-堕天使と妖精の物語-

TOM-X           

ACT3:それぞれの思いと意外な事実


〜AC196/8 極東地区:オオイソシティー(ヒイロ宅)〜

ルリは驚いていた。

シャトル事故で亡くなった大切な人。

生きた人形から、一人の少女にしてくれた人。

心の奥底では生きていてほしいと願っていた人、《テンカワ・アキト》が生きていることに。

そんな彼女に、ヒイロは朝食を片付けながら言った。

「詳しい事は、車の中で話す。一緒に行くなら仕度しろ。」

ルリは無言で仕度する。

ルリは内心、

(何故、昨日のうちに言ってくれなかったのですか。)

と疑問に思っていた。

その後、二人は玄関を出た。

〜AC196/8 極東地区:オオイソシティー〜シナガワシティー間(高速道路)〜

一台の車が高速道路を飛ばしていた。

乗っているのは、若い男女一組ヒイロとルリである。

車の中でヒイロは、シャトル事故の真実をルリに語っていた。

「あの事故は、仕組まれていた。」

「仕組まれていた?」

「ああ、実際は《A級ジャンパー》の誘拐が目的だった。」

「!!」

ヒイロは、淡々と事実をルリに告げる。

「あのシャトルの乗員は、一部の《草壁派》の人間を除き、全員が《A級ジャンパー》だ。」

「でも、数少ない《A級ジャンパー》を一つのシャトルにまとめるなんて……。」

言葉を続けようとしているルリをさえぎりヒイロは語る。

「あの空港は《クリムゾン・グループ》の所有だ。そして、《クリムゾン》は《草壁派》と繋がっている。」

その言葉を聞いて、ヒイロが何を言おうとしているのかわかったルリ。

「…つまり、《A級ジャンパー》はあのシャトルに集められていたわけですね。」

「そうだ。」

「ところで、ヒイロさんはいつ頃気がついたのですか。」

「事故後だ。俺の仲間が所有している企業の製造したシャトルだから不審に思った。」

「そうですか。」

ルリはそういって言葉を濁す。

少しの間沈黙が支配した。

その沈黙を破ったのはルリだった。

「なぜ、昨日のうちに話してくれなかったんです。」

ヒイロはその問いに、今までの経緯を含めて話した。

「今朝、別の仲間から連絡があった。」

「え?」

「今そいつは、ネルガルにいる。」

ルリは黙って聞いている。

「そいつの話からだと、あいつらは《A級ジャンパー》を使って非合法の人体実験を行っていた。」

「人体実験?まさか、《ボソンジャンプ》の。」

「そうだ。そして昨日の深夜そいつを含むネルガルのSSは救出作戦を決行した。」

そう言いながら、ヒイロは今朝通信していたデュオの悲痛な顔を思い出す。

「結果は、さらわれた人数の四分の一しか助けられなかった。」

「…残りの人は?」

「残りのうち、救出できた人数と同数はあいつらの元だ。残りは…。」

「…残りは?」

「すでに亡くなっている。」

ルリは救出された人数の中にアキトがいる事がわかった。

だが、ヒイロが《ミスマル・ユリカ》の事を一度も話していない事に気づいた。

ルリは、少し間をおいてユリカの事を尋ねた。

「あの、ユリカさんは?」

ヒイロは、その問いにしばらく考えてから答えた。

「ミスマル、いやテンカワ・ユリカはあいつらの元だ。生きてはいるが…。」

と、最後の台詞を濁しながら。

ルリは少し安堵した。

すでに亡くなっているほうに二人が入っていないことに。

そしてルリは、ヒイロの不器用なやさしさに気がついた。

ルリは、ヒイロにさっき失礼なことを言った事をあやまった。

「ごめんなさい。」

「気にするな。」

ヒイロは、傷ついたふうもなくアキトの容態を語り出す。

「テンカワ・アキトは命の別状は無いが…。」

「が?」

「…過剰の人体実験の結果、五感がやられている。特に味覚が。」

言い終わったヒイロは、少し後悔の念を抱いていた。

亡くなっている事よりも、ある意味残酷な現実を彼女に告げたことに。

だが、ルリは

「教えてくれて、ありがとうございます。」

と、瞳を潤ませながら言った。

「どんな姿になっても、あの人はあの人です。」

「そうか。」

再びその空間は沈黙が支配した。

〜AC196/8 極東地区:シナガワシティー・ネルガル特別病院(アキトの部屋)〜

高層ビル群から少し離れたところにネルガル特別病院がある。

その中の一室に、深夜研究所から救出されたアキトが眠っていた。

その部屋の外では、プロスペクター、ゴート、元一朗、デュオ、

そして公式的には死んでいるはずのイネスがいた。

「あいつら、ひでぇことしやがる。」

「彼らは、もはや人間ではありませんな。」

「ところでドクター、彼は治るのか?」

「ハッキリいて、絶望的ね。」

デュオのつぶやきに、プロスが相槌をうつ。

ゴートはアキトの容態を聞き、イネスは調べた結果を言う。

そんな中、元一朗は後悔の念を抱いていた。

(くそ、あの時俺が草壁を殺していれば…。)

