機動戦士ガンダムSEED PLUS


第15話 歌姫と戦神
















−AA キラの部屋

キラ「あ、あの〜本気ですか?」

ラクス「ええ。 『本気』と書いて『マジレンジャー』と読みますわ

 注:読みません。

キラ(確かにこのままでは地球軍に人質になるんだよな・・・・・・)

 そう考えると彼女を逃がしたくなる気持ちになる。

キラ(でも、あの艦にはアスランも居るし・・・・・・

 結局の所、問題はソコだった。

 誰だって自分の身が1番に可愛いのである。

ラクス「駄目ですか?」

 ウルウルと潤んだ目を見上げる格好で見つめてくるラクス。

キラ(うっ・・・・・・そうだよな。 僕よりも彼女の方で大変なんだ)

 そう決めるとキラは・・・・・・

キラ「分かりました。 貴女を返します」

ラクス「まあ、連れて行ってくださいますのね」

キラ「ええ。 僕の出来る事なら協力しますよ」

 それを聞いたラクスの目が怪しく光った。

ラクス「そうですか・・・・・・それなら・・・・・・」

 怪しく微笑みながらキラに歩み寄るラクス。 キラは後ろに押され気味の状態。

 ――ポスン

 そしてゴール地点のベットの上に腰を落とすキラ。 その目前には怪しい微笑みのラクス。

キラ「あの・・・・・・ラクスさん?」

ラクス「ラクスとお呼び下さいな。 私もキラとお呼びしますから」

キラ「はぁ・・・・・・ラクス、何で詰め寄るんですか?」

ラクス「それはベットに用があるからですわ♪」

キラ「このハロは何をしているんですか?」

 見ればハロがキラの首筋で何かしている。

ラクス「素直になる薬を注入しているのですわ♪」

 それを聞いたキラの顔色が少し青くなる。

キラ「なら、何故に僕の服に手を掛けているんですか?」

 薬のせいか無抵抗状態のキラの服を脱がしているラクス。

ラクス「邪魔だからですわ♪」

 笑顔のラクス。 そう言っている間にキラはトランクス1枚になっていた。

キラ「・・・・・・なら、なんでラクスも脱いでいるんですか?」

 今度はラクスが脱いでいる。

 キラは素直に「綺麗だなぁ、着痩せするタイプなんだ・・・・・・」と少し堪能していたのは別の話である。

ラクス「これも邪魔になりますし♪」

キラ「・・・・・・最後にいいですか?」

ラクス「はい♪」

キラ「何をしようとしているんですか!?」

ラクス「だから、『ナニ』をしようとしているんです♪」

 意味が違う・・・・・・鈍感なキラでも分かっていた。

キラ「貴女からそんな言葉は聴きたくなかった・・・・・・ (T_T)

ラクス「大丈夫です。 痛いのは最初だけですから

キラ「・・・・・・どこかで聞いた様な台詞ですね」

 さぁ? 何処ででしょう?

ラクス「つべこべ言わずに、私と1つになりましょう。 それはとても気持ちのいい事ですわよ

キラ「何を言って・・・・・・あっ、あ・・・あっ!! あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!















<検閲削除> おいおい・・・・・・(汗)
















 一体、何が起こったのか?

 『この日、少年は『大人への階段』を光の速さで駆け上がったのだった』とだけ記しておこう。

 <トリィのキラ観察記録より抜粋>










 それから3時間後・・・・・・

 ――プシュー

ミリィ「あの〜準備ができたけど〜」

 何も知らないミリィがドアを開けた先に見た物とは―――!?










 ベットの上でシーツで上半身起こした裸体を隠しながらタバコ(チョコ)を吸うラクスと

 裸でラクスの膝枕で丸まって寝ているキラ(ちょっと涙目)の姿だった。

 傍から見れば『寝取った男と寝取られた女の図』である。










ラクス「何か? ニヤソ

 キラの寝顔を堪能していたラクスがミリィを軽く睨む。

ミリィ「・・・・・・お邪魔しました〜 (lllll  )」

 ――プシュ〜

 颯爽と退場するミリィ。

ラクス「さて、もう1R逝きますか・・・・・・

 ドコニイッテルンディスカー! ドンドコドーン!!










