プロローグ

 

 

 

 

星の数ほど人がいて、出会いもあれば別れもまた..

人は出会いと別れをくりかえす。

終わらない円舞曲のように

人は何時かは死ぬ。

それは分かっている。みんな同じ

だからこそ想いを大事にする。

そう...偽りようのない自分の思いを...

 

 

 

 

 

 

 

 

                 だから...

 

 

 

 

 

 

 

 

           あの人と出会えて.よかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

機動戦艦ナデシコ if  

<その想いのゆきつく先は・・・>

 

 

 

 

第三話

「浮上、ナデシコ」

 

 

 

 

 

 

 

「はあ、はあ、はあ、まったくいつまでつづくんだよこの坂は..

 やっぱり...迎えがくるまでまってればよかったかな。」

 

と、延々と続く、なだらかな坂道を自分の自転車を押しながら、天河アキトは愚痴りモードに浸って一人呟いていた。

その訳は、目の前にある坂道である。 

はじめは自転車をこいで登っていたのだが 一段落ついた所で坂、また坂の繰り返しである。

20分ほどは気合いで自転車をこいでいたのだが。さすがに疲れて自転車を押しているわけである。

結果としてアキトは山一つ越えてしまうのだが

これに対して前勤務先の店主S氏はというと

 

「まあ、若い内は何かと苦労をしといたほうがいいい。」

 

と、言うことである。

ここで天河アキトのおかれた状況をもうすこし理解するために時間をさかのぼってみよう。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二週間前....

 

 

 

 

S市雪屋食堂にて

 

 

 

「はじめまして、天河アキトさん。初対面の上突然で申し訳ないのですが本日はあなたをスカウトしにうかがいました。」 

 

その男は自分が頼んだ注文を食べ終わるとアキトの前まで来るとにべもなくそう言ったのである。

これに対して当のアキトはというと...

 

「はい???」

 

何のことか分からず間抜けな返事を返していた。

たいていの人間突然自分の常識の範疇を越えたことをされると「時間を止める」か「間抜けな返事を返す」かの二つに一つである。

いかなる時も冷静に物事に対処できる人間はそう居ない物である。(私の身近には居ません。)

そう言う意味でアキトの反応はごく普通の反応と言えよう。

 

「あの、よく聞こえなかったのでもう一回言ってもらえませんか。」

 

相手の言った意味がよく理解できていないでいるのだろかまたしても間抜けな事を言う。

それに対してアキトの前に立つ人物は...

 

「ですから天河アキトさん、貴方をわがネルガル重工の社員として迎えたいと思いましてスカウトに参りました。」

 

先ほどよりもわかりやすく端的に用件をアキトに伝える。 

 

「あ、そういえば自己紹介がまだでしたね。私こういうものです。」

 

そう言いながら男は胸のポケットから一枚の名詞を取り出してアキトに手渡す

それには、、、

 

 

 

--------------------------------------------------------------------------------

 

「 株式会社 ネルガル重工 」

 

 

スカウト部門代表取り締まり役

 

 

プロスペクター

 

 

--------------------------------------------------------------------------------

 

 

 

 

 

そう記載されていたそれを見たアキトは

 

「プロスペクター?あの失礼ですけどこれって本名ですか?」

 

頭に???をちらつかせながらアキトは訝しげにプロスペクターに尋ねる。

それに対してプロスペクターはというと..

 

「いえいえ、まあペンネームみたいな物です。まあ私の事はこれぐらいで宜しいでしょう。

 早速、交渉のほうに移りたいと思ったのですが..」

 

 チラ..

 

ひょうひょうとした物言いをしながらあたりを見渡し..