プロスは、考え込んでいる元一朗に気づいて別の話題をふった。

「ところでルリさんの居場所はわかったのですか。」

元一朗は、とっさに聞かれて慌てて答える。

「いえ。源八郎からですと信頼できる人物が護衛についていると言っていますが…。」

「…そうですか。それにしてもうちのSSを出し抜くとは…。

それに、昨日は家に帰っておられないみたいですし…。」

プロスは心底ルリのことを心配していた。

それも、実の娘みたいに。

そんな彼の気持ちを知ってかデュオはプロスに話しかける。

「まあ、大丈夫じゃない。その情報は《プリベンター》からきているんだろ。」

「それは、そうですけど…。」

プロスは、デュオの言葉に反論しようとしたが館内放送にさえぎられた。

『プロスペクター様、デュオ・マックスウェル様、お客様がお呼びです。』

放送を聞いたプロスはデュオに向かって言った。

「あなたのお友達が来ましたな。」

その言葉にデュオは反論した。

「あんたらのスポンサーの間違いじゃないのか。」

「はっはっは、これは手厳しい。」

二人は笑いながら玄関に向かう。

玄関には《カトル・ラバーバ・ウィナー》と《トロワ・バートン》が待っていた。

〜AC196/8 極東地区:シナガワシティー・ネルガル特別病院(玄関)〜

プロスとデュオが玄関に向かっているころ、カトルとトロワは話をしていた。

「久しぶりですね、トロワ。」

「ああ、カトルも元気そうでなによりだ。」

二人は、久々の再会に喜び合っていた。

「ところでカトル、忙しそうだな。」

「ええ、とっても。まあ、今日は休暇をもらったんですけど。」

「そうか。」

などと、談笑している。

そして、彼らは本題に入る。

「デキムは水面下で何かを画策しているようだ。詳しくはわからないが…。」

「そうですか。」

トロワの言葉に、カトルは相槌をうつ。

そして、トロワは続ける。

「《クリムゾン・グループ》の資金提供を《バートン財団》は行っている。」

「!!と言う事は…。」

「ああ、《草壁派》とも繋がっている。もっとも、どのレベルまで繋がっているかはわからないが。」

「では、今もっとも危険なのは《草壁派》と《クリムゾン・グループ》ですね。」

「ああ、そのとうりだ。」

二人は、そんな会話をしながら表情に怒りを表していた。

この時点で、《草壁派》と《クリムゾン・グループ》の運命は決まっていたのかもしれない。

最も敵に回してはいけない連中を回してしまった時に。

そんな会話も、デュオの言葉で途切れた。

「よおぉ、カトル、トロワ、ひさしぶりだな。」

「ああ、久しぶりだなデュオ。」

「デュオ、久しぶりですね。」

そして、プロスに気づいたカトルは彼に挨拶をする。

「ご無沙汰しております、プロスさん。」

「はっはっは、お久しぶりですねぇ、カトルさん。

いやはや、うちの会長にあなたの爪のあかを煎じて飲ませたいくらいですよ。」

といって、プロスは挨拶を返す。

そして、プロスはトロワに気づいてカトルに尋ねた。

「カトルさん、ところでこの方の名前はなんと言うのです。

サーカスのピエロをやっているのは存じてますが。」

プロスの問いに、カトルはトロワを紹介する。

「プロスさん、こちらはトロワ。」

「トロワ・バートンだ。」

トロワのファーストネームを聞いたとき、プロスの目が光った。