−AA 更衣室

 それから30分後、更衣室には少しやつれ気味のキラとスベスベ状態のラクスの姿があった。

キラ「うぅ・・・・・・腰が痛い」

 腰をトントンと叩くキラ。

ラクス「あら? 鍛え方が足りないですわね」

キラ(だって、アレは激しすぎだよ〜 (////T_T////))

 心の泣きながら思い出して真っ赤になるキラ。

ラクス「また、機会があったらヤりましょうね」

キラ「え? えええええ!? (//// ////)」

 耳元でボソッと囁かれた言葉に更に真っ赤になるキラ。

ラクス「うふふふふふ。 可愛い方ですこと」

キラ「・・・・・・・・・・ (//// ////)」

 更に褒められて照れる一方のキラ。

キラ「じ、じゃあ・・・・・・これを着てください」

 焦りつつもラクスにノーマルスーツを渡す。

ラクス「これを着れば良いんですね。 ・・・・・・あら?」

 自分の服装――ロングスカート――に気付いたようである。

 しかし、何の躊躇も無くその場でスカートを脱ぎ始めた。

 そう・・・・・・キラの目の前で。

キラ「あ、あああ・・・・・・ごめんなさい―――!! (//// ////)」

 と真っ赤になってラクスに背を向ける。

ラクス「あらあら、全て見せ合った後じゃありませんか〜」

 そんなウブなキラの態度に、のほほんと微笑むラクス。

キラ(僕をからかっているのか?)

 ようやく気付き始めるキラ。 いくらなんでも鈍すぎである。

 ――プシュー

ミリィ「キラー、ラクスさーん。 準備できたー?」

 また、淫らな事をして時間を取りたくないので、ミリィが強制的に入り込んできた。

 その時、丁度ラクスの着替えも終っていた。 ・・・・・・・例のお腹ポッテリ姿で。

サイ「・・・・・・何ヶ月?」

ラクス「臨月ですわ♪ (////ポッ////)」

キラ・ミリィ・サイ「「「ええっ!? 煤i;゜Д゜)」」」

 サイの冗談に意外なカウンターを入れるラクスの言葉に驚く一同。

キラ「ま、まさか・・・・・・危険日とかじゃないですよね?」










ラクス「(ボソッ)・・・・・・答えは3ヶ月後ですわ」

キラ「え!? 煤i;゜Д゜)」

 ラクスの怪しげな呟きに身が震えるキラ。

 そんなキラの肩に誰かが手を置いた。

ミリィ「大丈夫よ、キラ。 貴方は私が護るから!!」

キラ「ミリィ・・・・・・ ガタガタブルブル((((゜Д゜;))))ガタガタブルブル

 何故か燃えているミリィの後ろで

サイ(キラも厄介な物に目付けられたな。 ・・・・・・同情はしないけど)

 キラは知らない・・・・・・その友人の軍服の内ポケットには『KY・TA撲滅委員会 No.2』のIDカードがあるなんて・・・・・・










 キラを除いてその場の人達は知っていた!! (情報バレバレ)










 駄目じゃん、『KY・TA撲滅委員会』・・・・・・





















−ヴェザリウス 格納庫

アスラン「〜♪ 〜♪」

 一方その頃、ヴェザリウスの格納庫ではアスランがイージスを丹念に磨いていた。

 しかも、不気味な笑みで・・・・・・ 周りの整備員は完全に引いて退避した後である。

イザーク「アイツは何やっているんだ?」

 合流していたイザーク達がその様子を見て不振に思った。

 通常、パイロットは機体の整備等の事は例外を除いて行わない規則である。

 理由は何時でも万全の状態で出撃できる様にである。

 そんなパイロット―――しかも『赤』のエリートが機体磨きである。 誰だって不振に思うだろう。

ディアッカ「―――って言うか、あいつ。 前回、『テドロドトキシン』を打たれて独房で監禁じゃなかったのか?

