-堕天使と妖精の物語-

TOM-X           

ACT2:それぞれの過去と生きる理由


 

〜AC196/8 極東地区:オオイソシティー(海岸)〜

 

海岸を一台の車が走行している。

乗車しているのは若い男女の一組である。

運転している少年《ヒイロ・ユイ》は、助手席に乗っている少女《ホシノ・ルリ》に尋ねた。

「家はどこだ。」

「海岸地区東の新興住宅地区です。」

「ここから、すこしいった所か。」

「ええ……。」

ルリは、言葉を濁しながらヒイロの問いに答えた。

ヒイロは、ルリの答えに何かがあると思いまた尋ねた。

「何か、あったのか」

「……今は、家には戻りたくないんです。つらいことを思い出してしまうから……。」

「そうか。」

ルリは、今にも泣き出しそうな顔をしている。

ヒイロは、ルリの気持ちを知ってかそれ以上のことは尋ねなかった。

二人の間は、沈黙が支配した。

しばらくして、高級住宅街の一角にあるマンションに車を止めた。

「ここは。」

ルリは、答えた家の場所と別の場所だったのでヒイロに尋ねた。

「俺の住んでいる場所だ。ゆっくりしていけばいい。」

「え?」

「家には帰りたくないんだろ。」

「!!」

ルリは、さっき言った答えに気づいた。

「……でも、見知らぬ人に迷惑をかけるわけには……。」

「気にするな。俺が好きでやったことだ。」

「でも……。」

ルリは、まだ何か言おうとして、ヒイロにさえぎられた。

「家にこい。コーヒー一杯ぐらいだそう。」

「…わかりました。お邪魔させていただきます。」

ルリは、少し考えて、ヒイロの好意に甘えることにした。

 

 

〜AC196/8 極東地区:オオイソシティー(ヒイロ宅)〜

 

ヒイロの家は、マンションの最上階の14階にあった。

エレベータで最上階まできたルリは、そこから見える海岸の景色を眺めてつぶやいた。

「きれい……。」

二人は、玄関の前まできていた。

「ここだ。」

「お邪魔します。」

ヒイロの家は広かった。

しばらくして、ヒイロはコーヒーをいれてルリに渡した。

ルリは、一口飲んでから疑問に思ったことを質問した。

「あの……。」

「何だ。」

「ご両親はいつ帰ってくるのですか。」

「俺には、親はいない。ここに住んでいるのは俺一人だ。」

ヒイロは無表情で答えた。

ルリは、自分が失礼な質問をしたと思って謝罪した。

「ごめんなさい。あまりにも広い家だったので……。」

「気にするな。」

ヒイロは、怒ったふうもなくただ淡々と答えた。

たしかに、ルリが疑問に持つのにも無理は無い。

一人で住むには、あまりにも広すぎた。

「…家賃とかはどうしているのです。」

「依頼された、プログラムを作って稼いでいる。」

実際、学校に行っている彼は、体を動かすような仕事は到底出来ない。

かといって、アルバイトだけではここの家賃は払えないのも事実である。

その、対抗手段としてプログラムを製作する仕事を行っているのである。

このての仕事は、実力さえあれば年齢は関係無い。

そして、金額はかなり良い。

名目上で学校に言っている彼には都合の良い仕事である。

……まあ、昔の彼ならばハッキングをして金を盗むような行為を行っているだろうが。

ルリは、先ほどの答えを聞いて考えていた。

(親はいない……。私と同じ……。)

ルリは、さらに興味を持ちヒイロに尋ねた。

「ヒイロさん、私あなたの過去が知りたい……。」

「俺の過去か……。」

ヒイロは、自分の過去をルリに話した。

今まで誰にも話さなかった過去を。

ヒイロ自身、自分の過去をルリに話していることに驚いていた。

ヒイロが話し終えると、ルリは驚いていた。

あまりにも、彼と境遇が似ていることに。

ヒイロは、ルリが落ち着くのを待ってから尋ねた。

「俺も、君の過去が知りたい。」

ルリも、ヒイロが過去のことを話してくれたので自分も話す事にした。

ヒイロも、自分が人の過去を尋ねたことに驚いていた。

今まで、他人の事に興味をもたなっかた彼が変わった瞬間である。

ルリが話し終えると、彼女は微笑んだ。

あの事件以来笑うことがなっかた彼女が……。

そして、こうつぶやいた。

「私達似ていますね。」

と。ヒイロも、ルリの問いに肯定した。

「ああ、似ているな。」

そして、彼も微笑んだ。

時は、夕方を過ぎていた。

 