そんな彼に気づきながらもカトルはトロワにプロスを紹介する。

「トロワ、この方はプロスペクターさん。」

「私、こう言うものです。」

といってトロワに名刺を渡す。

しばらくして、今まで名刺を渡した人の反応を彼がしないのが気になったプロスは心底残念そうに話し出す。

「珍しいですな。名刺を渡して何もリアクションしない人は。」

そんなプロスに、トロワは返す。

「俺も本名がわからない。もっとも、知りたいとは思わないが。」

「本名では無いと。」

プロスは聞き返す。

(彼は、《バートン財団》とは関係は無いみたいですね。)

と内心思っていたりする。

「ああ、あの時に《トロワ・バートン》という名前がほしかったからもらっただけだ。

今は、そのまま使っているが。」

「そうなんですか。ところで手のひらを出してもらえます。」

プロスは、そういってトロワの手のひらを妙なペンで触る。

そして、携帯端末を見てトロワにいった。

「あなたの本名わかりましたが、聞きます。」

トロワは内心驚いたが表に出さずにプロスの問いに答えた。

「知りたいとは思っていなかったが、わかったなら聞こう。」

デュオやカトルも興味しんしんで聞いている。

「では、あなたの本当の名前は《トリトン・ブルーム》。

あの、サーカスのスター《キャスリン・ブルーム》の弟です。」

「!!」

「おいおい、マジかよ。」

「えっ。」

三人は目が点になった。

〜AC196/8 極東地区:オオイソシティー〜シナガワシティー間(高速道路)〜

ヒイロとルリを乗せた車は、シナガワシティーの入り口に近づいていた。

沈黙を支配していた車中を破ったのは、ルリだった。

「ヒイロさん。」

「なんだ。」

「どうして、アキトさんの事を教えてくれたんです。」

ルリは、疑問に思っていた。

彼が話してくれた事に。

ヒイロに、自分の過去の事は話していた。

そして、アキトが自分にとってどれほど大切な人だということも。

そんなルリに、ヒイロは答えた。

「俺には、家族と言うものが無い。

だが、君が彼の事をどれほど大切に思っているのかはわかるつもりだ。」

ルリは黙ってヒイロの言葉を聞いている。

「それに、今、彼の心は危険な状態だ。」

「…危険な状態?」

ヒイロの言葉に、わからなかったのか尋ねるルリ。

「ああ、目の前で妻がさらわれ、挙句の果て自分の五感はボロボロ…。

そんな彼が心に思う事は…。」

「!!復讐…。」

ヒイロが何が言いたかったのかがわかったルリは彼が言っているのをさえぎり答える。

「そうだ。」

ヒイロはルリの答えを肯定する。

そして、ヒイロはルリに尋ねる。

「そんな彼を君は見たいか?」

「見たくありません。」

ルリは、即答する。

ルリの答えを聞いたヒイロは、また話し始める。

「復讐心で戦う者は、いつか身を滅ぼす。」

そう言って、復讐心に捕らわれいたときのカトルの事を思い出していた。

「だが、今の段階では彼の復讐心を取り除く事が出来る。」

ルリは疑問に思った。

何故彼がそこまでしてくれるのか、彼は関係無いのにと。

「何故アキトさんの事を心配してくれるんです。」

少し考えてヒイロは答えた。

「俺達のような兵士を二度と作るわけにはいかない。」

それは、ヒイロの決意。

そんな彼の思いを知ったのか、ルリは微笑んだ。

(ありがとうございます。)

