一方ナデシコ 舞歌視点

 

 さて、お昼も食べたし、仕事も無いこのメティちゃんの身体で何をしようかしら♪

 取り合えずルリちゃんとカイト君の所にでも行ってみましょ〜っと☆

 

 と、言う訳でトレーニングルーム

 

 プシュ!!

 

 私がトレーニングルームの扉を開けた瞬間。

 

 ドゴォォン!!  

     キィン!!

 ガン!!  ドゴッ!!

    ガィィィン!!

 

 ・・・メティちゃんの身体ですら目で追うのがやっと速度の戦闘が繰り広げられているわ。

 いや、もう実況もできない・・・

 

「なるほど、昂気とはこう使うのか!」

 

 アキト君の身体だから、半ば反射で発生する昂気の翼を羽ばたかせ、

 この狭いトレーニングルームを飛び舞うカイト君。

 

「この身体なら久し振りに本気で動けます。

 まったく、速く成長したいものです」

 

 神速の更に上を行ってるんじゃないかって速度(メティちゃんの目でも残像が・・・)

 でカイト君に応戦しているカイト君の体のルリちゃん。

 このメンバー用に常識を7回くらい逸した装甲をしている筈の、

 トレーニングルームの壁や床が凹むはヒビ行くわ・・・

 ・・・危ないから出よ。

 

 プシュ!!

 

 二人に話し掛ける事も無くトレーニングルームを出る。

 ふぅ・・・さて、次ぎは何処に行こうかな?

 

 取り合えずブリッジ

 

(がんばってね〜)

 

 これから死地(大浴場での洗っこ)に向かうアキト君に、

 無責任な声援を送りながらブリッジにやってくる私。

 

 プシュ!!

 

 扉が開き、ブリッジに入った瞬間。

 

 ドガゴン!!

 

 物凄い音がブリッジに響き渡った。

 そして、静まり返るブリッジ。

 その場にいたメンバーの視線の先は・・・

 

「・・・パネルが腐食してたみたいだね。

 ウリバタケ、修理」

 

 自分で叩き潰したコントロールパネルを見ながらそんな事呟いて、

 整備班に連絡をいれるメティちゃん(ラピスちゃんの身体よ)・・・

 完全な無表情で・・・目は・・・言うまでもないわね・・・

 

「ラ、ラピスちゃん?」

 

 ちょっと声が上ずっているアキラちゃん。

 ここも危ないわね、移動しましょう。

 

 私はいまだ沈黙しているブリッジを後にした。

 

 そう言えば、いたのはアキラちゃんと副官、提督の御付の人だけだったわね?

 艦長は何処に行ったのかしら?

 

 大浴場

 

 多数の気配・・・これは侵入しなくっちゃ♪

 

 カポ〜ン☆

 

 などとお約束の反響音が響く中、美女達が、(内面の問題は置いといて)

 それ相応の格好(描写する気は無いのでご想像で)でサウナで円卓を囲んでいる。

(そんなにサウナは広かったか?と言うツッコミは勘弁してください) 

「ただいまより第39回同盟会議を開きます」

 

 進行を務める科学者。

 各自わざわざ用意された防水仕様の議題書を片手に、

 真剣な面持ちで会議に臨んでいる。

 

「今回の議題は、最近感情をはっきりと持つ様になってきたカイト君に関する問題です」

 

 カイト君の名前が出た瞬間、全員に緊張が走る。

 

「彼女の危険性は十分わかっていた事じゃないですか!

 何故今まで放置されていたんですか!?」

 

 ヒステリック気味に立ち上がって叫ぶ三つ編。

 

「だいたい何であの子だけアキトと同室なの〜!!」

 

 と、同じ様に・・・じゃないか、・・・を激しく揺らしながら立ち上がって叫ぶ天真爛漫。

 

「プロスぺクターはほとんど無条件で許可を出してしまっているけど、

 理由は何なのかしら?

