整然と並ぶ優人、優華部隊のこちらのエステバリスに近い機体。

 総勢13機。

 その中央に立つのは

 

『7日ぶりだな。』

 

「正確な日数は解らんがそれくらいか。」

 

 俺と北斗はお互いにDFSを抜く。

 

 俺達の戦いにこれ以上の言葉は不要。

 

 

 ナデシコブリッジ

 

「エステバリス隊、ブローディアシリーズ、展開完了しました。」

 

「ナデシコはこのまま待機します。」

 

 アキトと北斗は戦闘を開始しようとしている。

 あの二人が戦いを始めたら私にできることは無い。

 

「心配かね?」

 

 後ろからシュンさんが声をかけてくる。

 

「はい・・・でも信じてますから。」

 

「そうか。」

 

 私の返答にちょっとだけ微笑むシュンさん。

 

「お、やってるな。」

 

「しかし、ここまでエステバリスタイプとブローディアタイプの機体が並ぶと絶景だな。」

 

 などと言いながらいつも通りブリッジに無断で入ってくるナオさんとシキさん。

 まあ、もともと気にしてなかったけど、

 いや、今はむしろいなかったら呼ぶほどだ。

 アキト達が機動戦をしている以上、艦内での白兵戦で頼りになるのはこの二人だけだ。

 前まではゴートさんとかもそれなりに頼りにしてたけど、

 北辰クラスになると諜報戦がメインのゴートさんでは時間稼ぎにもならない。

 

「あ、そうだ、シキさん、貴方も確かIFS持ってましたよね?」

 

「ああ、持ってるが?」

 

「因みに俺も持ってるぞ。」

 

 手の甲を見せる二人。

 

「では操縦の方は出来ますか?」

 

「ん〜どうだろう?一応訓練はしているが。」

 

「俺もこの中ではまったくと言って良いほど役に立たんと思う。」

 

「そうですか・・・

 ではジュン君、カズシさん、念の為にガイアで待機しておいてくれませんか?」

 

 一応元パイロットとガイアの操縦経験者だ、任せられるだろう。

 

「「了解。」」

 

 プシュ!!

 

 格納庫に向かう二人。

 

「艦長、私も行きましょうか?」

 

 そう言ってアキラちゃんが席を立つ。

 

「いえ、今はガイアを出さなければいけない訳ではないかから。」

 

 出きればアキラちゃん、ラピスちゃんには出撃して欲しくない。

 それはルリちゃんとメティちゃんもだけど・・・

 

「始まるよ。」

 

 ラピスちゃんの声にスクリーンに視線を戻すと、外では激しい戦闘が始まっていた。

 

 

 ルリVSサブロウタ

 

「久し振りね、こうして対峙するのも。」

 

『そうだね、まあ前とは違うけど。』

 

 元の世界で幾度と無く繰り返してきた組み合わせ、

 私は深緑の機体、サブロウタと対峙する。

 

「武器、変えたのね。」

 

『ああ、こっちの方がいろいろと便利でしょう。』

 

 サブロウタが構えるのは棍。

 小太刀二刀流の私にとって彼の持つリーチの長い棍は相性最悪と言って良い。

 

「まさか武器を持ち替えたから勝てるなんて思ってないでしょうね?」

 

『まさか。』

 

 話していても解りませんね、では

 

 私はDFSを構える。

 

 バシュッ!!

 

 私は一気に距離を詰め、DFS二刀による左右同時攻撃をしかける。

 

 シュン!!

 

 サブロウタはそれを中段で防ぎ、

 

 ガシュン!!

 

 私のDFSを絡め取るように半回転させ突きを放ってくる。

 私はその突きを右に避け、その勢いのまま裏拳の様にDFSで払う、狙いは首。

 その攻撃を身を後ろに倒す事で避けたサブロウタは、

 その勢いを利用しサマーソルトを放つ。

 私はそれを後退して避ける。

 距離が開いてしまいこちらは1足では攻撃でいない。

 それに対しサブロウタはそのリーチを活かし、棍で横薙ぎを放って来た。

 

 ヒュン!!

 

 私はそれを左のDFSだけで流そうとした。

 だが、

 

「くっ!!」

 

 その攻撃の重さに耐えきれず、私は両腕で押さえることになってしまった。

 そしてその隙にサブロウタは棍を軸にして蹴りを放ってくる。

 私は仕方なく後退して攻撃を避ける。

 私は2度も連続で後退してしまった。

 

「ファミリア!!」『行きます!!』

 

 シュン シュン シュン シュン!!!!