 

〜AC196/8 極東地区:オオイソシティー(海岸)〜

 

高杉三郎太はあせっていた。

護衛対象であるルリを見失ったことに。

クリムゾングループの工作員と一線交えたときにネルガルのSSの一人と一緒に脱出したのは覚えている。

だが、そのSSはしばらく行った地点で遺体となって発見された。

別の組織の複数の工作員の遺体と共に。

ルリの遺体は見つからなかった。

だが、三郎太はルリがさらわれたと思いこんでいた。

(あの時、俺が一緒に行っていればこんなことには……。)

彼は表向きは軽いナンパヤローでも、根はまじめな人間である。

彼は、宇宙軍総司令部に向かっていた。

 

 

〜AC196/8 極東地区:オオイソシティー(ヒイロ宅)〜

 

「これからどうする。家に帰るのなら送っていくが。」

ヒイロは、ルリに尋ねた。

「……まだ。気持ちの整理が出来てません。」

ルリは、ヒイロの問いにそう答えた。

ヒイロの過去を聞いて、自分自身あの生活に甘えすぎていたことに気がついたルリ。

そして、彼にならって前向きに生きることを決意したルリ。

今のルリは、家に帰ることにためらいは無かった。

だが、ルリ自身(彼とまだ一緒にいたい)という気持ちから今の台詞が出たのである。

ヒイロはその答えに、少年とは思えないとんでもない大胆な提案をする。

「なら、ここにとまっていくか。」

ルリは、赤面になった。

顔から湯気が出ている。

「……それは、それでまずいのではないですか。」

ドモリながらも返答する。

だが帰ってきた言葉は意外にもあっさりしたものだった。

「気にするな。空き部屋は二つある。別々に寝れば問題無い。」

ルリは、しばらく考えてからその提案を飲むことにした。

「お言葉に甘えさせていただきます。」

「わかった。」

ヒイロは、パソコンを置いてある部屋に向かった。

ルリもついていく。

「ヒイロさん、何をするのですか。」

「君が無事だということを連絡する。かなり大事になっているはずだからな。」

と言って、プリベンター本部につなげる。

出てきたのは、《レディ・アン》と何故かそこにい合わせた《リリーナ・ドーリアン》である。

『久しぶりだな、ヒイロ。』

『お久しぶりですね、ヒイロ。』

「ああ。ところで、なぜリリーナがここにいる。」

『それは、会議の後で談笑していましたから。』

リリーナは笑顔で答えた。

リリーナはヒイロの隣にいるルリに気づいて挨拶をした。

『私は、リリーナ・ドーリアン。あなたは?』

「あ、すみません。私、ホシノ・ルリといいます。」

その会話を聞いていたレディ・アンは驚いてヒイロに尋ねた。

『ホシノ・ルリはさらわれたと聞いていたが……。』

「やはり大事になっていたか。」

ヒイロはつぶやいた。

そして、今までの経緯をかいつまんで彼女達に話した。

『そういうことだったのか。わかった。宇宙軍にはこちらから連絡する。』

「すまない、助かる。」

『気にしなくていい。むしろ、感謝するのはこちらのほうだからな。』

レディ・アンはそういって、微笑んだ。

そして、こう付け加えた。

『それにしても変わったな、ヒイロ。昔のお前ならこんなことは絶対にしなかったことだからな。』

「あのときの俺には、感情なんて無かったからな。」

といって、ヒイロも微笑んだ。

一方、ルリとリリーナは別回線で会話をしている。

どうやら、ヒイロのことが話題になっているようだ。

しばらくして、ルリはヒイロに言った。

「ヒイロさん。リリーナさんが話をしたいって言ってます。」

「わかった。なんだ、リリーナ。」

『ルリさんのことをよろしくお願いします。』

「ああ、わかった。」

そして、ヒイロはレディ・アンに最後の通信をした。

「何かあったら、また連絡する。」

『ああ、よろしく頼む。』

『ヒイロ、ルリさん、お元気で。では、また今度お会いしましょう。』

「ああ。」

「リリーナさんも、お元気で。」

ヒイロは、通信をきった。

ルリは、通信を切ったヒイロに向かって睨みながら詰問口調で詰め寄る。

「初対面の人に、誕生パーティの招待状を目の前でやっぶて『お前を殺す。』は、ないと思いますが……。」

「……仕方が無いだろ、あの時は。任務優先で感情なんて無かったからな。」

そう答えたヒイロはルリの顔を見ると、彼女は笑っていた。

「冗談ですよ。あの時のヒイロさんのこと、知ってますから。」

ヒイロは、彼女にはめられたことを知った。

そして、彼女の暗い影が吹っ切れたことも。

二人は、笑いあった。

 