 アキト君に限って、あの子の身体を・・・

 特別な関係を持っているとも思えないんだけど。

 もしそうなら、私達がこんなに苦労してないし」

 

 途中言いよどんだが意見を述べる裏方。

 暫しそれについて考えるメンバー。

 

「それについては私が職権を利用して聞き出しておいたわ」

 

 と、思い悩むのを見計らった様に言い出す科学者。

 

「なんだよ、知ってるなら出し惜しみすんなよ」

 

 と、少々興奮気味の赤い獅子。

 

「それがね・・・」

 

 言葉につまる科学者。

 どうも言い難い様だ。

 

「ここではアキトに関する情報は平等に行き渡らなければいけない筈よ?」

 

 科学者の様子を見た金の糸が促す。

 

「そうね・・・

 治療中にね、聞いてみたんだけど、

 『昔の習慣で、見張りも立てずに寝る事はできない』

 だそうよ」

 

 科学者の答えに沈黙する一同。

 そう言えば、そんな言い訳(8割はホント)をしたって言ってたわね。

 

「これを聞いたのはまだ彼の事を凄腕のパイロットだとしか思ってなかった頃だけど・・・

 今なら、意味が・・・それに隠された過去が想像がつくわ。

 いえ、私達では想像もつかないのかもしれないわね・・・」

 

 そう付け加える科学者。

 因みに、二人とも抱き合って寝ているが、

 片方は仮眠で気配、空気の動きでも気がつけるようになっている。

 

「で、でも、ここなら安全な訳だし・・・」

 

 なんとか抵抗を試みる三つ編だが、

 

「・・・前回の北辰の襲撃・・・あれでも安全と言える?」

 

 またもや沈黙する一同。

 そんななか、

 

「・・・あの〜、アキトさんとカイトさんの関係って一体なんなんですか?」

 

 少々申し訳なさそうに尋ねる銀の糸。

 

「そう言えば、恋人って訳じゃ無さそうだし・・・」

 

「西欧基地にいた時のはルリちゃんの指令だったって言ってましたし」

 

 続けるメンテと金の糸。

 

「確かに、微妙よね、あの二人は」

 

 付き合いが少し長いスタートからのナデシコメンバーも疑問符を浮かべている。

 

「それについても一応聞いておいたわよ」

 

 またもやいいタイミングで言い出す科学者。

 皆少々科学者の事を睨んでいる。

 

「まず、アキト君にカイト君をどうおもっているか聞いたほうだけど、

 『娘であり、妹である、大切な家族ですよ』っていってたわ。

 カイト君の方は、『俺が命をかけて守る対象だ』というだけだったわ。

 『恋人?』ってきいたらね、

 『俺とアキトが?俺にはアキトとはまったく釣り合わんさ、

 アキトと釣り合うのはルリとラピスだけだろ。

 俺はルリとラピスとアキトが笑っているのを見られればそれでいい』

 って答えたわよ、彼女。

 そのセリフを聞いたアキト君は怒ってたけどね」

 

 それを聞いて再度考え込む同盟。

 因みに、アキト君が怒っていたのは、カイト君も一緒に幸せにならなきゃいけないからだ。

 

「取り合えず、アキトさんはカイトさんを『娘』と思っていて、

 カイトさんの方もアキトさんを物にしようとは思っていないという訳ですね?」

 

 少し安心した様子の三つ編。

 いや、もう全然遅いんだけどね〜

 

「それでも完全じゃないわね・・・ 

 カイト君がアキト君に本気じゃないなら・・・

 カイト君を別の男につけてしまえば」

 

 裏方の言葉に全員の脳裏に一人の男が浮かび上がる。

 

「ふふふふ・・・恋は成就させないといけませんよね〜」

 

 妖しく笑う天真爛漫。

 

「うんうん、皆で幸せになりませんと〜」

 

 何か策を思いついたと思われる三つ編。

 笑顔が怪し過ぎるわ・・・

 流石にこれは後で知らせておきましょう。

 

「決まりの様ね。

 それでは、今後はその方針で一人、離脱してもらいましょう」

 

 あ、会議が終るわね、私も出ましょう。

 

 私は音を立てずに、気配を殺す事を忘れずにその場から離れる。

 

 ふ〜・・・それにしても楽勝もいたけど・・・流石はナデシコ、粒がそろっているわ・・・

 ま、大きさは気にしないらしいし、大丈夫かとは思うけどね・・・

 はぁ・・・

 

 続いて格納庫

 

 さて、格納庫で敵機視察とでもいきましょうか。

 まあ、全機の詳細データは知ってるんだけどね。

 

 格納庫に入り、忙しそうな整備班を眺めながら敵機を眺める私。

 

 ん〜それにしても、整備班の動きがいいわ〜

 あら?