 

 私は後退と同時にファミリアを射出する。

 だが

 

 ヒュン!!ドゴ バコ ガン ドゴォォン!!!!

 

 直後、サブロウタによって全て叩き落されてしまう。

 

『生憎と玩具で満足できるほど子供じゃないんでね。』

 

「・・・強くなりましたね、サブロウタ。」

 

 本当に強くなった、昔なら二撃目は反応するだけで精一杯だった筈。

 

『そりゃぁもう、ルリルリとのデートを楽しむ為にがんばったんですよ。』

 

 相変わらずの態度だが、相当の鍛練を積んだ事は解っている。

 

「なかなかイイ男になりましたね、

 そうですね・・・もし私に勝てたら生身でもデートしてあげても良いですよ。」

 

『お別れのキス付きで?』

 

「いいでしょう。」

 

 ピッ!!

 

『ね、姉さん!!』

 

 今の会話を聞いていたのだろうアキラが戸惑い半分、

 怒り半分と言った顔で私に通信をいれて来た。

 

「大丈夫よアキラ、負けないから。」

 

『で、でも・・・』

 

 やっぱり不安?どっちに不安なのかしら?

 私がサブロウタとデートしなくてはいけなくなるかもしれない事?

 それともサブロウタが私とデートしてしまうかもしれない事?

 もしかしてそれ以前に私達が戦っている事自体かしら?

 

「とりあえず今は戦闘中だから切るわよ。」

 

『あ、姉さ・・・』

 

 ピッ!!

 

 私は通信を強制で切り、再度サブロウタと対峙する。

 

『アキラには悪いけど勝たせてもらいますよ。』

 

「やれるものならやってみなさい!!」

 

 私に向かって飛んでくるサブロウタ、その横薙ぎの攻撃を身を下げて避け、

 私は右で突きを放つ。

 その攻撃を横薙ぎをした方をと逆側で受けるサブロウタ。

 私はそこからゼロ距離の平突きを放つ。

 サブロウタは受けていた小太刀を弾いて後退する。

 そして、後退してすぐに突きを放ってくる。

 私はそれを突きを撃っていた方で受け流す。

 

 取った!!サブロウタの伸びきったリーチの内側!!

 

 だが、私が小太刀を構え、サブロウタに斬りかかろうとしたその時。

 

 カチッカチッカチッ!!

 

 私が受け流していた棍が分割する。

 

「え?これ、九節棍!!」

 

 シュン!!ガシ!!

 

 手もとのスナップと戻す勢いで私は分割された九節棍に拘束されてしまう。

 

 

 ナデシコブリッジ・アキラサイド

 

「姉さん!!」

 

 画面に映るサブロウタの機体に縛られた姉さんのエリヌース。

 このままでは・・・

 

「なに、なに、あの武器?!」

 

『説明しましょう。』

 

 艦長の声に答える様に現れるイネスさん。

 あ、なんかまともに出てきたのがすっごく久し振りの気がする。

 

『あの武器は九節棍と言って9個の節で分割できる棍の一種よ。

 あの武器の特徴は伸縮自在でリーチも自在、

 もし完璧に扱えるのならすごく便利な武器よ。

 でもその代わりに扱うのが物凄く難しいから並大抵の人では使う事は出来ないわ。

 それに仕掛けがある分、普通の棍より強度が劣るから壊れやすいと言うのもあるわね。

 そもそも棍と言う物は・・・』

 

 棍の起源に話の移ったイネスさんの声は私の耳には入らなかった。

 

 なんでこんなに不安なのだろう?

 二人が殺し合ってるから?

 姉さんがサブロウタとデートをしてしまうかもしれないから?

 サブロウタが姉さんとデートしてしまうから?

 

 サブロウタガネエサンニトラレテシマウカモシレナイカラ?

 

 バカな、もうサブロウタには三姫さんがいるじゃない。

 私にも兄さんがいる。

 私とサブロウタは、もう・・・オワッテイルハズ。

 じゃあ何故こんなに不安なの?

 

 二人が殺し合っていることにより、また大切な人を二人も同時に失いかねないから・・・

 そうだ、そうだよね。

 お兄ちゃんと北斗が戦っているのを見ているのが不安なのと同じだよね。

 

 そう、だよ・・・ね。

 

 

 ルリVSサブロウタサイド 

 

 

 ギシ、ギギ・・・

 

 両腕を拘束され、フェザーを打てないほどの近距離。

 どうする・・・

 

「それにしても緊縛趣味があったとは。」

 

『ええ、わりと。

 まあ、これならファミリアもフェザーも出せないでしょう。』

 

 ガチャッ!!