 

「見たところまだまだお忙しいご様子、もしご都合の方が宜しければまた今晩にでもお伺いしたいと思いますが

 お時間のほうはお取り願えませんか?」

 

そう、アキトに尋ね返してくる。

 

「はあ..まあ今日の夜でしたら8時で上がりですからそのあとでよければお話の方をおききしますが。」

 

自分の今日の予定を考えてからはっきりとした口調でこたえるアキト。

 

「わかりました。急な訪問申し訳有りません、それでは夜にもう一度お伺いいたしますので。では」

 

そう言い店を出ていくプロス、が、ふと足をとめアキトに向き直りこう言った。

悲しそうな、寂しいような、そして懐かしそうな目で..

 

「天河さん、、私共のスカウトに応じていただければ、貴方の探している物....見付かるかもしれませんよ。」

 

「捜し..物。 」

 

そう呟くアキトをあとに残してプロスぺクターは店を後にした。

 

「おおーい、惚けてないでそろそろ仕事に戻ってくれや。まだまだ忙しいんだぜ?」

 

「あ!すんません。いまいきます。」

 

店の店主である斉藤の呼び声でわれにかえるアキト

 

 

 

 

 

 

「(ま、夜にまた会えるんだし今あれこれ考えてもしょうがないよな。)」

 

そう自分の考えをまとめて仕事に戻ろうするがそこで重大な事を思い出す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あの人、、、勘定払わずにいっちゃった。」

 

 

「おまえ、それ給料からてんびきな!」

 

 

 

 

 

「そんなーー。」

 

 

アキト叫びが響く中雪屋食堂の昼の戦いは続く...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同日 9時30分 

雪屋食堂内にて...

 

そこにはひとまず後かたづけのを済ませたアキトと、この雪屋食堂の店主斉藤。

そして再び訪れたプロスペクターの三人はいた。

 

「それでは交渉の方を始めたいと思います。まず天河さん経歴を確認させていただきますが宜しいですか」

 

そう言ってカバンから一枚の紙を取り出そうとする、が...不意にそれにアキトが待ったをかける。

 

「すいません...俺は...。」

 

そう言いかけたアキトをプロスペクターが制した。

 

「記憶がないのでしょう?」

 

「どうしてそれを...。」

 

プロスペクターのその言葉を聞いて驚愕するアキト。

 

「我々としても遊びでやっている訳では有りません。

 スカウトの対象となる人物の経歴や置かれた状況を踏まえて交渉に出向きます。」

 

「じゃあ尚更分かりません!記憶のない俺をどうしてスカウトなんかするんです。

 それに昼間言った事の意味だって。」

 

そう言ったプロスに対して当然の疑問をぶつけるが、、

 

「まあ、それはお話を進めた上でお答えしましょう。先ほども言いましたがまずは経歴の確認を宜しいですか?」

 

そんなアキトの物言いをひょうひょうとした態度で受け流すプロスペクター。

 

「.......。」

 

それに対してアキトは黙って見つめ返す他なかった。それを見て今まで事の成り行きをいていた斉藤が口を開いた。

 

「おい、アキト!黙りこくったってショウガねえだろうがとりあえず話しをすすめろや!」

 

「で、でも斉藤さん、、、」

 

そう言ってきた斉藤に思わず口答えしようとするが...

 

「でも、も、カカシもねえ!こっちとら明日も仕事なんでい!お前もそうだアキト。

 何時までも押し問答してたってしょうがねえだろうが。とりあえず話しを聞いて受ける気がなければ断ればいいだろう。違うか?。」

 

「.....。」

 

そう一喝されてなにも言えなくなるアキト。

それを目の前で聞いていたプロスペクターはもう一度アキトに確認をとる。

 

「では、確認の方を宜しいですか?」

 

それを聞いたアキトは...

