラ様の画像を本部に転送しているんです。 少しお待ちになって」

 「何処!?」と思った3人だが、それ以上はラクスに断られ真相は闇の中に消えていった。

マリュー「そ、それでは・・・・・・そんな方がどうしてココに?」

ラクス「はい。 実はや○い同好会での慰安りょ―――げふんげふん。 追悼慰霊のための事前調査で・・・・・・」

フラガ「今、『慰安旅行』って聞こえたが・・・・・・・」

ラクス「気のせいですわ」

 ニッコリと笑顔で切り捨てるラクス。 流石である。

マリュー「と、とにかく・・・・・・ それでどうしたんですか?」

ラクス「はい。 私達の艦が敵の艦に見つかって・・・・・・」

ナタル「地球軍の艦ですか?」

ラクス「いいえ。 ノーカプ同盟の連中です」

マリュー・ナタル・フラガ「「「はぁ?」」」

 『ノーカプ同盟』―――正式名称『ノーマルカップル同盟』

 その名の通り、腐女子の天敵であり、普通に男女のカップルを推奨する同盟である。

 毎度毎度、ラクスが仕切っているこみパでは2つのグループが激しく対立していると言う。

 『や○い同好会』と『ノーカプ同盟』・・・・・・実はラクスはどっちにも味方してない事は秘密だ。

 噂ではラクスはその場の気分でどっちの味方になるらしい。 要は趣味と金であるらしい

ラクス「どうやら、あちらは私の拘束が目的だったみたいで・・・・・・」

 「有名人は困りますわ」と呟くラクスに3人はたじたじ・・・・・・

ラクス「終いには『どっちの本が面白いか』という題目で即売会を開催して、付近を通る艦に売りつけていたんです」

マリュー「は、はあ・・・・・・」

ナタル「それでどうしたんですか?」

ラクス「それが付近を通った地球軍の艦売り込みに行ったんですけど、何故か気に触られたようで・・・・・・」

マリュー・ナタル・フラガ「「「原因はそれ!!」」」

ラクス「そうなんですか?」

 誰だって敵艦からや○い本と同人誌を売りつけられたら怒るって・・・・・・

ラクス「それで私は逸早く救命ポットに乗り込んで脱出して来たんです」

 「せっかくの金づるに逃げられました」と呟きが聞こえたが、聞かなかったふりをする。

 こうして、ラクス嬢の尋問(?)は質問した3人が心因性の頭痛と腹痛により終了された。

 恐るべし、爆弾天然娘。





















−ガモフ ブリーディングルーム

アキト「ラクス・クライン?」

 TVをごろ寝しながら見ていたらラクスが行方不明になったニュースをやっていた。

 アキトはもちろん彼女の事を知らず、同じ部屋にいたイザーク達に聞いた訳だ。

イザーク「本当に何も知らないんだな」

 と仁王立ちのイザーク。 その姿には何故か迫力がなかった。

アキト「ぷっ」

ディアッカ「くっくくく」

 我慢ができなくなった2人が突然に吹き出す。

ニコル「ふ、2人とも失礼ですよ。 くくくく」

 そう言うニコルもイザークを見て笑っていた。

イザーク「・・・・・・貴様ら!! いい加減にせんかー!!」

ディアッカ「だって・・・・・・なぁ? あはははははは!!」

アキト「そんな頭されちゃ・・・・・・」

イザーク「貴様らがやったんだろーが!!」

 イザークの頭はてっぺん以外すべてがアフロになっていた。 見るからに変種の河童であった。

アキト・ニコル・ディアッカ「「「あはははははははは!!」」」

イザーク「ちくしょう・・・・・・ (T_T)