 

 サブロウタの機体の右手にストライクレーザークローが装着される。

 

『これで!!』

 

 勝利を確信したサブロウタのストライクレーザークローが迫る。

 

「甘いな、サブロウタ。」

 

 私に攻撃が当る直前。

 

 ヒュン ヒュン ヒュン!!

 

 ファミリアがサブロウタの背後に迫る。

 

『チッ!!』

 

 バンッ!!ザシュ!!ドゴンッ!!

 

 その全てを撃ち落すが、それにより生じた爆炎と隙を突き、私は九節棍から抜け出す。

 

『いつの間に?』

 

「何の為にフィリアがいると思います?」

 

『なるほど。』

 

「それに、ダメですよ、あんなちょっと目を離しただけで抜け出せるような縛り方では。

 アキトならあの一瞬で綺麗に官能的で且つ抜け出せない縛り方にできます。」

 

 実体験者が言うのだから間違いはない。

 

『そうか、では今度アキトさんには女性の縛り方を伝授してもらう事にしよう。』

 

「ええ、そうしなさい、あんな縛り方では女性を傷つけるだけですよ。」

 

『心得ました。

 でも今は目の前の女性をイかせる事に専念しましょう。』

 

「あら、良い心がけね。」

 

 もう同じ手は食わない。

 それに相手の得物が解ったのだ、勝負はこれからだ。

 

 

 カイトVS優人三羽烏 

 

『源八郎!!右だ!!』

 

『くっ!!この!!』

 

 ガキィィン!!

 

 俺のDFサイズと秋山の持つ戦闘斧とが衝突する。

 

『はぁぁぁぁ!!』

 

 俺の背後から月臣がストライクレーザークローの改良型らしい爪を振りかぶる。

 俺は月臣の機体をDFサイズの柄で突き、

 

『グッ・・・』

 

 その隙に再度ハイパージャマーを使いその場を離れる。

 

『また消えやがった。

 九十九、元一朗!!』

 

『『おう!!』

 

 3人で背を合わせ360度、全方位を警戒する優人三羽烏。

  

 良い連携だと思う、こっちはやりにくい。

 負けはしないが今のところ勝てる糸口が見つからない。

 

『くそっ!!消えるの無くても異常に強いって言うのに。』

 

『全くだ、でもその相手と互角の奴と今サブロウタは互角に戦っているんだよな?』

 

『ああ、実際こうして戦うまで信じられなかったが、

 確かに俺達3人で連携して互角かそれ以下の相手がいるし、

 それと同等の相手がもう一人いるな。』

 

『こっちは実際『見えない』相手、むこう『早くて見えない』相手だ。

 なんでこうナデシコには化け物が多いんだろうな?』

 

『やっぱりあの漆黒の戦神が鍛えてるからだろ。』

 

『それにしてもサブロウタ、本当に強くなりやがったな。』

 

『全く、このままじゃアイツが上官になりかねんな。』

 

『それは阻止したいところだな。』

 

 さて、どうしたものか、会話をしていても隙は無いし。

 まあ当然だが。

 あの3人の連携をどうにかしないと俺では勝ないし。

 やっぱり遠距離から拡散させて各個撃破しかないか。

 でもこの機体の長距離武器はファミリアとフェザーのみか・・・

 

「リリス、ファミリアを。」

 

『了解、射出します。』

 

 カチャ!!ヒュンヒュンヒュン!!

 

 俺の声に従いファミリアが射出される。

 俺のファミリアは遠隔操作の簡易DFSのような物だ。

 4発しかないが威力は高い。

 因みにルリのファミリアはまあファン○ルと同じで数は8。

 

 射出された俺のファミリアはリリスの操作の元3人に向かう。

 

『来たぞ!!』

 

 流石に気付いた3人は散開してファミリアを避ける。

 俺は3人の内最も仲間から離れている月臣の背後に向かい、

 

 シュン!!

 

 真横からDFサイズを振る。

 

『なっ!!』 

 

 ザシュン!!

 

 こちらに気付くの遅れた月臣の機体の左腕を切り落す。

 

 俺は再びハイパージャマ―を発動させようとしたその時

 

 ガシッ!!