ニコル「何でも何かを思いついたかの様に素手で独房の鉄格子をぶち破ってずっと機体を磨いてますからね・・・・・・」

 ・・・・・・アイツはアキトか!?

アキト「毒に侵された身体でそんな事を・・・・・・」

ディアッカ「グゥレィト〜・・・・・・」

イザーク「しかし、そこまでして機体を磨く馬鹿がいるか?」

ニコル「いるじゃありませんか。 あそこに」

 とアスランを指差すニコル。

イザーク「話をまぜっかえ・・・・・・スミマセン (  J J J)」

ニコル「・・・・・・・・ (ニコニコニコニコ)」

 笑顔のニコルから自分に対して黒いオーラが流れているの気付き、即座に謝るイザーク。

ニコル「―――って言っても、大体の理由は『コレ』ですね」

 と言って取り出したのは某『種』の台本(第10話)であった。

 それを受け取りページシールの貼ってあるページを開き、印のある部分を読んでいく。

イザーク「『ストライクのハッチが開き、キラとラクスを確認してラクスを受け取るアスラン』・・・・・・なるほどな」

ディアッカ「結局、目的は『ソコ』か・・・・・・あの変態め」

 文を読んで理解できた2人はイージスを丹念に磨いているアスランを遠くから睨む。

ニコル「下手したらラクスさんより、彼―――キラさんの方を優先するでしょうね・・・・・・絶対に

イザーク「またしてもヴェザリウスの風紀が「ちょっと待った、イザーク!!」・・・・・・何だ?」

 イザークの言葉をディアッカが止めた。

ディアッカ「折角だから『その台詞』はこの人に言ってもらおうぜ」

アキト・イザーク・ニコル「「「誰?」」」





















−AA ブリッジ

フラガ「またしてもダグオンの風紀が乱れる!!」 ←この人

 突然に怒鳴るフラガ。 その手には竹刀が握られていた。

マリュー「と、突然、何を言い出すんですか? 大尉」

フラガ「いや・・・・・・何か無性に叫びたくなったんだ。 竹刀を持って」

ナタル「まったく・・・・・真面目にしてください、大尉」

 馬鹿な事をするフラガに叱責するナタル。

トノムラ(―――と言うか、あんたらが1番に乱してないか?)

 レーダーから目を離さずに心の中で突っ込むトノムラ。

 他のブリッジクルーも同様の事を考えていたが誰も口にしない。

フラガ「おいおい。 俺は真面目にしてるぜ」

ナタル「さっきの戦闘で賭け事をしていたじゃありませんか」

フラガ「いや・・・・・・あれは・・・・・・その・・・・・・ちょっとした、小遣い稼ぎじゃないか」

ナタル「軍の給料じゃ足りないんですか!?」

 ―――って言うか、使い道が無いでしょ。 戦争中だし・・・・・・

フラガ「そう言うなら、艦長だって!! 部屋ん中にビール専用冷蔵庫を持ち込んでるの知ってるんだぞ!!」

 突然のフラガの暴露に動揺するマリュー。

フラガ「それに少尉だって、実は部屋内がぬいぐるみとかファンシー系の物で溢れかえってるのだって知っているんだぞ!!

クルー「「「「・・・・・・ぷっ」」」」

 更なるフラガの暴露にブリッジクルーが想像して軽く吹き出す。 運良く、その事はナタルには知られてなかった。

 しかし、何故に知っている? フラガよ・・・・・・

ナタル「そういう大尉だって、多くのサイトで『ホモ疑惑』で持ちきりでしょう?