 

〜AC196/8 極東地区:プリベンター本部(部長室)〜

 

ヒイロ達からの通信が切れた後、レディ・アンはリリーナに向かって話し掛けた。

「彼、変わりましたね。」

「ええ。」

確かに、ヒイロは《オペレーション・メテオ》のときに比べて、人間的にも成長していた。

いや、彼本来の人間性が表に出てきたのかもしれない。

それはそれで良い方向だが。

取り止めの無い会話をしていた二人だが、レディ・アンはリリーナに爆弾を落とした。

「それにしても、強力なライバルが出来ましたな。」

リリーナは、顔を真っ赤にして反論した。

「な、私とヒイロは、そんな関係ではありません。」

だが、顔を真っ赤にして反論しても説得力は皆無である。

そんな答えに、レディ・アンは笑っていた。

「もし、彼女に彼を取られたらどう思います。」

「ヒイロが幸せならそれだけでいいです。それに、そういうことは彼が決めることです。」

そして、こう付け加えた。

「私は、ヒイロのことが好きですから……。」

リリーナは微笑んでいた。

「そうですか。お強いんですね。」

レディ・アンはそういって答えた。

だが、リリーナの次の一言で彼女は固まった。

「ルリさんを泣かすようなことをしたときは、彼を死ぬほど痛い目に合わせます。」

目が据わっていた。

 

 

〜AC196/8 極東地区:宇宙軍本部(提督室)〜

 

そこには、ミスマル・コウイチロウ、ムネタケ・ヨシサダ、秋山源八郎、アオイ・ジュン、

高杉三郎太の五人が集まっていた。

「申し訳ありません。自分の不注意で……。」

「まあまあ、まださらわれたと決まったわけではないことだしのぉ。」

三郎太の謝罪に、ヨシサダはなだめるようにいった。

「ルリ君の血痕は発見されたのか。」

「いえ、あの場所では彼女の血痕は見つかっておりません。」

「ということは、無傷ということですか。」

コウイチロウの問いに、ジュンが答え、源八郎が続く。

「ですが、もしさらわれたとすれば、あの状況ではバートン財団が濃厚です」

「バートン財団か……。」

ジュンの答えに、コウイチロウは後悔の念をいだきながらつぶやいた。

彼らは、クリムゾン・グループや草壁派に対しては警戒していたが、バートン財団には油断していた。

その結果が、今の出来事である。

その空間を沈黙が支配した。

「くそぉ!!」

三郎太は壁に向かって殴りつけた。

「これこれ、壁を破壊してはいかんよ。」

場違いで、能天気な声でヨシサダは三郎太をいさめる。

「参謀長!!」

と怒るジュン。

「まあ、起きてしまったことには……。」

と、源八郎が話していたら、コウイチロウあてに通信が届いた。

プリベンターのレディ・アンからだった。

「おお、久しぶりだなアン部長。」

コウイチロウの問いに、レディ・アンは冷や汗を流しながら答えた。

『提督……先ほどの会議でお会いしていますが。』

(ミスマル提督ってアルツハイマー?)