 

「はい。」

 

うなずく他なかった。

 

 

 

 

 

 

--------------------------------------------------------------------------------

名前      天河 明人

 

性別        男

 

血液型       A 型   

 

生年月日     不明

 

出身地       不明

 

家族構成     不明

 

取得技能     自動二輪運転免許

           第二種 IFS技能取得

 

 

備考 なお天河明人氏は今現在記憶喪失の為行く当てが無く

    雪屋食堂にて下宿の傍ら調理師免許修得のためアルバイト中。

    なお戸籍不詳のため身元引受人は

    第一発見者の斉藤 唯彦(雪屋食堂店主)である。

 

                                     以上

--------------------------------------------------------------------------------

 

 

「と、これでまちがいありませんか? 」

 

アキトのプロフィールの書かれた(と言っても不明な点ばかりだが)用紙を机の上に置いて二人に確認を求めれる。

それに対して二人は、

 

「はい。間違いないです。」

 

「おう!間違いないぜ!」

 

二人ともに合図智を打つ。それを受けて話を進めるプロスペクター

 

「実は天河さんにはある船に乗ってもらいたいのです。」

 

「「 船 ? 」」

 

プロスペクターの言葉を聞いて訝しげに頭をひねる二人。

 

「はい、そうです。天河さんには我が社が開発した機動戦艦にコックの見習いとして乗っていただきたいのです。」

 

 

「「 戦艦ー!! 」」

 

 

プロスペクターのその言葉を聞いて素っ頓狂な声を上げる二人。そんな二人を見つつプロスペクターはなおも言葉を続ける。

 

「はい!斉藤さんは勿論のこと天河さんもご存じでしょう?

 火星が木星方面から飛来した、通称「木星蜥蜴」呼ばれる機動兵器群に侵略受けたのは。」

 

「はい。」

 

「おう!知ってるぜ。」

 

プロスペクターの言葉に相づちを打つ二人

 

「彼らはこの地球に対しては大規模な侵略行為は今現在行っていません。

 ですが、、火星が侵略を受け今なお奪回できず占領されているのも事実です。

 それに火星にはまだ多くの人が取り残されて居ると思われます。」

 

「じゃあアキトが乗る戦艦てなもしかして...宇宙とかにも行くのか?」

 

話を聞いていた斉藤が何かを察したのか口を挟むそれを受けてプロスペクターは...

 

「はい!私どもの鑑は火星に行きます。」

 

ハッキリとした口調で答える。それを聞いていたアキトは自分の疑問をぶつける。

 

「俺に戦艦に乗せたいのも分かりました。その船が火星に行くことも、でも分かりません?

 ここに来たって事はコックが必要なんでしょう?!それなら斉藤さんの方をスカウトすればいいじゃないですか? 」

 

「何で俺なんですか?貴方だって知っているでしょう、俺に記憶がないことをそんな俺を戦艦なんかに乗せて

 何のメリットが有るんです?」

 

アキトのもっともな質問を受けてプロスペクターはやんわりとした口調で話し出した。

 

「天河さん。貴方は不思議に思われませんでしたか?」

 

「なにをです?」

 

そんなプロスペクターの物言いに反発するようにやや語尾を強めて返事をするアキトだが...

 

「貴方の置かれた状況についてです。」

 

「 え、、?」

 

プロスペクターの言葉に虚をつかれる。そんなアキトを見つつ話を続けるプロスペクター。

アキトの隣に座っている斉藤も黙って話しを聞いている。

 

「不思議に思いませんでしたか?天河さん。

 年齢も分からない生年月日も分からない、家族構成もです。いくら記憶喪失とはいえです。」

 

「調べる方法など 戸籍、DNA照会等いくらでもあるというのにです。」

 

「そ、それは、、、」

 

プロスペクターの言葉を受け怯むアキト

 

「天河さん。覚えていますか貴方が其処にいる斉藤さんに保護されて警察に行って事情聴取されたときに言った事を」

 

「はい。覚えていますけど、それが何か?」

 

三度質問され困惑気味に答えるアキト

 

「覚えているのは何処まで続く草原と空に架かっていたオローラのような物。そう答えましたよね?」

 

「どうしてそれを?」

 

尋ねるアキトの質問を受けつつ話を進めるプロスペクター

 

「失礼とは思いましたが調べさせて頂きました。

 ここからは天河さん個人の問題ですのであまり踏み込んでのお話は遠慮したいのですが、、、

 それでも宜しいですか?」

 