マリュー「そうよ!! 厚かましくも相手が私のキラ君なんて信じられませんわ!!」

 サラリとキラを『自分の物宣言』しているマリューの言葉にナタルが眉を顰めた。

ナタル「艦長! 『私の』とは何ですか!? (『組織』の条例第2条を忘れたんですか!?)」

 周りには聞こえない小声で『組織』の事を言うナタルにマリューは・・・・・・

マリュー「何よ!! 美少年を保護するのは『淑女』として当然の事です!!」

ナタル「何が『淑女』ですか!? 四捨五入したら立派な三十路の『熟女』じゃないですか!!」

 マリューの発言に反射的に反論するナタルだったが、肝心な事を忘れていた・・・・・・










 注:マリュー・ラミアス 26歳  ナタル・バジルール 25歳










 一緒やん・・・・・・

フラガ「ははは。 流石は女性だな、一応歳の事は気にしているみたいだな。 坊主に手出したら犯罪だぜ」

 女性2人が罵り合っている所に余計な一言。

マリュー・ナタル「「黙れ! 『年齢=彼女居ない暦』のオッサン!!」」

フラガ「オッサン言うな!!」










 注:ムウ・ラ・フラガ 28歳










クルー((((―――と言うか、『彼女居ない暦』は否定しないんだ))))

 同じ男として悲しい事だと実感する中、

クルー((((アラスカに着いたら転属届でも出そう!!))))

 この時、ブリッジクルー一同は同調――シンクロ――して「どうやって転属届を出すか」と考えていた。










 1分後、その転属届が無駄に終るという考えに行き着いていた。

 その更に3分後、ストライクが無断発進していた事に気付くのであった。





















−ヴェザリウス 格納庫

放送『足つきよりMSの発進を確認。 パイロットからの通信を受信!』

キラ『こちら地球連合軍所属艦アークエンジェル所属のMS、ストライク!』

アスラン「きゃあ〜〜〜!! キ〜〜〜ラ〜〜〜!!」

 まるで何処かのアイドルの追っかけかのように叫ぶアスラン。

イザーク「くっ、誰か奴を黙らせろ!!」

ディアッカ「無理だって」

アスラン「今から行くからね〜、キラ〜♪」

ニコル「そのまま逝って帰ってこないでください

アキト「・・・・・・一応、仲間でしょ?」

 だが、内心は同じ気持ちだったアキトであった。

キラ『ラクス・クラインを引き渡す。 ただし、ナスカ級は艦を停止、ブリッツのパイロットが単独で出てくる事が条件だ』

アスラン「な・・・・に・・・・・・?」

 イージスに乗り込むアスランが固まった。

アキト「あ〜やっぱり、そう来たか〜」

ニコル「わざわざ自分から近づきたく無いですよね〜」

イザーク「自業自得だな」

ディアッカ「あちらさんが一枚上手だったな」

 納得する4人。 だが、約1人は納得行かず・・・・・・

アスラン「何故だキラ!! 俺はただキラを連れ帰り俺のモノ――ペット――にしようとしただけなのに!!

一同「「「「それだけで十分犯罪だ!!」」」」

アスラン「嫌だ〜キラ〜!! こうなったらブリッツに俺が乗って・・・・・・」

 プリッツの方に行こうとするのをイザークとディアッカが止める。

イザーク「往生際が悪いぞアスラン!」

ディアッカ「そうだぜ。 相手の御指名はニコルなんだぜ」

アスラン「離せ〜キラ〜キラ〜〜キラ〜〜〜!!」

イザーク「ええい、黙れ!!」

 まるで駄々っ子の様に暴れるアスラン。

ニコル「仕方ないですね・・・・・・先生、お願いします」

 ――ちゃら〜ん♪ ちゃららら、ちゃららら〜♪

 何処からか『必殺仕事人のテーマ』が流れてくる。















アキト「うりゃ」

 ごきっ

アスラン「がはっ















 アスラン、首が折れて昇天。










−ヴェザリウス ブリッジ

アデス「どうします? 隊長」

クルーゼ「後は若い者にまかせるさ」

アデス「・・・・・・つまり、勝手にしろと?