と心の中で付け足した。

車はインターチェンジを下りていた。

〜AC196/8 極東地区:シナガワシティー・ネルガル特別病院(アキトの部屋)〜

プロスとデュオがいなくなったアキトの部屋の前では、ゴート、イネス、元一朗の三人が話していた。

「彼が目覚めるのはどのくらいだ。」

「まだ、しばらくはかかるわ。」

「起きた後が、問題だな。」

「そうね。艦長いえユリカさんはまだ敵の元、自分の五感はボロボロ…。

復讐心が芽生えるのは時間の問題ね。」

ゴートが尋ね、イネスが答える。

そして、元一朗が新たな問題を提議し、イネスは肯定しながら答える。

そうした中、新たに二人が加わる。

「ドクター、テンカワ君の容態は?」

そう尋ねたのは、ネルガル会長アカツキ・ナガレである。

「見てのとうりよ。ところでアカツキ君、仕事はいいの?」

とアカツキの問いに答えながら釘をさす。

「え、いやぁ、エリナ君がテンカワ君のことが心配だからとかいったもんだから…。」

「だれが、アキト君のことを言ったですてぇ。」

「いやぁー。ははは。」

とアカツキは、秘書であるエリナと一悶着を起こしている。

そんな二人を冷めた目で見る三人。

三人は思った。

(((カトル君に乗っ取ってもらったほうが会社にとってはプラスになる。)))