「はい。かまいません。」

 

静かにうなずき先を則すアキト。それをうけてプロスペクターはまた静かに話し出す。

 

「まずは天河さんの記憶にある景色です。これは場所は特定できませんが、おそらくは火星でしょう。」

 

「火星。」

 

「はい天河さんが見たという「草原」と「オーロラ」ですが、草原、まあこちらの方は規模さえとわなければ地球の至る場所で見れます。

 むしろ重要なのはオーロラの方です。こちらは先ほどの草原とは違い何処ででも見られる物では有りません。地域も限定されます。

 加えて天河さんの身元が不明なのも需要です。

 先ほども申しましたが単に身元を調べるのあればDNA検査で判別できるはずです。

 登録されていれば、のはなしですが、、、にもかかわらず天河さんの身元は不明、覚えている事と言えば自分の名前と景色だけ、

 この事から一つの仮説がたちます。

 

 

--------------------------------------------------------------------------------

 

 

 

 

一つ 地球の出身ではない。

 

 

一つ天河さんが見たオーロラ、これはテラホーミングによって火星に撒かれたナノマシンである。

これは撒かれたナノマシンが太陽の光を反射させる現象のため

 

一つ 火星は民族間の争いをなくすため地球からの入植者の場合一度戸籍を抹消(仮である)したのち火星において再度登録を行う。

ただし元から火星で生まれた人たちはこの限りではない。

 

一つ 火星出身者は火星人として登録されるので地球の国家及び地域には登録されない。

なお火星→地球の場合は逆手順が必要(旅行等はパスポートのしんせいだけでよい)

 

*補足

上記の登録使用についてだが

これは火星の開発がまだ半分にも満たないにとその人口の少なさに起因する

(火星の人口は全体で約200万人程度である。人口の少ない火星に置いて民族間の対立などをさけるために戸籍を統一させるため。

(表むきだけであるが) そのため火星は地球上のどの国家にも該当しない自由自治区(星?)である。

しかし今現在は木星蜥蜴の侵略のため正確な人口は不明)

 

 

 

--------------------------------------------------------------------------------

 

 

「以上の事柄から一つの結論がでます。天河さん、おそらく貴方は火星の出身です。」

 

「火星...俺の故郷...。じゃ、じゃあ、火星に行けば何か俺の事がわかるんですか?」

 

プロスペクターの言葉を聞き問いつめるように問いただすアキト

 

「分かりません。あくまで憶測です。それに先ほども言いましたがこれは天河さん個人の問題です。

 私どもが手助けする事柄ではありません。」

 

「そ、それはそうですけど、、、じゃあ俺がその戦艦に乗るとしていったいなにをすればいいんですか?」

 

先ほどとはうってかわって落胆した面持ちで聞き返すそんなアキトを見て破顔してしゃべり出すプロスペクター。

 

「いろいろと遠回しになっちゃいましたけど一番重要なのはそれです。」

 

そう言ってさらに表情を崩す

 

「いやーお恥ずかしい話しなんですがね。実はあらかじめスカウトしていたコックが昨日交通事故にあいましてね。

 あ、けがの方は大したことはありません。

 ですがこれで欠員がでたものですから天河さんに乗っていただけないかと思いましてお伺いした訳です。」

 

「ですからそれなら俺なんかより斉藤さんのほうを...」

 

そう言って斉藤の方を見るアキト

 

「いやー、さらにお恥ずかしい話しなんですがね。そちらの斉藤さんの方には以前スカウトにお伺いしたんですが断られまして。

 時間の方もあまりありませんし近場でかわりの人を捜していたんですがね。

 こちらでよく食事をしているテストパイロットからくちこみでいい人がいると聞いたもんですから代わりにお願いできないかと

 思ったわけなんですよ。(とりあえず嘘は言ってませんよね。)」

 

「スカウトって...今の話し本当ですか?斉藤さん。」

 

プロスペクターの言葉を聞いてとなりに座る斉藤に尋ねるアキト

 

「ああ本当だ。」

 

「で、でも、そんな話し俺一言も聞いてませんよ?」

 

「お前を拾う前のことだそれに、お前も別にそんなこと聞かなかったじゃねえか。」

 

「それはそうですけど...。」

 

「まあ。俺の時はコックが必要ってなことしか聞かなかったがな。まさか戦艦のコックたあ、俺も驚いたぜ。」

 

「まあ、あまり公にしてもしかたありませんしね。と、いうわけです。どうですか?