 

 そんな中、私の目にその場にちょっと不釣合いな光景を目にした。

 

『T−LINKシステム半壊、ジェネレーター全壊、

 相転位エンジン暴走寸前。

 貴方がいなかったら確実に私もマスターも死んでいたわね』

 

 ハデスの修理をしているリリスちゃんとブロス君だ。

 

『俺の存在意義はお前達、ひいてはマスター達の鎧となること。

 それは当然の事だ。

 でも、こっちもお前が最後の判断でバイパスをカットしてくれたから生き残れた』

 

 二人は喋りながらも・・・普通に考えてこの二人が声を出してる意味ってあるのかしら?

 本当に人間っぽく作られてるわよね〜、この子達は。

 っと、ずれたわね、喋りながらも淡々と作業を進めているわ。

 

『それは、私達としても、貴方に死なれては困るから』

 

 死ぬ・・・かこの子達も『死ぬ』のよね。

 

『・・・そうか』 

 

 会話が終り、作業を進める音だけが響く。

 と、そこへ

 

『ひ〜ま〜だ〜よ〜〜』

 

 脱力しきったディアちゃんが出現する。

 

『『なら、手伝え』』

 

 淡々と、振り向きもせずに答える二人。

 

『・・・なんでそんな息ピッタリなの〜』

 

 そんな二人をいやそ〜に見るディアちゃん。

 

『気のせいだ。

 大体お前の方は終ったのか?』

 

 しれっとした感じで言い放つブロス君。

 

『私の方は相手が相手だったし、

 装甲のかすり傷だけで、私の出番はないよ〜』

 

 ひまそ〜にダレて答えるディアちゃん。

 

『その言い方だと、操縦者の技能は関係無いように聞こえるわ』

 

 少々怒っているのか、声が怖いリリスちゃん。

 マスターがマスターだけに感情に乏しいリリスちゃんも、

 流石にマスターの事は別格らしい。

 

『そう言うわけじゃいけど〜、

 でもサブロウタさん程度ならルリお姉ちゃんでもメティお姉ちゃんでも倒せるから』

 

 ちょっと怖かったのか、フォローをいれるディアちゃん。

 

『それはそうだが、『程度』なんて言ったら、今度はサブロウタさんが可愛そうだろう、

 弱いといっても比べる相手が悪いのだから』

 

『そうね、使える人なのだから、そこまで言うと可愛そうだわ』

 

 言われてるわね〜三郎太〜

 それにしても息ピッタリ、この二人。

 

『む〜〜〜なんか二人して私の事虐めてない?』

 

 そんな二人を少し恨みがましい目で見るディアちゃん。

 

『『それは気のせいだ(よ)』』

 

 今度も完全に同時に、しれっと答える二人。

 

『う〜〜ブロスとリリスが虐める〜〜』

 

 それを聞いて、半泣きで何処かに走っていくディアちゃん。

 そして、ディアちゃんが見えなくなると、

 

『結局何しに来たんだ?あいつ?』

 

『さぁ?』

 

 手を緩めていた(完全に止めていたわけじゃない)作業に全力を注ぐ二人。

 

 ん〜AI達も複雑ね〜

 そんな事を考えながら、さらに奥に進んで行く。

 流石に、カタパルト付近になると誰もいないし、何もないので、

 戻ろうか、と思った時だった。

 こんな、端で何かの気配を感じた。

 

「・・・誰かいるのかしら?」

  

 私は用心の為、気配を消して慎重に近づいて行く。

 物陰から覗いて見ると、そこには・・・

 

「よし、時間通りに脱出成功だ〜」

 

 ん〜っと誰だろう?アレ?搭乗者名簿にも載ってない少年が・・・

 

「あれ?おっかしいな〜。

 ウリバタケさんはまだか・・・」

 

 きょろきょろと誰かを探している少年H。

 

「流石に忙しかったかな〜・・・あれ?」

 

 と、そこで、少年Hは、手紙付きで置いてある置物に気付く。

 それは、今の私くらいの高さ、横幅で、白い布が被せてある。

 

「なんだろう?

 何々・・・

 『俺は忙しくていけないが、ついに完成したから楽しめ。

 追伸:壊すなよ』って、もしかしてアレか!?」

 

 少年Hは手紙を読み終えると、期待に満ちた目で布を取り払う。

 

 パサ!

 

「おおおお!!」

 

 ・・・呆れて声が出ないわ。

 出てきたのはアキラちゃんの等身大人形。

 

「流石はウリバタケさんだ!