クルーゼ「・・・・・・私も連中の相手をして疲れているのだよ」

 つい本音を漏らすクルーゼ。

 ―――という訳でキラの要望通りにエンジン止めてブリッジでお茶会を始めるクルーだった。

クルーゼ「ふむ、固焼き煎餅も中々だな」

アデス「そうでしょ? お茶に浸すと良い感じで柔らかくなりますよ」










 せめてアニメ並とは言わないから、卑怯真面目な所を見せてください。





















−ヴェザリウス 格納庫

 そんなホノボノとした空気の中、ストライクとプリッツは宇宙空間でラクスの受け渡しを成功させて帰還していた。

ラクス「みなさん、お久しぶりですわね」

 プリッツから降りたラクスの第一声はソレだった。 今まで何も無かった様な笑顔でである。

 その笑顔を見たクルーゼ隊(−1)は深く溜め息を吐いていた。

イザーク「ラクス嬢。 ご無事でしたか?」

ラクス「ええ。 非常に良い思いをしましたわ」

 ご満悦のラクスに更に疲れる一同。 今まで心配していたのが無駄の様だった。

ラクス「さて・・・・・・ホモは何してますか?」

 やはり婚約者なのか、心配なのだろうかと思う一同。

ニコル「アキトさんに首を折られて鎖で縛って自室に放置してます

 いや・・・・・・ちゃんと治療してやれよ。

ラクス「そうですか・・・・・・では、アキトさんに会いに行きましょうか」

 その言葉にクルー一同は・・・・・・

一同(ああっ、やっぱりか)

 アスラン――馬鹿――に『同情』の2文字はなかったのだった。










−ヴェザリウス アキトの部屋

アキト「君がラクス・クライン?」

ラクス「ええ」

 突然の訪問にアキトは少し驚きつつもお茶――アデスの部屋からかっぱらって来た――を出す。

ラクス「美味しいですわね」

アキト「ええ。 葉にこだわっていますから」

 注:アデスの部屋から盗ってきた葉です。

アキト「手に入れるのに中々、苦労しましたよ」

 本当は小腹が空いたから適当な部屋にガサ入れをして偶然に見つけたものである。

ラクス(ふふふ。 やはり逸材でしたわね)

 お茶を笑顔で飲むアキトを見て核心したラクス。

 ――ゾクゾクゾクゾクゾク

アキト「―――――っ!? (何で、また寒気が? やはり『某同盟』が近づいているのか?)」

 その考えは遠からずも近からずだった。










アキト「そうですか、向こうでキラ君に俺の事を・・・・・・」

ラクス「ええ。 非常に豊かな方だと伺いましたわ」

 豊かなのか?

ラクス「そう言えば、『漆黒の戦神』と名乗ったとか?」

アキト「え、ええ・・・・・・ (そういえば言っちゃっけ)」

 心の中で思い返して恥ずかしくなるアキト。

ラクス「懐かしいですわね」

アキト「え?」

 恥ずかしい気持ちが一転、少し驚いた。

ラクス「小さい頃に聞いたお伽話であったんですよ」

アキト「お伽話?」

 ラクスが語ったお伽話は以下の通りだった。

 『遥か遠き星の侵略者が現われし時、花を纏いし戦いの神が現れた。
  その牙は何者も切り裂き、その鎧は何者も通さない。 戦った後の鎧は返り血だけ残った。
  だが、その者は侵略者達との戦いを好まず、平和を導いたという。 人はその者を黒ずんだ返り血から『漆黒の戦神』と呼ぶ』