 我がネルガル重工が開発した戦艦 「ナデシコ」 に乗っていただけませんか?。」

 

アキトと斉藤のやりとりを聞きつつアキトに尋ねてくるプロスペクター

アキトはというと...

 

「お、俺は...」

 

まだ。迷っていた。ま、当然である例えどんなに好条件をだされても戦艦に乗るのである

いつなんどき何があるか分からないのであるアキトの戸惑いも当然といえよう。

そんなアキトの心情をみこしてしゃべり出すプロスペクター。

 

「天河さんが迷われるのも分かります。ですが私どもの方もあまり時間がありませんですからどうです?こういうのは...」

 

プロスペクターが出した提案はとりあえずアキトの返事は保留にしてもし乗れるのであれば

出航予定の前日に隣町にあるドックに来て欲しいという物であった。

勿論迎えが必要であれば出すということである。

つまりアキトは直前まで考える時間を与えられたのである。それはプロスペクターのささやかな心遣いであろう。

 

 

 

PM 11:30

 

雪屋食堂内洗い場

 

そこには洗い物をしているアキトと斉藤の姿があった。二人は無言で洗い物をかたずけていたがおもむろにアキトが斉藤に尋ねる。

 

「斉藤さん...俺どうしたらいいんですかね?」

 

「あ?なにが。」

 

「スカウトの件ですよ、プロスペクターさんはああ言いましたけど、本当に俺が火星の出身かどうか分からないでしょう?

 それに戦艦に乗るなんて俺...」

 

「.......」

 

斉藤はただ黙って聞いている。

 

「斉藤さんはなんでスカウトの話を断ったんですか?」

 

「俺か?」

 

「ええ。」

 

「たいした理由じゃねえよ。」

 

「もしよかったら教えてもらえませんか...」

 

これからの事を考え弱気になるアキト

 

「俺には守ってやらなきゃいけねえ女房と娘がいるからな。それにこの店のこともある。スカウトに来ました。はい分かりました。

 てなふうにはいかねえよ。」

 

「迷いとかなかったんですか?」

 

「無かったといえば嘘になるなでもそれを聞いてどうするんだ?」

 

「え? 」

 

斉藤の言葉に驚くアキトそんなアキトを見て洗い物をする手を止めて話し出す。

 

「いいかアキト、俺に答えを求めてのしょうがねえだろうが。お前が自分で決めろ、

 相手さんも言ってたろう、これはお前自身の問題だ。でもな、お前の中で答えはもう出てるんじゃねえか?

 俺達に遠慮するこたねえお前が思うようにやんな。後で後悔してもしゃねえだろう?........

 

 

                    .....俺がお前に言えることはそれだけだ。」

 

「斉藤さん、、、」

 

斉藤のその言葉に声が出ないアキト

 

「とりあえずまだ時間はあるんだよく考えるんだな。明日も早いとっとと終わらせて上がるぞ。」

 

「はい。」

 

こうして雪屋食堂の夜はふけていく....そしてアキトは戦艦に乗ることを決意する火星に自分記憶の手がかりがあると信じて。

 

 

☆ 余談ではあるが店を出るときに渡された給料からはプロスペクターが食べた定食第がしっつかりと引かれていた。

(とんかつ定食大盛り 1100円)

話がそれてしまったが時間を現在に戻そう。

 

 

 

 

 

 

 

冒頭より約五時間後 サセボドック正門前

 

 

 

 

そこにはやっとこさドックに辿り着いたアキトの姿が...