 

『取った!!九十九!!源八郎!!』

 

 月臣が片手を失いながらも俺にしがみ付いてくる。

 

『よし、元一朗、離すなよ!!』

 

『貰った!!』

 

 白鳥が剣を、秋山が戦闘斧を振りかぶり突っ込んでくる。

 俺は両腕とも動かせない。

 

「アクティブクローク!!」

 

 バサッ!!

 ガキィィィィィィン!!

 

 俺は咄嗟にアクティブクローク、羽根を展開し、二人の攻撃を受ける。

 そして、羽根で受けている間に月臣を振りほどく。

 

 バサッ!!

 

 そして羽根で二人を押し払い、ハイパージャマ―を展開する。

 

「リリス、被害は?」

 

『ファミリアが一機、アクティブクロークのフェザーが1割です。』

 

 腕1本とどっちが安いか微妙な所だな。

 3人は再度背を合わせ、こちらの出方を待っている。

 

「リリス、もう1度行くぞ。」

 

『了解。』 

 

 

 アヤVS舞歌サイド

 

 ガキィィィィン!!

 

 私のアルテミスの弓と舞歌さんの扇が衝突する。

 

『やるわね、あなた。』

 

「はぁ、はぁ・・・舞歌さんこそ、強いんですね。」

 

 舞歌さんの持つ武器、名前は解らないけど扇は恐らく、アテナの『イージスの盾』を

 流用した物だろう、私のフィールドで生成した矢がことごとく打ち消されてしまった。

 舞歌さんの反応の速さでは遠間では矢で致命打を与えるのは無理だ。

 かと言って、距離も無いのに弓矢を構えたら舞歌さんに切り裂かれて終りだろう。

 だから私はこうしてアルテミスの弓で直接打撃戦に持ち込んでいるのだ。

 だが・・・

 

 ガキィン!!

 

「はっ!!」

 

 私は一旦距離を取る。

 

 ビシ・・・

 

 アルテミスの弓にヒビが・・・

 接近戦ができるようには作られているけど、

 元々接近戦用に作られていないから、このままでは武器破壊される。

 それに私自身接近戦は得意ではないのだ、できる事はできるけど、

 アリサさんやリョ―コさんには及ばない。

 それを短杖術免許皆伝の人と戦闘しているのだ、

 私がどれだけ不利かは・・・

 あれ?

 

「舞歌さん、貴方は確か短杖術免許皆伝の所持者ですよね?」

 

『ええ、よく知ってるわね。』

 

「なのになんで扇を使っているんですか?」

 

『ん〜、なんでだろう?

 なんとなくかな。』

 作者の趣味です。舞歌には扇が似合うと言う独断と偏見。 

 じゃあ、私はなんとなくで持っている武器に苦戦しているんですね・・・

  

 しかも完全に遊ばれてますし・・・

 

『それにしても家の男達は苦戦している様ね〜。』

 

 私は隙を作らない様にカイトさんとルリちゃんの戦闘を見る。

 私には二人とも互角の戦いをしている様に見える。 

 

「流石は木連の三羽烏ですね、あのカイトさんと3人掛かりとはいえ互角とは。」

 

『それにしてもなんでナデシコにはアレほどの使い手がいるのかしら。』

 

「それはアキトさんがいますから。」

 

『・・・それもそうね。

 じゃあ、私ももう少し遊ぶとしましょう。』

 

「お手柔らかにお願いします。」

 

 

 そんな頃メティサイド

 

『よう、ガイ、今日はいつもの隠し武器は使わないのか?』

 

『へっ、隠し武器は隠してあるから意味があるんだよ。』

 

 何処か楽しげに戦闘をするヤマダさんと万葉さん。

 

『流石ですねアリサさん!!』

 

『そっちこそ、ここまでとは思いませんでしたよ!!』

 

 槍と薙刀の激しい戦闘を繰り広げるアリサさんと三姫さん。

 

『やるな!!流石は優華部隊の隊長だけあるぜ!!』

 

『貴方こそ!!』

 

 こちらも激戦のリョ―コさんVS千紗さん。

 

『この手紙をシキ様に渡して貰いたいのですが。』

 

『いいけど、あんな朴念仁の何処が良いんだか・・・

 それより僕と付き合ってみない?』

 

『お断りします。』(キッパリ)

 

 さっきから百華さんもアカツキさんも何をしているんだか・・・

 

 その他の人達もそれぞれ激しい戦闘を繰り広げていると言うのに・・・

 