アキト「何と言うか・・・・・・滅茶苦茶な話ですね (しかも、どっかで聞いた様な話だし)」

 まるで無理矢理な話にアキトは半分呆れていた。

ラクス「これは私が聞いた話ですが、各地では色々な話になっているんですよ」

アキト「各地―――って言うとナチュラルもコーディネイターもですか?」

ラクス「ええ。 でも、最近はその話自体を知っている方も少なくなって、私もある御方から聞いた話なんですよ」

アキト「へぇ〜 非常に興味深い話ですね」

 確かに興味深かった。 あまりにも自分に似ている話に。

 更に詳しく聞こうとした、その時・・・・・・

 ――プシュー

ニコル「ラクスさん。 お迎えのシャトルが到着しましたよ」

 入ってきたニコルに対して心の中で舌打ちするラクス。

ラクス「(ちっ、もう少し話ていたかったのに) そうそう、この話に興味があるんですか?」

アキト「あ、はい」

ラクス「それでしたら、地球にその事を祭っている場所があるんですよ」

アキト「え? そうなんですか?」

ラクス「今では『絶対非戦闘区域』ってなっていまして、機会があったら見に行かれると良いですよ」

アキト「絶対非戦闘区域?」

 その言葉に答えたのはニコルだった。

ニコル「ああ、『聖地』の事ですか?」

アキト「聖地?」

ニコル「ええ。 『戦神伝説』を祭っている『絶対非戦闘区域』。 軍の中では、ふざけてそう言っている人も居るんですよ」

 そう言うとラクスを連れて退室しようとするニコル。

ラクス「それではアキト様。 御機嫌よう」

アキト「あっ、ども・・・・・・」

 ――プシュー

 閉まるドア。 残されたアキトにディアが話しかけた。

ディア『何、真剣に考えているの?』

アキト「いや・・・・・・俺の考え過ぎかも知れん、もう少し確証を掴んでから話すよ」

ディア『ふ〜ん。 分かった』

 そう言って通信を切るディア。

 一体、アキトの考えとは・・・・・・まだ後の話である。





















−ヴェザリウス 通路

 一方、アキトの部屋を後にしたラクスとニコル。

ラクス「〜♪ 〜♪ 〜♪」

 部屋を後にしてから笑顔のラクス。

ニコル「随分とご機嫌ですね」

ラクス「はい。 逸材が2つも手に入るとは思いませんでしたから」

ニコル「そうですか。 また、有明に嵐が来ますね

ラクス「ええ。 そのためにも・・・・・・」

 意味有り気の間。

ニコル「分かってます。 コレですね」

 取り出したのはメモリーカード。 中身はアキトの写真データである。

ラクス「ふふふ。 有難うございます。 報酬はいつもどおりに」

ニコル「分かりました」

ラクス「貴方も悪い方ですわね。 仲間達を売るなんて・・・・・・」

ニコル「いえいえ、ラクスさん程ではありませんよ」

ラクス「うふふふふふふふふふ」

ニコル「あははははははははは」

 どす黒い笑顔で笑う悪代官と商人

 その通路を通れる者は無く、大変に良い迷惑だった。










 その後、無事にラクス(+縛られた重体のアスラン)を見送ったヴェザリウスクルーは安堵したという・・・・・・















to be continued






この作品はフィクションです。実在の原作・人物・団体・事件なとには、一切関係ありません。











−後書きコーナー

 お久しぶりです。 TAKUMAです。

 深夜のバイトが決まり昼間はぐっすり熟睡して執筆に手付かずの状態でした。

 けど、何とか少し少し積もらせて1話書き上げました。

 前回はギャグを押し倒しすぎて批判があったので今回は控えめにしました。

 とにかく、バイトの時間が迫ってますので後書き反省会スタートです。





−またしてもダグオンの風紀が乱れる!!−

 声優ネタでしたね。 言わせてみたかっただけです。

 もちろん誰の台詞か判りますよね?

 鬼の風紀委員長です。





−次回予告−

 ラクスから告げられたお伽話。 これがアキトの運命を狂わせて行く事は知らない。

 その頃、AAはハルバートン率いる第7大西洋連邦軍艦隊と合流していた。

 そして、地球軍が回収していた救難ポットに載っていたフレイと再会するキラ達。

 そんな時、アスランが抜けたクルーゼ隊が攻めて来た。

 悪戦苦闘する地球軍。 AAだけでも地球降下を試みるマリュー。

 そして、大気圏で再び激突するストライクとデュエル。

 中々、決着が着かない中、フレイの乗るシャトルが横切った。

 放たれる閃光、間に合わないストライク。 誰もが駄目だと思った、その時―――!!

 次回、『破壊する者』

 お楽しみに!!

2005年4月10日


 敬具




















感想代理人プロフィール

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代理人の感想

Don't say ! 4 or 5 !!   (お約束)

 

しかしこの話だけで見るとフラガって鬼の風紀委員よりは「初代大地の魔装機神操者」っぽいなぁ(爆)。

いや、賭け事からの連想だけですけどね(笑)。