そして守衛と思われる人物に乱れる息を整えて取り次いでもらう為に話しかける。

 

「すいません、取り次いで欲しい人がいるんですけど。」

 

「取り次ぎったってここは立ち入り禁止だよ。それにお宅どちらさん?」

 

明らかに怪しい人物を見る目つきでアキトに尋ねてくる

 

「あ、俺、天河アキトっていいます。実は今日ここに来るようにいわれたんですけど..これその時もらった名刺です。」

 

そう言いながらプロスペクターにもらった名刺を守衛に見せる。

 

「ふーん、ま、いちお確認してみるけどね。」

 

そう言いながら内線につなぐ守衛

 

「あ、もしもしちょっと確認してもらいたいんだけど..名前は天河アキト 年は20才くらい。 

 ええ...そお.........はい、わかりました。」

 

「悪かったね、確認取れたよ。今担当の人こっちに寄越すからちょっとまててくれだってさ。」

 

中と確認が取れたのだろうアキトにそう答える。

 

「はい。分かりました。」

 

それを聞いてアキトは暫くの間待つことにした

 

 

 

 

 

 

 

 

               ....5分後

 

「お久しぶりですね天河さん。ここにいらしたという事は乗ってくださるんですか。」

 

アキトを見つけて声をかけるプロスペクター

 

「はい。とりあえず悩んでてもしょうがないんでご厄介になることにしました。」

 

「そうですか。まあ、ここでたち話もなんですから案内でもいたしましょうか。」

 

そう言って敷地内の中をアキトを伴って歩き出す....。

 

 

 

 

 

 

「これが....」

 

自らの前に鎮座するその戦艦を見上げ驚きの声を上げるアキト

 

「はい。これが我がネルガル重工が十年の月日と総力を結集させて作り上げた次世代型機動戦鑑その名も..

 

 

   ND- 001  TYPE-A

 

   機動戦艦 ナデシコ

                                    です。」

 

 

驚きを隠せないアキトに対して満足するように説明するプロスペクター。

しかしそのプロスペクターに対してアキトの出した返事はといえば....

 

「なんか戦艦にしては変な形してますね?どっちかといえば3丁目の源さんの飼っている犬がお座りしたような....

 (☆ 末ぞう。6才 雪屋食堂のお得意さんの飼っている犬、{柴犬}ちなみにこの犬が、アキト.兄ちゃん、腹減った。

 と言うかどうかは不明である。☆ ) 」

 

という身も蓋もない感想である。

 

「はっはっはっ。これは手厳しいですな、ですが初めてナデシコを見た方は大抵そんな感想をもたれるみたいですね。

 やっぱりへんですか?」

 

「あ...いや....その......すいません。俺、戦艦って聞いたもんですから

 もっとこう..TVとかで見るようなものを想像してたんで...」

 

「いえ、かまいませんよ、では中に入りましょうか。」

 

アキトの感想を緩やかに受け止めて入り口に歩き出すプロスペクターそれを見て慌ててついていくアキト。

で..どこから案内しようかと尋ねてきたプロスペクターにアキトはまず自分が働く職場の見学を申し出た。

アキトにとって戦艦の食堂で働くなど初めてである、やはりそれなりに気になるのだろう。

 

 

 

 食堂前...

 

 

「さて..ここが天河さんが明日から働いてもらう事になる食堂です。

 コック長の要望のありまして設備やスペースなどは快適に利用できるように設計してあります.」

 

「へえー、戦艦の食堂っていうからもっとこまごましているかとおもったんですけどすごく広いしきれいですね?」

 

「それは勿論です!コック長の性格もありますがこの食堂はクルー達にとっての生命線の一つですおろそかにはできません。」

 

「そりゃそうですよね、すいません。」

 

「いえかまいませんよ、では次は天河さんのお部屋のほうに参りましょうか?