ニコル「彼女はプラント最高評議会議長である『シーゲル・クライン』の1人娘ですよ」

ディアッカ「それでもってアイドル歌手。 プラントの歌姫ってまで言われてんだぜ」

 やっと笑い終わったニコルとディアッカがアキトの問いに答えてくれた。

アキト「へぇ〜」

 あまり興味が無いように答えるアキト。

アキト「その姫様が何で行方不明に?」

ニコル「彼女は追悼慰霊団の代表でして、その下見中に慰霊団のシャトルからの連絡が途切れたと・・・・・・」

イザーク「デブリ帯に探索機が向かったが、その探索機も行方知らずだそうだ」

ディアッカ「おいおい、マジかよ・・・・・・」

アキト(デブリ帯・・・・・・なるほど、『血のバレンタイン』の・・・・・・)

 その事を思っているとアキトは自分の世界の火星の事を思い出した。

 かつて軍が火星に向けて核を使い木星に追いやった事。 それがあまりにも似ていたという事。

アキト(くそっ! 結局、行き着く先は同じかよ!!)

 内心、人間というものが信じられなく思える。

アキト(・・・・・・と言うとなると彼らも悪意があるわけじゃないんだよな・・・・・・)

 と会話しているイザーク達を見るアキト。

イザーク「・・・・・・俺の顔に何かついているか?」

 アキトの視線に気付いたのかイザークが聞いてくる。

アキト「え? いや・・・・・・別に」

ニコル「考え事ですか?」

ディアッカ「分かった。 別れ離れになった彼女の事を考えていたんだろ?」

 「にひひ」と笑うディアッカにアキトは、

アキト「それは絶対にない」

 完全否定するアキト。

アキト(内心、ルリちゃん達から解放されて肩の荷が下りたよ)

イザーク「それじゃ、何を考えていたんだ?」

アキト「え? いや・・・・・・『ラクス・クライン』ってどんな人かなーって思っただけさ」

 「ははは」と乾いた笑いで誤魔化すアキトであった。





















−AA ???

???「ブツは持ってきましたか?」

 暗闇の部屋に女の子の声が響いた。

???「もちろんよ。 ・・・・・・そっちは?」

 今度は大人びいた声が響く。

 部屋の中には数人の人影が確認された。

 テーブルを挟んで少女と団体が向き合っていた。

???「ふふふ、もちろんありますわ」

 と少女の影が取り出したのは写真であった。

 写っているのはシャワーを浴びているキラの姿だった。

???「こ、これをどうやって!?」

 少女がピラピラと見せ付ける写真を喰い見る他の一同。

???「ふふふ、このピンクちゃんにかかれば朝飯前ですわ」

ハロ「ハロハロ、テヤンディ」

 少女の横でコロコロ転がるハロ。

???「ところで『コレ』に匹敵するブツとは何でしょうか?」

 少女が写真をピラピラと見せつけながら相手側に問いただす。

???「それは・・・・・・コレよ!!」

 と言いながら取り出したのは一冊のアルバムであった。

???「ささっ、拝見して下さい」

 と少女の前に差し出す。

 少女がアルバムを開くとそこには・・・・・・普段服から軍服にいたる数々のキラの写真であった。

 だが、その中には裸の写真など一枚も無かった。 そう・・・・・・彼女達はそこまで手に入らなかったのだ。

 よって少女の持っている一枚は何としてでも欲しいのだ。

???「・・・・・・・・・・」

 少女は厳しい目でアルバムを捲っている。 そして・・・・・・

???「こんな物と取り引きとは・・・・・・ちゃらちゃら可笑しいですわ」

 とアルバムを机に投げつける。

???「そ、そんな・・・・・・」

 ザワザワとざわめき始める取り引き相手集団。

???「大体、こんな物はいつでも盗撮でき―――ん?」

 アルバムから落ちた写真が少女の目に入った。

 それはアキトとキラの笑顔のツーショット写真であった。

???(こ、この方は・・・・・・)