提督室に集まった他の四人全員そう思った。

「で、話とは。」

先ほどのふざけた対応から一変してまじめに尋ねた。

『単刀直入に言います。《ホシノ・ルリ》は無事です。』

「「「「「何ぃーーー!!」」」」」

その答えに、全員が驚いた。

そして、レディ・アンは起こった後のことを彼らに話した。

レディ・アンの話が終わった後、コウイチロウ達は安堵した。

もっとも、一番安堵したのは三郎太である。

レディ・アンからの通信がきれた後、その空間はさっきの暗い空気が一変して明るくなった。

「では、彼女は今家にいるのですか。」

三郎太はコウイチロウに向かって尋ねた。

「いや、ルリ君はあの事故の傷がまだ残っているらしくて、

気持ちの整理が落ち着くまで家には帰りたくないそうだ。」

「そうしたら、彼女はどこに泊まるのです。

へたなところでは狙ってくださいと言っているようなものですよ。」

コウイチロウの答えに、ジュンがもっともな反論をする。

だが、ジュンの反論にコウイチロウはこう答えた。

「アン部長によれば、もっとも信頼できる人物がルリ君の護衛をしてくれるそうだ。」

「信頼できる人物ですか。」

「ああ、ちなみに今ルリ君はその人物の家にいるそうだ。」

源八郎のつぶやきに、コウイチロウは付け加えた。

「その人物は、ドーリアン外務次官も信頼している。」

「ほほぉー、外務次官もですか。なら、安全ですな。」

ヨシサダは安堵するようにコウイチロウのつぶやきに同意した。

リリーナの影響力は計り知れない。

それも、内外問わずである。

そのリリーナが、信頼しているのである。

五人は心底安堵した。

そして、コウイチロウは三郎太に言った。

「引き続き、ルリ君の護衛を頼む。」

「了解しました。」

三郎太は、快く引き受けた。

そして、二度と失敗はしないと誓うのであった。

 

 

〜AC196/8 極東地区:オオイソシティー(ヒイロ宅)〜

 

ヒイロは、夕食を作っていた。

彼は、よほどの急ぎが無いときは夕食は自分で作る。

ルリは、テレビを眺めている。

どうやら、今日自分に起こったことはニュースにはなっていないようだ。

彼女は、そのことに少し安堵する。

少しして、食事が出来たようだ。

ヒイロが声をかける。

ルリはその声に反応する。

今晩のメニューは、《チキンライス》のようだ。

ヒイロに、何が食いたいと尋ねられたときルリが答えたものだ。

ルリは、ヒイロが作ったチキンライスをスプーンにのせ口に運ぶ。

そして、一口食べた後こう言った。

「おいしい。」

ホウメイが作ったのとは違う、アキトが作ったものとも違うチキンライスだったがルリは満足していた。

「そうか。」

と言って、ヒイロも食事を始める。

そして、ヒイロは内心こう思っていた。

(他人とこういうふうに食べるのも良い気分だな。)

二人とも、食事が終わるまで至福の時間を楽しんでいた。

ヒイロが後片付けをしているとき、ルリはシャワーを浴びていた。

ルリが風呂場から出てくると、寝る場所に案内した。

ルリはヒイロに寝る前の挨拶をした。

「おやすみなさい。」

「ああ、お休み。」

しばらくして、ヒイロも眠りについた。

その日、二人とも悪夢を見ることは無かった。

 

 

〜AC196/8 場所不定:クリムゾン・グループ所管研究所〜

 