と。

そうした中、プロスとデュオはカトルとトロワをつれて到着する。

ここにくる途中、彼らは今の時点ではトロワの名前のままにする事を決めていた。

そして、プロスはアカツキを見つけるとこう言った。

「おや、会長。仕事は終わったのですか?」

「やあ、プロス君。はっはっは…。」

アカツキは空笑いしてる。

そんなアカツキにプロスはため息を一つついて言った。

「はぁー。ここは一つカトルさんに会社を乗っ取ってもらったほうがよろしいかと。」

「プロス君までぇー。酷すぎるよ、いくらなんでも。」

「仕事をほったらかすあんたが悪いんでしょ!!」

プロスの一言に、滝涙を流すアカツキ。

そして、そのアカツキにつっこむエリナ。

すでに、アカツキの会長としての威厳は、この中の人にはすでに無かった。

そんな会話を無視して《ガンダムのパイロット》三人はアキトの様子を見る。

「まだ、目覚めてはいないな。」

デュオは独り言を言った。

「アキト君。」

カトルはアキトとユリカの結婚式を思い出していた。

そんなカトルに、トロワはアキトの事を尋ねた。

「そう言えばカトル、お前は彼と知りあいだったな。」

「ええ、友人です。」

カトルはあの事件の後、ヒイロからもらった乗客名簿の中でアキトとユリカの名前を見つけ愕然とした。

そして、トロワやデュオに手伝ってもらって二人の居場所を探していた。

「すまない。あいつの妻を救ってやる事は出来なかった。」

デュオはカトルに謝った。

「いえ、デュオのせいではありませんよ。」

「そう言ってもらえれば助かる。」

カトルはデュオをいさめ、デュオは礼を言う。

プロスはアカツキに説教していたのをエリナに譲り、カトルにルリの事を尋ねる。

「カトルさん、ルリさんの事はわかりましたか。」

プロスの問いに、カトルは笑顔で答えた。

「彼女の事は、心配ありませんよ。」

その答えに、プロスは心底安堵した。

そうした中、再び館内放送が流れる。

『プロスペクター様、デュオ・マックスウェル様、お客様がお待ちです。』

その放送を聞いたプロスは、

「今日、私の知り合いはもう来ないはずですが。」

そんな疑問に、デュオは答える。

「わりぃ、わりぃ、プロスのだんな。あいつにあんたの名前を使うように言っていたんだ。」

「ということは、デュオさんのお友達で。」

「ああ、無愛想で、無口で、無鉄砲なやつだがな。」

そういって、二人は再び玄関に行く。

〜AC196/8 極東地区:シナガワシティー・ネルガル特別病院(玄関)〜

ヒイロとルリの乗せた車は、病院に着いた。

二人は車を降り入り口まで歩いていた。

ルリはヒイロの腕を抱いている。

だが、ルリの顔はこわばっている。

アキトに会った後何を言えばいいのか、整理ができていないのだ。

そんなルリに、珍しくヒイロから話しかけた。

「ルリ、一つだけ助言をする。」

「え?」

「感情のままに行動すれば良い。」

「感情のままに?」

「そうだ。」

ヒイロから聞いた言葉で、ルリは落ち着く事が出来た。

そしてルリは思った。

(ヒイロさんはいつもそう。私が困ったときに勇気を与えてくれる。)

ルリの表情は微笑んでいた。

二人は入り口でプロスとデュオがくるのを待っていた。

しばらくして、デュオとプロスはやってきた。

「よっヒイロ。遅かったじゃねえか。カトルとトロワはもう来てるぞ。」

「約束の時間より早が?」

「えっ、それは…、その…。」

「お前、間違えたな。」

デュオは、ヒイロの指摘に言葉を詰まらせる。

ヒイロは、一段と声を低く落としてデュオを睨む。

そんな会話は、プロスがルリを見つけた事で途切れる。

「ルリさん!!」

「あ、プロスさん。こんにちは。」

プロスの呼びかけに、ルリは挨拶で返す。

「ルリさん、どうしてここに。それ以前に今までどこに?」

プロスは疑問を口にしていた。

彼の疑問は、もっともである。

昨日から行方不明で今まで手がかりがつかめなかった彼女が目の前にいるのだから。

「えっと、昨日のあの事件の後、ずっとヒイロさんのお世話になっていました。」

ルリは事の顛末をプロスに話した。

プロスはルリの話を聞きながら、一週間前まで暗い影が彼女に付きまとっていたのが、

今の彼女には暗い影が無くなっている事に気がついた。

そして、ルリの話を聞き終えたプロスは礼を言いながら名刺を渡す。

「初めまして、ヒイロさん。ルリさんを守ってくださってありがとうございます。あ、私こういうものです。」

ヒイロはプロスから名刺をもらった後、彼に向かって言った。

「あんたの事はルリから聞いている。本名不明、経歴不明の謎の人。だが、最も信頼できる人物だと。」

「はっはっは、これは手厳しい。」

ヒイロの言葉に、プロスの答えが返ってきた。

プロスは、

(私の楽しみが、二度もつぶされてしまった…。)