 相手集団も少女の様子に気付き写真の事に気付いた。 そして・・・・・・

???「彼の情報が欲しいのですか?」

???「―――!!」

 図星の少女。

???「彼の写真もあるんですよ・・・・・・」

 懐から取り出した数枚の写真を扇状に広げて少女に見せ付ける。

???「・・・・・・分かりましたわ」

 こうして取り引きは成立したのであった。










ラクス(ふふふ、またしても逸材が手に入りましたわ。 テンカワ・アキト様・・・・・・どのような方でしょうか)

 ラクスはこんな人であった。





















−ガモフ アキトの部屋

 ――ゾクゾクゾクゾクゾクゾクゾクゾク

アキト「―――――!!」

 突然、寒気を感じるアキト。

アキト(この感覚は以前の・・・・・・)

 そう、ヴェザリウスに来た当初に感じた寒気と同じ感覚だったのだ。

アキト(しかし、この感覚はまさしく『同盟』のもの・・・・・・まさかな・・・・・・)

ディア『どしたの? アキト兄』

アキト「いや・・・・・・『同盟』の気配を感じたんだが・・・・・・気のせいだよな」

ディア『あながち本当だったりして』

アキト「何か言ったか?」

ディア『なんでもない』

 1人で納得するアキトにディアの呟きは聞こえなかったのだった。

アキト「しかし、慰霊団のシャトルが行方不明か・・・・・・世の中物騒だな」

 先ほどまでブリーディングルームで話していた事を思い出す。

アキト「どこにいるんだか・・・・・・」

ディア『AAにいるよ』





 ・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・

 ・・・・・・

 ・・・・

 ・・

 ・





アキト「なんですと?」

 信じられないという顔のアキトにディアが詳細を話していく。

 ・・・・・・ただし、『や○い同好会』やら『ノーカプ同盟』『KY・TA保護組織』の事は秘密だ。

アキト「なるほど・・・・・・脱出ポットでねぇ・・・・・・」

ディア『なんか、ご都合主義だよねぇ』

 お約束という物ですよ。

アキト「そういえば、この間俺の新しい機体を作っていると言ったが、まだなのか?」

ディア『うん。 やっとアイデアがまとまった所だよ

 『今、ブロスが作ってる』と言う、ディア。

ディア『んで? どうするつもりなの? アキト兄としては』

アキト「もう少しココに居ようと思う。 少なくとも新しい機体ができるまでは」

ディア『ふーん。 どうせ私達はイレギュラー――異端者――だしねぇ』

 アキトは立ち上がり窓から外の宇宙眺める。

アキト「見定めるさ・・・・・・遺跡が俺達をココに連れてきた真理を」

ディア『アキト兄・・・・・・・』





















−AA ラクスの部屋

キラ「まったく・・・・・・どうやって出たんですか?」

 格納庫付近でうろうろしているラクスを見つけたキラがわざわざ、ラクスを部屋に連れて来たのだ。

キラ「一体、セキュルティーはどうなってんだか・・・・・・?」

ラクス「まあ。 それなら『コレ』で一発ですわ♪」

 と言いながら取り出したのはピッキング道具であった。

キラ「・・・・・・・・・・」

 無言でその道具を見ているキラ。 そして・・・・・・・

キラ「・・・・・・ここ、鍵穴ありませんし・・・・・・それに自動ドアですよ?」

ラクス「・・・・・・成せば成ると」

キラ「どう頑張っても、成りません」

 つーか、戦艦に鍵穴付きドアがあるか?

