スーパーロボット大戦 exA

プロローグ


 宇宙世紀0XXX。

 地球連邦とコロニー連合の間の緊張が高まり、コロニー独立派の最右翼であるサイド3が指導者ジオン・ズム・ダイクンの下にジオン共和国の建国を宣言。
 幾度かの小競り合いののち、これを認めない連邦軍が派兵を決定。ついに戦端が開かれる。

 世に言う、1年戦争の発端である。

 最初は連邦軍に先んじて投入されていたモビルスーツにより戦闘を有利に運んでいたものの、元々の勢力差はいかんともしがたくコロニー軍は消耗を強いられる。
 その混乱の最中、ジオン・ダイクンは戦死(謀殺されたとの説もある)。
 後を引き継いだジオン共和国重鎮デギン・ザビ一族が権力を奪取する。

 結果、コロニーと地球連邦は完全に断絶。ジオン共和国はジオン公国と改名。事態の泥沼化はいっそう深刻なものになる。

 が、地球連邦の新鋭機を搭載し、地球圏にて超エネルギーや新合金の研究のために開発されていたスーパーロボットの協力を得た第13独立艦隊、通称ロンド・ベル隊が、ザビ家の専横を良しとしないジオン共和国残党と秘かに接触。簒奪者であるザビ家一党を排除。ジオン公国は共和国に再び改名し、コロニーと地球の協力を約束する。

 ジオン共和国の指導者はジオン・ダイクンの遺児、キャスバル・レム・ダイクン。だが、彼はザビ家に近づくためにその名を隠し、仮面を着けたエースパイロット、赤い彗星の異名を持つシャア・アズナブルと名乗っていた。

 強烈なカリスマによって統合されていくコロニー国家群におののき、連邦軍の強硬派は治安維持を任務とした特務部隊・ティターンズを結成。
 地球からの弾圧に徹底抗戦の意を表明したジオン共和国率いるコロニー群との間に再び戦端が開かれる。
 この戦役は軍事コロニー・グリプス1での戦闘がきっかけとなったことからグリプス戦役と呼ばれるようになる。

 ロンド・ベルは旗艦をホワイトベースからアーガマに変え、軍事強硬派であるティターンズを排除し、コロニーと地球の間の和平のために尽力した。

 その戦役の直後、疲弊しきった地球圏に異星人の艦隊が出現。
 抵抗する間もなく、地球圏はその異星人に支配されてしまう。
 異星人の侵略の手から地球を取り戻すため、それまで敵対していたジオン共和国と地球連邦は初めて手を結び、これを撃退した。

 この一連の戦役の矢面には当然旗艦であるペガサス級強襲艦ホワイトベース、そして新造戦艦のアーガマがあった。

 地球のスーパーロボットもロンド・ベルに所属していた。

 だから、彼らの影にあり、戦闘を裏から支え、情報を奪い、時には暗殺までやってのけた特務艦があったことは歴史に残っていない。

 戦争終結後、箝口令がしかれたその事実。
 だが、その当事者たちは知っている。

 ホワイトベース艦長、ブライト・ノアを猛将と呼ぶならば。

 その影に潜むは知将、ヴィンデル・マウザーであると……。

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