と心の中で悲しんでいた。

そうした中、ルリの問いにプロスは我に返る。

「あの、アキトさんの容態は?」

「…何故、テンカワさんの事を知っているのです。」

「ヒイロさんに、全て聞きました。」

「ヒイロさんですか。ヒイロさんは何故その事を。」

「ああ、救出作戦の結果はデュオから聞いた。」

「デュオさん。」

「ああ、俺が教えたよ。ところでヒイロ、その嬢ちゃんは。」

プロスは情報源の出所を聞いて安心した。

プロスは、カトルやデュオのことを信頼している。

そして、彼らが重大な事を話すのはよほど信頼している人物だと言う事もプロスは知っていた。

さらに、あのルリもヒイロの事を信頼している。

つまり、彼は信頼できる人物だとプロスは結論付けた。

一方、デュオは、ルリの事が気になったのかヒイロに尋ねる。

そんなデュオにルリは自己紹介する。

「あ、初めまして。私、ホシノ・ルリといいます。」

ルリの自己紹介に、デュオも自己紹介をする。

「俺は、デュオ・マックスウェル。逃げも隠れもするが、うそは言わない、デュオ・マックスウェルだ。」

そういって、デュオは笑う。

プロスはルリから聞かされた事で、あることに気がついて質問した。

「昨日は、どこに泊まったのですか。」

ルリはためらうことなく言った。

「ヒイロさんの家です。」

その言葉に、デュオはからかうネタが出来たのかヒイロに聞く。

「まさかお前、一緒に寝たとは言わないよな。」

「ドアホウ。」

と一言つぶやいて、デュオの顔面に裏拳をぶち込む。

”ボコッ”

「いってぇー。何しやがる。」

「下らん事をいう、貴様が悪い。」

涙を浮かべながらヒイロに文句を言うが、ヒイロはまったく相手にしない。

そんな彼らを見て、ルリは微笑んでいた。

プロスは、

(この二人、なかなかの迷コンビいや、名コンビですな。)