ハロ『テヤンディ』

 ――ヴィーン ヴィーン

 その時だった、艦内に警報音が響き渡る。

放送『総員、第1種戦闘配備! 第1種戦闘配備!!』

キラ「どうしたんですか!?」

 丁度、キラ達の部屋の前を通ったフラガに説明を求めるキラ。

フラガ「例のナスカ級が先遣隊と交戦しているんだよ」

キラ「例の―――って・・・・・・」

フラガ「ああ。 例の変態小僧が居る所だ。 変態の機体も確認された」

 それを聞いたキラが少し固まり・・・・・・

キラ「・・・・・・僕も出撃しなきゃ駄目ですよね?」

フラガ「・・・・・・すまんな。 潔く散ってくれ」

 散ってくれって・・・・・・・ (   J J J

キラ「それって、僕を囮にするんですか!?」

 顔に泣きが入っているキラ。

フラガ「あの『G』タイプは厄介なんだよ!! お前の純潔をやればおとなしくなるだろ!!」

キラ「僕の気持ちはどうするんですか!?」

フラガ「・・・・・・・・・・」

 無言は「んなものあるか」という意味だった。

キラ「いやだぁぁぁぁぁぁ!!」

フラガ「つべこべ言うな!! 行くぞ!!」

 ――ずるずるずるずるずるずる

 泣いて出撃を拒否するキラだが首根っこを掴んだフラガがそのまま引きずっていった。

 しばらくして静かになった室内に残されたピンクの歌姫は・・・・・・

ラクス「キラ様の貞操の危機!? これは是非とも抑えなければ!!」

 とハロを抱えて部屋から飛び出したのだった。










 相変わらず暴走しているな・・・・・・こっちのSEEDの世界は。










to be continued







この作品はフィクションです。実在の原作・人物・団体・事件なとには、一切関係ありません。







−後書きコーナー

 お久しぶりです。 TAKUMAです。

 今回は『SEED』の13話をお届けしました。

 この前、『SEED DISTNY』の第1話をようやく見る事ができました。 (1週間遅れです)

 なんていうか・・・・・・・OPとEDが使いまわしだった。(おい)

 後は、「まぁ、こんな物かな?」って感じで・・・・・・・

 他には『インパルス』の名前を聞いた時、本気で『エン○の神様』を思い出したり・・・・・・

 インパルスはインパルスでVガンダム思い出すし・・・・・・・ヒロインある意味壊れてるし・・・・・・ 銃装備相手にナイフってどうよ?

 そして、何より思ったのは・・・・・・










 俺のSSのアスランとめっちゃ正反対!! (ヲイ)










 ま、当然だけどね。

 とりあえず2話目を期待してよーっと。

 そういう事で後書き反省会スタートです。





−ハロの盗撮機能−





 いや・・・・・・ハロには盗撮機能が付き物でしょ? (byカサレリアの少年)





−変種の河童の真実−

 前回のアフレンジャー勧誘事件の後、

 夜中にニコルとディアッカ、(面白そうだから)アキトの3人で彼の部屋に忍び込んで、ばれないようにアフロにしたのだ。

 この時点では完全なアフロだったのだ!!

 では、何処で変種の河童になったのか?

 翌朝、3人がイザークを笑おうと見に行くと頭部頂点から少しずつオカッパに戻りつつあったのだ。

 ある一定部分で戻るのが止まり、変種の河童になったのだ。

 おそるべしジュール家のオカッパ!! byニコル・ディアッカ・アキト





−変態小僧って誰?−





 分からない人は7話から読み直してください。





−次回予告−

 爆弾天然娘を乗艦してしまったAA。

 そのAAに迫り来る変態の魔の手。

 キラは2人の悪魔から操を守り通せるのか?

 そして、囚われの身となっているアキトの運命はどうなるのか!?

 関係ないがハガレンの最終回の題名が無いってどういう事?

 次回、『戦神と歌姫』

 お楽しみに!!

2004年10月17日



 敬具


管理人の感想

TAKUMAさんからの投稿です。

何て言うか・・・まともに戦争してる人間が少ないですね(汗)

そもそも、嫌がってるキラを引き摺って出撃させるフラガって(大汗)

絶対に軍から逃げ出すよな、このままだと・・・・・・・たとえフレイが引きとめても。

この先、キラに明るい未来はあるのでしょうか?

 

アキトは好き勝手に生きてるみたいなんで、この際無視(苦笑)