その日、ゴート・ホーリー、月臣元一朗、デュオ・マックスウェルとその他数人のネルガルSSは、

《テンカワ・アキト》、《ミスマル・ユリカ》ら《A級ジャンパー》が捕らえられている研究所に集結していた。

彼らの目的は、A級ジャンパーの救出。

その作戦の、最後の打ち合わせをしていた。

「で、俺は相棒と一緒に暴れればいいんだな。ゴートのおっさんよ。」

「ああ、お前が外で暴れている間、私たちは研究所に潜入し彼らを助ける。」

「りょうか〜いっと。」

デュオとゴートの会話が終わり、デュオは相棒と呼ぶ《デスサイズ・ヘル》に搭乗する。

「《EVE・WARS》を終結させた《ガンダム》のパイロットが、あんな少年だとは……。」

「《ガンダム》のパイロットは彼と同年代だ。」

元一郎のつぶやきに、ゴートはそう答えた。

「そうなのか。」

「ああ。」

元一郎は、驚きを隠せない。

ゴートは、初めて彼と出会ったときを思い出していた。

二人が会話をしているうちに、デュオは出撃の準備を完了していた。

『お二人さん、いつでもいいぜ。』

「わかった。作戦を開始してくれ。」

ゴートの台詞を聞き終わった後、デュオは出撃した。

デスサイズ・ヘル……五機のガンダムの中でも隠密行動に最も適した機体である。

研究所の近くで爆発が起こった。

戦闘が開始された合図だ。

だが、事は一方的に進んだ。

クリムゾン・グループの護衛機は、デスサイズ・ヘルをレーダで捉えることが出来なかった。

完全に浮き出しだっている。

デュオは珍しく、ぶち切れていた。

研究所の行っている非人道的の人体実験に。

だから、デュオは再び死神に戻ることに決意していた。

もともと、デュオはカトルの頼みと小遣い稼ぎでネルガルに協力していた。

しかし、彼らに協力しているうちにクリムゾン・グループの悪事に憤りを感じていった。

「おらおら、死神さまのお通りだ!!」

デスサイズ・ヘルはビーム・シザースで廃棄物の山を築いていく。

だが、敵のパイロットは殺していない。

一方、デスサイズ・ヘルが暴れているころ、ゴートらは研究所に侵入していた。

そして、元一郎の活躍によりアキトらが捕らえられている場所にたどり着いた。

ゴートはアキトが捕らえられているカプセルを発見し、それを破壊する。

救出されたアキトは、力無くゴートに懇願するように言った。

「ユリカを助けてくれ。」

しかし、ユリカの前には木連暗殺部隊が囲んでいた。

「この女を渡すわけにはいかん。全ては新たなる秩序のため。」

リーダーらしき男が台詞を言い終わると同じに、閃光弾を放った。

光が収まると、すでに何も無かったように彼らはいなくなっていた。

「ユリカァァァー!!」

アキトは、叫び終わると同じに気絶した。

ゴートは、デュオに通信をする。

「こちらゴート。作戦は終了、これから撤退する。」

『了解。』

その通信を切った後、デュオは完全には成功しなかったことを悟った。

そして、暗闇の中でデスサイズ・ヘルは疾走していた。

 

 

〜AC196/8 極東地区:オオイソシティー(ヒイロ宅)〜

 

明け方、ヒイロは目覚めた。

今まで、感じたことも無い心地よさを満喫していた。

しばらくして、パソコン部屋からメールが届いた音が鳴った。

つなげると、珍しくデュオからだった。

『よぉ、ヒイロ元気だったか。』

「ああ、こんな朝早く何のようだ。」

『たくっ、こっちは昨日徹夜だってぇのに。』

「だから、なんだ。用が無いなら切るぞ。」

『わかった。わかった。』

そんな会話が続いた後、デュオは本題に入った。

『昨日、例の研究所を襲った。』

「!!……で、結果は。」

『捕らえられたA級ジャンパーのうち4分の一だけ助けられた。』

「残りは。」

『4分の一はあいつらに捕らえられたまま、残りは……。』

デュオは、言葉を言いながら悲痛な顔になる。

「そうか。ところで、その中に《テンカワ・アキト》と《ミスマル・ユリカ》はいるのか。」

ヒイロの問いに疑問を持ちながらもデュオは答えた。

『《テンカワ・アキト》は救出には成功、《ミスマル・ユリカ》は捕らえられたままだ。』

そして、デュオはこう付け加えた。

『《テンカワ・アキト》は、命に別状は無いが……。』

「無いが。」

『五感が完全にやられている。特に味覚が。今、ネルガルの特別病院でドクターが見ている。』

「わかった。報告すまない。」

『気にするなって。もともと、カトルから頼まれていたことだしな。』

ヒイロは通信を切ろうとした。

『あ、そうそう。カトルとトロワが十二時に病院にくるっていっていたぜ。』

「わかった、俺も行こう。」

『じゃあな。』

と言って通信が切れた。

そして、ヒイロはルリが寝ている部屋を見に行く。

ルリは、安らかに眠っているようだ。

起こさないように戸を閉め、朝食の準備に取り掛かる。

朝食が完成したときに、ルリはおきてきた。

「おはようございます。」

「おはよう、朝食出来てるぞ。」

「あ、はい。」

そして、二人は朝食を取る。

食べ終わった後、ヒイロはルリに尋ねた。

「今日、ネルガルの特別病院に行くが、一緒にくるか。」

ルリは、その問いに疑問を持ち問い返した。

「誰が、入院しているのですか。」

そして、ヒイロは言った。

「《テンカワ・アキト》。彼は、生きている。」

 

 

 

堕天使と妖精は新たなる事件に巻き込まれていく。

 

 


 