と、思っていたりする。

そして彼らは、アキトの病室に着いた。

妖精は、堕天使に付き添われて《大切な人》と再会する。


〈後書〉

TOM-X    :「どーも、ご無沙汰しております。TOM-Xです。」

ルリ      :「ホシノ・ルリです。」

ヒイロ     :「ヒイロ・ユイだ。」

TOM-X    :「まず、今までこれを読んでくれた人に謝罪をしたいと思います。」

ヒイロ     :「ACT2のリリーナの最後の台詞の事だな。

          たしか、『ルリさんを泣かすようなことをしたときは、彼を殺ります。』だったな。」

TOM-X    :「ああ、そのとうり。もともと、この作品は《シリアス》で《ほのぼの》を目指していたんだが。」

ヒイロ     :「だが?」

TOM-X    :「チョトしたいたずら心で、あの台詞を書いたんだ。」

ルリ      :「正直に、ウケねらいと言えばいいのでは?」

TOM-X    :「後書で悪乗りしているお前に言われたかない。」

ルリ      :「うっ、それは、そのぉ〜。ははは。(空笑)」

TOM-X    :「あの後、『リリーナが怖すぎる』と感想が来たんだ。」

ヒイロ     :「つまり、某アンソロジーコミックの暴走リリーナとダブらせているわけだ。」

TOM-X    :「そうなんだよ。それが後書だったら良かったんだけど…。」

ヒイロ     :「本編で言葉を言わせたため、かなり問題になっているということか。」

TOM-X    :「そう。あの台詞の本当の意味は『女の嫉妬は恐ろしい。』を込めていたんだ。」

ヒイロ     :「が、実際は暴走リリーナと映ったわけだ。」

TOM-X    :「ひとえに、作者の文才が無かったための騒動なんだな。」

ヒイロ     :「では、あの時点での彼女たちの会話はどうなっていた。」

TOM-X    :「会話はACT2の後書だと《過去の事》だけが、正解。」

ヒイロ     :「他の台詞は、たしか…、ルリが言っているな。(汗)」

TOM-X    :「実際、本編のあの時点でルリはまだヒイロに恋愛感情は抱いていないんだ。」

ヒイロ     :「…たしかに、一目ぼれするようなタイプではないな、ルリは。」

TOM-X    :「ただ、同じ境遇で一人で生きているお前に共感して、

          ほのかな恋心は抱いているがな。アキトの時以上に。」

ヒイロ     :「本編のリリーナはどう思っているんだ。」

TOM-X    :「本編のリリーナは、お前に恋心は抱いているが…」

ヒイロ     :「が、なんだ?」

TOM-X    :「結ばれない事も悟っている。」

ルリ      :「…どう言う事です。」

TOM-X    :「この騒ぎを拡大した張本人が…。」

ルリ      :「そんな事は、どうでもいいです。そもそも、主犯は作者、あなたですよ。」

TOM-X    :「うっ、それを言われるとつらい…。」

ヒイロ     :「…くだらん会話は、この際どうでも良い。で、理由は。」

TOM-X    :「ああ。理由は、リリーナの家の事情だ。」

ルリ      :「家の事情?」

ヒイロ     :「そいうことか。」

ルリ      :「ヒイロさん、わかったんですか。」

ヒイロ     :「あいつは、《ピースクラフト家》の姫様だ。」

ルリ      :「!!…つまり、家臣たちが邪魔をするんですね。」

TOM-X    :「そういうこと。暴走リリーナならそんな家臣を切り捨てるのは、たやすい事なんだが。」

ヒイロ     :「普通のリリーナだからそんな事は出来ない…か。」

TOM-X    :「そして、ああ言う家は、相手の家柄とか気にするんだよな。」

ルリ      :「では、得体の知れないヒイロさんだと難しいというわけですか。」

TOM-X    :「実際、現実でもああいう家は家柄とか気にしている。」

ルリ      :「…世の中って、酷いですね。」

TOM-X    :「その話題はここで切ろう。次ぎに、ルリとリリーナの本編での関係は、」

ルリ      :「ヒイロさんを狙っているライバルですね。」

TOM-X    :「うっ、まあ、あたっていない訳でもないが…。」

ヒイロ     :「他にもあるわけだ。」

TOM-X    :「ああ、義理の姉妹みたいな感情を抱いているんだよ、あの会話終了後。」

ヒイロ     :「!!では、あの台詞には。」

TOM-X    :「うむ、『妹を泣かすのは許しませんよ。』の気持ちを込めているんだな。」

ヒイロ     :「…そう言う事か。(えらいやつに惚れられたもんだな、俺は。(冷汗))」

ルリ      :「でも、これが掲載される時には修正されているんですよね。

          たしか、『ルリさんを泣かすようなことをしたときは、

          彼を死ぬほど痛い目に合わせます。』と、いうふうに。」

TOM-X    :「ああ。」

ヒイロ     :「だが、ある意味、あの台詞より酷いぞ。」

TOM-X    :「でも、”命”の保証はされているぞ。」

ヒイロ     :「時には、命を失ったほうが楽なときがあるぞ、実際。」

ルリ      :「あきらめてください、ヒ・イ・ロ・さ・ん。(冷笑)」

TOM-X    :「それくらい、怒るということだ。つぎ、行こう。」

ヒイロ     :「今回の話、実際書こうとしていた部分の半分だな。」

TOM-X    :「ああ、本当はアキトと再会させミナトの家に帰るところまでだったんだが…。」

ルリ      :「思った以上に長くなってしまったと。」

TOM-X    :「…あいつら、個性強すぎなんだよ、まったく。」

ルリ      :「それにしても、アカツキさん威厳無いですね。」

ヒイロ     :「まあ、自業自得だな。」

TOM-X    :「結局、今回はいつも事が出来なかったな。」

ルリ      :「良いじゃないですか。話も半分しか進んでないし。」

ヒイロ     :「ところで、俺たちの機体の事で質問が来ているようだが。」

TOM-X    :「ああ、『”TV版”か”OVA版”かどっちか』って来ている。」

ルリ      :「実際どちらなんですか?」

TOM-X    :「本編読めばある程度予想は出来るんだが、”OVA版”だ。」

ヒイロ     :「それでは、終わりにするか。」

ルリ      :「そうですね。」

TOM-X    :「感想を書いてくれた人ありがとうございます。

          今回はいろいろ学ばせてもらいました。

          感想、質問、ツッコミは受け付けます。」

ヒイロ&ルリ :「それでは、次回をお楽しみに。」