 ではさっそく。

 アキラ〜好きだ〜〜!!」

 

 バッ!!

 

 などと叫びながら、一瞬で・・・この身体でも見きれなかった・・・

 パンツだけ・・トランクスならともかくブリーフ・・・になり・・・(人それをルパンダイブと言う)

 アキラちゃん等身大人形に飛び込む様に飛びかかる少年H。

 

 その頃、ブリッジ

 

 ゾクリ!!

 

「な、なに・・・この悪寒は?!」

 

 とてつもない悪寒を感じるアキラ。

 と、そこへ、

 

(ってな事になってるんだけど〜)

 

 すぐ横にすわるメティに舞歌からの連絡が入る。

 

(解ったわ、じゃあ少し操らせてね)

 

 などと言いながら、パネルからパットを取り出すメティ。

 

(え?)

 

 戻りまして

 

 突然、メティちゃんから貰った指輪が反応し、

 身体が勝手に動いていく。

 

「え?え?」

 

 流石に驚いてパニくる私。

 それとは完全に独立して動く私の身体。

 

(ABC 同時押しで 『神気発象(しんきはっしょう)』っと)

 

 勝手に昂気を纏っていく身体。

 勿論、精度も出力もアキト君と比べたら低いが、確かに見える程度には発現する。

 

(そして、 ↓→←A 『黒鍵連弾』だよ〜)

 

 転送した黒鍵を十数本、一気に少年Hに向かって投げつける。

 

 ドス! ドス! ドス! ドス!

 

「ぐみょ」

 

 少年Hはアキラちゃん等身大人形に抱きつく直前で、

 黒鍵の直撃にあい、後ろに吹き飛ぶ。

 

(←←←R1 『神速』っと)

 

 メティちゃんの楽しげな声と共に、私の身体(メティちゃんのだけど)は、

 勝手に神速に入り、少年Hの飛んでいく方に先回りする。

 

「ちょっと〜なんなの〜これ〜〜」

 

(チャネリング・コンボコマンドミックスって言うんだよ〜

 ↓↑L1 『昇斬破』で上げてっと♪)

 

 ザシュ!!

 

「ぐべちょ」

 

 飛んでくる少年Hを上方へ斬り上げる私の身体。

 

(↑↑↑R2 『神速ジャンプ』で先回り〜♪)

  

 言葉通り神速でのジャンプで、切り上げた少年Hを通り越して、

 天井近くまで飛ぶ私の身体。

 

(止めは →↑←↓AB 『ファイナル・チェリオ』!!)

 

 巨大な剣の様な物を呼び出し、昂気を纏わせて、

 (と言ってもメティちゃんでは精度が低い為ほとんど覆うだけ)

 少年Hに投げつける。

 

「ファイナル・チェリオ!!」(口も勝手に動く〜)

 

 ズドォォォォォォンンン!!

 

「もげちょらうべほぉあら」

 

 それの直撃を受ける少年H。

 流石に死んだでしょう・・・・

 

 シュタ!

 

「あなたは生きていてはいけなのよ」 

 

 着地し、などときめ台詞まで言ってくれる私の身体。

 

(ふ〜、少しは発散できたわ。

 これで、冷静に監視できるよ〜)

 

 で、これはどうするの?<もう何でもいい

 

 目の前の惨劇と、あとアキラちゃん等身大人形をさす私。

 因みに身体の自由はまだ戻っていない。

 

(ああ、それはね)

 

 ピッ!!

 

 私の身体で通信ウィンドウを開くメティちゃん。

 

「イネスさん、実験動物が逃げ出してますよ」

 

 などとのたまう。

 

『ごめんね、会議の間に逃げ出したみたいだわ、すぐに捕獲しにいくから』

 

 素でそんな返事が返って来る。

 なんか、もう流石はナデシコって感じだわ・・・  

 

(後は人形だけど・・・アキラちゃんが知ったら自殺しかねないから、

 なるべく秘密裏に確実に消したいんだけど・・・)

 

 あ、それなら・・・

 

(それなら私に任せてくれない?)