〈後書〉

TOM-X    : 「どーも、ご無沙汰しております。TOM−Xです。」

ルリ      : 「ホシノ・ルリです。」

ヒイロ     : 「ヒイロ・ユイだ。」

ルリ      : 「所で、読んでくれた人いましたね。」

ヒイロ     : 「感想を書いてくれ人が3人、代理人を含めると四人か。」

TOM-X    : 「読んでくれている人がいるのは良いことだ。」

ヒイロ     : 「まあ、確かにな。」

ルリ      : 「見捨てられないようにしませんとね。」

TOM-X    : 「わかっているよ。」

ヒイロ     : 「それにしても、この組み合わせが意外だといっているひと多かったな。」

ルリ      : 「感想かいてきた人全員ですよ。まあ、肯定的な意見でしたけど。」

TOM-X    : 「そんなに、意外だったかなぁ。」

ルリ      : 「まあ、結果が良ければ良いではありませんか。」

ヒイロ     : 「それでは、ネタバレコーナにいくか。」

ルリ      : 「では、質問。ヒイロさんは、車の免許を持っているのですか。」

TOM-X    : 「この時点では持っている設定だ。一応十三歳以上から取れるように設定している。」

ヒイロ     : 「なぜ、免許を持つ必要がある。俺なら偽造するぞ。」

ルリ      : 「ヒイロさん、それ犯罪です。」

TOM-X    : 「まあまあ、ここの設定ではEVE・WARSのあと戸籍のみ偽造、

           後の資格は実力で取ったことにしている。」

ルリ      : 「なぜ、戸籍だけ偽造なんですか。」

TOM-X    : 「それは、ヒイロの戸籍が無いから。」

ヒイロ     : 「親も無く、裏組織を転々としていた俺には戸籍は無い。」

ルリ      : 「あ、ごめんなさい。」

ヒイロ     : 「気にするな。次行くぞ。」

ルリ      : 「えーと、なぜ、ヒイロさんはあんな高級マンションに住んでいるのですか。」

TOM-X    : 「それは、EWの小説からきている。

           たしか、ハッキングして連絡線の最上級の個室を手に入れていたよな。」

ヒイロ     : 「まさか、それだけか。」

TOM-X    : 「それも理由の一つだな。それと、同じ部屋でルリと一緒に寝るわけにはいかんだろ。」

ルリ      : 「私は、かまいませんよ。ヒイロさんとは。」

TOM-X    : 「あー、もう次々。次に行くぞ。」

ヒイロ     : 「では、ルリとリリーナは何を話していたんだ。」

TOM-X    : 「第一に『オペレーション・メテオ』〜『EVE・WARS』までの事。」

ルリ      : 「第二に私とリリーナさんが協定を結んだことです。」

ヒイロ     : 「協定を結んだとは。」

ルリ      : 「ヒイロさんが、私かリリーナさんのどちらかを選んでも恨みっこ無しと言う事。それと…。」

ヒイロ     : 「それと…(冷汗)」

ルリ      : 「ヒイロさんが他の女性に傾いたとき、一緒に殺ることですよ。ヒ・イ・ロ・さ・ん(冷笑)」

ヒイロ     : 「……(怖い、恐ろしい)。」

TOM-X    : 「ヒイロは他の女性に傾く事はないよ。」

ルリ      : 「そうなんですか。」

TOM-X    : 「そうだよ。ついでに、リリーナにも傾かないよ。傾いたら約束違反になるし。」

ルリ      : 「そうですよねぇー。(愛想笑)」

TOM-X    : 「というより、某EVAの少年や、アキト(TV版)並みの鈍感帝王にするつもりだから。」

ヒイロ     : 「それはそれで、俺の立場が悪くなると思うが。」

TOM-X    : 「それ以前に、そう言うキャラを出すか未定だから。」

ヒイロ     : 「だすなぁー。」

TOM-X    : 「わかった、わかった。次ぎ行くぞ。」

ルリ      : 「そう言えば、私と三郎太さんの出会いって『私の世界』と比べて一年早いのではないですか。」

TOM-X    : 「それは、ルリを狙っている組織が多い事に起因する。」

ヒイロ     : 「つまり、『ルリの世界』に比べて教われている回数が多いから、必然的に合う確立が高くなるわけか。」

TOM-X    : 「そのとうり。さすがヒイロ。」

ヒイロ     : 「別に貴様に誉められてもうれしくない、次ぎ行くぞ。」

ルリ      : 「アキトさん救出のとき、なぜデュオさんが参加しているんですか。」

TOM-X    : 「あの時点で、暇なのはデュオだけだからな。」

ヒイロ     : 「俺はルリのそばにいたからだが、他の三人は何をしているんだ。」

TOM-X    : 「トロワはサーカスで各地を巡りながら、情報を集めている。」

ルリ      : 「カトルさんは。」

TOM-X    : 「カトルは、コロニー会議とか政府の総会やなんかで忙しい。」

ヒイロ     : 「五飛は……行方不明だな。」

ルリ      : 「残るは、デュオさんだけですね。」

TOM-X    : 「ついでに、この世界のネルガルはカトルから少しばかり支援をしてもらっている設定だ。」

ルリ      : 「つまり、子会社という事ですか。」

TOM-X    : 「そこまで、落ち潰れてはいないよ。」

ルリ      : 「そうですか。」

TOM-X    : 「最後に、感想贈ってくださった皆さんありがとうございます。」

ルリ&ヒイロ : 「次回をお楽しみに。」