 なにぶん大所帯なのもですから相部屋になると思われますが。では....」

 

「おや?プロスさん。その子が前に言ってた子かい?」

 

アキトとの簡単な会話を終わらせて次の場所を案内しようと踵をかえしたプロペクターに

その女性は声をかけたそれを聞いたプロスペクターは..

 

「ああ、いらっしゃいましたか。天河さん、こちらがナデシコの食堂をまかされることになる、ホウメイさんです。

 ホウメイさん、こちらが昨日話していた代わりの補充員の天河アキトさんです。」

 

簡単ではあるがお互いの紹介をおこなう。

 

「天河アキトです、よろしく頼みます。」

 

「ああ、こちらこそよろしく頼むよ、なんせ予定していた子が急にのれなくなったて聞いたから

 もしかしたら女手だけでやっていくのかと思って肝を冷やしてたんだよ。なんだかんだ言ったって男手があると助かるからね。」

 

「ところで、天河、お前さんどのくらい料理できるんだい?もしよかったら、今何か作ってくれないかい?」

 

挨拶を交わしながらそう尋ねてくる。ホウメイとしても自分の部下となるべき人間の腕前はやはり把握しておきたいのだろう。

 

「プロスペクターさん、いいですか?」

 

「プロス。で、かまいませんよ、それに部下の能力把握は円滑に仕事を進める上で大切でしょう、

 天河さんがよければ私は別段かまいませんが。」

 

プロスに了解を取るアキト、それに対してプロスは了承の意を示す。

 

「かまいません。と、言うことなんですけどホウメイさん、いったい何を作ればいいですか?」

 

プロスから了承をもらい何を作ればいいかホウメイに尋ねるアキト

 

「そうかい?それじゃあ、まず.......」

 

アキトとプロスの言葉を聞いて何を作ってもらおうかと考えていると...

 

 

 

 

「ホウメイさん。」

 

食堂の入り口からふと声をかけられる。

 

「おや、今日はもう終わったのかい?」

 

自分に声をかけた少女に対して返事をするホウメイ

 

「はい。とりあえずもうする事はありませんので夕食の方をお願いできないかと思いまして、

 ミナトさんも航路の最終チェックがすみ次第来るそうです。」

 

ホウメイの問いに簡単に答える少女。

それを聞いてホウメイは...

 

「せっかくやる気を出してくれたのにすまないねえ天河、そういう事だからお前の腕前は明日までお預けだ。」

 

アキトに向かってすまなそうに言う。

 

「いえ、明日から働く事になるわけですし俺はかまいません。」

 

「そうかい?こっちから話をふっといて悪いね。」

 

アキトのその言葉を聞いて再度謝るホウメイ、そしてアキトはというと....

 

「プロスさん、あの子は?」

 

今食堂に入って来た少女の事をプロスに尋ねる。

 

「ああ、あの方は今回のために軍から出向していただいている方でして名前を

 

                  [星野瑠璃] さん。

 

                    この鑑のメインオペレータを勤めて頂きます。」

 

アキトの尋ねに対して簡単に相手の紹介をする。それを聞いてアキトは、

 

「星野...ルリ.....」

 

食堂に入ってきた瑠璃色の髪をした少女を見て、そう...呟いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時 天河 明人 22才

     星野 瑠璃 15才

 

 

人々の出会いにおいて何処にでもあるような極々ありふれた出会いの一コマであった。

 

 

 

 

 

                                                     後編ヘ続く

 

 

管理人の感想

 

 

豆腐さんからの投稿です!!

乗っちゃいましたね〜、テンカワ君(笑)

それが不幸の始まりだったと、後少ししたら思い返すんでしょうね(爆)

しかし、ルリちゃんが先に登場をしましたね。

・・・カップリングはどうなるんだろうか?

 

では、豆腐さん!! 投稿有難うございました!!

 

感想のメールを出す時には、この 豆腐さん の名前をクリックして下さいね!!

後、もしメールが事情により出せ無い方は、掲示板にでも感想をお願いします!!

出来れば、この掲示板に感想を書き込んで下さいね!!

 

 

ナデシコのページに戻る