 

 ちょっといい事を考え付いた私は、そうメティちゃんに提案する。

 

(いいけど、アキラちゃんに知られないようにしてくださいね)

 

 少し考えて答えるメティちゃん。

 ふふふ・・・これで・・・

 

 

 処置後、廊下

 

 思わぬ収穫もあり、鼻歌まじりで廊下を歩く私。

 

「あ、でもさっきので少し汗かいちゃったな〜」

 

 少々ベトベトする、まあ気にしなければ気にならない程度だけど。

 でも、まあ時間はあるし、お風呂にでも入ろうかな、

 と、そんな事を考えていたその時。

 前方にカイト君を見つける。

 

「お兄ちゃん、もう鍛練は終り?」

 

 終ったばかりなのであろう、汗びっしょりだ。

 

「ああ、これから戻るところだよ」

 

 と、そこで、私はルリちゃんがいないことに気付く。

 

「カイトさんは?」

 

 気になったので聞いてみる。

 

「まだ少し動きたいそうだ」

 

 と言う事はまだトレーニングルームか・・・

 ん?と言う事は・・・

 

「じゃあ、俺は部屋に戻ってシャワーを浴びるから」

 

 そう言って立ち去ろうとしたカイト君に、私は

 

「ねえ、私も一緒に入っていい?」

 

 と、聞いてみた。

 

「ん?構わんが」

 

 悩む事無く、疑問に思うことも無く答えるカイト君。

 

 と、言う訳でアキト&カイト部屋のシャワールーム

 

 ・・・・・・・・・・・・・・

 

「どうした?」

 

 シャワールームに入ってずっと黙っている私を怪訝そうに見るカイト君。

 え?何で黙ってるかって?

 そりゃあ、声も出なくなるわよ・・・

 ・・・ルリちゃん達の記憶を見たりして知ってたけど・・・

 目の前で見るとやっぱり・・・

 何が?なんて乙女の口から言わせないでよね。

 

「・・・ねえ、これでも今は小さい方なのよね?」

 

 ちょっと頭が混乱しているのか、かなりとんでも無いことを聞く私。

 

「ん?ああ、これか?

 そうだな、その時なら、これよりもう一回りくらいでかくなる感じだな」

 

 ちょっと思い出しながら答えるカイト君。

 

 これより一回り・・・

 

「ああ、そうだったな。

 言っておくが、初めは死ぬほど痛いぞ」

 

 流石にそこに視線を集中しているから、何を考えているか解ったのか、

 そんな事を言い出すカイト君。

 

「そ、それは貴方達がまだ成長の足りていない身体だったからじゃないの?」

 

 拙い、声が震えてる。

 おちついて私!

 

「エリナも最中に気を失ったぞ。

 俺の場合、初めては・・・アキトが正気でない時だったからな、死にかけた。

 ルリ曰く、初めてでも、アキトの技能の前で、すぐに良くなるらしいがな」

 

 流石に少し顔を赤らめて答えるカイト君(でもアキト君の身体だけどね)。

 

「ねえ」

 

 怖いけど・・・

 

「なんだ?」

 

ここまで来て何もせずに帰る訳にはいかないわ。

 

「・・・その・・・触ってもいい?」

 

 私の問いにカイト君は少し考えて、

 

「アキトの大事な物だ、傷付けるなよ」   

 

 と、答えた。

 

 

 数十分後

 

 あの後ちゃんとシャワーを浴びて、カイト君は厨房に向かったので、

 私は次ぎの行き先を考える。

 

「ん〜それにしてもまだ口の中が変な味がするわね〜」

 

 まあ、メティちゃんは知ってる味だし、いっか〜

 

 などと考えながら廊下を歩くのだった。

 

 

 

 なかがき

 

ナレーター:ええ、まず更新が遅れたことお詫びいたします。夏風邪で死んでました。

 

舞:あら?なんでカメラが私に向いてるのかしら?

  え?他の子達がいそがしいから何かしゃべれって?

  しょうがないわねぇ。

  と言っても喋る事っていっても・・・

  あ、そうだ、私の秘蔵のテープなんて物があるんだけど、

  欲しい人がいたら メールで直接作者まで言ってね。

  一応お子様おことわりなので、18歳以上で、自己責任が持てて、

  最低限の礼儀のある人にしかあげられないけど。

  後、かなり趣味で凝り固まってるから注意よ〜  

  まあ、いままでメールをいただいた人なら問題無いと思うわ。

  ついでに欲しければ今回の裏も同封するそうよ。

  じゃあ、またね〜

 

 

 

メ:あ〜〜〜!!!そのテープは!

カ:ちょっと待て!!

ル:あ!ちょっとなんてことしてるんですか!!