「ねぇくーちゃん、暇。」

 

『そうですね。』

 

 私はナデシコのブリッジの上に座り戦闘を眺めているだけだった。

 

 激戦の最中、最強の戦艦のブリッジ部分の上に座り、さも暇だと言わんばかりに

 足をぶらすかせている戦女神。

 まあ、なんというかナデシコならでわの壮大な風景だ。

 

 あんまり暇だからファミリアでお手玉したり(無重力だから意味がない)。

 アクティブクロークの毛繕いをしたり(皆無に意味が無い)。

 ファミリアで敵味方全員をロックしてみたり・・・あ、ルリちゃん達が全方位を警戒して

 動きを止めちゃった、戦闘の邪魔だから止めよう。

 

 因みに私のファミリアはルリちゃんとカイトさんのファミリアと同じ物と、

 ブースターの役目と数個を組み合わせて強力な磁場を発生させ敵の動きを止める物、

 更に、これも数個を組み合わせてフィールドを張る物の5種類がある。

 数は最初から出しているそれぞれ10発と予備5発ずつ。

 

「やっぱりひま〜。」

 

 一応見取り稽古は欠かさないけど。

 

『でも相手がいませんから。』

 

 カイトさんが3人も持っていってるからね。

 確かに私がここに居れば不測の事態には対処しやすい。

 けどやっぱり・・・

 

「ひま。」

 

『そうですねぇ。』

 

 

 再びルリVSサブロウタサイド

 

 サブロウタの九節棍を中距離では鞭の様に使い、接近したら分割した棍の一つで、

 間合いを制覇し。

 私は神速1歩手前を使って速度で翻弄してきた。

 お互いの機体は致命打こそ無いものの私のアフロディーテは所々破れ(結構いやらしく)

 サブロウタの機体もかすり傷だらけだ。

 

「そろそろ前座にも飽きましたしたね。」

 

『そうだな、じゃあ本番と行きますか。』

 

 私達は距離を取る、そして、

 

「エリヌース!!フルバー・・・」

『深緑皇!!フルバー・・・」

 

 フルバーストを発動させようとしたその時。

 

『緊急事態!!』

『緊急事態!!』

 

 私達の目の前に緊急事態用のウィンドウが開く。

  

『アキト様がフルバーストモードで天竜爪牙断を撃つつもりの様です!!』

『北斗殿が羅刹招来発動状態で虎王牙突斬を撃つつもりの様だぜ!!』

 

 私にはフィリアが、サブロウタにはブラックジャック(音声のみ)が、

 この場の危険を知らせる。

 

「なんですって!!」

『なんだと!!』

 

『更に言うと現在味方ではイズミさんとヒカルさん、イツキさんが動けない様です。』

『こっちは涼子と零夜と飛里、ついでにお前の女もバーニアがおかしそうだぞ。』

 

「『なにぃぃぃぃぃ!!』」

 

 ズゴォォォォォォォ!!

                     ズゴォォォォォォォ!!

 

 近づいてくる危険な気配。

 

「総員退避!!

 メティ!!ジュンさん!!カズシさん!!」

 

『死にたくない奴は逃げろ!!

 動けない奴は俺が何とかする!!』

 

 皆も危険を察知したのか、慌てて予想激突地点から離れていく。

 メティはファミリアにようるフィールド増幅。

 ジュンさんとカズシさんで動けない人の回収が手早く行われる。

 サブロウタは動けに四人を皆九節棍で縛って引っ張っている。

 

『何が始まるの!?』

 

 引っ張れているメンバーから通信が入る。

 

「神速抜刀術 テンカワ二刀流 奥義之参 天竜爪牙断と。」

 

『汎用型の突刺技 虎王牙突斬の衝突だよ!!』

 

 説明する間も逃げる!!

 出来だけ遠くへ!!

 だが・・・

 

『北斗ぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』

 

『アキトォォォォォォォォ!!』

 

 

 シュ  

 ドォォォォォォォォォォオオンン!!!!

 

「あああ!!間に合わない!!

 エリヌース、フルバースト!!

 フェザー防護展開!!」

 

『深緑皇!!フルバースト!!

 フィールドオーバードライブ!!』

 

 そして、私達は白い光に包まれた。

 

 

その3へ

 

 なかがき

 

ル:またまた途中集計です。

ア:現在は13:9:3です。

ル:因みにこの結果で左右されるのはアキラ達3人の運命だけでは無いそうです。